豊川山岳会

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南ア深南部大無間山南尾根

      2015/02/23

★ 山行名 【南ア深南部大無間山南尾根】
★ 年月日 【2001年6月9日~10日】
★ メンバー【田中】

6月8日
 19時豊橋発。道迷いと霧のため予想以上に時間がかかり、2時30分に田代登山口着。
単独でのロングドライブは身にこたえる。大無間山は以外に人気のある山らしい。神奈川
ナンバーの車まで止まっている。

6月9日
 5時30分起床、7時発。いきなり問題発生。なんと2万5千分の1の地形図に示され
ている登山道が無い。もう一度探してみると一応はあった。しかし最近人が歩いた痕跡が
無い。しかもスズメバチまで飛んでいる。他にあるのではと思い、エアリアマップを見て
みる。すると二万五千に載っていない道があるではないか。ヤレヤレである。気をとりな
して登山開始。小無間小屋までひたすら尾根の登りである。3.5リットルの水とザイル
の重さが肩にかかる。途中ところどころ土の下から顔を出すギンリョウソウが目を楽しま
せてくれる。9時30分小無間小屋着。小無間小屋は避難小屋のようだ。6畳程の板間と
いろり(?)があるだけだ。水は一応あるのだが、ボウフラがわいていた。
 小屋から小無間山までは鋸歯と言うそうだ。覚悟して進むがただのアップダウンの繰り
返しである。途中崩落箇所がいくつかあった。どれも地形図に描かれているものよりはる
かに大きい。崩落部分のヘリを行く踏み跡が一番はっきりしているが、こんなところで落
ちたらひとたまりもないので反対側の斜面を少し下ってぬける。11時50分小無間山着。
小無間山の山頂でゆっくりしようと思っていたが、小バエがたかってきてうざったい。さ
っさと先に進む。小無間山から大無間山まではなだらかである。一部二重山稜のところが
あり凹部には雪が詰まっていた。14時大無間山着。小無間山同様小バエがたかってくる。
ヤレヤレである。
 まだ時間が早いので南尾根に取り付いてみることにする。踏み跡はしっかりとついてお
り、赤テープの間隔も短い。期待ハズレのメジャールートかと思い地図もコンパスもザッ
クにしまったまま、視界5メートル程のガスの中を進む。しばらく進むと踏み跡は薄くな
り、赤テープの間隔も広くなる。ヤバイと思い地図とコンパスを取り出すも現在位置がわ
からない。来た道を振り返ってもガスで真っ白、進むべき尾根もガスで先が見えない。と
りあえずまだ踏み跡はなんとかわかるので、ここまでどのように来たか?これからどのよ
うに進むか?考えながら現在地を特定しようと試みる。進むにつれてダンダンつじつまが
あってくる。ほぼ間違いなく現在地を特定できた。もうこれで大丈夫と思い安心するが進
むべき方向に尾根がのびていない。実はまだ現在地を特定できていなかったかと思い、3
0分程踏み跡と赤テープを探す。降りられそうな緩やかな尾根も下るにつれてきつくなり
とても下れそうに無い。それでも必死に赤テープを探すも見つからない。今日はあきらめ
て最後に見た赤テープのところまで戻ってみることにした。もうここでビバーグしよう、
明日もわからなければ敗退かなぁと思いながら赤テープまで戻る。よく見ると近くに文字
の消えかけた看板があり、矢印が書いてある。地形図とは尾根の角度が違うのでこれでは
ないと思っていた尾根の方向を矢印は示している。ダメ元でその尾根を下ると、すぐに地
形図に描かれている方向と一致した。どうやら尾根基部の様子は地形図の等高線にひっか
からず、違う方向にのびる尾根のように見えてしまったらしい。ちょっと進んで16時3
0分2098の標高点着。2098ピークを示す看板がある。心身共に疲れたので幕営。

6月10日
 有難いことにガスは完全に晴れている。振り返ると大無間山がはっきりと見える。これ
から向かう風イラズのピークもはっきり見えるが、昨日のような失敗を避けるため、首に
地形図とコンパスをぶら下げて5時出発進行。ガスがわいていないので目視で向かう方向
はわかるのだが、コンパスで向かう方向をセットしながら進む。昨日は赤テープを目標に
歩いていたのだが、今日はコンパスの示す方向に進めば自然と赤テープが現れるといった
感じである。進めば進むほど自信が出てくる。矢でも鉄砲でも持って来いっといた感じで
ある。6時15分風イラズ着。風イラズまでは南アのうっそうとした苔むした美しい森の
中を歩く。苔むした倒木が何度も邪魔をするが、それがいい。風イラズからは急な下りが
続く。ピーク直下の急な下りは地形図ではそれ程でもないが、実際はものすごく急に落ち
ているように感じる。もしガスで視界がきかなかったら、とても進む気がしない程である。
そこから100メートル程標高を下げたところで地形図の等高線の間隔が狭くなっている
が、そこはたいした下りではない。むしろピーク直下の方がきつい。
 7時頃ガスがわいてくる。しかしここまで踏み跡や赤テープに頼らず、地形図とコンパ
スを使って歩いてきたのでなにも焦ることはない。森がよりうっそうとした感じになりよ
ろこばしい。今にもトトロでも出てきそうな雰囲気である。風イラズと1621ピークの
コルから藪になる。1621ピークは東側からまくと藪が薄く楽に進むことが出来る。し
かしピークから東側にのびる藪尾根が邪魔になるのでピークまで登る。この辺りは踏み跡
が無数にあり、どれが正しい踏み跡なのかさっぱりわからない。自分だけが頼りと思い、
コンパスで進む方向をセットして踏み跡の無い背丈を越す笹藪を直進する。20メートル
も進めばちゃんと踏み跡に出る。次の1612ピークには1621ピークを示す看板があ
ったが、明らかに間違いである。藪のなかをどんどん進み1351ピーク辺りまで来ると、
再びうっそうとした森になる。10時15分尾栗峠(1351ピークと1280ピークの
最低鞍部)着。
 ここから大井川鉄道尾盛駅に向かって下る。どうやら道は昔使われていた作業林道のよ
うである。1177標高点のある南東にのびる尾根に向かって、ひたすらトラバースする。
道は完全に廃道であり、ところどころ崩れて寸断されている。なんとか尾根に取り付き暫
くは軽快に下る。標高950メートル辺りに昔の作業小屋がある。しかしそこから尾盛へ
向かう道が見当たらない。地形図で降りられそうなところを見当付け下り始める。行けど
も行けども道が無い。だんだんきつくなってくる。これはダメだ。登り返すことにする。
途中道らしきものが目にはいる。斜面をトラバースしてそこに向かう。しかし残念ながら
道ではなかった。遭難の2文字が頭をよぎる。大声を出してまわりに呼びかけてみる。冷
静に考えて周りを見渡すとさらに下の方に道が見える。やった。助かった。しかしその道
も沢の横断のところで橋が崩壊しているではないか。なんてこった。やっぱり遭難か?下
方に流れる沢を見ると人工物らしきものがみえるではないか。祈る思いで沢に下る。沢に
下りてみると壊れた小屋があった。道は今にも崩れそうな感じだがちゃんとある。しばら
くは沢の方が歩き易いので沢の中を進む。沢がきつくなってきたので、おっかなびっくり
トラバース道に取り付く。暫くは沢沿いに進むが、沢から外れ南に進む。だんだんと道が
しっかりしてくるので一安心するがまたしても道は寸断されている。20メートル下に道
らしきものがある。行ってみるとまたもや道ではなかった。さらに下を見るとなんと線路
が見えるではないか。やった。本当に助かった。線路沿いに300メートルも進むと尾盛
駅があった。尾盛は鉄道を利用しなければ来ることが出来ないようで、ひとっこ一人いな
い。駅に着いたらおいしいコーヒーでも飲もうと考えていたが、おあずけである。電車が
来るまで30分程あるので、体に付いているヤマヒルをライターの火であぶってはがす。
10匹くらい引っ付いていた。人の血を吸ってまるまる太った憎たらしいヤツもいる。1
3時10分頃電車(正しくはディーゼル機関車)が迎えにくる。遊園地のおサルの列車み
たいなちっこい車両である。30分かけて静岡市井川駅着。ここからバスで田代まで向か
うつもりだったのだが、もうとっくに終発は出てしまっているではないか。しかたがない
ので10キロ程歩き16時田代着。向かいにあるオートキャンプ場の温泉で汗を洗い流す。

追記
 大無間山南尾根じたいは、お薦め度星2つといったところだが尾栗峠から尾盛への下降
路があまりにも悪すぎる。尾栗峠からは栗代林道に下りるのが一般的らしい。しかしアプ
ローチのことを考えると1泊2日では難しいのではないだろうか。
 なるべくなら今回のような単独行は避けたいと思っている。単独行だから他人に頼らな
い(頼れない)登山が出来たが、一人より二人、二人より三人、力のあるそこそこの人数
のパーティーの方がより安全な登山が出来ると思う。

                                ―記・田中―








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