はじめに
地図は、とても多くの情報が掲載されています。等高線を見ているだけで山の状況が思い浮かんできます。とはいいつつ、私も最初は地図の見方が分からず、現在位置も分からないし、何が書かれているのか理解に苦しみました。
知らない山に行くときに迷わないためにも読図は不可欠です。地図アプリを持って山に行くとしても基本を知っているのといないのとでは、不安の度合いが違います。地図を読む楽しみを多くの方に知っていただきたいと思います。
登山地図の種類・縮尺
【山と高原地図】
アルプスなどの有名な山に行くときには、「山と高原地図」を持っていかれる方は多いと思います。広い範囲を見ることができ、コースタイムや水場のマーク、危険個所、展望がよい等、色々な情報が載っています。
【国土地理院地図】
国土地理院の地形図は等高線が分かりやすく、縮尺は多くの方が、25,000分の1の地形図を使っています。私は、カシミール3Dのソフトを利用し、縮尺10,000分の1の地図に印刷して使用しています。
カシミール3Dの利用方法は、「地形図の印刷」の項目をご覧ください。
地形図について知っておきたいこと
地図は必ず上が北になります。そして、地図上の北のことを「真北」といい、磁石が北を指す方向を「磁北」といいます。
地形図には、登山道が書かれていますが、すべての登山道が100%正しく書かれていません。それは、そもそも書かれている登山道が間違っていたり、廃道になって道が使われ無くなったため地図上にだけが登山道が残ってしまいました。
【国土地理院地形図 登山道の修正】
現在、国土地理院では、登山道の修正は、民間企業と協力して、地形図の登山道情報の正確性の向上を図る取り組みを行っているそうです。
協力企業から登山者の移動経路情報などのビッグデータの提供を受け、それらのデータを活用して地形図の登山道情報を更新し、登山者の利用が多い主要な山域から登山道を修正していくそうです。(「株式会社ヤマレコ」「株式会社ヤマップ」の2者と協力協定を締結してるそうです。)
民間会社のビッグデータを活用し、登山者の利用が多い主要な山域(北・中・南アルプス、屋久島)から順次、精度の高い登山道が地形図上に表示されていくようです。
【国土地理院地形図の購入】
地図を購入するためには、日本地図センターのホームページで電子版をダウンロード購入できますが、有料です。国土地理院のホームページ「地理院地図」では無料で閲覧ができてとても便利ですが、印刷はいまいちです。
【地形図への地名の記載】
地形図に記載されている、山、小屋、沢等の記載は規定があります。
【磁北線の書き方】
地図とコンパスを持って山に行こう。と書かれた本は多くあります。国土地理院の地形図にはコンパスが北を指す磁北線が引かれていません。コンパスを使うためには磁北線を引いた地図を持っていきましょう。
地形図の凡例に偏角が載っているので確認してください。
次に地図の真北から分度器で偏角を測り1本の磁北線を引いてください。後は、この磁北線と平行に磁北線を追加記載すればよいのですが、25000分の1地形図では、4㎝ごとに引くと間隔が実際の1㎞に相当するので分かりやすいとされています。
【磁北線の間隔】
4cm間隔で引くように上記で案内をしています。しかしながら、オリエンテーリングの大会では磁北線の間隔は3cm程度で引かれているものが多い(規則では間隔の幅は決まっていません。)ように感じます。
私が実際に使用する地図や、私が開催する読図講習会での地図の磁北線の間隔も3cm程度にしています。これぐらいの間隔の方がコンパスの使用には向いていると思います。
登山計画書(コンパス)
登山計画書の作成は、安全登山を語る上では必要不可欠であり、いざというときの救助に役立ちます。
紙で作成することも大切ですが、登山計画書は『Conpass コンパス』というサイトを利用し作成するのも一つの方法です。
地図記号とその由来
小学校の時に社会の時間に地図記号を覚えた方は、お見えになると思います。でも、忘れてしまいますよね。地図を見る楽しみの一つが、地図記号です。この記号の由来を知っていると、より、地図を真剣に見てしまいます。例えば、「税務署の地図記号はそろばんの珠と軸を表している」とか・・・。思わず、聞かれてもいないのに人に話してみたくなります。
【地図記号(滝)】
地図記号にはそれぞれ意味があります。例えば滝の記号の●は水を表し、線は水の落ち口を表します。
線の下流に水があれば、滝。線の上流に●(正確には●ではなく0.4~0.5ミリの線)があればせき(堰堤)になります。せき(堰堤)は水が上流に溜まりますよね。
また、小さな滝は線と●2つ、大きな滝になると水しぶきが多くなるため、●の数も多く描かれています。滝の地図記号について少し触れてみたいと思います。
【個性豊かな滝の地図記号】
国土地理院作図者:「どう?私の表現力!」
私 :「さすがでございます。線も曲げちゃっていいんですね!」
国土地理院作図者:「曲げちゃっていいんです。イメージ湧くでしょう!●だって大きな滝にはいっぱい付けちゃえばいいんです!」
他にも有名な、「称名の滝」「華厳の滝」「那智の滝」・・・色々ありますよね。皆さんの地元にも、このような国土地理院作図者の心意気が描かれている滝や特別な地形はありますか?探すのも面白いですよね。
【地図記号(墓)】
「墓地」の地図記号は「 ꓕ 」です。霊園など大きなエリアでは、この墓地の地図記号は定期的な間隔で配置され、エリアを示しますが、例えば「国定忠治の墓」というような狭い特定の場所を示す場合には、墓地の地図記号は真位置に記載されます。このような、広いエリアや特定の場所を表す地図記号は「墓地= ꓕ 」しかありません。
【地図記号クイズ】
送電線と鉄塔に関する問題です。
わかりましたか?
真北と磁北
【磁北について】
地形図には磁北線を引いてから携帯するようにしましょう。と記載してある本はたくさんあります。磁北線の引き方を書いてある本もたくさんあります。しかしながら、「真北(地形図の北のこと)」と「磁北(コンパスの指す北のこと)」の関係を理解して磁北線を引いている方は少ないように思います。少し、この関係について説明をします。
『真北』とは、地形図の北のことで北極点を指します。『磁北』とは磁石、つまりコンパスが指し示す北のことです。実は、真北と磁北はイコールではありません。それは、地形図の北が北極点にあるのに対し、磁石の北は2020年現在はカナダのクイーンエリザベス諸島付近にあるからです。まずは、磁北について説明します。
【偏角について】
先ほども述べましたが、磁北は、北極点の方向にはないということです。そして、磁北と真北の角度の違いを『偏角』と呼びます。この偏角の角度は、日本中同じではなく、地域によって違います。数値については、国土地理院のHPや地形図の凡例に記載されています。
【北磁極の移動】
『磁北』は、北磁極の移動に伴い、一定の方向を向いているのではなく、時間の経過とともに変化していますが知っていましたか?詳しくは、ウィキペディアを参照してください。
【各都市の偏角変化量】
国土地理院のHPには、1970年からの永年変化のアニメーションが掲載されています。また、「各都市の偏角変化量」も掲載されています。この表をみますと、1070年から2010年の40年間で、偏角は0.5~1.2度西に傾きました。現在でも、偏角は西に傾き続けています。
【伊能図と偏角】
現在でも、偏角は西に傾き続けていますが、過去にさかのぼった場合、偏角0度。つまり、過去には磁北と真北が一致していた時代があります。それは、伊能忠敬の「大日本沿海輿地(えんかいよち)全図)」(別名「伊能図」や「伊能大図」とも言われている。)と一致していると言われています。
なお、もう少し詳しい内容は、『伊能大図画像における真北と磁北の推定法』(野上 道男)氏の資料を見てみると
(以下参照内容)
9)伊能当時の地磁気偏角の分布について
前述したように伊能は磁北と真北は一致していると信じて導線測量を行ったので,緯線と直交する方向は彼が信じる真北であるが,実は磁北でもある。当時の磁気偏角がゼロであった地域を示す等偏角線は北海道東端部から東北地方東部を通り,東海地方に抜けている(野上,2022b)。この線から離れた地域では,伊能が作成した地図では緯線と直交する線は真の(地理的)子午線ではなく,磁気子午線である。
大図では図幅内で偏角や真北方向は一様と見なせるが,中図のような広域図では東西南北の部分によって磁気偏角が 2 度近く異なることがある。それを無視して作られた伊能中図の画像全体をそのまま回転させても補正画像とはならない。
伊能当時の地磁気偏角の分布について
前述したように伊能は磁北と真北は一致していると信じて導線測量を行ったので,緯線と直交する方向は彼が信じる真北であるが,実は磁北でもある。当時の磁気偏角がゼロであった地域を示す等偏角線は北海道東端部から東北地方東部を通り,東海地方に抜けている(野上,2022b)。この線から離れた地域では,伊能が作成した地図では緯線と直交する線は真の(地理的)子午線ではなく,磁気子午線である。
大図では図幅内で偏角や真北方向は一様と見なせるが,中図のような広域図では東西南北の部分によって磁気偏角が 2 度近く異なることがある。それを無視して作られた伊能中図の画像全体をそのまま回転させても補正画像とはならない。
【伊能図】
伊能図は、大図(縮尺 3万6000分の1)214枚、中図(縮尺21万6000分の1)8枚、小図(縮尺43万2000分の1)3枚からなっています。大体の大きさは、大図1枚がほぼ畳(たたみ)1枚程度。中・小図は横幅160cm、縦150~250cm程度の巨大図でした。大図はすべてを貼り合わせるととても大きなものになりますね。なお、伊能図の作成は17年かかったと言われています。地図に興味のある方は、伊能忠敬について調べてみるのも楽しそうですね。
山の地形と名称
【山の地形と名称】
山の主な山の名称は、山頂や明らかに周りよりも高いところを「ピーク」といいます。等高線で表すと、小さな輪になっています。場所によっては細長かったり、丸かったり、形は色々です。
ピークとピークを結ぶ尾根の低く窪んだところを「鞍部(あんぶ)」、又は「コル」といいます。
「尾根」は周りと比べて線状に高いところ。「稜線」ともいいます。
「谷」又は「沢」は尾根とは逆に、周りと比べて線状に低くなっているところ。雨が降ったら水が流れるので分かりやすいと思います。地図上で見てみましょう。
(地方によって色々な呼び方をされます)
【ピーク】
~ノ頭…………………………例:ボーコン沢ノ頭、ウドノ頭、クリヤノ頭、一ノ沢ノ頭
~ノ峰…………………………例:逢ノ峰、一ノ峰、三ノ峰、西ノ峰、池ノ峰
~嶺……………………………例:大菩薩嶺、仙涯嶺、高嶺、雁坂嶺、八紘嶺
~丸……………………………例:しがきの丸、美濃俣丸、檜洞丸、本社ケ丸
~ドッケ………………………例:芋木ノドッケ、黒ドッケ(酉谷山)、三ツドッケ(天目山)
【コル(鞍部)】
~峠……………………………例:ザラ峠、しらびそ峠、すずらん峠、安房峠
~乗越…………………………例:スゴ乗越、常念乗越、千丈沢乗越、飛騨乗越
~キレット……………………例:大キレット、八ツ峰キレット、(鹿島槍ヶ岳)キレット
~タワ(ダワ)………………例:休乢(やすみだわ)、ウノタワ、善六のタワ
~タル…………………………例:国師のタル、北天のタル、水のタル
~クビレ………………………例:鞘口ノクビレ、~巳ノ戸ノ大(みのとのおお)クビレ
【尾根】
~尾根…………………………例:北鎌尾根、西尾根、東尾根、横尾尾根、源次郎尾根
~稜……………………………例:明神主稜、白馬主稜、北穂高岳東稜、ツルネ東稜
【沢】
~谷……………………………例:穴毛谷、左俣谷、右俣谷、九郎右衛門谷
~窪(クボ)…………………例:ムジナクボ
その他の山の地形の呼び名
【右俣と左俣】
どっちの沢が右俣だっけ?と最初の頃は混乱していましたが、沢登をされる方には覚えておきたい名称です。下流から上流を見た場合、向かって右側の沢が「右俣」、左側の沢が「左俣」です。
【右岸と左岸】
上流から下流を見た場合、向かって右側の岸が「右岸」、左側の岸が「左岸」です。
【ゴルジュ】
切り立った大きな岩壁にはさまれた狭い谷を「ゴルジュ」と言います。語源は、フランス語の「のど」の意味と言われています。
【二重山稜】
2つの稜線が平行している場所を二重山稜(線状凹地、舟くぼ、雪くぼとも呼ばれます。)といいます。浸食や断層によりこのような形になるといわれています。稜線を歩いていると「あれっ」稜線が二つ平行に並んでいる。と思ったことがあると思いますが、地形図で見るとどのようになっているでしょうか?
等高線
等高線を理解するには、地形図の断面図を思い描くと立体的に見ることができるようになります。等高線と断面図の関係を見てみましょう。
地形図は、平面図ですが、地形図を見慣れてくるとこの平面図が3Dの立体的に見えてきます。初心者の方は、尾根と沢の区別がつきにくく、「等高線」って何?と言われる方が多いので、等高線について少し説明します。
実際の地形を標高10mごとに区切ったものを等高線と呼んでいます。標高50mごとの太い線を形曲線。標高10mごとの線を主曲線。平坦で標高10mごとでは地形を表現しにくい場合は、主曲線の半分の標高5mで補助曲線が引かれています。
【計曲線・主曲線・補助曲線】
【地形と等高線】
等高線はどのように描かれるのか?実際の地形と等高線の関係を見てみましょう。
【地形と等高線(3D)】
立体的に地形と等高線の関係を見てみましょう
イメージ湧きましたか?等高線を理解すると、次の「尾根と沢」の項目が分かりやすくなると思います。また、隠れ小ピークや、隠れ小コルも理解できるようになると、益々、読図が楽しくなります。
尾根と沢
尾根と沢を地形図から見つけられると、地図読みも一気に楽しくなります。
私が高校登山部の時の恩師の山田猛先生から教わった方法ですが、今でも十分使えます。今思えば原理原則の基本を色々教えていただきました。その一つは、等高線に色を塗ることです。
等高線に色を塗る。この地味な方法は尾根と沢の理解に一番役立ちます。
【尾根と沢(ピーク・コル)】
【尾根と沢のでき方】
昔、皆さんが子供の頃、砂場で富士山を作りませんでしたか?その富士山にジョウロで水をかけて遊びませんでしたか?次のアニメーションは、そんな砂山に水を掛け、尾根と沢ができる様子をイメージして作成しました。ご覧ください。
いかがでしたでしょうか。尾根と沢は、自然が作り出すもの、それを地形図で表現しています。では、これから、実技編に移ります。実際に尾根と沢を探す練習をしましょう。
【地形図の上で尾根と沢を探す練習方法】
大きな尾根と大きな沢をまず見つけます。次に、なるべく小さな尾根や沢を見つける練習をします。
日本100名山で尾根と沢を見つけよう
日本100名山の尾根と沢を見つけてみましょう。画像をクリックするとパワーポイントが現れ、尾根と沢を見ることができます。また、「登山道の特徴物を見つけよう」をクリックすると登山道の特徴物を見ることができます。
【001 利尻岳(1,721m)】
他の100名山も尾根と沢を見てみよう
【002 羅臼岳(1,661m)】
【003 斜里岳(1,547m)】
【004 阿寒岳(1,499m)】
【005 大雪山(旭岳)(2,291m)】
【006 トムラウシ山(2,141m)】
【007 十勝岳(2,077m)】
【008 幌尻岳(2,052m)】
【009 後方羊蹄山(1,898m)】
【010 岩木山(1,625m)】
【012 八幡平(1,614m)】
【013:岩手山(2,038m)】
【014:早池峰山(1,917m)】
【017 朝日岳(1,870m)】
【018 蔵王山(1,841m)】
【019 飯豊山(2,128m)】
【020 吾妻山(2,035m)】
【021 安達太良山(1699.6m)】
【022 磐梯山(1,816m)】
【025 魚沼(越後)駒ケ岳(2,003m)】
【027 巻機山(1,967m)】
【028 燧ヶ岳(2,356m)】
【029 至仏山(2,228m)】
【032 苗場山(2,145m)】
【033 妙高山(2,454m)】
【034 火打山(2,462m)】
【036 男体山(2,486m)】
【037 奥(日光)白根山(2,578m)】
【038 皇海山(2,144m)】
【039 武尊山(2,158m)】
【040 赤城山(1,828m)】
【041 草津白根山(2,171m)】
【042 四阿山(2,354m)】
【044 筑波山(877m)】
【048 剱岳(2,999m)】
【049 立山(3,015m)】
【050 薬師岳 (2,926m)】
【051 黒部五郎岳 (2,840m)】
【053 鷲羽岳 (2,924m)】
いかがでしたでしょうか?何度も何度も繰り返すうちに、尾根と沢が分かるようになります。
ピークとコル(鞍部)
地図を見るときに一番見つけやすいのが「ピーク」です。ピークとピークの間の低いところが「コル(鞍部)」ですこのピークから尾根や沢を見つけていきます。
【コルの語源は?】
「コル」という呼び名は、フランス語の「Col 首(頸部)」が語源と言われています。人が横に寝た時に首のところが低くなる。そんな姿から、尾根上の低い場所をコルと呼んだらしいです。ちなみに「鞍部」ともいい、馬の鞍の形からイメージされています。
等高線と断面図
等高線を理解するには、断面図にするとよいと思います。等高線の間隔によって、急な山かそうでないか分かってきます。
地図の印刷
地形図は、インターネットで無料で入手することができます。私は、カシミール3Dを利用していますが、どれを使用するのかは好みだと思います。必ずビニール袋に地図を入れて防水対策を行って山に持参するようにしてください。
【カシミール3D】
カシミール を利用する(私のおすすめ)
地図の勉強をする場合、縮尺が毎回違うものを持っていくのは距離の感覚が違ってくるので、避けたほうが良いと思います。その点、カシミールは、2,500分の1~20万分の1まで幅広く印刷設定ができるのが特徴。
老眼の私は、印刷設定を1万分の1にして愛用しています。印刷用紙の設定や縦、横設定も簡単にできます。また、磁北線の本数も自由に決めることができるので、コンパスの勉強をするときは、少し間隔を狭くすると便利です。縮尺も地図に印刷することができます。
カシミールは無料のソフトです。ダウンロード後は、カシミールの初期設定をお勧めします。
初期設定(地名・標高・山名表示を消す)
表示 → 表示の設定 → 地名表示(表示しない) → 山名の設定(表示しない) → 標高の設定(表示しない)
私は、山に持っていく地図はカシミールを使用し、印刷しています。私の印刷方法を紹介します。
ファイル → 用紙を指定して印刷 → 用紙サイズの確認 → 印刷の向き確認 → (次へ)
→ 縮尺設定(1:10,000を推奨) → (次へ)
→ 印刷場所を設定 → 印刷範囲の指定(通常はそのまま) → (次へ)
→ 緯線経線のチェックをはずす → 磁北線を印刷する(磁北線の間隔をここで決める → 5(縦印刷)~8(横印刷)で設定) → (次へ)
印刷オプションの設定 →
(自動的に最適な海象殿地図に切り替えて印刷する → チェック) →
(文字やアイコンの大きさを、画面の表示と印刷結果で同じになるようにする → チェックしてもしなくても変化はあまりない)
(スケール(距離表示)を印刷する → チェック) → (印刷開始)
(質問)磁北線の色を赤色に変えたいのですが?
(答)カシミールのホームページの磁北線の項目をご覧ください。
【地図プリ】
地図プリ (ヤマレコ)を利用する
ヤマレコの山行記録のホームページから、行きたい山行記録を見つけます。(このやり方が断然早いと思いますが、行きたい山行記録が見つけられないときは、地図プリのホームページから印刷できます。但し、登山ルートの記載はありません。)次に「地図/標高グラフ」のところにある「地図プリで印刷」をクリック。地図を拡大して分かりやすい自分の縮尺で印刷できます。ただし、〇万分の1という表現ではなく、縮尺が地図に印刷され50m、100m、300m、500m、1kmの縮尺になります。縮尺の設定方法は、パソコン画面の見たままが縮尺の大きさになります。磁北線も自動的に引いてくれますが、間隔の設定は3種類です。地図の勉強には、毎回同じ縮尺を使うようにしないと距離間隔が違ってきます。
(質問)地図プリ(ヤマレコ) を使用して磁北線を引いた紙地図を印刷したいのですがどうすればよいですか?
(答) 地図プリ の印刷ホームページ内の磁北線の項目「あり、なし」を選択してください。
【YAMAP】
YAMAP / ヤマップ YAMAPを利用する(ログインが必要です。)
ヤマレコ同様に人気の地図アプリですが、YAMAP一番の魅力は、登山ルートは赤字で記載され、登山のコースタイムも記載されます。 YAMAPのホームページの上部の「地図」の文字をクリック。エリアを選択し、「登山ルートを見る」をクリック。印刷したい場所を拡大表示し、印刷を行います。なお、切り取り印刷ボタンを押して場所を選択した場合は、選択したエリア面積に応じて、縮尺が、30m、50m、100m、300m、500mと変化します。(ヤマレコ同様にパソコン画面の大きさがそのまま縮尺に反映されます。)ヤマレコ同様に地図の勉強には、毎回同じ縮尺を使うようにしないと距離間隔が違ってきます。
(質問)YAMAPを使用して磁北線を引いた紙地図を印刷したいのですがどうすればよいですか?
(答) YAMAPのホームページ をご覧ください。
(磁北線が引けるのは、ウェブサイトの地図のみの機能です)
【ヤマケイオンライン】
ヤマケイオンライン を利用する(ログインが必要です。)
山と渓谷社のホームページ。コースタイム、通行止め、水場、ビューポイント、注意個所等が記載された地図を印刷することが可能です。ただし、コースタイム、通行止め、水場、ビューポイント、注意個所等については、すべての山域で印刷できるわけではなく、人気の場所のみ印刷が可能です。その他の場所は、地形図のみ印刷が可能です。縮尺は表示されているものがそのまま印刷されます。磁北線は、「あり」「なし」のみ設定可能です。
【国土地理院】
国土地理院地図 を利用する
地図といえば本家本元の国土地理院。地図の印刷には便利に設計されていないので、印刷にはお勧めしません。磁北線の間隔は広く、自動で引かれた線を頼りに、自分で線を引いて間隔を狭くしないとコンパスは使えません。また、国土地理院のホームページで縦横設定をしても、更に、自分のパソコンに繋がっているプリンターの縦横設定をしないと使い物になりません。
国土地理院発行の2万5千分の1地形図は、大きな書店や 国土地理院のHP からも注文できます。
スマホの地図アプリ
私は、スマホの地図アプリを活用しています。「現在位置は、今この辺だろう?」と思ってから地図アプリを見ると純粋に楽しいのです。スマホ先生が「ここです。」って教えてくれます。
地図アプリはどれがいいの?と言われても、好みがあります。皆さんは何をお使いですか?
(以下説明は、「山と渓谷」2020年9月号を引用し、個人の意見も入れてあります。(値段等はネットから検索し引用。変更もあるので、必ず最新のものを確認してください。))
【山と高原地図】
『山と高原地図』 →『シンプルで見やすい。スマホ地図初心者向け』
月額400円で無料版はなし。広域の範囲を見たいときには、非常に役に立ちます。59エリアの「山と高原地図」が使い放題。登山で定番の昭文社「山と高原地図」をスマホアプリにしたもの。表示されるのは紙地図と同じものなので、定評のある見やすさと正確な情報がスマホでも利用できます。現在地表示やナビゲーションもできるが、機能は最小限なのでむしろシンプルで分かりやすい。最大の難点は有料であることだが、月額使い放題もあり、お得感もある。なお、iphoneからAndroid(その逆も)に変えた場合は購入した地図データが使えなくなるので注意。
【YAMAP】
『YAMAP』 →『無料だけど機能は十分。とりあえず使ってみたい人向け』
無料の場合は、1か月にダウンロードできる地図は2つまで。(アプリからの支払いの場合:¥580/月、¥4,600/年 /ウェブサイトからの支払いの場合:¥480/月、¥3,480/年)で、無制限。(メジャーな一般登山道のコースタイム記載。)コースタイム地図の対象範囲が広く、「山と高原地図」にはないエリアでも使えるところが多い。表示される地図は国土地理院地図だが、独自に編集した登山道とコースタイムも表示される。「山と高原地図」に比べれば、情報量は少ないが、一般的な登山には十分といえる。利用コストと地図のクオリティ、機能の分かりやすさなどバランスに優れているので、とりあえずスマホ地図を使ってみたいという人には一番にお勧めできる。
【ヤマレコ】
『ヤマレコ』 →『唯一無二の「足あと」機能。山地図好きや登山中~上級者向け』
無料の場合は、同時に保存できる地図が2つまで。ただし、保存した地図を削除すれば、何度でもダウンロードが可能。(今後変更の可能性も否定できないが?)料金は、550円/月(クレジットカード払い)。3,400円/年(クレジットカード払い・銀行振込)で、無制限。無料で使える機能がYAMAPより狭いので、初心者にはYAMAPより取っつきづらいと感じられる。ただし「みんなの足あと」という、これにしかない素晴らしい機能がある。これは、過去にヤマレコを利用した他の登山者の行動軌跡が表示されるというもので、意外なところに誰かが通ったルートが発見できたりして、地図好き・探検好きにはたまらない。これはどんなガイドブックや地図でも得られなかった情報でもある。(一般登山道のコースタイム記載。登山コースの計画も作成可能。)
(注意)最近、ヤマレコの足あと軌跡機能を使ったために、道迷い遭難の事例が発生しています。
①足あとがついているから、その足跡を頼りに山を歩いた。
②その足跡は、誰かが道に迷って付けたものだった。
③知らず知らずに道に迷った。
④気づいたら遭難していた。
というものです。やはり、スマホ地図だけに頼るのではなく、自分の読図知識を充実させてほしいと思います。
【ジオグラフィカ】
『ジオグラフィカ』 →『プレーンな地形図を表示。マイナールートを歩く人向け』
無料で使用もできますが、一度「960円」を課金すれば、月額料金は発生せず、どれだけでも地図をダウンロードできます。表示されるのは地理院地図。登山道やコースタイムなどのオリジナルな表示がないことが他のアプリとの決定的な違いで、地形図の見方に慣れている人でないと使いづらいと思う。事前のルートセットなどもある程度手動でやらなくてはならないので、その点からも上級者向けといえる。一方で、登山地図にないマイナーな山やバリエーションルートを中心に歩いている人には使いやすい。ほとんどの機能が無料で使えるのもうれしい。
【講習会を開いた時の質問】
(質問)
どんな地図アプリが良いですか?
【スマホの地図アプリの有効活用】
私は、スマホの地図アプリを愛用しています。今では、多くの方が地図アプリを使用し、安全登山に心がけています。しかしながら、地図アプリは、現在位置が分からなくなった時や、ルートが不安になったときに見る方がほとんどではないでしょうか。それでは、道迷いになっていても気づかなかったり、読図の練習にはならない気がします。
そこで、私の地図アプリ活用方法をご紹介します。
私は、まず歩きだす前に、大きな特徴物を地図上で探します。〇〇山、〇〇mピーク、道の分岐、大きな道の曲がり・・・。なるべくわかりやすい特徴物がいいでしょう。
次に、大きな特徴物までの間にある小さな特徴物を見つけ頭に入れます。歩いていると頭の中(地形図上)の特徴物と実際の地形が一致したところで、スマホを「ポチ」ります。答え合わせをするのです。この繰り返しで山行中は自問自答を繰り返し、スキルアップに繋がるのです。
また、歩いていて急に緩やかな斜面から急な斜面に変化があったときなどは、すぐにスマホを「ポチ」ります。「この傾斜は、地形図ではこれぐらいの表現力になっているのか・・・」とか「この尾根の細さは、地形図上ではこの表現力になっているのか」とか・・・・。
実際に目から入った情報から、スマホを「ポチ」る場合もあります。こちらの場合は、「なるほど」と感心する場合が多くあります。
皆さんも一度お試しください。スキルアップになります。
【スマホの地図アプリ使用上の注意】
ところで、スマホの地図アプリですが、どのような点に注意して使用すればよいのでしょうか?また、そもそもとは「GPS」はどのような仕組みになっているのでしょうか?ウィキペディアから引用して説明します。GPSは、アメリカ合衆国が軍事用に打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が自身の現在位置を知るシステムです。 元来は米軍の軍用システムであり、米国政府の支配下にあります。そのため、精度や可用性その他について、また他国や民間における利用に対して、種々の制限を受ける事が過去にもあり、また将来的にも有り得ます。そのため、米国のシステム依存からの独立や、自身の利益に適合させる目的で、各国でも独自のシステムを保有、運用しようとする動きがみられます。
各国でもGPSと同様、類似したシステムを運用開始している事から、従来GPSが独占してきた分野および用語は、「全地球衛星測位システム、全地球衛星航法システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)」として一般化されました。
また、全地球にかぎらず日本の準天頂衛星システム(QZSS)などの地球的地域限定のシステムも構築されており、これらは全地球型システムと組み合わせて使用されます。現在準天頂衛星システム(みちびき)1~4号機の4機が打ち上げられており、2023年度をめどに7機体制とする計画です。その特徴は、測位できる位置の精度の高が使い方によっては、わずか数cmの誤差で位置を特定できるようです。
(2018年11月から、みちびきは4機体制で運用を開始しており、このうち3機はアジア・オセアニア地域の各地点では常時見ることができます。)
【準天頂衛星システム】
準天頂衛星システム(QZSS)は、とってもユニークな軌道をしています。それは、日本上空とオーストラリア上空を8の字を描くような軌道をしています。どうやったらこんな軌道が取れるのかとても不思議です。
【スマホ地図アプリの電源について】
次の注意点は、消費電力の問題です。機内モードに設定し、消費電力を抑えて使用しましょう。実は、機内モードだけでは、十分な消費対策ではありません。私は、万歩計のアプリもスマホにインストールしていて、常にこの万歩計が動き続け、電源消費をしててたため、1日、地図アプリがもたなかったことがあります。また、スマホの設定で、バッテリーセーブ(画面の明るさ等)も有効だと思います。スマホの地図アプリは100%ではありません。紙地図は必ず持つようにしましょう。
他にも、必ずバックアップの充電池(1泊2日は10000mAh程度のものを推奨します。)とケーブルを持参するようにしてください。実際の道迷い遭難で、「バックアップの充電池は持ったけど、ケーブルを忘れてしまった。電池が無くなって現在位置が分からなくなった。」という記事を見たことがあります。注意しましょう。
【YAMAP vs ヤマレコ 解説】
講習会を開催すると「地図アプリは何がいいですか?」と質問を受けます。『地図アプリを選ぶときは、「IT知識が低くても大丈夫」「機能が充実」「無料」といったものが良いですね。』と回答しています。今回は、YAMAPとヤマレコを徹底的に解説したいと思います。個人的な感情も入り混じっていますが、参考にしてください。
地図アプリで登山計画を立てる場合の注意
山に行く場合、登山計画書を登山口、或いは上記、「コンパス」を利用しWeb上で提出される方も多いでしょう。今では、「ヤマレコ」や「YAMAP」で他人のレコを参考に計画を立てる方も見えるでしょう。しかし、注意点があります。それは、他人のレコは多くの場合、そんなスピードでは歩けません。
登山計画は自分の歩くスピードを理解し、どれぐらいの山なら行けるのか?朝、出発する時間は何時にするか?考えないといけません。そして、読図をしてコースタイムを把握し、無理のない登山計画を立てることが必要です。
3D地形図
地形図は2次元の平面図。しかし、地図を見慣れてくると、地図の等高線が浮き出てきて3D地図に見えてきます。
オリエンテーリングの競技をしていると、走りながら、「ポストの設置位置はあの尾根の向こう側の沢だ!」とか、立体的にポストの位置をとらえながら走ります。皆さんも、平面の地形図が3D地形図に見えたとしたら、とても楽しいと思いませんか?
国土地理院のHPでは、簡単に3D地形図が作成できる優れものです。3D地形図の作成方法について説明します。
【3D地形図の作り方】
国土地理院のHPでは、3D地形図が簡単に作成できます。作成手順をご紹介します。
初心者の方は平面の地図を立体的にイメージするのは難しい感覚ですよね。正直、私がこの3D地形図に出会ったときは衝撃を受けました。だって、イメージではなく立体的に見えるんですよ。楽しくなりませんか?
三角点
【電子基準点】
現在では、全国の約1300か所で、GNSSを利用した 電子基準点(国土地理院参照) と呼ばれる三角点と同じ役割のもので、測量を行っています。(この電子基準点の精度は数㎝(或いは数mm)だそうです。)なので、地震が起きた場合などは、どの方向にどれぐらいずれたのか短期間で分かる仕組みになっています。
電子基準点ではなく、明治、大正、昭和初期に設置された三角点にはロマンがあると思います。少し触れてみたいと思います。
【三角点の説明】
【三角点の種類】
三角点には一等から四等までの4種類あります。2015年(平成27)4月1日現在の点数はつぎのとおりです。
一等三角点 975点(うち補点約560点、現在は本点、補点の区別なし)
二等三角点 5,045点
三等三角点 31,927点
四等三角点 71,819点
合計 109,766点
このうち一~三等三角点はほとんど明治、大正時代に設置されています。三角点の最も多い府県は北海道で全国の13パーセント、約14,000点もあります。ついで岩手県になります。最も少ないのは大阪府で約500点です。一等~三等三角点は必要にして十分な点数が既に設置されているので新設は稀で、むしろ維持困難な場所など廃止の傾向にありますが四等三角点は近年、地籍調査などのため増えています。
一等三角点の36パーセントは標高500メートル以下の低地に設置されています。[志村迪吉:一等三角点ものがたり 「山と渓谷」468 山と渓谷社 1977.9 p114]
~まで引用
私が一番驚いたのは、「一~三等三角点はほとんど明治、大正時代」に設置されたことです。一等三角点は柱石が約90キロの重量があり、柱石の一辺は18cm、破壊や破損に備えて、柱石の直下には2枚の盤石も埋設されています。二等・三等三角点は柱石が約60キロの重量があり、柱石の一辺は15cm。四等三角点は、柱石の一辺は12cm、一等三角点と同じく破壊や破損に備えて、柱石の直下には盤石も埋設されています。
もう一つ驚いたのは、測量精度の高さです。隣の点までの距離が25㎞~45㎞もある一等三角点、二等三角点(8㎞間隔)、三等三角点(4㎞間隔)のいずれの三角点にも10㎝の位置精度、あるいは1秒(1秒は1度の1/3600)の角観測の誤差程度だそうです。三角測量の終了は1921年なので、当時の装備でここまでの精度は驚愕します。
話は変わり、90キロの柱石の記事を見たときに新田次郎の「強力伝」を思い出しました。この小説の主人公「小宮正作」は、当時富士山観測所の強力をしていた小宮山正がモデルと言われています。小説の中では、北アルプス白馬岳(2,933m)の山頂まで50貫(約187キロ)もの大岩(風景指示盤用)を背負い上げたことが書かれていて、描写がよかったことを思いだしました。
三角点の設置の構造、標石や大きさ等については、 『観石万歩』 や 『国土地理院中部測量部』 が参考になります。一度ご覧ください。
この設置の構造を見てみると、三角点の柱石が見える部分はほんの少しで、土の中に埋もれている部分は、三角点が風化・浸食等によって位置がずれないように、下部から下部万石、土、砂利、盤石、柱石と積まれており、柱石がたとえ崩壊しても土を掘り起こし、盤石の中心に柱石の中心を重ねるように設置すれば復元できるように設計されています。昔の方の知恵と思い入れには感心させられます。
【三角点測量と櫓】
三角点測量では、観測する目標を作るため「櫓(やぐら)」の設置を行いました。この「櫓」の高さは、3m程度のものから、時には30mにもなることもあるそうです。また、1等三角測量では、三角点測量標石の真上などに櫓を築いても、相手方の櫓が遠すぎて望遠鏡でしっかり見ることはできないそうです。そこで、櫓の上に「ヘリオトロープ(回照器)」という太陽光を反射させる鏡を設置して、観測者側へ光を送ったそうです。
櫓の設置は 国土地理院HP が参考になります。
【三角点の石柱】
⑴三角点の石柱頭部を上からみると、多くは「+」の刻印があります、この刻印がレアなケースで、「×」になっているものもあります。また、この「+」が大きいものも存在するそうです。
⑵石柱の頭部は角ばっているものが多い中、丸みを帯びているものもあります。
⑶国土地理院中部測量部のHPには石柱のプロフィールとして、『北面「6ケタの標石番号」、南面「四等三角点」、東面「基本」、西面「国地院」と刻字』とありますが、中には、南側に三角点の文字がなく、違う面を向いているものもあるそうです。(三等以上で原則どおりになっているのは70パーセント程度です。[古市進:三角点の向きについて 「山」755号 日本山岳会 2008.4 p10] 。三角点標石の文字はいずれも南に向けてあり、これは苔類の侵蝕から保護するためであることを聞かされました。 [柴崎芳博:一測量官の生涯 「ケルン」4 朋文堂 1959 p39])
⑷ 一等三角点は特別な存在で、平地部などには4つの 防護石(国土地理院参照) が置かれています。
⑸ 一等三角点の100名山(ウィキペディア参照) があります。
⑹三角点の石柱はほとんどが、香川県・小豆島産です。このため、地図作りの基準となる「一等三角点」を紹介した珍しい展示コーナーが香川県土庄町の道の駅「大坂城残石記念公園」内にあるそうです。
三角点だけをとっても色々な楽しみ方がありますね。
【今後の三角点測量】
従来の三角点に求められていた「基本測量、公共測量及び各種測量の基礎となる」という役割は、GNSS衛星と電子基準点に取って代わります。そして、高密度に三角点を設置する必要性も低下するので、国土地理院は整備済みの約10万点の三角点のうち、骨格的として定めた2400点と電子基準点1300点だけを維持管理する方針のようです。(「地図はどのようにしてつくられるのか」引用)
雑学コーナー
【気温の逓減率】
標高が上がれば上がるほど温度は下がっていきますが、その下がり具合を表すのが気温逓減率です。この率は空気の湿度に依存しており、湿度が上がるほど逓減率は小さくなります。気温の逓減率は,理科の教科書では0.65℃/100mとされているそうです。また乾燥した空気では、約1℃/100m、湿った空気では0.5〜0.7℃/100mだそうです。また、季節によっても数値は変わるそうです。
私は、いつもざっくり0.6℃/100mで計算していますが、初春や秋は急に冬の気候になることもあるので注意が必要です。
【三角形の内角の和は、270度】
三角形の内角の和は、180度と学校で勉強しました。それが、270度とは?何を言っているのだろう?と、お思いの方もいらっしゃるでしょう?これは、昔、剱岳に行った時に豊川山岳会の仲間が私に質問した問題です。何故かテントの中で盛り上がりがり、あーでもない、こーでもないと・・・。
平面では、三角形の内角の和は、180度ですが、地球のような球体ではどうでしょう?
今、私は、北極点にいるとします。
①赤道上まで移動し、赤道上で90度東に進みます。
②次に、地球4分の1進んだところで、今度は、北極に90度進みます。
③北極点に到着すると、この三角形の内角の和は、270度になりませんか?
これを、テントの中で話していて、何故か盛り上がりました。
地形図を見る時って、どこかこの「270度」の立体的なイメージって大事だなぁ・・・。と思います。
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