ガチ登攀;阿弥陀北陵〜赤岳主陵継続

【阿弥陀北陵〜赤岳主陵】2016.3.15 山形
【年月日】2016年3/11〜3/13
【メンバー】山形、他一名

今期はアイスにハマり、日帰り出来る御在所に足繁く通った。
久しぶりにガチンコの山行したいなぁーと思っていた矢先、広島時代に知り合った山仲間から声が掛かった。

「山ちゃーん、阿弥陀北陵から赤岳主陵の継続しない?!」
そりゃもう僕はそんな楽しそうな話が来たら「はい、行きます!!」の二つ返事です。
目の前にニンジンをぶら下げられている馬よりも簡単に山形は釣れちゃいます。

彼は黒部横断、谷川岳冬期登攀など毎週のようにバリバリのアルパインしている尊敬するクライマーの一人だ。
主陵も今回で5、6回目との事!

赤岳主陵はやりたいなぁーと思っていたルートだったし去年は完全におんぶに抱っこ状態で登った阿弥陀北陵を
今の自分だったらどう処理するだろうかというのも興味があった。
行きたいルートが多過ぎてなかなか2年連続で同じルートに行くって事は無いですからね。

毎度の事ですがニ週間前頃からワクワクが止まりませぬ!走り込みなど無駄な足掻きをして本番までの緊張を紛らわす。

いざ!

3/12(土)

金晩発、飯田山本までの道のりを一人きりで運転するのはなかなか寂しかった。
適当なところで車中泊とする。

翌土曜日9時に美濃戸山荘手前の駐車場で集合、まずは久しぶりの再会を喜び合う。いやー、山好きなところ全然変わって無くてこっちまでモチベーションあがる。
「子供が大きくなったから最近毎週のように山に行かせて貰えてるんよー」
山形「そうなんすねー!お子さん何歳になったんでしたっけ?」
「0歳だよ」

全然大きくなってなくて笑いました。これぞ山屋の鑑笑?!
そんな会話をしながら行者小屋を目指す。
今年初の行者小屋でのテント泊だ。

道中でかっこいい赤岳の山容が。そそられます。
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初日は時間が余ったので北陵までのトレースを確認した後でアイスで遊ぶ。御在所とは違い、こちらのアイスはまだ生きてました!
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テント場に戻るとなかなかの幕営数でした!
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夜は美味しい鍋料理に舌鼓を打ち、お土産として持ってきた蓬莱泉を呑みながら談笑。
近況話、山話に花を咲かせた。
全国に山仲間がいるって素晴らしい!

なんと言っても本番は翌日の日曜日だ!
いつも通りですが頑張るぞー!と思う暇なくシュラフに入って5秒後に就寝。

3/13(日)

やはり緊張感があったからだろうか、珍しく予定通り3時に起きれた。
こんなに早起きするのは山でも久しぶりだ。
4:30にはまだ暗い中、歩き始める。
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取り付きまではかなりの急登だ。ふくらはぎにくる。
暗いからだろうか、ずっと続くと錯覚させられる登りであった。
5:30にジャンクションピーク到達、いよいよ登攀開始だ!
山形がリードを譲ってもらう。いつも1ピッチ目は緊張する。
ロープをハーネスに通しながら第一岩峰を見上げる。まだ空は僅かに白んで来る程度だ。
今回は残置無視も課題の一つで自分も出来るか分からなかったが出来るだけ残置無視でやってみようと思っていた。カムを肩にかけるとズシリとくる。

着実に登る。アイスを練習したおかげか、足をしっかり見ながら危なげなく登れた。緊張が楽しさに変わっていく瞬間だ!
ロープいっぱいの都合2ピッチ分、残置無視なので終了点も立木です。
楽しい!!!空も明るくなってきた。
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スイスイ登れたという余韻に浸りながら後続を引き上げる。これが浅田さんの言う「困難を克服する」って事なんだなぁと改めて感じた。
去年に雪山デビューして必死で登った北陵、一年を通してトレーニングしたおかげで自分の成長を強く実感出来た!またトレーニングに励もうとモチベーションも上がります!

調子に乗るタイプの僕は一気にテンションがあがる笑
3ピッチ目は歩きだがスタカットで進む。去年に比べて圧倒的に雪が多かった。
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6:30に阿弥陀の頂上に抜けた。朝日がお出迎えのバッチリのタイミング!良いペースです(^^)さすがに頂上は風が強く、そそくさと移動する。頂上の看板も雪でかなり埋まっていました。
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さぁ、ここからは核心の後半戦です!
せっかく稼いだ高度をまずは下げて中岳を目指す。
阿弥陀をバックにパシャリ。
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8:00に主陵の取り付き点へ。まだまだ体力は残っている!状況次第で継続は諦める心構えをしていたが時間的にも申し分ない。
朝早かった為貸切状態だった北陵とは違い、さすがに主陵には他のクライマーがいた。
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しばらく待った後に登攀開始!また1ピッチ目を譲って頂いた。なんと寛大なパートナー、ありがとうございます!
後から振り返ると1ピッチ目のチョックストーンを乗り越えるところが核心だったかに思う。

相変わらず残置無視を続ける。新しい世界が見えてきた。残置無視だと終了点で順番待ちする必要もない!
「こっち登ったら面白そう!」と新しいルートまでボヤっと見えてくる。
終了点は全てピナクルで取る。自分の力だけで自然と向き合ってる感じがして良い!
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楽しいねー、良いねー!とお互い声をかけながら登る。
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1、3、5ピッチ目を山形がリード、6ピッチ目を終了したところで頂上直下、後は歩いて行けそうだという事でザイルをしまう。
そしてついにー!!
11:30にピークに抜ける事が出来ました。
やったー!!継続登攀と残置無視を達成出来た瞬間だった!赤岳は初めてだったので喜びもひとしお!
やっぱり頂上に抜けるルートは良いなぁ(≧∇≦)
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登ってきた主陵のラインを見上げニタニタしながら文三郎尾根を下った。
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13:00前に無事にテント場に到着!
空きっ腹を満たした後にテントを片付け行者小屋を後にした。

行動時間は10時間ぐらいだったろうか予定通りのルートをやり遂げ、気持ちの良い疲れが体に残った。
やっぱりアルパインは楽しい!!
そしてちゃんとトレーニングに励めば困難を克服出来る!
如実にそれを感じることが出来たので更にやる気倍増です(^^)
自分の実力でやり遂げられるかなぁーと不安や緊張を抱え、楽しさとの狭間で色々と揺れる感じが好きです。
説明難しいですが笑

もっとフリーの力を付けるのが今の自分の一番の課題だと思っています。
また日頃のトレーニングに励んで次の目標に挑みたい!

記;山形

この記事を書いた人

こいつノリで生きてるだろと思われがちな関西人ですが山に対しては真剣です。厳しいルートを登った後に絶景を見ながらテント泊にて赤ワインを嗜む、そんな登山が大好きです。

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