夏合宿剣後発隊隊3日目

 後発隊3日目、15日の剣尾根上部とR4の記録を載せます。
メンバー【白井、網野】 三の窓/4:50~R4登攀開始/6:30~終了/11:40~池ノ谷の頭/15:00~三の窓/16:00~真砂沢/19:00
 3日目に三の窓からR4へアタックかけました。3時に起床、ツエルト泊だったので満点の星の下、外で朝食を食べる。三の窓は僕ら二人だけの貸切でした。
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ようやく明るくなってきた池ノ谷 5時前にやっと明るくなってきたので、不必要なものをデポして池ノ谷を降りて行く。雲が上がってきてどんよりとガスがかかった谷を降る。雪渓はなくなっていてガレ場を慎重に降る。しばらく行くと下の方に雪渓がみえてくる。アイゼンを置いてきてしまったので取りに行こうか迷ったが、このガレ場をまた登り返すのが億劫だったので「なんとかなるさ~」と持ち前の楽観主義でそのまま降る。左から剣尾根のドームが、右には小窓尾根の側壁がせまりとても威圧感がる。これからの登攀を思うと否応にも緊張してくる。R4取り付きも雪渓になっていてバックスッテプっで慎重に雪渓をくだり取り付きにたどり着く。
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ドーム下より雪渓があらわれる
 十数年前の5月にアイスルートとしてR4を登っている。今回したから見上げるR4の上部が嫌に傾斜がきつく見え「あんなに傾斜があったかな~?」と心配になってくる。事前に無雪期のR4の記録を探したがネット検索では見つからず、白山書房の「日本の岩場」のルート図だけが頼りである。5月にここを登っていらい「きっと無雪期も面白いクライミングができそうだなぁ」と思っていましたが、こんな面倒なルートを一緒に登ってくれそうな変人さんは周りにいなく、年月だけが過ぎて行きました。が、しかし今年になって我会に待望の変人網野君が入会してくれて、この珍しいルートにも興味を起こすと言う変人ぶりでこうやって登る機会を得ることができました。
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上部にチムニーが見える
 取り付きは5月の頃よりも7~8mほど下がっている感じだ。「日本の岩場」の記述の取り付き点はシュルンドがあって取り付けない。身支度をして「冒険だな(^▽^;)」とつぶやき白井リードで登りだす。
 1P目 25m Ⅲ級 白井
草付まじりを右上バンド目指し直上する。途中の残置ハーケン有。「日本の岩場」の1P目の途中に合流。そこでロープの流れが悪くなりそうだったのでピッチを切る。
 2P目 30m Ⅲ級 網野
右上バンドを右上。後半残置が多数出てくる。右上後ルンゼを数mあがり終了。
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2P目の右上バンド
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2P目の終点で
 3P目 50m Ⅳ級 白井
スラブとフェイスを左上。凹角5mを登る。記述では「凹角を人工」とあるが全然フリーで登れる。傾斜が落ちたルンゼをロープいっぱいまで伸ばす。記述の2P~4P目をここで一気に登ってしまった感じだ。どうもこの部分の記述が間違っているみたいで実際と合わない。
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3P目をファローする網野
 4P目 40m Ⅳ級 網野
8mほど上がると被った壁にぶつかる。そこからチムニー沿いに右上。右のフェイスが使えるのでほとんどチムニー内部に入ることはなく登れる。傾斜が一度落ちるのでそこで終了。
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4P目 
 5P目 35m Ⅴ級 白井  
記述の「チョックストーンのあるチムニー」でバカデカイ岩が挟まっている。核心はそれを越えた後のチムニーであるが、右のフェイスを使いながら行けばさほど心配することもない。これまたチムニーを越えると傾斜が落ちてルンゼ状となる。適当なところでピッチを切る。
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5P目 チョックストーンが手前左
 6P目 50m Ⅲ級 網野
ルンゼやフェイスを適当に登る。ここで一度網野がルンゼを離れ右の稜へでてピッチを切る。核心を抜けほっとして自然と陽の当たっている方へ行ってしまったようだ。
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 7P目 40m Ⅱ~Ⅲ級 白井
稜からルンゼへ戻る。ブッシュでビレイ。
  
 そのあとはⅡ級ほどのルンゼを150mほどつめると、傾斜がきつくなる。最後は左側の壁が被ってくるので右側草付フェイスとなる。
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 8P目 40m Ⅳ級 網野
もろいフェイスを登り、左よりに草付を登る。ハイマツ帯となるのでそこで切る。
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最後の登攀
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このハイマツを漕いで終わり 実質登攀はここまでで、20mほどハイマツを漕ぐと主稜へ出る。(^ー^)お疲れ様でしたぁ~♪
 主稜へ出て大休止。時間を見ると11時40分。5時間ほどの登攀なので記述どうりだ。ここまで天気が良かったがここから少しガスが出てきて、これから登る剣尾根の上部がガスで見え隠れする。
 休憩後ドームを越えて最後は懸垂してコルBへ降りる。(12時半ごろ?)
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ドーム頂上より剣尾根上部を望む
 そこから先はロープ無でも登れなくは無いが部分部分ロープを出しながら行く。記述はⅡ~Ⅲ級となっているのでクライミングシューズからトレッキングシューズに変えていた。途中夕立がありカッパを着る。来年のGWにできたら剣尾根を登れたいいなと思っているのでいろいろ確認しながら登る。
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剣尾根の頭手前で
 15時に長次郎の頭に到着して一安心。ほんとにホッとする。がしかし、今日中に真砂沢までいかないと食料が無いのでひとまず荷物をデポしてある三の窓へ向かう。
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剣尾根の頭で私
 16時に三の窓着。テントが3張ほどはってある。あとは三の窓雪渓を安全に降るだけだ。雪渓を降ると谷が狭まった部分で雪渓が細くなり渡れなくなっていたので、ロープをだし右岸側を懸垂して雪渓に戻る。懸垂点に残置あり。一時間半ほどで雪渓が終わる。あとは剣沢を真砂沢ロッジまで縦走路を登るのみだ。途中暗くなってきたのと、雷が鳴りだしたので急ぐ。19時にやっとテン場に到着。もう真っ暗だ。
 そのご少し雨が降ったがすぐ止んでしまった。あとは河合さんが残していったラーメンをビールで乾杯しながら食べた。ほんとうに美味しかったです。お腹がへったので予定どうりの私が持ってきたちらし寿司も作って食べました。おなかパンパンになって21時がも片づけもそこそこに寝ました。

おまけの動画
 
 ほんと今回久々に大満足のクライミングでした。登る前はR4の記録がないのでドキドキでしたが、このドキドキ感がたまりませんね。こんな冒険的なクライミンがまたできたらいいなぁ~と思います。一緒に登ってくれた網野君ありがとう。

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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