白馬3号尾根・大雪渓滑降

★山行名 【白馬3号尾根・大雪渓滑降】
★年月日 【2001年4月21~22日】
★メンバー【宮尾・上田・河合・田中・小野・石原(渓稜会)】

4/21 晴れ
昨夜は、二股着が2時半、例によって晴ちゃん特製のおかずで酒宴。寝たのは3時半だが、
ダムの変な放送で7時に起こされてしまった。朝がつらい。しかも、今回はゲレンデ用の
スキーブーツと板が追加でなかなか重い。
猿倉山荘から白馬尻のテントサイトまで30~40分ぐらいの記憶が間違っていて1時間
半もかかり結構疲れた。テントを設営し、13時頃3号尾根の取り付きを全員で見に出か
ける。大雪渓の折れ曲がり付近の黒々とした三角形の岩壁が3号尾根左稜の取り付きとわ
かるがなかなかたどり着けない。15時半、尾根の末端の状態を確認し、みんなは降りて
いくが、私と小野さんだけは帰りにスキーで降りる。ただ、標高がまだまだなので、私の
み2100mまでさらに高度を上げる。16時10分滑降開始。かなり圧雪されたうえに
うっすらと雪がついた状態でコンディションはいい。ゆるい斜面なので中回りで気持ちよ
くターンでき、あっという間に200m下ってしまった。3号尾根の取り付きから下は少
し傾斜があり時々足がとられそうになる。小野さんは、いきなり難しい斜面からスタート
したので気の毒だなーと思いつつ、こけんようにターンを切って行く。テントサイトまで
15分。ゆるい斜面でも時々足がとられるのでプルーク(ハの字)に切り替えたりして感
覚をつかむがなかなか難しいと感じた。到着すると、もう酒宴が始まっていた。石原君と
は初めての山行だったがメールでの印象とは違って、地味な雰囲気だった。三好君となん
か似てるなー。
と思っていると、三好君が真田さんという女性(千種アルパイン)と主稜を一日でやって
降りてきた。なかなか明るい感じで話がしやすい。鷲見さんとアンナプルナ遠征で一緒だ
ったらしく、うちのクラブのことも少しは知っていたみたいだ。
夜は、いつものように小野さんのにぎやかな雰囲気でトン汁を囲んで楽しい食事だった。
当初は、3号尾根だけの予定だったが、小野さんが喜んでくれる顔を見ると誘ってみてよ
かった。小野さんとはこれからも、スキーあるいは沢&宴会というパターンが定着しそう
だ。

4/22 晴れのち暴風雪
2時半起き、4時20分発。
1時間で取り付きへ到着。3号雪渓側の斜面から尾根に上がり雪稜をがんがん上がっていく。
所々、傾斜のきついピークがあり巻くように雪壁をあがる。スタートは左稜だったが、
3号雪渓側を巻くうちに、中央稜に入ってしまった。ボロ岩と草付きそしてブッシュのやば
そうなところに突入するが石原君先頭でザイルを出していない。みんなはガンガン、私は
ビクビク登る。1ピッチはなかなか悪く、ザイルを出したいところだ。先日八方のスキー
場から3号尾根は傾斜が強そうに見えたがやはり部分的には尾根上をずっと進めなかった。
やがて、右稜と合流し第2岩峰の手前のピークがそびえていたが、これも巻き第2岩峰を越
えるとすぐ左稜とのジャンクション。この辺でやっとすっきりした雪稜が連続するように
なった。空を見ると雲が激しく流れており稜線は風が強いことを予想させる。14時、トップ
で稜線に抜けた。やはり風が強い。全員頂上に向かい、下山し始める頃から急にガスが濃く
なり大雪渓を下るときには猛吹雪になった。吹き降ろす強風でかき氷のような硬い雪が顔を
打ち付ける。2100m付近までは風でバランスを崩しそうになるので、クライムダウンを
続ける。田中君は、こういう状況に慣れていないせいか下降に手間取っているが、河合君が
引っ付いてフォローしていた。
テントまで戻っても、小雪がちらついている。小野さんと電話連絡が取れるが駐車場でも雪
らしい。もう16時20分なのですぐ撤収し猿倉山荘へ向かう。私のみスキーで帰るつもりで
支度したが、荷物が重く出始めにいきなり2回もひっくり返った。あきらめて歩行となる。
猿倉から30分ほど歩いたところへ、小野さんがゲートをあけて車で迎えに来てくれた。
荷物が堪えていたのでスッゴク嬉しい。
19時、薄暗くなった二股に帰りついた。久々の実質12時間の山行に満足し、車では昏々と眠る。

皆それぞれに感動があったようでコメントを残してくれた。
河合君:冬山より冬山らしい!!
上田さん:大雪渓は何回か下っとるけど、あんなとこでクライムダウンしたのは初めてやなぁ。
石原君:今までの山行でベスト5に入る!!
合宿のトレーニング山行のつもりだったが、なかなか変化に富んだ印象に残る登山だった。
―記:宮尾―

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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