剣岳 源次郎尾根ルート(後発隊)

【剣岳 源次郎尾根ルート】2016.8.18(牧原)
【年月日】2016年8月12日~14日
【メンバー】上田L、牧原

こんにちわ。マキハラです。
山ももちろんいいですけど、映画『シン・ゴジラ』よかったですよ。

8月11日は今年度から『山の日』として祝日になりました。
私たち後発隊は12日から剣岳に入山する予定でしたが、先発隊(白井L、山形さん)は11日から入山しており、先発隊の情報からだと黒部のトロリーバスは『山の日』も影響したせいか、始発に乗車できないほどの混み様だそうです。

【1日目】
そんな不安を胸に4:15に豊川市役所に集合し、黒部の玄関、扇沢駅まで向かいます。
扇沢駅に到着したのは10:00手前ぐらい。
出た!ヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒト

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山の日の効果はバツグンだ

チケットを購入するのに1時間ほどかかり、
11:00便にやっとのこで乗車します。

11:30 先発隊2人がいる真砂ロッジに向けて出発する。
上田さんは出発前日まで1週間、家族旅行で疲労蓄積、寝不足。牧原は前日にリオの卓球準決勝を見て夜更かししてしまったため寝不足。

黒部川沿いから内蔵助谷から内蔵助平、ハシゴ谷乗越を超える。

黒部ダムゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!って感じ

黒部ダムゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!って感じ

内蔵助平に入る前の休憩ポイント

内蔵助平に入る前のセーブポイント

疲労と暑さで口数も少なくなるところに追い討ちをかけるかのような渡渉が目の前に現れます。
通常ならば雪渓がまだ残っており、川となっていないのだが、連日の猛暑により雪渓がとけ、勢い良く雪解け水が流れております。

決死の渡渉

決死の渡渉

 

「んんんんんんのののぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅ」と叫んだつもりでいましたが、雪解け水が冷たすぎて声も出ません。これが帰りもあると思うと落ち込みます。

18:30には真砂ロッジに到着。
時間も遅くなってしまったので、先発隊もBCに戻っているかな、と思っていましたがいませんでした。日が沈んでも戻ってこないので「白井さんと山形さんなら何があっても大丈夫だろう」と思いながらも非常に心配になってしまうのが常です。
そんな心配をよそに、16時間も行動したとは思えない足取りで先発隊が戻ってきました。本当に本当によかった、仲間の大切さを感じる場面でもありました。

せっかく二人のためにお湯を用意してましたが、二人が元気よく「ビールがのみてー」といったときにそっと火を消したのはココだけの話です。

【2日目】
まんまと寝坊。
4:15起床、5:15BC発。
剣沢雪渓沿いに登る。平蔵谷まで雪渓を攻め、源次郎尾根Ⅰ峰の取り付きに入る。
前日の情報だと源次郎尾根も激混の状況で30人近くはいたと聞いていましたが、
今のところ、我々のパーティーしかいませんでした。

源次郎尾根までのアプローチ。雪渓がなくガレ場と化す

源次郎尾根までのアプローチ。雪渓がなくガレ場と化す

Ⅰ峰取り付きの始めは急傾斜の樹林帯を登る。
根がむき出しになっている根がむき出しになっている分、手足を使って登ることができますが、枝や葉がザックやピッケルにひっかかりやすく、背負っているものを念頭において登ることが重要です(当たり前ですね)。

樹林帯を抜けると、岩とブッシュの混在地帯で、当然ことながらルートが分かりにくい。
ブッシュには朝露が残っており、不用意に足をのせると滑って滑落の恐れがあります。手で支えが取れない場合はブッシュを束のようにして根元をつかんで荷重かけれるようにし、一歩ずつ確保しながら進みます。

岩ブッシュ岩ブッシュ

岩ブッシュ岩ブッシュ

岩ブッシュを抜けると、ハイマツに覆われた尾根にでる。
ハイマツを抜けると岩稜となる。ホールドはしっかりしており、「落ちたら死ぬぞコレ」という恐怖もありますが、快適なクライミングができる。クライミングといっても普通の登山靴にザイルなしなので慎重に進めば問題ないです。

きもてぃぃぃぃぃぃぃ下には平蔵谷が見える

きもてぃぃぃぃぃぃぃ下には平蔵谷が見える

Ⅰ峰からⅡ峰に下る。懸垂下降はここではしません。
Ⅱ峰も快適な岩場を登る。眺望絶佳。隣には龍の背中のような巨大な八つ峰あり。
八つ峰。龍の背みたい

Ⅱ峰からは懸垂下降をします。高さはおよそ30m。今回はダブルロープを連結して下降しました。
ダブルフィッシャーで連結させて、末端を結んですっぽ抜け防止、ATCとザイルを連結させて、バックアップを取って、いざ下降。

腰が引けてますね~

腰が引けてますね~

下降したコルから上田Lを見上げる

下降したコルから上田Lを見上げる

Ⅱ峰から下降して本峰に取り付きます。
本峰からは危険な箇所も少なく黙々と登りつめるだけです。

単純に自然美がすごい

単純に自然美がすごい

最後のウイニングロードだけは優しい上田さんがトップを譲ってくださいました。
剣岳登頂(2999m)。今までにない充実感がありました。これだからやめられないのですね。はい、とても分かりました。

国交正常化並みの固い握手

国交正常化並みの固い握手

剣の舞をみせるマキハラ

剣の舞をみせるマキハラ

頂上から北方稜線をわたって長次郎谷左股から下降。
雪渓も少なくガレ場を進むことが多いので、落石や、ガレ場に足を取られるので疲労してきた私にはいやな場所でした。

チングルマと上田さん。

チングルマと上田さん。

長次郎谷左股から下山。

長次郎谷左股から下山。

 

八つ峰をバックに我らが上田さん。

八つ峰をバックに我らが上田さん。

 

雪渓から靄が

雪渓から靄が

雪渓を下るときは谷から吹き上げる風に雪渓の冷たい空気が混じり、半袖だと非常に肌寒いくらい。

17:30頃 真砂BCに戻る。ビールうますぎ。昇天しそうでした。
途中エネルギー切れでうとうとし、水不足という事態がおきましたが、熊の岩で水の補給をしたり、こまめに休みを取らせてもらい、無事に戻れました。安心感と充足感で心が満たされました。

待ってくださった白井さん、山形さんと一緒に食事をし、入った当初は「こんな2人と同じようなところいけないな」と思った2人と同じBCで過ごせるといったこともなぜか嬉しかったりします(もちろん、登ったルートは違いましたが・・・)。

ルートはこんな感じ・・・だと思います。

ルートはこんな感じ・・・だと思います。

3日目はⅥ峰のCフェイスに登る予定でしたが、
上田さん、マキハラ両者共に靴擦れがひどく、2日目の満足感と寝不足も重なって
先行パーティーと一緒に下山しました。

真砂BCにて。個人的にこの写真好きです。

真砂BCにて。個人的にこの写真好きです。

予定よりも1日少ない2泊3日の剣岳となりましたが、非常に満足した山行となりました。
ザイルも一箇所しか使わない、私のような初心者向けのルートではありましたが、
一般登山とは、また一味違う楽しみを知ってしまいました。

登っているときは「めちゃくちゃ楽しい!!!」とはならない性分なのですが
下界に戻ってから、思い出したり、写真を見返したりすると、
「あああああああ恋しいぃぃなーーーー、また行きたいなーー」と。

山はそこで待ってくれるからいいですね。
長くなりましたが、おわります。ありがとうございました。

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