屋久島・宮之浦岳

【屋久島・宮之浦岳】08.4.12(宮尾)
年月日【2008年4月12日~15日】
メンバー【宮尾・TK 氏・KI 氏(いずれも同僚)】
4 月12 日 曇り
関空でTK 氏、KI 氏と合流。TK 氏は、職場
では私と同じように技術者兼プロジェクト統括
的な立場であり、規模は若干違うが同様の仕事
をしている。KI 氏は元部長研究員で定年退職し
今は嘱託職員として測定原理の発案や若手の育
成にあたられている。今回の山行は、TK 氏の
勤続20 年の休暇に対するお誘いであった。仕
事に疲れて潤いのない生活が続いていたのでこ
れぞとばかりに便乗させてもらった。
空港近くのレンタカー屋でBitz を受け取り
ダイレクトに白谷雲水峡へ。15 時スタートでゆ
っくり周回したため、もののけ姫の森には行か
ず17 時前に終了。午前中雨だったらしくかな
り湿っぽい。
スーパーでパンなどの買い出し後、安房の民
宿『水明荘』へ。宮崎駿の色紙が貼ってある。
夕食はとびうおの唐揚げ、イカの刺身、ご当地
のさつまあげの入った味噌汁などで豪勢だった。
1 年半に及ぶ過剰な労働時間からか2 月中頃
から胃と食道に圧迫感があり、夕食の焼酎で夜
中に喉が少しおかしくなった。TK 氏も同様に
喉がおかしいらしくマスクをしている。
元はと言えば、普段のストレスと未だ慣れな
い大阪の空気のせいかもしれない。
関空 9:20→鹿児島10:30→屋久島13:30→白谷
雲水峡14:30(15 時発)→宿18:00
4 月13 日 晴れのち小雨(霧)
5 時起床、5 時半発。
女将にお弁当(朝・昼)を用意していただき
荒川口へ向け出発。6 時過ぎに到着。登山者は
ツアーがほとんどで100~150 人ぐらいか。
ツアー客は、宿泊、飛行機代がベースでオプ
ションとして1 万5 千円を払ってガイドをつけ
ている。ガイドなしの単独の女性もいるが、全
体として中年以降の団体か若い女性のGr が多
く、カップルも時々という感じである。
6 時15 分、トロッコの線路を歩き始める中
ガイド付きの人々の後ろから盗み聞きし、
『桜ツツジ』などの名前を覚えた。
7 時前頃、小学校の跡地でまだ暖かい朝弁当
をおいしくいただく。
長いトロッコ道を歩いて登山道である大株歩
道入り口に9 時着。
ここから緩やかな登りとなり、ウイルソン株
に20 分で着く。
とてつもないサイズの切り株で、中に10 畳
程度のスペースがある。入ると祠があり、近く
に清水が湧いている。
この切り株は、徳川幕府への献上のために2
本切ったうちの一つだとか、秀吉の命で大阪城
築城の際に切ったとか諸説があるが、史実上か
らははっきりしていない。
ここから大王杉まで30 分程度。少し雨粒が
落ちてきたのでカッパを着る。
そして、夫婦杉が続く。夫婦杉は、2 本の橋
渡しの枝がつながっているのが由来らしい。
1
二代大杉
水場が縄文杉、大王杉、ウイルソン株付近に
あるが大王杉(の上部)が一番まろやかで、縄
文杉、ウイルソン株は少しミネラルがあり硬い
らしい。ただし、いずれも軟水で、島全体も土
地がやせているため軟水である。

縄文杉、11 時着。樹齢七千二百年にふさわし
く、大きさ、太さは言うまでもない。ただ、老
木のため上部の枝は枯れて中心部だけしっかり
起立している。見樹台で40 分ほどゆっくり眺
めてしっかり頭に焼き付けると同時に写真に収
める。だんだんガスが湧いてきて景色もままな
らぬ状況になってきたので下山。途中、大王杉
の見える休憩場所の空きスペースでお昼弁当を
いただく。しっかりした弁当で、ハンバーグも
おにぎりもボリュームが合って最高だ。
ウイルソン株の少し上部で苔の撮影をしてい
て苔も長く伸びるものと短かいが密度のあるも
のに違いがあることに気がついた。湿潤な気候
のせいかいずれも水分はたっぷり含んでいる。
朝からきのこがほとんど見あたらなかったが、
この休憩でシメジのような小さいものを見つけ
た。
帰りはだるいだけと滅入っていたが、トロッ
コ道では小学校跡地までは踏み板が線路の間に
はめてあり歩きやすい。16 時ちょうどに荒川口
着。
宿で天気をチェックすると夜中に雨で、明日
は早急に回復するとのことで、明日宮之浦岳、
明後日観光して帰ることに決めた。本心は、指
宿で砂風呂に入って桜島を見ながら薩摩半島を
ゆっくり電車で移動してみたかったが、仕事を
さぼって来ているのでそういうわけにもいかな
い。
宿 5:30→荒川口6:00→大株歩道9:00(9:20 発)
→縄文杉11:00(11:40 発)→荒川口16:00
4 月14 日 快晴
昨日晩飯の時に、雨が残っていても出発は早
いほうがいいだろうと決めていたのでやはり6
時に宿を出る。夜半の雨で山は少しガスがかか
っている。
車で淀川入口まで行くが屋久杉ランドを通過
し途中に紀元杉がある。車道からすぐ見られる
珍しい杉である。樹齢三千年、木道があり周囲
を1周できる。
縄文杉や大王杉などを見てきたので、樹齢が
三千年以上のものと一~二千年程度のもの区別
はつくようになってきた。
淀川入口では、完全に晴れてきた。ウグイス
の鳴き声が賑やかである。淀川というと汚いよ
うなイメージがあったが、周りの緑とともに澄
んだ美しい沢であった。橋の辺りは景色がすご
くいい感じだ。
登山道には、樹齢千~二千年クラスの杉が
次々と現れる。モミの木も多い。葉がツガによ
く似ているのでわかりやすい。10 時頃花之江河
着。湿地帯で周辺の景色は美しいが、木道のま
わりに蛙の死骸がいっぱいあり、景観を損ねて
いる。ツボカビ病とかいうものだろうか?
山頂までは、巨岩が散在する景色となり大し
た傾斜もないルートをハイキング気分でのぼる
ことができる。
腹痛をやり過ごす間にツアーが通り過ぎたり
して大変だったが、気楽なトレッキングであっ
という間に頂上についた。
5山頂で記念撮影

山頂で写真を撮り、リターンした。帰りも単
独であれば走るようにいけたがTK 氏が昨日か
らの蓄積で足の痛みを訴えだしたのでペースダ
ウンし花之江河でしっかり休憩した。
それでも夕方16 時30 分頃には淀川入口に戻
った。
宿 6:00→淀川口7:30(8:00 発)→花之江河8:40
(9:00 発)→宮之浦頂上12:00(12:30 発)→
淀川口16:30
4 月15 日 曇り
朝から屋久杉ランドに行き、3 時間ほどゆっ
くり見て回る。杉の巨木のみならず主に看板の
解説をみて植生の成り立ちを観察したり、初日
のように苔を観察したりした。
温度と湿度の条件がそろうとすばらしい繁殖
力を示すものだと思った。しかも、他の島と違
ってハブに代表される毒蛇や山猫など猛禽類が
いないのも不思議である。川魚も豊富ではない
と聞いているので動物の少ない島と言える。
以下に印象に残った樹木を列記しておく。
・リンゴツバキ・・・ ツバキのような赤い花
が付く。
・ツガ・・・樹は赤茶色、針葉樹。モミより少
し葉が広がっている。
・モミ・・・樹は赤茶色、針葉樹。葉が尖って
いる。屋久島では多く見かける。
・ヤマグルマ・・・杉の近くに幹に巻き付くよ
うに着生する。杉の幹を締め付けて杉本体を
枯らせてしまう場合も多く、ツガに着生して
いるものも見た。樹はブナの色とつるつるさ
に近い。
・ヒメシャラ・・・赤に近い茶色のつるつるし
た樹。なぜか枝に葉がないものしか見かけな
かった。
午後、安房の海が見える喫茶店で時間を潰し
て、TK 氏、KI 氏と別れて飛行機に乗る。
そして、鹿児島でのバカンスはあっという間に
終わった。
-記・宮尾-
【屋久島・宮之浦岳】08.5.5(梅沢)
年月日【2008年5月5日~6日】
メンバー【梅沢守・ふじ子】
5 月5 日
5:30豊橋より中部国際空港に向かう。
7:50の日航鹿児島行きの飛行機に乗る。
9:10雨の鹿児島空港到着。
10:50の屋久島行きのプロペラ機に搭
乗。
11:30屋久島空港に到着雨も上がって
くれた。近くのスーパーライフセンターヤク
デンでガスボンベ、食糧、ビールなどを購入
する。
タクシーで下山後の屋久島グリーンホテル
に不要な荷物を預け、空港から利用したタク
シーで一路白谷雲峡登山口に向かう。海抜0
メートルから一気に標高500 メートルである。
登山口の管理棟で協力金1 名¥300 を支払
い観光客と登山客が入混じった道を今日の宿
泊地の白谷小屋に向かう。
14:00整備された快適の登山道である、
弥生杉からさつき吊橋を過ぎると少し登山道
らしくなってる。沢を横切ると二代くぐり杉
を過ぎると右奥に白谷小屋が見える、小屋の
前の広場には、机と椅子が施されていて、4
人ほどの人が休憩している。
小屋は少々うす暗いが、中は整頓されてい
て50 名ほどが泊まれるようになっている。
上下二段になっているので、窓際の明るい
場所を確保する。
15:20時間もあるので太鼓岩まで行く。
途中もののけ姫の森と云う場所は苔の有名な
ところである。辻峠から左に行く、所々赤布
がある、急な登りを過ぎると目の前が開け、
太鼓岩の上に出る、正面には宮之浦岳、投石
岳等々が聳え立ち眼下には安房川の源流がキ
ラキラ流れている。
下りは登りと違うルートで辻峠に至る。小
屋に戻ると女性2 名が小屋に泊まっていた。
17:30
5 月6 日
女子パーテーは既に出発しており、我々は、
少し明るくなってからの行動する。
5:40昨日行った辻峠を過ぎると、下り
になり少し行くと左手に辻の岩屋があり大き
なひさし状の立派な岩小屋である。50 分ほど
下ると荒川口より来ている軌道跡に出る。
軌道には歩きよいように線路の間には板が
並べてある。ここからはガイド付の登山者、
観光客が入混じり縄文杉に向かっている。
所々軌道をショートカットするように近道
が作られて、すぐ下には安房川北沢が流れて
所々滝になっている、川越しに翁岳、安房岳、
投石岳が望まれる、大株入口に着く。
8:40ここからは、急な登りになるが、
道は木道、と階段で木の根を痛めない様に保
護をして作られている、翁杉を過ぎると、ウ
イルソン株につく、とてつもない大きな株で
中には7、8 人は入れるほどである、横でガ
イドの説明を聞きながら感心する。急な登り
も終わりにかかる頃上の方には多くの人だか
りが見える。
縄文杉であった、縄文杉の前には木製の大
きなテラスから見るようになっている。その
様は杉と云うより何か植物の王様(着生植物
が付いているため)の様であった。
11:15縄文杉を後にする、今迄のにぎや
かさと変わって静かな屋久島の自然を満喫する。
すぐに高塚小屋が右奥に見え登山道横には板敷
きのテント場がある。なおも登って行くとヤク
シマシャクナゲ、イメシャラなどの木が見ら
れるころ本日の宿泊地の新高塚小屋に到着す
る。
小屋は 60、70 名ほど泊まれる広い小屋で
西側には木製デッキにはテント6~7張りぐ
らいはれるようになっている。天気もよくウ
トウトしながら過ごす。
14:00恐ろしいいびきで夜が明ける、
ジフィズで朝食を済まし5:00小屋を後に
する。
昨夜は 30 名ほど小屋に泊まっていた。久
しぶりの小屋泊まりのために少々睡眠不足で
あった。
少し行くと第一展望台に着く右手には、障
子尾根の白く磨かれた岩壁地帯が見える。第
二展望台に近くなると周囲は、植生は笹とザ
レに変わってくる。道は相変らず木製の階段
と木道で傷めないようにしてある正面には宮
之浦岳、右奥には永田岳が見える。
2時間ほどで永田岳の分岐に着く、妻をそ
こに待たせ、永田岳に向かうこの辺りは、標
高1,750m。テントサイトに絶好な所でも雨
の多い屋久島だけに水も豊富あった。
一度最低鞍部まで下り120m ほど登り返
す。一部岩綾の部分には鎖もありそこを抜け
れば永田岳頂上であり正面には永田の部落と
大きな海が望まれる。また左右岩綾帯に挟ま
れて永田川の源流のゴルジュ帯が眼下に見え
る。その様相はすごいの一言で思わずため息
をついていしまった。
あまり時間もないので舞い戻り本峰を目指
す、ザレの道を一登りすると、巨石のある宮
之浦岳に着く。頂上で写真を撮り早々に下る
周辺は巨大な岩が点在していて中には、まる
で巨人が大きな岩を乗せた様なものもある。
翁岳、安房岳、投石岳の下部をトラバース
しながら下ると正面に黒味岳が見える上部は
白く巨石が点在しているなおも下ると樹林に
なってくるころには、黒味岳の分岐に着く。
黒味岳は登らず一気に花之江河まで下る、
花之江河は、湿地帯であった、これより1時
間30分ほど淀川小屋に着く、すぐ横には川
が流れている小屋は30人ほど泊まれる。
2:30これよりしばらくいくと林道に到
着すると昨日頼んでおいたタクシーが待って
いた。15:20
雨の多い屋久島で、天気にも恵まれた2日
間でした。島はのんびりしていて、本土のよ
うなあわただしさの無いゆったりした雰囲気
がとても印象的でした。
-記・梅沢-

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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