安全登山普及指導者中央研修会(第1回)

【山行の場所】日時6月26日(河合)
【2015年6月26~28日】
【メンバー】河合

 

 

1日目

平成27年度 安全登山普及指導者中央研修会(第1回)が国立登山研修所(立山)で行われた。読図の講師で行くのは2年目(2回目)だ。担当は大学生4人の班。すべて2回生の方で、後輩の指導をしないといけないから参加したという。講義には前向きで、若いだけあって吸収が早い。

さて、初日は開講式の後、亘さんの基礎講義が90分あり、その後、コンパスの1・2・3を行ったが、雨のため狭い室内での基本的な使い方しかできなかった。次に、明日のコースの特徴物の予測を机上で行った。この予測を研修会では大切にしたいと考えている。(これは、亘さんとの昨年からの打ち合わせどおり)

初日の夜は、午後8時~班別協議で明日歩くコースの予測と装備点検を行った。装備は、地図の研修をメインにしたいと考えなるべく軽くした。

 

2日目

朝7時、研修所出発。7時30分~昨日のコンパス1・2・3が思い通りにできなかったので、復習を行う。

20150627_073023

胸にトランシーバーを持っていた学生は、コンパス1・2・3がうまくいかずにいた。原因は、トランシーバーが磁気を帯びていて、コンパスを狂わしていた。上手くいかない学生に、原因を一つずつ説明していく。講習は、教えるのではなく気付いてもらうのが一番で、そういった意味で、良い失敗となった。

昨日の学生の予測は、細かなところまでは予測できていない。今日は、大きな特徴物から初めて、小さな微地形まで気付いてもらうように説明を加える。

特徴物まで行ったら、トップを交代して進み、現在位置確認の意識を持つようにした。この繰り返しでだいぶ地図読みが出来るようになったと思う。

帰ってから、今日のまとめを行う。昨日の予測した地点、プラス、今日の分かった地点を地図にまとめる。予定より時間が少し早かったので、遭難の事例や、基本的な尾根や沢を地図で見つける事をしたが、この時の資料のことを学生に聞かれたので、豊川のHPに掲載してあることも伝えた。

夜は、瀬木先生の「概念図の作成について」の講義があった。学生は、とても参考になったと評判が良かった。私も拝見していたが、後半は、個人的に大西先生にグーグルアースとカシミールについて教えて頂いた。とても、参考になった。

 

3日目

今日は、朝から雨である。今日の行程は、長尾山からの「藪こぎ!」。学生は藪こぎが初めてという。藪こぎの富山県バージョン。奥三河のそれよりも濃い(熊笹)藪こぎだ。地図とコンパスを学生も私も、真剣に見る。見る。見る。本番だ。

20150628_090259尾根を下るので余計に難しい。昨年は雨の中行きたかった尾根に乗れなくて、道に脱出した。今年も同じく、乗りたい尾根に乗れなくて脱出。難しい。

最初に学生には、本当に迷った時の脱出方法(ここの地形では、コンパスを西に向け、尾根を下り続けると道にでる。)を検討(気付いてほしい)してから藪こぎを行っているので精神的なダメージは少ないと思うが、でも、雨の中藪を漕ぐのは、先が見えないので心配になる。

学生を先頭に進み間違っていても、あまり修正しない。とにかく、実践で地図とコンパスを見て考えてほしいのだ。この考える時間が向上する時間だと思う。

帰ってから、学生に感想を聞いた。相対的にここでの研修はとても勉強になったという。生徒4人に対し講師1名はとても贅沢な研修だと思うし、ここでしか出来ない実践の「藪こぎ」もある。

最後に、昨年も思ったが、ここの研修所へ来ると自分のいいかげんな面が浮き彫りになって、少しへこむ。他の講師の方々がきっちり装備点検にしても、技術にしてもしっかりしているので、頭が下がる。自分の勉強になった。感謝。

この記事を書いた人

 読図コーナーを担当し「初心者からの読図,過去の遭難事例」では、ナビゲーション技術や知識、道迷いの心理、道迷い遭難事例を解説しています。ぜひ、読図コーナーのご一読を・・・。

目次