豊川山岳会

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豊川山岳会カナダ登山 詳細編

      2015/02/23

カナディアンロッキー(上田) 概要編
★山行名 【豊川山岳会カナダ登山 詳細編】
★年月日 【2001年7月19日~8月5日】
★メンバー【山本、梅沢、上田、宮尾】

<アッシニボイン登山編> 
日時 :2001年7月22日~24日
メンバー:L上田、SL宮尾、山本、梅沢

○7月22日 ヘリで入山 曇り時々雨
  朝7時起床、曇り。天気は昨日から下り坂で心配である。さて今日からいよいよ本命のアッシニボイン登
山。前日にほとんど支度をしておいたので朝食のハンバーガーとサラダをたっぷり摂って、バンフのトンネ
ルマウンテンキャンプ場を9時半に出発する。数Kmバックしてキャンモアから南下。30km程南のスプレイ
湖近くのMt.Shark Helipadを目指す。途中、峠の手前はカルガリーオリンピックのスキーの距離競技の会
場になったノルディックセンターがある。たまたま、自転車競技会(オフロード)でもやっているようで賑やか
だった。峠はダムになっていて対岸の岩場のゲレンデめざし、クライマーが歩いていく。キャンモア周辺も結
構スケールのある岩壁があちこちにありそうだ。ここからは砂利道でスローダウンしていく。途中2頭のム
ース(へら鹿)が道端の水たまりで水を飲んでいた。雌らしく角は小さいがなかなかの迫力である。昨日の
バンフホットスプリングス周辺でのムール鹿に続いて鹿類は多そうだ。道沿いの左側は切り立った灰色の
壁がすばらしい。冬は雪崩の危険区間との表示が出ている。

  11時にへリポートの駐車場に着く。砂利道のため結構時間がかかった。ベースのRCハインドハット(2
650m)はカナダ山岳会の所有で、早いもの順で誰でも使えるが、念のためと3~4人用テントと火器類を
持ったり、予備日含めて4日半の食料でザックはみんな結構重い。駐車場からへりポートまでは徒歩5分。
既に20人位が集まっていた。日本人ガイドと日本語が堪能な現地ガイドが率いる日本人グループ10名あ
まり、あとは我々と白人の小グループが2パーティー程。ヘリ会社の人から今日は乗客6人乗りの2台のヘ
リでピストン輸送するとのこと。班分けと離発着時の注意の説明があった。上空はガスで今にも降りそうで
あるが、12時、1台目のヘリが来た。ホバリングの強風は相当なもので車の脇に隠れてやり過ごす。3回
目が山本さんと私、4回目が梅沢さんと宮尾君。順番に乗り込むと上空は小雨ながらコックピットの窓に水
滴がたたきつけられては発散していく。ガスが巻く中、下の山肌が見え隠れする。峠の低い部分を越えて、
ロッジ近くの平地に着陸。荷物を降ろしてすぐに離陸していく。4人揃って、まづロッジへ移動。ロッジのマネ
ージャーのセップさんに、カナダ山岳会所有のRC.ハインドハット(1人、1日15$)を2泊で申し込む。カナ
ダ人3人が今日登っているとのことで、空きはありそう。また、火器類、鍋食器類も完備とのことで、持参し
た自前の装備をロッジに預かって頂く。軽量化がはかれありがたかった。また天気の状況やルートを確認
した。豊橋山岳会パーティは中央のスノーシュートをあがったらしいが、今回は融雪が進み、上部は滝が出
ているのでロックバンドルートを取るほうがいいとのこと。しかもロックバンド下部はルート図よりもう少し右
から取りつくように教えていただいた。オーナーの話では明日、明後日と天気は持つような口ぶりだった。 
  登山届はBC州のレインジャーへ提出とのことで宮尾と二人で出向く。レインジャーの事務所はロッジか
らへリポート方面へバックして三差路を更に東に100m行った川沿いにありカナダ国旗がはためいている。
日焼けして気の良さそうなお兄さんにルートの状況を聞く。上部の方は新雪で北壁は雪の状態はあまり良
くないだろうとのこと。北稜はまづまづでしょうとのことで、北稜に最終決定する。自分達で書いて来た計画
書でOKということで、下山連絡のデッドラインを25日の正午とする。(23日をアッタック日、24日をアタック
の予備日として)デッドラインを過ぎるとレインジャーによる捜索が始まるというシステムである。ここでの天
気の予測は明日はまづまづ、あさっては分からないということだった。いずれにしろ明日そんなにひどくな
ければ突っ込もうということでメンバーで一致する。





アッシニボイン頂稜を望む


 15:00ロッジ出発。ロッジからは途中Neisset Cabinへ行く道を辿り、Sunburst Lake に行く道を分け、キャ
ンプ場を通ってロックバンドへのアプローチに入る。立て札があって、ここまでがハイキングトレ―ルでここ
からはクライミング用のアプローチなので各自の責任において行動するように書いてある。お花畑を進むと
ロックバンド手前の斜面に入る。ここで今日アタックをかけたという男性3人、女性1人のフランス系カナダ
人パーティと行きあう。レッドバンドあたりまで行ったが、そこから上は天気とルートの状態が悪くて断念して
降りてきたとのこと。ひょっとして我々も?といういやな予感がよぎる。
 ロックバンドの取りつきは傾斜のゆるいルンゼから始まる。雨で濡れているので慎重に進む。次に少し傾
斜のある階段状のルンゼ。フリーで左肩に抜け、次に雪渓の横のガラ場の斜面を上がり雪渓を5m程横断
すると水平のロックバンドに入った。 多少の上下や分岐はあるが比較的はっきりした岩のバンドを慎重に
進む。左に転落したらお終いなので慎重に行く。途中いやらしい所があって岩も濡れているのでロープを張
って通過する。少しましになって、滝を横断し雪渓の下部を横断するとトレースのある砂利の斜面に入って
高度を上げて行く。ロッジから眺めたスノーシュートの少し手前のあたりを小屋のあると思われるコルに向
けて高度を上げて行く。結果的にはまっすぐコルに向かって進みすぎたようで手前で右の丘に登ればハイ
ンドハットは近かったようだ。RCハインドハット 19:00着
 我々の他に人はいなかったが、じきにもう1パーティ2名が小屋に入ってきた。イギリスから来たスティー
ブさん(40歳過ぎ位:ヒマラヤなどの海外の経験あり)、ジェームズさん(エジンバラの学生)で先週、コロン
ビア氷河のアサバスカ山のシルバーホルン(雪稜)を登ってきたとのこと。今日はヘリパッドから全コース歩
きとのこと。元気である。
 雨もあがってルートの確認をする。彼等はかなり早く2時スタート(起床)とのこと。我々が取ってきた雪を
分け合って水、お湯をつくりそれぞれの食事の準備をする。我々はクリームシチュー(カナダ品)とワンタッ
チライス、副采である。彼等はお湯で溶かせばおしまいのスープやオートミールのような簡単なものだった。
西洋人は山の中では簡単な食事が多いように思う。割り切って軽量化して下山してからたくさん補給すると
いうスタイルのようだ。
 ハットは鍋、食器、プロパンガスが完備されているし、トイレはハットから南に30m南にあって肥溜が大き
な容器になっていておそらくヘリで回収できるのであろう仕掛けになっている。豪勢ではないが自然環境を
守る配慮はきっちりされた小屋であった。
 我々はベッドの下を借りきることにする。分厚いクッションで快適である。明日早いので装備の確認をして
10時前には寝る。
主な携帯装備:ロープ9mm50m2本、登攀具一式、フレンズ一式(宮尾)、ツェルト、行動食たっぷりめ、防
寒具

○7月23日 登頂日 晴れ
3:30起床。満天の星空だが月は無い。 起きだすとイギリス人パーティーは準備を終え、まもなく出かけ
るところであった。(4時)我々は前日準備しておいてご飯にお湯をかけお茶漬けである。5:10出発
ハットの外へ出ると、少し明るくなってきていて、先行パーティのヘッドランプも北稜の下部に見えた。モレー
ンを横断して、取りつきのモレーンの不安定な斜面をじわじわと登って行く。安定した尾根についた頃、東
の山の端から赤い太陽が顔を出してきた。雲1つ無い素晴らしい夜明けである。雪もなく傾斜もさほどでな
いが浮石がところどころあるので注意して高度をかせぐ。レッドバンドの向こうに頂上と思われるピークが望
める。右に左に登りやすそうな所を探しながらじわじわと高度を上げていく。ロープは必要ないがバランスを
崩せば真っ逆様なので慎重に高度を上げていく。徐々に傾斜が増してきて、レッドバンドの弱点部(北稜の
稜線から60m程右)をザイルを固定して通過する。10:00にレッドバンドを乗り越えると、傾斜がゆるやか
であるが大きな岩が少ないフェースが大きく広がる。徐々に北稜上に向かって左へ上がっていく。ここから、
グレーバンドの乗越しまでが核心部となる。イギリスパーティは稜から更に右よりのフェースに取り付いて
おり結構時間がかかっているようだ。おそらくここが5.5の部分なのだろう。我々は左の稜上のごつごつし
た傾斜の出た岩場にとりつき、宮尾がリードして3P、グレーバンドを乗越す。






アッシニボイン北稜を登る


3級から4級の岩場というところ。次は傾斜は若干ゆるやかになるが、やせた岩稜を上田がリードしてロープをFIX。
北壁、東壁ともに高度感満点で気分は最高である。2Pで頂上に続く雪稜に飛び出し、岩角でロープをFIXする。
ガスガスの中、イギリスパーティーが頂上を往復して下山してきた。「Congratulations! Take care!」と声をかけ
て握手をして別れる。みんなも順次登ってきて、最後の雪稜を4人で進む。平らになるといきなり雪の量が増えてきた。
それでも1m弱の積雪だろうか。
13:18 頂上に全員到着。まづまづの広さだが東面はすっぱりと切れて雪庇が張り出している。順番に写
真を撮り喜びをかみしめる。3618mということで高度の影響はさほどではないが、梅沢さんは頂上手前で
はペースが落ちたと後で話していた。
 最短の日数で意外と簡単に登頂できた気もするが、問題は下降である。スリップが一番の大敵なので心
を引き締める。登りの様子からするとレッドバンドの少し上までは懸垂下降をした方が良さそうだ。岩稜に
差し掛かるといきなり懸垂。シングルで宮尾が降りていく。支点は岩角に張られた多数のスリング。逐一チ
ェックをするが問題は無さそうである。自然に降りていくとどうしても北壁側に寄って行ってしまい、次の懸
垂ポイントを逃してしまいそうなので、基本的に北稜伝いにロープ2本または1本の懸垂で下る。アイゼンを
付け稜をたどりながら降りていくので時間がえらいかかってしまう。待ち時間が長くて眠くなってきてしまう
が、奈落の底に落ち込む東壁を覗き込んで写真を撮ったりして過ごす。イギリス人パーティもゆっくりだった
が既にレッドバンドの向こうに消えてしまった。
 ようやくレッドバンドが近づき、クライムダウンに切り替え、めいめい下って18:30にレッドバンドの懸垂
ポイント(稜から60m程北壁側の小さな窓のような弱点)に着く。ここからまたダブルの懸垂(最後の懸垂)
でやや傾斜の落ちた斜面に降り立つ。小さな尾根とその間にルンゼが交錯する斜面で、いくつもルートを
取れそうだが下降しやすそうなところをめいめいがクライムダウンしていく。こんなところでもガスっていたら
難しいところに入り込んで時間を食うだろうが、今日は幸いにして頂上付近を除いてずっと好天で、ルートフ
ァインディングはしやすく助かる。各人、疲れが出てくる時間帯で転落に気をつけてじわじわと下っていく。
いつ終わるかと思われた長いクライムダウン、大体が踏跡伝いに歩けたが途切れる所もあり、右に左に斜
面を下りてようやく傾斜の緩んだ尾根上に4人が集結。何とか夜のとばりが降りるまでに下ってきた。モレ
ーンを下り、また登り返して21:10 RCハインドハットに転がり込む。16時間の長い1日であった。丸1日
天気が良くて本当にラッキーだった。
 小屋には登頂したイギリス人パーティ2人の他にバンクーバーから来たカナダのカップルが入っていて、
お出迎えを受ける。夕食はワンタッチライスとスーパーで買ったシチュー、ガーリックスープ。ガーリックスー
プはカナダパーティには不評だったようで、換気してくれとリクエストされてしまった。夜遅くオーストリアパー
ティ2人が小屋に入ってきて、住人は10人とにぎやかになった。疲れていてぐっすりといきたかったが、夜
中ネズミの運動会でうるさかった。

○7月24日 下山日 曇り時々雨
7:00 起床。思いのほか早く天気が崩れ、既に雨が降っている。カナダP、オーストリアPも停滞のようで
ある。待っているとNeissetCabinから朝来たというスペイン人のカップルが小屋に入ってきたがやはり停滞
のようだ。
朝食を済ませ9時前に、お世話になったRCハインドハットを出発する。来るときは正規ルートを外したが、
下山時は小屋の北のケルンを目印に進む。多少分かりにくかったが踏跡のある砂礫のルンゼを電光型に
下って行くと、バンドに降り立った。雪渓の下を横断し、小さな滝を横断して行く。登りでロープを張った部分
はやはり慎重を期してロープを張って通過した。時折雨が降って濡れているので注意して進み、雪渓を横
断し、ルンゼはフリーでクライムダウン。ようやくお花畑の斜面に降り立つ。降りかえると雨も上がってきて
北稜の途中、レッドバンドあたりまで見えてきた。登頂と安全地帯に降りてきたなあという安心感でいっぱい
になる。あとはお花をみたり写真を撮ったり、のんびりとハイキング道を歩いてアッシニボインロッジへ向か
う。
12:20 ロッジ着。丁度イギリス人パーティも着いたところだった。ハイキング道以外に湖岸をショートカット
する道があるようで彼等はそちらを歩いたとのこと。ロッジへ預けた装備の返却を三人に任せ、上田はレン
ジャーに下山報告をしに行く。入山時と同じ方がいて、登頂と無事下山を喜んでくれる。お礼を行って事務
所を後にする。
  ロッジへ戻るとイギリスPのスティーヴさんのおごりでティータイムがたけなわだった。お茶にジュース、
パンやビスケットを頂く。新鮮なジュース、パンがおいしかった。スティーヴさんが支払うときにちょっとした
事件が起きた。風にあおられて、20$札が舞ってしまった。みんなで探し回ったところ木の階段の隙間に
入り込んでいた。みんな力をそろえて移動して回収。事無きを得た。

 さて、重くなったザックを背負って、13:20にロッジを出発。いよいよアッシニボインパス経由の25kmの
「ハイキング?」の始まりである。メイゴック湖の方へ少し戻り、そこを北へ進むと池のある気持ちのいい平
原に出た。そこからゆるやかな登りでアッシニボインパスに着く。ハイカーが休んでおり、我々も重荷を降ろ
す。予備食たっぷりだったので、食料がまだ大量に残っており重い。虫が飛び始めたのでスプレーやら蚊
取り線香やらで対抗する。
 ゆるやかな斜面を下っていくと平らな道の右側に大きな岩壁。屏風岩を2倍近くにして横にも三つぐらい
つなげたような規模で空中落下する滝も素晴らしい。周りもカナディアンロッキーらしい針葉樹と岩山で景
色を楽しみながら歩く。幾度か休憩を取りながら歩みを進める。周りの山や花は素晴らしいが、さすがに昨
日の疲れも残っており、荷物も徐々にこたえてくる。 途中レンジャーのキャビンがあったが人はいなっかた。
どうも馬で巡回しているようである。山本さんのお腹の調子が良くないようでトイレを探すが開いていなかっ
た。地面にするには30cm以上掘って、という話があったが、そんな暇は当然無い。
 弱り目にたたり目で一時雨に降られて消耗する。足と肩が痛いが最後はじっと我慢の子である。
Mt.Sharkに向け登りがしばらく続くが当然のことながらピッチは上がらない。ようやくのことでパーキング手
前の車が駐車してある場所に21:30に着く。宮尾と上田が空身で車を止めたヘリパッドまで歩く。暗くなる
少し前22:10にヘリパッド到着。車を回収してトレールヘッドに戻り、山本さん、梅沢さんと合流。みんな疲
れてはいたが、キャンモアまで戻った方が落ち着くだろうとのことで、上田の運転で来た未舗装路をバック。
飛ばしに飛ばして23:30、 キャンモア トレイラ―パーク着に到着。軽くお腹に入れていっぱいやって、怒
涛のような眠りについた。
長い長い3日間であった。

<エディスキャベル登山編> 
日時 :2001年7月31日
メンバー:L上田、SL宮尾、山本、梅沢

○7月30日 アプローチの偵察 晴れ時々曇り 一時雨
  ジャスパーで好天を待つこと2日、ようやく31日はまづまづの天気ということで30日は偵察をかねて、
エディスキャベル山を望むハイキングに行くことにした。
7:20起床。Wapiti キャンプ場で本日分の予約も済ませ、9:25に出発。エンジェル氷河見物のパーキン
グをめざす。約30分あまりで着き、10:10 駐車場出発。正面にはエディスキャベル北壁が圧倒的に見え、
その右にはエンジェル氷河が見える。エディスキャベル山の山名ともなった第1次世界大戦時の看護婦の
いわれが書かれてある。モレーンに沿ってハイキング道が付けられ、途中からは右に降りると氷河湖、左を
辿れば樹林帯の斜面からアルパインメドゥ―に上がって行く道である。私と宮尾は東稜のコルをめざし、更
にモレーンを進むが踏跡ははっきりせず、歩きにくい。山本さんと梅沢さんはアルパインメドゥ―めざし分か
れた。12:10 コル手前に到着。結構時間がかかる。ここからコルまでは砂利の斜面を登るか雪壁を登る
かである。後ろを振り返るとアルパインメドゥに向かってトレールがついている。その先では山本さんと梅沢
さんが手を振って呼んでいるようだ。ということで我々もトレール沿いに合流することにする。東稜の基部か
ら離れるに従って、東稜の上部が見えてくる。上部はナイフリッジで一部傾斜もありなかなか手強そうであ
る。4人合流してメドゥに戻るとそこは別世界。色とりどりの草花と北壁が正面に見え、素晴らしい憩いの場
所である。いくら眺めていても飽きない景色である。
一時ガスが沸いて北壁を隠してしまう。13:40に駐車場に戻って、ジャスパーの町へ出る。
  例によってインフォメ―ションオフィスで入山届けを済ませた。天気予報は晴れ時々曇りでまづまづのよ
うである。スーパーで買い出しをして17:15にキャンプ場へ戻る。生姜焼きとジャガイモバターおいしかっ
た。21:00就寝。
行動食:$16、キャンプ場代、共同食料代:1人$42

○7月31日 登山日 晴れ後曇り(上部は一時降雪)
2:20起床し、ラーメンをさっさと食べて3時に車に乗りWapitiキャンプ場を出発。満天の星空である。3:4
5に昨日来たトレールヘッドの駐車場に着き、ヘッドランプをつけすぐに歩きはじめる。遊歩道からアルパイ
ンメドーのトレールに入り、お花畑を横切って行く。途中、雪田のところでトレールを外すがすぐに修復。5:
30に薄明の中、2350mのコルの下に到着。前日の予定では正面の雪壁をザイルを張って登ろうかと考
えていたが、左側の山稜を回っていくことにする。ゴーロ帯が続き結構登りにくく、またかなり高度もかせぐ
必要がある。2500m付近のなだらかな稜線に上がると、お日様が顔を見せた。東稜が真正面にあり朝日
が当たって素晴らしい眺めである。そこからの尾根は少しルートファインドが必要だった。コルへの下降も
石英の類の石が苔むして滑りやすく注意して下る。7:40 ようやく2350mのコルへ降り立ち、いよいよ東
稜のスタートである。雪壁を登ってきたらしい若い男女のパーティ(男の方はガイドっぽかった)がコンテで
先行していく。インフォセンターで求めたクライミングカードどおり、東稜の正面に食い込んでいる雪のルン
ゼ(下部では流水が取れる)の右側の稜を登って行く。それなりに傾斜はあるが、scrambling程度でロープ
は必要無い。石英の類の岩もそんなに滑りやすくは無く快適である。岩のコブを乗り越すと傾斜がいったん
落ち、下から見えていた雪面に飛び出す。10:00に着く。先ほどの2人Pがスタカットで登っていた。なぜ
かアイゼンを着けていないようで時間がかかっている。我々はここでアイゼンを着け、出発。ザイル2ピッチ
で、傾斜はそんなにないが下が凍っている。宮尾がリードし、中間の残置スリングのある岩で1Pを切って、
3人を迎える。更に1P登って終了。バイルとジャスパーで購入したアイススクリューが役に立つ。10:55 
雪面終了。ここからは雪稜となり、FIXロープを登った山本さんと梅沢さんはショルダ(2900m)に向け先
へ進む。先ほどの先行の2人パーティが戻ってきた。どうやらここまでの予定だったようだ。
11:20、ショルダーに着くとガスガスになってきた。梅沢さん、山本さんはここまでにしたい、ということなの
で宮尾と2人で上をめざすことにする。ロープを1本梅沢さんに渡し、お互いの健闘と無事を祈り、握手をし
て別れる。11時45分。
 ショルダ―からはトレースは無く、コルまでの左側がなだらかな斜面を少し下る。ガスで良く見えないがコ
ルからは痩せた岩稜と雪稜になる。雪面では膝までのラッセルであるが、しっかり積もっている場所の方が
安心感がある。さほど傾斜は無いが、2級の岩場といった感じで慎重に進む。稜伝いが厳しいのでロープ
を使って左の側壁から乗越すがちょっと嫌らしい。次第に傾斜を増して尾根も更に痩せてくる。目の前には
下から見えたギャップがあり、ルートを探すが適当な所が見当たらない。ガスで広い範囲が見渡せないの
と、いくつか想定したルートも外傾していたり、傾斜が強かったり、なかなか難しそうである。おまけにちらち
らと雪が舞ってきて闘争心が奪われていく。まだ、3000m付近で既に12:45であることから、登頂を断念
し、引き返すことにする。安定した雪稜まで戻って壁を眺めながら小休止する。今回の登山はこれで終わり
だな、という気持ちと、下降を無事に降りなければといういろいろな思いが交錯する。13:00に下降を開始
する。懸垂の支点が無いので、所々ロープを出して、スタカットで降りる。登るときとは逆で上田が、フレン
ズをセットしながら下降し、宮尾が回収しながら降りる。
  ショルダーを越えて14:30に雪面下降点に着く。雪も止んで周囲の山も少し見えてきた。凍った雪面は
最初は支点はあるものの、ロープ1本ではダブルでは雪面中間の岩の支点まで届かないので、上田が先
行してスタカットで降りる。雪面にはアイススクリューをねじ込んで、降りて行く。事故を起こさぬように細心
の注意を払う。
ようやく岩稜に降り立ち、15:50にクライムダウン開始。懸垂ポイントはあったが、天気も回復し見とおしも
いいので2級の岩場をひたすらフリーでクライムダウンを続ける。時間的には早いので2人ともまだまだ元
気で快調に高度を下げて17:10に東稜の2350mのコルに着く。山本さんたちは、既に下山しただろう
か? 下降ルートはコルの西側のガレ場の踏み跡を辿る。途中雪壁や不安定なガラ場となるが、何とか無
事にメドゥのハイキング道まで降りることができた。エディスキャベルの北壁とエンゼル氷河を眺めながら、
安全地帯まで降りてきた安堵感をかみしめる。頂上はガスがかかっていた。早朝にはあれだけ良かった天
気だが、今回は天気がいい時間が続かない。遊歩道まで降りてきたら強風に合わせてぱらぱらしだしたの
で慌てて駐車場まで急いだ。19:15に駐車場に着くと、車で山本さん、梅沢さんが迎えてくれた。わずかの
時間だが、別々の行動であったのでお互いの行動を確認しあい、無事を喜んだ。
  さっそく車を飛ばしてジャスパーに向かう。途中晴れたりシャワーだったりで、遠くに立派な虹が現れる。
2重のしかもハイウェイの走る谷の下までくっきりとした美しい虹にしばし見とれる。終わったなあという気分
にひたった一時だった。 ジャスパーで買い出しをし、フライドチキンとサラダで乾杯をした。
シャワーを浴びて10:50就寝。

○感想
登頂できなかったのは残念だったがが、クラシックルートだけあってエディスキャベル東稜は素晴らしいル
ートだと思う。我々4人だとスピードはしれているので、2350mコルに前泊してアタックしてもよかったかも
知れない。

―記:上田―



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