◆日本アルプス最南の聖なる山“聖岳”◆

【聖岳】19.01.16(古賀)
【2019年1月12日~13日】
【メンバー】L村上、古賀

聖岳の標高:3,013m
標 高 差:2,200m
行動 時間:1日目8時間30分 2日目16時間 合計24時間30分

<工程>
前 日 20:00豊川 22:40 遠山郷
1日目 5:40 遠山郷 7:00 芝沢ゲート 9:00 便ヶ島 10:00 西沢渡
13:45 苔平 15:30 標高2300m 幕営地
2日目 4:00 幕営地  5:30 薊畑 8:00 小聖岳 10:30 聖岳 13:00 薊畑
13:30 幕営地 15:00 幕営地 17:30 西沢渡 20:00 芝沢ゲート
風呂&食事(飯田市内) 1:00 豊川

<山行の感想>
聖岳を選んだ理由
1)3,000m峰ハンターの村上君が未踏峰の聖岳に行きたいと聞いていた。
2)筆者自身が厳冬期の3,000m峰に行ってみたかった。
3)一昨年の秋に聖岳の長い下山の経験がある筆者は辛そうな登りを経験してみたかった。

1月12日(土)の空は薄い雲に覆われてはいましたが、無風で気温も低くなかったので
ベースレイヤーのみでの行動でした。
芝沢ゲートには他の登山客の車は無く我々だけでした。この日は鹿、テン以外の動物にも
会えませんでした。
15時頃から小雪がちらつきはじめ、この雪がトレースを消し翌日我々を悩ます。
標高2300m地点に着いた15時半には体力・気力が尽きはてここにテントを張る事に
決めました。暖かい飲み物を飲み身体を休めた後夕食を摂りさっさと寝袋に入りました。

1月13日(日)は3時に起床し4時から登山開始しましたが、薊畑へのトレースを見誤り
30分程引き返す事になり、真っ暗な山で方向を見出す難しさを痛感しました。地図と
コンパスで確認しようにも地形が見えないと現在地がつかめない。
少し明るくなったところで迷ったと思われる地点に戻り状況確認した事で無事薊畑に
出られました。

薊畑からはアイゼン+ワカンでトレースを探しながら小聖岳までたどり着き、ここに
ワカンを取り荷物をデポして聖岳ピークを目指しました。
快晴、微風、という絶好の登山日和の中ひたすら締まった雪を踏みしめ、息も絶え絶えに
山頂に立った時の喜びは言葉では言い表せません。
山頂直下の下山は少し雪も緩みはじめたこともありアイゼン、ピッケルを打ち込みながら
慎重に下りましたが最も緊張した時間でした。

芝沢ゲートには「歩行禁止」との看板が取付られてはましたが、ブログ等を見ると
迂回用の歩行路も作られていたので決行しましたが、便ヶ島迄の車道?の落石、陥没、
土砂崩れ、崩落はひどい状況で修復できるのか?
もしかしたら修復しないのでないかと思える状態でした。又便ヶ島を過ぎたところの
土砂崩れは我々でさえロープが欲しいと思うくらいの状態で女性や高齢者には渡れません。

3年前迄は便ヶ島迄車で行き、そこから入山出来たのが嘘のような荒れ様で、いずれ
ここからのアプローチが出来なくなりこれが最後かもと予感しました。

ハラハラドキドキ、ヒーヒーハーハーの場面も多々有りましたがとても楽しい
思い出深い山行になりました。
村上君、ありがとうございました。
又、天気予報情報や装備のアドバイスを頂いた会の先輩方にお礼申し上げます。

<1月12日(土)>
7:00 芝沢ゲート前の駐車場着
貸し切り状態の駐車場

ゲート通過 いざ聖岳へ!

静かな林道を西沢渡まで3時間ほどかけて歩きます
以前は便ヶ島まで車で行けたので1時間以上余分にかかる事になります

山からの冷気が常に流れて来るからか湧き水は凍り付いています

道が崩落している箇所が2カ所あり、人間用迂回路が斜面に設けられています
迂回路も狭く気が抜けません

道が陥没している箇所も2カ所あり、ここの土砂は何処へいったのか?
ここにもちゃんと迂回路はありました

林道から見える上河内岳は真っ白です

9:00 便ヶ島に到着
ちょっと休憩 ザックは重いがまだまだ元気
ここから西沢渡までまだ1時間弱の林道歩きが続きます


便ヶ島から西沢渡の区間にある崩落個所の通過がもっとも危険
(ここの通過は子供や女性、年配者には無理である)
道は細かく滑りやすい土砂で埋まり20m下に沢がある
行きは疲労も無く明るかったから難なくこなせたが18時前の下山時は危なかった

西沢渡を超えると本格的な山登りが始まります
幕営予定地の標高2300m迄は約5時間この急登が続く

若いっていいなぁ!

15:30 標高2300mの幕営地に到着
3人用テントだったので快適な室内でした
サラサラという音で外は粉雪が降っていることが解りました
ゆっくりした後夕食の鍋を突き、この日は早々に就寝

<1月13日(日)>
3:00 起床・朝食・身支度
4:00 登山開始

うっすらと残るトレースと赤テープを探しながら登る幕営地から標高150m程上げれば薊畑に
出られる筈だがトレースが見えなくなり、赤テープも見失う
ラッセルしながら尾根を探すが進めどたどり着けない地図とコンパス、グーグルマップで現在地を
探すが解らず引き返す迷ったと思った場所に標識発見!! 薊畑の分岐でした

ご来光 小聖岳で拝むはずが・・・

薊畑からワカンを装着して小聖岳に向かう
樹林帯をようやく抜けた辺りでワカンを外し荷物をデポ

8:00 小聖岳に到着

聖岳がドーン!


尾根を慎重に進む

雪が緩い場所は慎重に
南斜面は太陽の日差しで非常に暖かい

富士山をバックに余裕の村上君
山頂直下の急登はこの角度
実は二人ともヒーヒーでした

10:30 聖岳ピークハント

山頂迄の30分が辛く「無理かも」と弱気になりながらも何とか到達出来ました
山頂からの下山も暖かさで雪が緩み始め、小聖岳迄は緊張しながらの下山でした

13:00 薊畑
13:30 幕営地 昼食&水作り
15:00 幕営地 下山開始
17:30 西沢渡
※ここで水を確保しテント泊の予定でしたがちょっとしたトラブルがあり
泊まらずに下山する事にしました
20:00 芝沢ゲート
1:00  豊川着(日付が変わってました)

<この山行のトラブルと反省点>
1)暗い中での行動は慎重さが重要 「おかしい」と感じたら即戻る・・・時間と体力のムダ!
2)標高2300mの樹林帯の幕営地で雪から飲料水を作ろうとしたが、雪が少ないせいか溶かした水が
非常に汚く直接飲む気にならなかった・・・それでも飲む気合と鍛錬が必要か!
3)装備を外す時は安全な場所で行う・・・M君のゴーグルは谷底へ消えた!
4)沢を渡る時は1m以上飛んではいけない・・・Kは沢に水没し暗い中を帰るはめに!

 

 

 

この記事を書いた人

普段は寡黙だが山に入ると口数が増える
歩荷は進んで手を上げるが食当は苦手
動物は大好きだが植物は・・・

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