大川入山歩荷トレーニング

青空のもと、大川入山で歩荷トレーニングしてきました。
参加者:浅田さん、白井さん、荒木さん、網野
 9時半ごろ登山口発、12時半頃頂上、30分ほど休憩してカップ麺を食べ、15時半すぎに登山口着。トータル6時間ほどの歩荷でした。
 大川入山、頂上からの眺め最高でした。南ア、八ヶ岳、中央ア、乗鞍、御嶽と見えました。
しかし、正直言いますと、歩いている間は、荷物が重くて、頭の中は「あ~」とか「う~」とかの唸り声オンリー、視界には地面オンリーで、あんまり記憶がありません(笑)。
なので、その言い訳に、僕が日頃思っているトレーニングに対する考え方を書いて、お茶を濁そうかと思います。興味のない方は飛ばして、浅田さん撮影の写真をご覧ください。
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山頂からの南アルプス
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山頂からの中央アルプス
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恵那山
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山頂
 本番と練習の区別が明確な場合はもとより、区別が曖昧な場合であっても、「より強く」「より上手く」「より早く」「より高く」「より正確に」「より美しく」…、といった向上心がある限り、トレーニング又は練習をすることになります。というか、せずにはいられなくなります。これはスポーツに限らず、音楽にせよ、勉強にせよ、いろんな分野に当てはまることかと思います。
 練習・トレーニングは2種類に分けることができます。全体的な練習と部分的な練習です。例えば野球を例に取れば、練習試合や紅白戦は全体的な練習ですし、野手のノック、打者の素振りやフリーバッティング、投手の投げ込みは部分的な練習です。音楽でも、通しで一曲弾くのであれば全体的な練習、苦手なパートや重要な数小節を抜粋して弾けば部分的な練習でしょう。勉強でも、模擬試験や過去問を解くのは全体的な練習、苦手分野の問題を集中的に解くのは部分練習でしょう。
 ところで、登山においては、本番と全体的な練習との区別が非常に曖昧です。冬山の偵察山行が本番さながらになってしまったり、マルチピッチの練習のつもりが、気づいてみたら本気になって登っていたり、なんてことはよくあることです。しかし、だからと言って、登山における練習というのが無意味になるわけではありません。むしろ、登山のトレーニングは部分的なものが中心的になるわけです。
 では、部分的な練習とは、一般的に言えば、どう表現できるでしょうか。一言でいえば、ある特定の部分のみを抽出して(それ以外の要素は無視して)、その部分に本番では想定されないほどまでに負荷をかける、ということです。それも自主的に。負荷のかけ方は、回数を増やすか、単位当たりの負荷を増やすかのいずれかになります。いずれにせよ、本番で想定されないような負荷をかけます。も~、Mの世界ですね。
 野球のノックを例に取れば、50本や100本ノックなんてものがあります(回数増)。一試合で一人の野手に飛んでくるボールの回数なんてたかが知れています。10回も飛んできたら多いと言えるでしょう。しかし、ノックでは何十本とやるわけです。また、試合なら「ピッチャー前のぼてぼてゴロ」みたいな打球をノックでは三塁手に取らせて、その直後にサードベース後方に小フライを打ってそれを三塁手に追わせたりして、前後左右に振って鍛えるわけです(単位当たりの負荷増)。いずれも試合ではあり得ませんが、トレーニングの名のもとに行われます。しかも心の片隅で喜びつつ。
 野球のバッターであれば、一回の試合でせいぜい20回くらいしかスイングしないかもしれません。しかし素振りで何百回と振るわけです(回数増)。また、本番では使わないような重たいバットで素振りしたりするわけです(単位当たりの負荷増)。いずれも試合ではありえませんが、トレーニングの名のもとに行われます。マメが破れると勲章とか思いながら。
 登山の部分練習はいろいろありますね。アイゼン着けての岩登り、ロープワーク…。歩荷も部分練習に入ると思います。登山のいろいろな要素の中から、気象や地形の判断、岩登りやラッセルなどなどの要素を捨ててしまって、重荷を背負って歩く、というパートのみを抜き出してその部分を集中的に鍛えるからです。従って、上の野球の例からもわかるとおり、歩荷が部分練習であるからには、本番では想定されないような重荷を背負うことに意味があるわけです。(本番で想定される以上の時間歩き続けるというのも理屈上考えられますが、練習時間に限りがあるので、なかなか実行が難しいです。)
 では、どれくらいの負荷をかけるべきか。答え方はいろいろあるかと思います。本番から逆算するのも結構ですし、その時点での限界まで負荷をかけるのもいいかと思います。歩荷であれば、僕の場合は本番20kgくらいかな、と思ったら、歩荷トレは30kg位にしたいところです(学生の時は40kgないと歩荷とは言わん!、なんて言っていました。若かったな~。)。いずれにせよ、本人が納得するまで負荷をかければいいと僕は思っています。トレーニングは自主的にやるものですから。
 ということで、本日の歩荷、よい歩荷になりました。

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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