豊川山岳会

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豊川山岳会カナダ登山 詳細編

      2015/02/23

カナディアンロッキー(上田) 登山以外編
★山行名 【豊川山岳会カナダ登山 詳細編】
★年月日 【2001年7月19日~8月5日】
★メンバー【山本、梅沢、上田、宮尾】

<上田 一人旅>
8月3日~8月13日
 8月3日に3人を見送った後、ジャスパー周辺のサイクリングやトレッキングを中心に一人旅を楽しんだ。
10日からはバンクーバーへ移動し、クルーズなど観光を楽しんだ。

○8月3日(16日目) 解散:宮尾、山本、梅沢、バスでバンクーバーへ:バンクーバー泊(YMCA)、ジャス
パーで車返却、借り換え フォークフェスティバル参加 曇り後雨
正午に3人をグレイハウンドのバス停で見送った後、は種々の手続きで駆け回る。
・電話でマリーンキャニオン・ユースホステル予約確認 8/4,8/6,8/7 OK
・レンタカー返却、借り換えでバジェットレンタカーへ:  フォードミニバン、ウインド・スター$2100からクラ
イスラーのシリウス$450(セダン)へ 8/3-8/9の7日間とする。帰国するみんなから譲り受けた食料や調
味料の残りもとりあえづは全部積み替える。1人にしては結構な荷物である。
・パスポート写真 10$:予備を持っていたものの渡航書は2枚要るとのこと。ちょっと高かったがしょうが
ない)。
簡単に夕食を済ませ、先日チケットを買った($25)、Jasper Heritage Folk Festival(8/3と8/4の両日開催)
行きの準備をする。また雨が降りそうなので、雨具、防寒具等を準備して会場へ向かう。フェスティバルの
宣伝のピエロのお姉さんが町に繰り出していた。雨が降りそうだけど、開かれますか?と聞くともちろんとの
こと。商店街から北西に5分程歩いた会場であるグラウンドに向かう。5時開始ということで、30分程過ぎ
ていたので既に始まっていた。芝生のグラウンドに仮設ステージやテントが立てられ、賑やかである。1day
チケットを提示したらグリーンのシールを腕につけてくれた。前座兼司会(漫才のような司会)の2人が歌っ
たりしゃべったり。その後も30分~40分刻みでプログラムの順番にアーティストが登場。その間を例の2
人組がつなぐ。素朴なカントリー&ウエスタン(ギター、ベース、フィドルなど)やエレキギターのソロ、黒人グ
ループののりのりのロックバンドなど徐々に有名な(私はいずれも知らなかったので、有名らしい)アーチス
トが登壇して盛り上がっていく。天気は小雨ぱらぱらから本降りになり風も出てくるが、人は増えるばかり。
肩を寄せ合ってシートをかぶったり、徐々にステージ下に集まってダンシング。小さい子ども達も交えて家
族で踊っている人も結構いた。観光客が集まっているというよりは地元の恒例のお祭りと言った感じ。日本
でいうと盆踊りか? とにかく寒い中だがみなさん帰らない。ステージの合間にお土産屋を見に回って演奏
しているグループのCDを買ったり、お腹が空いてタコスやスープを飲んだりとこれも楽しい。私は明日の行
動(サイクリング)もあるし、寒いので10時半ごろに引き上げた。

○8月4日(17日目) バンクーバー発 13:30 AC-3003 MTBでマリーンレイクへ マリーンレイクでハ
イキング 晴れ時々曇り
7時起床。いい天気である。昨日のインフォの天気予報でも今日からは好天が続きそうとのこと。朝食のラ
ーメンを食べて、サイクリング+ハイキングの準備。レンタサイクル屋さんが空くのを待つ。9:10 レンタサ
イクル屋さんでMTBを借りる。1日、$30 ここは18時までなので少々行動時間が窮屈である。MTBは
アメリカの有名メーカーTREK、ヘルメットと鍵も借りてまづまづである。





マリーンレイクまでサイクリング


  目的地はメディスンレイクからマリーンレイク往復。マリーンレイクではオパールヒル下のハイキングと
決めた。車にMTBを積み(前輪のみ外して後部座席へ)、16号線を北へ走りすぐにマリーンキャニオン方
面に入る。途中メドゥが広がり数頭のエルクのメスが草を食んでいた。朝露にきらきら光る草原とかわいい
エルク、絵になる光景でしばし車を止めて眺める。マリーンキャニオンを過ぎ、ひたすら緩やかな登りを車を
走らせると、10時にメディスンレイク手前の駐車場に着く。自転車を組立てデイパックを背負って出発。す
ぐにメディスンレイクのビューポイント。左側にジャスパーからも東北の方向に見えるコリン山脈の白い岩肌、
右はマリーン山脈の緑の山稜、正面は湖水とみごとな景観である。メディスンレイクは地下の伏流がマリー
ンキャニオンに通じていて、渇水期には完全に干上がるとのこと。石灰岩質の地質と石灰岩を溶かす水質
のなせる技らしい。右にきらきら光る湖水を見ながら最高の気分でペダルを踏む。左側のコリン山脈の屏
風のように続く岩壁も非常に美しい。MTBの路面抵抗とタイヤの重さで舗装路がずっと続く路面ではスピ
ードが不足だがそれでも20km/h位では走れる。メディスンレイクの終点を過ぎ、登り坂になる。途中適当
なピクニックエリアが左に有り一休み。見ると釣り屋さんがフライフィッシングで竿を振っている。ピクニック
テーブルで休んでいると地リスが相手をしてくれる。手を出したら近づいてきて、少し鼻に触ることができた。
触れたのは後にも先にもこの1回であった。
 ゆるやかな登りをまた走り始める。12:20 マリーンレイク着。橋のところから湖と山々をバックに記念撮
影の後、駐車場に自転車を置き12:40にオパールヒル ハイキングに出発。家族連れも結構多い。トレー
ルに入ると雷鳥のメスのような鳥に出会う。逃げる気配は無い。いったん広い湿原に出てまた森に入って
いく。ここからは結構な急登である。20分程でこのループ状になっているハイキングコースの分岐で右を取
る。更に登り20分でサブアルパインメドゥに出る。ここからはようやく湖が眺められるがあいにく少し霞んで
おり長いマリーンレイクの奥までは見えない。メドゥを上に行く踏み跡もあるようだが、左のハイキング道へ
戻り、オパールピークの麓の方へ向かう。斜面をトラバースしていくと沢の源流部を横切る。お腹も空いた
ので大休止とする。写真を取りながらハイキングをしている人も休んでいたので言葉を交わす。きれいな源
流で気分がいい。北に茶色のオパールピーク、左には小さな樹林の丘を見ながらのびやかな草原を歩い
ていく。丘を左に回りこんでループの分岐に戻り、そのまま下るとトレールヘッドに着く。15:20。 
 後はマリーンレイクの湖畔でのんびりと景色を眺める。貸しボートがあるがやはり1人では寂しい。遊覧船
は乗ったほうが良かったかなとちょっと後悔。雪をかぶった3000m級の山々ときらきら光る湖水を眺めて
のんびりとする。15:45、同じルートをバック。大旨下りでスピードが出て快適である。特にメディスンレイク
とコリン山脈を見下ろす下りはなかなかの圧巻だった。
 16:50 車に到着。自転車を積んで17:15 マリーン・キャニオンホステルへチェックイン。カナダの東部
から来た学生アルバイトの管理人のお兄さん。4日、6日、7日の三泊分、39$を支払う。レンタサイクル店
が18時に閉まるので、ジャスパーの町へ走る。17:40 レンタサイクル返却。
次は明日の準備である。18:00 インフォへ行き天気を確認。今日からはまづまづの天気が続きそうであ
る。翌日からはジャスパーから南西30kmにある人気のトレッキングコース、トンキンバレー行きの準備で
バックカントリー・キャンプ申し込みをインフォのカウンターで行う。全長40kmと長いこと、トレールがぬか
るみが多いこと、などから1泊2日で単独での入山に対して大丈夫かと念押しされたが、以下のような計画
を説明しパーミッションをもらった。 ・レンタカー+タクシーで車道の歩きをカットし時間的な余裕を持つこ
と。・テント、バーナー、雨具など、非常時に対処可能であること ・7日の正午までに下山連絡をすること
(連絡無きとき捜索) ・日本の連絡先を計画書に記載  パーミッションは1晩$6で、宿泊場所もアメジス
トキャンプ場とした。(基本的には宿泊場所を勝手に変更することは不可とのこと) お礼を言ってインフォを
出て食料買出し。今夜の夕食、行動食などで$22.66。
  ホステルに戻って寝床を確認。2段ベッドが3セットのド―ミトリーで下段に陣取る。キッチンに行くと日本
人の若い女性2人がくつろいでいた。バンクーバーに在住の大学生と日本に住む従姉妹でホームステイを
する高校生とのこと。バンフあたりまで旅行するとのこと。夕食はホステルのキッチンでチャーハン、目玉焼
き、スープ、サラダをたっぷり作って頂く。冷蔵庫もあるので残りものは明朝に残す。キッチンではフランス
人とカナダ東部の男性2人が話していたので、英語で仲間にいれてもらう。カナダ東部から来た30代後半
位の男性は、ここまでにMt.テンプルの西稜(ノーマルルート)を登って明日からはMt.ロブソンの有名なトレ
ッキングルート、キニ―レイクからバーグレイクへと行くとのこと。私もこれまでの山行と明日からの予定を
話した。それぞれのスタイルでカナディアンロッキーを楽しむ話題で楽しんで床に入った。

○8月5日(18日目) トンキン バレー トレッキング 晴れ一時雨
6時に起床。ド―ミトリーを起き出して、朝食をキッチンで1人取って6:35出発。7:00にジャスパー駅前で
昨日予約しておいたタクシーと待ち合わせ。レンタカーと併走してもらって、今回の終点であるポータル谷
のトレールヘッド(終点)にレンタカーを置き、タクシーに乗り込む。気さくなお兄さんで世間話をしながら走
る。熊の話になり、車からだと時々見るよ、とのこと。こちらはできれば、顔を会わせたくない相手である。エ
ディスキャベルの方に向い、8:15にトンキンバレー トレールヘッド(エディスキャベル・ユースホステルの
近く)で降ろしてもらう。$60とタクシー代は高いが、2日歩いた後、15Km以上歩くのもきついので快適な
方を選ぶ。
  荷物を整え、エディスキャベルへの道と別れて、トレールを歩く。途中、湖の向こうにエディスキャベルの
北壁が望めた。9:20 バーデント谷の橋で休憩。正面にThrone Mt.(3120m)が見えて気分のいいところで
ある。水の流れもきれいで豊富。トレールがぬかるんでいることが多いというのも、結構多雨地帯なのかも
知れない。
10:05 樹林帯の中のアストリアキャンプ場通過。10:25 HUTへの分岐通過。
 ここから 右(北)側の山の山腹沿いにつづら折りの緩やかな登りになる。11:30 スイッチバックキャン
プ場手前(標高2000m)で休憩。たどって来た側が上から見渡せる。12:15 スイッチバックキャンプ場
(2100m)に着く。アメジストレイクの奥に屏風のように広がる巨大な岩峰群ランパーツの眺めがいよいよ
現れる。道は多少ぬかるんでいるが大したことはない。天気も眺めも良く、最高の気分でのんびりと歩く。
行き交うカップルや家族連れとお互いに写真を取り合い、景色を称えあいながら楽しいハイキング。
  丘の上からアメジストレイクとランパーツに向かってゆるやかに下っていく。乗馬や宿泊、ボートなどに
乗れるトンキンバレーアドベンチャーの手前を14:10に通過。木道がきれいに敷設され、花が散った大き
な綿毛の大群落がやさしく風になびいている。まるで、よく来たねと歓迎してくれているようになびいている。






トンキンバレー


ランパーツの岩峰群の他にも2800~3300m級の氷河を抱いた峻峰が360度のパノラマで、囲んでくれ
る。木道と小川がそこかしこに流れるフラットなトレールを今日の目的地、アメジストレイクキャンプ場に向
かって、のんびりと歩く。
 14:40 アメジストレイクキャンプ場到着 (2000m)。まばらに木々が生えた中に木のテーブルと椅子
のセットが3つ、熊除けの食料ハンガー、テントサイトが10程のこじんまりしたバックカントリーキャンプ場で、
もちろん管理人はいない。先客がイギリスとカナダから来たカップル1組だけで、少しさびしいくらい。水場を
聞くと、湖から取って煮沸したとのこと。私は裏の小川から取ったが、透明度はこちらの方が高いが、乗馬
をやっている地域なので煮沸は必須である。テントを設営して、食料袋を熊除けハンガーに釣るし、散歩に
出る。どこか適当な丘でもと地図を探すが、夕方までの2~3時間という想定だと適当なところは無い。先
ほどのアドベンチャー周辺の湖岸を散策することにする。トンキンバレーアドベンチャーでは乗馬用の馬が
20頭ほどつながれていた。年配の男性と若い女性がブラッシングをしたりして世話をしている。なかなか絵
になるものである。事務所の他にキャビンがいくつかある。今日の乗馬が済んだのかお客さんがたむろし
ていた。みんな、今日の乗馬を楽しんだようで賑やかに嬉しそうである。1人のおじさんが声をかけてくれて、
昨日はボートと釣り、今日はあの峠までホースライドを楽しんできたと話してくれた。のんびりと数日間をこ
こで楽しむようである。国立公園内なので、観光業者と言えどエンジンのついた乗り物(ヘリコプター、車)
は禁止で、補給は全て馬のようである。アドベンチャーの小さな船着場の板の上でしばらく寝転んで前の岩
峰群ランパーツを眺めていた。贅沢な場所、贅沢な時間である。17:30ごろまでのんびりしてテントに引き
返す。 
 18:00ごろ、テントでくつろいでいると日本人の若いカップルが現れる(細井 護さん、岡元 さおりさん)。
アラスカ方面に長期滞在していたのを、この夏自転車を手に入れてカナディアンロッキーを縦断中とのこと。
キャンプ装備を積んで1日50kmのペースでバンフまで南下し、その途中で今回のようにハイキング等を
楽しんでいる様子。お互いにこのように人の少ない所なのですぐに打ち溶け、これまでの旅の様子を伝え
合う。 そろそろ夕食時なので、テーブルを共にしてそれぞれ準備。私の方は具がたっぷりのスープ、パン、
サラダ。何とワンタッチライスを車に置いてきたようで、少しさびしい。彼らはオートミールと細めのパスタ。こ
ちらのサラダが豊富だったり向こうのパスタがたくさんあったりでお互いに補いあいながら、湖水での夕食
を楽しむ。天気が次第に荒れ模様になってきた。雲が荒れ、風が強くなってきた。撤収してまた食料ハンガ
ーにつるす。そうこうしていると、19:00ごろもう1つのテーブルのカップルからカリブーがいるよとの声。確
かに50m程離れた水場に大きな角を持ったオスのカリブー(トナカイ)が水を飲み、草を食みに着ている。
昨日も2頭来たとのこと。こげ茶色の胴体に胴体と同じくらいの大きさがあるのではないかと思えるような
大きな角。アルファベットのCのような形をしている。また雨が強くなった。解散ということでテントに戻った。
軽量化のためにフライシートを車に置いてきたのでテントの中は既に水浸し。ビールをいっぱいやって21
時には寝た。

○8月6日(19日目) トンキン バレー トレッキング 2日目 曇り時々晴れ
前日19時から朝7時まで雨
6:35 起床 雨はほとんど止んでいるが、山にはガスがかかっている。例によってハンガーから食料を下
ろし、テーブルで簡単な食事。食事が終わるころ日本人カップルも起きてきて食事。その後、これからの予
定やトレッキングの装備などに花が咲く。彼らは来た道(アストリア谷)へバックするとのこと。
7:55 出発。かなり天気が回復してきて、また目の前のランパーツの全景が見えてきた。多少ガスが掛か
る様子も迫力があって素晴らしい。それにも増して困ったのはトレールの状態。降雨により最悪のぬかるみ
になってしまって、今日は迷わずロングスパッツを朝から着けて歩く。脇へよけたりして進むが、まもなくドロ
ドロ。わき目が振れない。それでも他のパーティとよくすれ違う。私よりかなり激しく靴、ズボンを泥んこにし
ている。
8:55 マキャリブキャンプ場に着くと昨日湖付近ですれ違った父娘らしい2人パーティが出発の用意をし
ていた。ここからは山稜を北側に回りこんでいくのでランパーツの眺めはいよいよおしまいだが、代わりに
清らかな流れとマキャリブパスまでののびやかな景色が広がり、また素晴らしい。10:00 マキャリブパス
までの中間点で休んでいるとピー、ピーという汽笛のような鳴き声。その名の由来となったウィスラーの鳴
き声のように思った。11:15 マキャリブ・パスに到着。樹木の無いメドゥで浅い池が点在し、なかなか素晴
らしい。父娘2人パーティはぬかるみでも歩きなれた様子で追い越していく。パスからは更に雄大な景色が
広がる。あまり「rochy」ではなく、緑がいっぱいで瑞々しく雄大な斜面を見ながらポータル谷へと下っていく。
まるでアニメのムーミン谷を思い出していい気分である。
 12:05~12:30 ポータルキャンプ場で父娘パーティといっしょに休憩。ジャスパーの北東近郊に位置
するヒントンという町から来たとのことで、トンキンバレーには冬はスキーで四季を通じて訪れているとのこ
と(娘さんは初めて)。なかなか、渋いお父さんだった。14:00 サーカス谷の橋で最後の休憩。男女2人
パーティが私の装備の小ささに驚いていた。15:00 レンタカーを置いたトレールヘッドに到着。タクシーで
回送してもらったおかげで、余裕で早めに着いた。簡単な着替えをして15:30 ジャスパーのインフォへ下
山報告。「どう?やっぱりvery muddy(ぬかるんだ)だったでしょう?」ということで、無事帰還を喜んでくれた。
ランドリーとシャワーをてきぱきと済ませ、町で買い物(食料 14.15$、本、お土産)。
ホステルへ戻り、例によってキッチンで夕食を作る。:カナダ製アルファ米、クリームシチュー、サラダ
22時就寝。

○8月7日(20日目) マリーンキャニオン ハイク ジャスパーで買い物 曇り時々晴れ
休養を兼ねて、まだ行っていなかったホステルのすぐ横のマリーンキャニオン ハイクにする。
ところが、アクシデント発生。朝ばたばたしていたらトランクにキーを置いて閉じてしまう。フロントドアは
空いているのだが、運転席にあるトランクのロックが解除されない。9:10 キーロック レンタカーへ電話で
連絡。ホステルのお兄さんがサポートしようかと申し出てくれたが、自分で連絡。10:10 バジェットレンタ
カーの窓口のおばさんが来てキー、オープン。後部座席のシートを前に倒せば、トランクが空く構造。それ
なら電話で指示して欲しかった。こちらの主張は「運転席にあるトランクのロックが解除されないのは、そち
らの整備不備」と食い下がったが、「トランクを閉めて、有料であるサービスコールをしたのはあなたの責
任」とばかり取り合わない。結局$15を払うことになった。しようが無いが時間をかけるのももったいないの
で承諾する。
10:30にマリーンキャニオンハイクに出発。観光地で既にバスが止まっている。第1の橋から第6の橋ま
であり、第1の橋の少し上がゴルジュの後退部の最前線。比較的おだやかな流れが急なゴルジュになって
いる。第2の橋からは20m程の深さの水面が眺められる。幅は狭いところでは2mほどしかない。徐々に
遊歩道沿いに下って行き、第4の橋までが比較的近く、渓谷も深い。日本人のカップルもいて、写真撮影を
頼まれたりする。せっかくなので第4の橋から下のおだやかな渓谷沿いの遊歩道を下っていく。一気に人
通りが減るが静かでいい。所々メディスンレイクからの伏流水が側壁から勢い良く噴出している。このあた
りの地質が石灰岩であることと、水質も石灰岩を融解しやすいからだという。遊歩道を第6の橋まで歩き、
また第5の橋まで戻りそこから山側のトレールに入る。マップによるとクライミングスポットがありそうなので
行ってみた。小さなロックガーデンがあって、2パーティ程トレーニングをしていた。雑談をしてその場を後に
した。第1の橋でキャニオンの豪快な滝を楽しんでホステルに戻る。14:30 
15:30から車でジャスパーに出て買い物。夕食は面倒なので外食で中華セットを取る $10.5
翌日も好天そうなので、コロンビアアイスフィールドにバックしてトレッキングをすることにした。買出し 22.
43$ お土産(衣類)。
マリーンレイクホステルに戻り、キッチンで懇談。スウェーデンの若いカップルといくつか話をした。スウェー
デンの国土や気候、日本の国土や名所、自分が住んでいるところ。環境問題では京都議定書にアメリカが
批准を拒否していることに対し、あれじゃだめだと言っていた。

○8月8日(21日目) アイスフィールドへ移動、ウイルコックス ピーク(2886m)登山 曇り後晴れ
6:10まだ薄暗い中、起床 6:20 出発。12日ぶりにアイスフィールドパークウエイ(93号)をひたすら南
下。朝霧が下にたなびく上に、白銀の頂に朝日が射して実に美しい。Mt.Fryatt(3360m)や
Mt.Christie(3102m)が素晴しかった。所々写真を撮るために止まる。7:35にコロンビア氷河に着く。 周囲
はガスで天候の回復を待つ。8:30 ウィルコックスキャンプ場に移動してテントを張る。かなりガスが切れ
てきたので9:15に雪の無いウイルコックス ピークに向け出発。ここはアサバスカ氷河とカナディアンロッ
キー第2の高峰Mt.コロンビアの展望で人気のあるピーク。途中のウイルコックス・パスまではトレールがあ
るが後はスクランブリングルート。
  樹林帯をトラバースしていくとサブアルパインメドゥに出てなだらかなウイルコックス・パスに向かう。10:
00 パス手前の丘(2380m)で小休止。パスを右に見ながら正面左から尾根に取り付く。見ると前方に
Big-horn sheepが5頭、座ってこちらを見ている。ガイドブックでもこの周辺に生息しているとのこと。正面突
破は羊達が立ちはだかり厳しいので左から尾根に取り付く。11:15 第1の肩に着き、小休止。ここからは
左側がすっぱり切れ落ち、稜線の右側沿いに歩く。頂上直下は少しルートファインディングが必要。穂高の
稜線位のスクランブリングを10分ほど続けると12:05 ピークに飛び出す。 頂上にはフランス人の家族
(男の子10歳)3人連れが休んでいた。10歳でよく頑張って登ったねとほめるとはにかんでいた。この3人
はヨーロッパアルプスのトレッキングなど良く歩いているようだ。ガスがほとんど晴れてきた。左からMt.アサ
バスカ、Mt.アンドロメダ、Mt.コロンビア、スノードーム、キックナーなど3400m以上の高峰がずらっと並ぶ。






アサバスカ山


雄大な景色に目を奪われる。眼下にはアイスフィールドパークウエイを走る車がおもちゃのよう。雄大な空
間を隔てて北米でも有数の大氷原が広がる。お互いに写真を撮りあいながら歓談する。3人が去った後も
時間もあるので1人でゆっくりしていると、続いて3人のイタリア人パーティ。今朝、アサバスカのシルバーホ
ルン(雪稜登攀)を予定していたが、ガスがかかっていたので明日に延期とのこと。大幅に回復したのでも
ったいない気がした。陽気なイタリア人で、ドロミテの傍に住んでいてイタリアアルプスはいい所だから一度
気なよ、とのこと。イタリアは山はいいし、パスタはうまいし、いい歌はあるし、ということで歌を口ずさんでく
れる。また写真を撮り合って歓談。のどかな頂上での大休止であった(14:15まで)。
 3人と前後しながら下り、また私だけ14:55から16時までメドゥで休憩。来るときとは違い、アイスフィー
ルドキャンプ場に下山する。ハイウエイを歩いてウィルコックスキャンプ場に戻る。これで単独でのトレッキ
ングも全て終了。怪我も無く無事終了できたことを感謝する。17:10 キャンプ場着。 テント場代$14。
 着替えをして、アイスフィールド・ビジターセンターでたむろしていると、何とトンキンバレーで会った細井
カップルとばったりと出くわした。2日前にはエディスキャベルのユースホステルにいたはずなので、100k
m程離れたアイスフィールドでひょっとして?と思っていたが本当に再会できるとは思わなかった。日が傾
いてきて泊り場を探しているとのことなので、同じキャンプ場に泊ろうと提案して、了承。夕食やらワインや
ビールやらで焚き火を囲みながら私にとっては今回最後のキャンプを楽しんだ。夕食は日本から持参した
残り物を次から次へと調理。中華丼、ごはん、サラダ、高野豆腐などなど。彼らはこれからバンフまでサイク
リングをして、いったんアラスカにまた戻り、それから日本に帰国するとのこと。それから秋には更に東南ア
ジアからネパール、更に西へと2人で旅に出るとのこと。節約旅行で贅沢は望めないだろうが、フィアンセと
苦楽を共にするのは何よりだと思う。細井君の方は彫刻家で、旅で得たイメージや題材を元に次の創作活
動につなげるとのこと。頑張って欲しいものである。
 
○8月9日(22日目) ジャスパーへ移動 休養 夜行バスでバンクーバーへ 快晴
8:30 起床のんびりとしたまたまた快晴の朝である。昨日のイタリア人パーティはきっといいクライミングを
しているだろう。 残りの調味料や食料で欲しいものを全部2人に提供し、連絡先を交換し11:00にアイス
フィールドを出発。帰りの山も素晴らしかった。途中、人が集まっているので車を止めると、マウンテンゴー
ト(毛の長い白いやぎ)が数頭、露岩をなめている。おそらくミネラルを補給しにきているのだろう。冬ほどは
毛が長くないが、きれいでかわいい。この場所からはエディスキャベル山が東南方向から眺められ、東稜
の鋭角の姿が素晴らしい。
12:15にジャスパー着。例によって最後のランドリーとシャワーを済ませ、バンクーバーへの移動の支度
をする。14:00 グレイハウンドバスの切符購入 $104。バス案内所で荷物を預かってもらい(free)、レ
ンタカー返却($538、ガソリン25.9$)。身軽になって諸手続きを済ませる。(バンクーバーのホステル
予約確認、エドモントンの総領事館へパスポートの最終確認:結局届け無し、8・11のバンクーバーでのク
ルーズツアーの電話予約)。15時半には全てを終了し、あとは夜中のバスを待つだけとなるが少々時間を
持て余す。インフォ前の芝生に寝転がって、エディスキャベルの見慣れた北壁を眺めながら(ここ数日は頂
上までガス無し)、買った本を読んだり、昼寝をしたり。何も無いというのも非常に贅沢な時間である。18時
には待ちかねて夕食。ステーキハウスに入る。($32.33) 一人の食事はやはり寂しい。その後も町の
なかをうろうろ。22時には鉄道の駅の待合室へ。日本人が20人程、列車を待っていた。話を聞いてみると
昼間の列車が事故で遅れていて11時半発に変更になったとのこと。車体の上部まで窓ガラスになった展
望列車での景色を楽しみにしていたのに夜じゃねえ、とぼやいておられた。11時半に列車が出てからは終
に駅からも締め出される。締め出された者同士、またお互いのカナダ旅行に花が咲く。バスも客に混じって、
ジャスパーで働く日本人(みやげ物や会った女性も来ていた)も友人を見送りに来ていた。それぞれいっぱ
いひっかけてきたようで、日頃の仕事でのうっぷんを晴らしている。(現地人に混じって日本人が働くという
のもなかなか大変なようだ) 待ちかねたバンクーバー行きのバスが1時前に到着、1:40出発した。

○8月10日(23日目) 昼バンクーバー着 バンクーバー観光(美術館) 晴れ
夜行バスは満席で窮屈であった。うつらうつらするがそうは眠れない。
AM4:00 グリーンリバー、6:00 カムループス(夜明け)、9:00 ホープ入り口、10:10 チリバック(この
あたりから南方、USの方向に白い大きな山が見えた。おそらくカスケード山脈の米国領のベーカー山 
3285mと思われる)、12:20 バンクーバー到着
荷物が大きいのでタクシーでCambiホステルへ($11)。ユースホステル協会のホステルでは無く、割引は
無いが2泊で$32.5(デポジット$10含む)と格安だが、こぎれいとはいえない。衛生のためということで
自前の寝袋は預かりとなる。
 さっそく大事な仕事が待っている。在バンクーバー総領事館へ出向き渡航証を発給してもらわねばなら
ない。幸い遠くないので歩いていく。平日の開館時間は9-12 13:30-16:30 。現金$34.75、免許証、航空
券、紛失証明、写真2枚を持って出頭。紛失の経緯を日本人の駐在員に確認される。1時間ほどでできま
すということで、外へ出て近くのインフォへ情報を仕入れにいく。日本人も多い。渡航証を発給していただき
一安心。これでとりあえづ帰国できる。ほっとしてバンクーバーの中心街へ向かう。Art Gararyに入る($12.)
とレンブラントの版画展をやっていてなかなか良かった。
 メインストリートのロブソン通りをぶらつく。通りやカフェテリアで日本人らしき若者を多く見かける。バンク
ーバーでのショートステイやワーキングホリデイが多いと聞くがそういった若者という感じだった。インドレス
トランで夕食。いい気分でホステルに帰る。部屋は2段ベッドのある2人部屋だが今日は1人。ベッドの下
段に陣取る。
 
○8月11日(24日目) バンクーバー観光:ハウ湾のクルーズ、スコーミッシュへ、帰りは列車
・スタンレーパークのサイクリング 晴れ
今日もいい天気で朝食をホステル横のパン屋兼喫茶店で済ませて、歩きで波止場に向かう。遊歩道は犬
の散歩をしたり、ジョギングをしたりとめいめいの休日の朝を楽しむ姿が見られた。カナダプレイス(旧見本
市会場)の横を抜けて30分で、観光船が停泊する場所コール・ハーバーに着く。予約していることを伝え、
チケットを購入。ランチを付けてもらって$83である。ブリタニア号という名前で150人位は乗っていただろ
うか。出帆して湾内に進んでいく。ライオンズ・ゲート・ブリッジをくぐりハウ湾に向かって滑り出していく。海
鳥の飛ぶ姿を眺めたりしていると次第に遠くに雪をかぶった山が見えたりする。ハウ湾に入ると遠くにガリ
バルディ山やスコーミッシュの港町とその右側に有名な岩場、スコーミッシュ・チーフの大きな塊が近づいて
くる。標高300m位はある岩山が海までせり出している。なかなか圧巻である。正面の壁にはクライマーは
認められなかったが手前の小さな岩峰で数人のクライマーを見ることができた。町に着いて1時間の休憩。
この時間を利用してオプショナルのシャノン滝見物のバスツアーが出ていたがこれは不参加。スコーミッシ
ュは高い建物は無く、穏やかな町。例によって本屋さんに立ち寄る。チーフやウィスラーのクライミングガイ
ドやコースト山脈のアルパインガイドブックと結構並んでいた。
  駅に戻って今度はディーゼル列車でバンクーバーまで戻る。アメリカの農場から来たという老夫婦と話
をしたり、海岸沿いの列車から先ほど船で走った湾内をみたり、楽しい小旅行だった。列車を降りてシャト
ルバスに乗り換え、元の波止場まで戻してくれた。
 16時とまだ日が高いので、今度はサイクリング。スタンレーパーク一周をすることにした。スタンレーパー
クは海に突き出た小さな半島状のエリアで1週10km程度と手ごろ。遊歩道とは別に自転車道(ローラーブ
レードも可)が並走する。自転車は左回りのみと安全と快適走行を補償するシステムになっている。途中に
はベンチや子どもの遊戯施設、プールまであって近所に住む人たちにとっても憩いの地になっているようだ。
周縁道路を外れて小半島中央部の未舗装路に入り込むと一気に人通り少ない深い森である。網の目のよ
うにダブルトラックが走っていて迷いそうになるが、地図とにらめっこをして目的の池に到着する。蓮の花は
終わっているが静かな池で時折似たようなサイクリストが通りかかる。さりげない形で生活を楽しむ空間と
ゆったりとしたが大都市の周辺に用意されているのはいかにもカナダらしい感じがした。
  MTBを返却し、お腹が空いたところでぶらついていると、モンゴル焼肉という日本語が目に飛び込んで
きたので吸い込まれるように入る。日本料理はたべたい気がしないが東洋の料理はやはり身近に感じる。
モンゴルの焼肉なるものは直径1m位の大きな平らな鉄板(火はガス)に焼き手のお兄さんが1人いて、客
はいろんな肉類や野菜、好みのソースをボールに取って順番に並んで、焼き手に渡す。すると80cm位の
金棒を持った焼き手は、15秒か20秒という短時間であっという間に焼き上げてしまうというもの。棒1本で
一瞬の内に焼きあがったものをボールに移してくれて焼きあがり。見事な棒さばきに頂きます。食べ放題で
$9.5なので味はほどほどである。私は1度お代わりをしただけだが、隣の中国系の若者は2度のお代わ
り、若いだけあって食欲もすごい。
 ホステルに戻ると同宿者が来ていた。フランス人で今イングランドで働いているという好感の持てる若者
であった。カナダ最後の夜で、書き物をしながら床についた。
○8月12日(25日目) バンクーバー発 13:30 AC-3003 晴れ
 朝食を同宿のフランス人と隣の喫茶店で取って、チェックアウト(デポジットの$10とシュラフ返却)。70L
を背負い、50Lのザックを前から手を通して空港へのシャトルバスのバス停までゆっくり歩く。結構の重量
だが、朝はひんやりしているので汗をかくほどでもない。バスで25分程でバンクーバー国際空港に11時前
に着く。非常な混雑である。早めに着てよかった。チェックインカウンターでの登録の後、免税店で最後の
買い物をし、軽く食事。機中ではカルガリーから日本へ10日間の旅行に行くというお兄さんと隣になり、時
折話しながら過ごす。
○8月13日(26日目)
日付変更線をまたいで成田着 15:05。新幹線で帰豊する。

<1人旅の感想>
全体として26日間ということでこれまでの海外滞在の中では最長となった。さすがに長かった。前半2週間
余りは4人での行動、後半10日は初めての海外1人旅となった。言葉は次第に慣れてきたが、込み入っ
た話になると英語力の不足を痛感した。
帰国してからは案の定カミサンからのしっぺ返しをこっぴどく浴びせられ、自由時間が圧縮された。だけれ
ども年末を迎え冬山合宿に参加させてくれるのはありがたい。(愛想をつかされたか)
彼女はいつの日か娘を誘ってプリンスエドワーズ島を訪れたいとのこと。また、いつかカナダを訪れたいも
のである。

―記:上田―



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