唐沢岳幕岩「畠山ルート

山行名【唐沢岳幕岩「畠山ルート」】
年月日【2005年6月4~5日】
メンバー【白井、石原(渓稜会)】
3 日の金曜日の夜9 時に白井家を出発。「マタ山へ行くの
~」とカミサンの嫌味をまねして口にする娘に見送られて石
原号に乗り込む。
先週風邪を引いて喉が痛みが取れないが、山へ行けば治
ると思っていざ出陣!
七倉のゲートに2 時前には確か着いただろうか、石原さん
がテントのポールと間違えてゾンデを持ってきてしまったの
で車の中で寝るΣ(‾□‾;)。間違える気持ちはわからんで
もないですが…。
6月4日
6 時の起きてみると、天気は気持ちよく晴れている。ホント
に午後から雨が降るのかな?
アプローチの途中にある金時の滝は赤布に導かれ、左岸
の巻き道を使った。かなり急登だがFix はバッチし張ってあ
るので困ることはない。
9 時過ぎに大町の宿着。誰もいない、ラッキー!結局2 日
とも誰もいなかったんですけどね。
とりあえずロープ2 本分Fix 張りにいく。赤茶けた凹角がわ
かったので、取り付きまでフリーで行けると思い、1 ピッチ目
を沢靴のまま登ろうとしたが、ちょっと厳しいのでフラットソー
ルに履き替え登る。
2 ピッチ目もそのまま行こうするが、きっ厳しい… 無理で
す!あとでトポを見てみるとA1、Ⅲ級となっている。オイオイ
最初にちゃんと見とけよ~。
Ⅲピッチ目の取り付きで雨が本格的になってきて、更に雷
が激しく響いてきた。石原さんの雨男本領発揮!ロープの
Fix 張ってとっと大町の宿に戻る。
午後は、雨は降ったりやんだりしていたので、ずっと昼寝し
てました。夜はそのままツエルトもかぶらず寝ました。大町の
宿はホントに快適。
昔から風を感じ、虫や生き物の音が聞きながらテントに入
らず寝るのが好きな私には、雨露を気にせず外で寝れる岩
小屋は大好きですね。夜はジュウイチが騒がしく鳴いてはい
ましたがそれも子守唄のように気にならないですね森の中で
は。
6月5日
3 時に起きてラーメン3個を二人で食べて出発。準備を済
ませ大町の宿を出るとなんと雨がぱらついてる。いやな気分
である。しかし、Fix をユマールしてる間にどんどん天気は良
くなり一安心。
3ピッチ目のトポではA2 となっているピッチは石原さんがリ
ードしないというので私がリード。身長172cm の私なら楽々
でした。身長が低い女性なんかはボルトが遠い箇所が2 箇
所ほどあるかもしれませんが、現状ではA2 は無いですね。
その後は、つるべでリードを交代していく。5 ピッチ目は滑
り台のような凹角状をフリーであがるところで快適できもちい
い。
ハイライトの大チムニールートは最初のピッチを凹角基部
までリードしたが、あれでライン取りは良かったのだろうか?
右の人工ピッチを快適なクラックを使ってフリーで6m ほど
のぼり、残地ピトン2 箇所あるところより左へカンテを二つ回
り込む。途中新目のリングボルトがあるが、この回り込んだが
やや強引だったか?みんなはどうしているのだろう?
大チムニー中間ピッチを石原さんがリード。これまた強引
なムーブで登ってゆく。石原さんもう少しフリーの練習すれ
ばもっと楽なるよ~。怖くなくなるし少し。やはりバック&フット
で石原氏は登ってゆく。
次のピッチは私の番。実はあまりチムニー得意じゃないん
です私。しかもグレードが6級-になっているうー(≧◇≦)。
過去に小川山の3峰にある南稜神奈川ルートをカミサンと
登りに行った時。上部にある5.8 のチムニーが登れず敗退し
たトラウマがいまだに引きずっています。
あれはチムニーというよりオフウィズスに近いし中間支点
がとれないんですよねー。しかし5.8…情けないですが誰か
連れてってください、また(´;ω;`)。しかし、心配することはな
く難なくバック&フットで乗り切る。
しかし、人気ルートの割には苔むしてるなぁ。チムニーから
抜け出してすぐに左上に回りこんでスラブをあがる。右のオリ
ジナルルートと合流する終了点で石原さんをビレー。
その後は、フェイスを左のブッシュ際に上がってしまいオリ
ジナルラインに迷い込んでしまう。迷いながらもなんとか12
時10 分頃には登攀を終わることが出来ました。
あとは赤布が着いているバンドを右稜のコル方向へトラバ
ース。尾根筋の赤布に出会ったら、尾根を下るのではなく赤
布を追いながら上がる。
尾根を上がると右へルンゼへ降りるので、そのルンゼをひ
たすら降りてけば下降口へ行けます。
午後3 時に再び大町の宿に帰る。帰りは金時の滝を右岸
より懸垂下降でおり、6 時過ぎに七倉の駐車場に戻ることが
出来ました。
感想としては素晴らしいルートだと思います。草付は多いで
すが、そんなことに文句を言っていたら日本のアルパインル
ートはことごとく駄目になる残念ですが。
私としては想像していたのより良かったです。ルートがフリ
ー主体であること、人工ありフリーのフェイスやスラブ、そして
チムニーありと変化に富んでいる。ルートも比較的長いし、
アプローチが沢を詰めていきアルパイン的でいい。大町の
宿がいい。大変いい思い出に残るルートでした。石原さんあ
りがとうございました。
-記・白井-

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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