黄蓮谷左俣 アイスクライミング

【甲斐駒ケ岳 黄蓮谷】17.12.9(山形)
【2017年12月9日~10日】
【メンバー】内田、山形、他二名

年末に予定している山行のトレーニングで長時間行動の練習をすべくクラシックアイスルートの黄蓮谷の左俣に行ってきました。
年末は17時間行動が予定されており、体力向上が不可欠です。
本番と同じメンバー4名で道の駅はくしゅうで金晩に集合して土日の一泊二日で行ってきました。

初日は黒戸尾根5合目小屋跡地での幕営でした。
山形は悪名高き黒戸尾根が初めてでしたが確かに下山時は単調で辛かったです。

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5合目の積雪は10 cm程度だったかと思います。この週末は数多くのパーティーが入山していました。
我々含めて左俣が3パーティ、右俣も同じく3パーティいたかと思います。
日があたると暖かい場所です。
早々に宴会とする。色んな話で盛り上がりましたが翌日は早いので19時には就寝しました。

翌日曜日は2:30に起床し、4時に出発しました。
トレースがあったもののヘッドランプでの下降はなかなか怖いです。
最初の坊主の滝で結氷状態が分かると言われていますが今回、まあまあの結氷だったのではないでしょうか。

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高巻く必要はなく、フリーソロで越えます。
難しくはないですが長いのでふくらはぎに結構きました。
なおかつヘッドランプでの遡行なので緊張します。一部で氷の中に流水が見えましたが上部は全体的にしっかり凍っていました。

今回、大滝以外は全てフリーソロで登りました。
坊主の滝を越えるとすぐに二俣になります。今回は左俣に行きますがいつか右俣にも行ってみたい!
評価は右俣の方が高いようですが上部がラッセルの為、左俣以上に時間を要するとの事です。

続いてはチムニー滝です。
ここもフリーで各々好きなルートを選んで登ります。
沢登と同じくアイスクライミングも自由度が高く色々なラインを選べるのが醍醐味の一つかと思います。
この時点で6:30でそろそろ夜明けを迎えます。

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明るくなってからもグイグイと高度を上げます。
坊主の滝以降は全ての滝で結氷バッチリで快適なアイスクライミングとなりました。
積雪は12月にしては多いかと思いますが滝が埋まるほどではありませんでした。

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核心の大滝には7:30頃に到着しました。
時間が無ければ高巻くことも考えたが我々のパーティはあまり休憩を取らず終始行動を続け、先行を確保、渋滞もありませんでしたので忠実に大滝を登りました。
2名ずつに分かれ、山形・内田ペアは山形が1ピッチ目リード、内田君が2ピッチ目を担当しました。
ラインを選べばそこまで難しくはなく快適に楽しめました!
いつもながらリードの緊張感が非日常感満載でドキドキします。
スクリューをしっかり腰の位置で安定して決めれたのは良かったですが刺してみると氷がスカスカの部分があって何回も刺し直しがあったりと一発で決めれなかったのは反省点です。
これだけの作業で無駄時間が増え、焦りが出てしまいますし氷の見極めがもっと上手くならないといけないなと感じました。
60 mロープだと1ピッチ目ロープいっぱいで落ち口まで抜けることができ灌木が確保点として使用できます。

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2ピッチ終えたところでロープはお役御免、最後の滝も右岸側から傾斜の緩いところをフリーソロで登って終了です。

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稜線に抜けるまでは雪が詰まっており結構なラッセルとなる。
自分達がトップだったので先行のトレースも期待できず…。
交代でラッセルとし、12時に黒戸尾根に抜けることが出来た。
暗い谷から一気に太陽を浴びポカポカ陽気です。
最高の天気で皆で握手を交わし遡行終了!

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予想以上に早く抜けることができ自分としては憧れの黄蓮谷を遡行出来て大満足です。
14:00に5合目幕営地に戻り、17:00に下山することができ、行動時間は13時間であった。
本番想定の17時間には及ばなかったが下山含めるとそれなりに体をいじめる事が出来たので良かったと思います。

自分がリーダーだったら黄蓮谷を一泊二日で遡行する計画を立てなかったと思う。
実際に山行を迎える前はビバーク、あるいは深夜の下山等を覚悟していて本当に一泊二日で抜けれるのだろうかと不安いっぱいでした。
結果大成功で今回は経験豊富なメンバー達に引っ張られる形だったが積極的に挑戦、実践してみるものだなと勉強になりました。

この記事を書いた人

こいつノリで生きてるだろと思われがちな関西人ですが山に対しては真剣です。厳しいルートを登った後に絶景を見ながらテント泊にて赤ワインを嗜む、そんな登山が大好きです。

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