中央アルプスの静かなルートへ

【中央アルプス:木曽駒ヶ岳、宝剣岳、三ノ沢岳】2017.8.26(上田)
【年月日】2017年8月26日~27日
【メンバー】 上田歳彦 他4名

学生時代の友人による夏山合宿も第8回を迎え、今回中央アルプスの静かなコースを歩くことにした。

宝剣岳頂上にて

三ノ沢岳直下から木曽駒、宝剣の稜線

三ノ沢岳をバックに極楽平への登り返し

今回、新潟、千葉、東京、名古屋・豊川から現地の菅の台バスセンター駐車場に前日23時頃までに集まった。

8月26日(土)
前日テントで一杯やって24時半には就寝。夜中から小雨が降り5時には目が覚めたが、今日の行程は千畳敷から浄土乗越、濃ヶ池から木曽駒ヶ岳の4~5時間周回のんびりコースと決める。山上では雷の恐れがあるとのことで、ロープウェーとバスが朝一の便は見合わせとのこと。7時過ぎには雨もほぼ上がり運転を開始したため、8時前のバスに乗車できた。
バスに乗ると再び雨となったが千畳敷に着くと止んでガスだけとなり、先ずは浄土乗越をめざす。高山植物もまだ咲き残っていた。

宝剣はガスに隠れていたが乗越では姿を現してくれた。

宿泊する宝剣山荘に不要な荷物を置いて、池巡りに出かける。しばらく下ると駒飼ノ池だが、ほとんど水量は無い。

少し下りトラバースをしていくと濃ヶ池で、浅そうではあるがカール地形の中に水をたたえていた。

丁度、宝剣のピークや和合山、伊那前岳も池に映って静かに楽しむ事ができた。

将棋頭山から木曽駒への稜線八合目に上がり、縦走路から木曽駒ヶ岳(2956m)に向かう。

木曽駒(右)への最後の登り

かつてクラブのメンバーで登った正沢川細尾沢が右側に広がっており懐かしい。

木曽駒は千畳敷から登ってくる人たちで賑わっている。頂上小屋のテント場もカラフルで大変賑やかである。 中岳の東の肩に沢から動力で揚水して、小屋に引いているとのこと。

木曽駒から南に延びる稜線と三ノ沢岳(右)

中岳頂上経由で宝剣山荘に入り、ビールで乾杯。懐かしい話、近況などを心ゆくまで語り合った。夕焼けも素晴らしかった。

夕焼けの天狗岩

夕飯もおいしく、寝る場所も1人布団1枚でゆったり休むことができた。
夜中起きたら少し雲があったが星がきれいだった。

8月27日(日)
5時からの朝食に合わせ3時半には点灯され、準備。ご来光は和合山に隠れ、雲もあるが、4時半頃からは色づいてきた。

朝食後、朝5時半に宝剣に向け出発。

私とW君以外は持参したヘルメットをかぶり、バランスを崩しても転落しないよう鎖やアングル、岩のホールドを使った三点支持を呼びかけながら慎重に登る。 20分程で宝剣岳(2931m)の狭い頂上で集合写真。清々しい朝の空気の中、メンバーの顔も輝く。

続々と登ってくるので休憩もほどほどに三ノ沢岳分岐に向け、やや長い下り。

浮き石は少なく不安定な場所では鎖とアングルががっちりついているので、難しくは無いが、声をかけながら慎重に下る。分岐に6:50着。

分岐に不要の荷物をデポして往復4時間最低鞍部まで250m程のアップダウンの三ノ沢岳(2847m)往復に出発(7:00)。独立した立派なピークでなかなか格好がいい。右には宝剣~木曽駒に囲まれた急峻な滑川本谷、左側は西千畳敷とも呼ばれるゆるやかなカールと、対照的な谷が広がり美しい。

木曽駒、宝剣方面を振り返る

最低鞍部から一段急な尾根を上がると頂上に続く広い斜面で、大きなケルンもあり登頂への気分を盛り上げてくれる。

9時に頂上に着くと、木曽駒から空木岳、南駒ヶ岳の稜線はもとより、南アルプス3000mの全てのピーク、富士山、北アルプス、乗鞍、御岳、恵那山と、移動性高気圧で乾いた空気が入ったこともあって昨日よりもくっきりと見える。

三ノ沢岳直下から木曽駒、宝剣。ゆったりとした斜面と急峻な宝剣西面の対象が美しい。

展望を楽しむと復路のアップダウン、最後の登り返しで10:50に三ノ沢岳分岐に到着。

極楽平から千畳敷に下るとロープウェー待ちが出始めていたので早速並んで、順調にしらび平、菅の台バスセンターに戻ることができた。
近郊のこぶしの湯(割引あり)でお風呂と食事を取り、来年また元気で再会することを誓って2時過ぎに解散した。

今年は来れなかったHさんやD君、みなさん また来年会いましょう!

 

この記事を書いた人

愛知県山岳連盟 豊川山岳会事務局
山岳上級指導員 気象予報士
NPO法人 ウェザーフロンティア東海会員

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