赤石岳&聖岳~夏道トラバースと時々バリエーション~

【赤石岳~聖岳】2016.5.30(森)
【年月日】2016年4月29日~5月3日
【メンバー】上田、森

今年のGWは10連休と時間が取れたので遠征をしようとと思い、東北縦走を考えていたが悪天候のため直前で断念。
そこで、豊川山岳会の必修科目と名高い南アルプスの聖岳をチョイスしました。
軽いノリで選んだ自分を全力で説教してやりたいです笑

4月29日

赤石岳と聖岳の登山口は椹島ロッジ(標高約1100m)という宿泊施設?の近くにあります。
ロッジまでの交通手段はこの時期はバス(ロッジ宿泊者のみ/約30分)or徒歩(無料/約4時間30分)の2択。
縦走した後の4時間30分は無理!と思いバスを選択。
バスは冬やってないので4時間30分徒歩が絶対だそうです。。。
バスの往復、宿泊代、晩飯と朝飯、風呂付で8000円であれば価値あり!って思いました。
あと早朝から行動するので前日布団でぐっすり寝れるのは魅力的です笑
IMG_4033ロッジの晩飯です。当然ビールは別料金笑。

詳細はこちらを参照で。

4月30日

朝の4時30分にスタート。IMG_4034ロッジの周りはまだ薄暗い。。。

椹島ロッジから+1000m登るまで雪もなく、ひたすら登っていきます。
最初は傾斜がきついですが1日目ということもあり、標高をいいペースで稼ぐ。だいたい50分登る、10分休憩だったかな。
ですが、森は4時間位で少し疲れが。。。圧倒的トレーニング不足ッ!!笑
IMG_4035山にたくさん咲いていた三つ葉ツツジ。

スタートから約6時間(10時30分)で赤石小屋(標高2530m)に到着!
ここでちょい休憩かと思っていたが上田さん本当に少し休憩してほぼスルー!!
内心マジっすかって思っていました笑
あと2300m位から雪はありましたが特に凍っておらず、アイゼンなしでも歩けました。
IMG_4093ここら辺まではまだ元気

さらに歩くこと1時間30分(12時)で富士見平に到着。
IMG_4096奥に見えるのは赤石岳
IMG_4097雲海に佇む富士山
IMG_4039写真家上田さん

めっちゃ天気良く、遠くの富士山もはっきり見えます。
お昼時でもあったのでここでいったん休憩。

休憩のあとは、、、、
地 獄 の 夏 道 ト ラ バ ー ス ル ー ト の 開 幕 で す !

簡単に解説しますと、富士見平から赤石岳へのルートは2つあります。
1つは夏道のトラバースルート。もう1つは冬道のラクダの背ルート。
冬道のラクダの背を行くつもりでしたが、雪が少なく岩稜がむき出しかつアップダウンが激しいため時間が掛かると判断し、途中から夏道に切り替えました。
チャンスがあれば冬道に復帰しようかと思っていましたが思った以上に雪がないためずっと夏道をトラバース。
この夏道トラバースがめっちゃしんどかったです。
雪が腐っているので踏み抜いて足がはまる→足抜くのに体力消耗の連続。
これが2時間以上続くと体力が無くなってきて、口が開けば「疲れた。。。」としか言えない状況。
また、3回くらい小さく滑落して腰をひねってしまい踏ん張ると背中痛い。
もうね、途中から心がバキバキに折れてました。久々の山行で雪山10時間以上はかなりきつかった。
IMG_4099この斜面を登っていきます。
IMG_4100サングラスの奥は目が死んでおります笑

そして歩き始めて12時間。「もうこれ以上は歩けません!!(半泣き)」
はい、ギブアップです。
しかし、ここで大きな課題が。夏道で来たので現在地は5~10度くらいの斜面のためテント張れず。稜線は2時間位歩く必要があり不可能。個人的には絶望感MAXでした。
しかし、季節は春。「テント場が無ければ作ってしまおう!」ってことでここから土木工事スタートです。
ポイントは①平地を作る②端部は堰を作って寝返りをうっても落ちないようにする③ハイマツの上に作って落ちても引っ掛かるようにする
2と3は正直気休めで、上田さんとテントが引っくり返ったら死ぬねって笑いながら話していました笑

テント張って飯食った後は泥のように寝ました。自分は疲労のせいで頭も痛く酒も飲まずに即就寝です。
一方上田さんは疲れたけどまだ歩けるし、ふつーに元気。恐るべし。。。

5月1日

4時30分起床。
無理言って休ませて頂いたので起きた瞬間に体力が戻っているのが分かりました笑
これは。。。行ける!!天気は。。。微妙!!!
IMG_4041朝焼けの中の風景

朝飯は昨晩の鍋(疲れのため写真撮ることできず)のスープ残りを利用してラーメンでした。
IMG_4040うまし!そして朝からめっちゃ食える!
IMG_4102テントの撤去中の風景①
IMG_4042テントの撤去風景②意外と平地になってますね。

6時トラバース再スタートです。
昨日と状況は変わり、ガスってちょい寒いですが冬山と比べたら全然快適でした。
IMG_4104バイルも使って1歩づつ。

しかし、稜線に出ると状況は変わり風がめっちゃ強いし、ホワイトアウトで前が見えない!
気温は0度以下、風は最大で15mくらい吹いていましたが、広尾根のため一歩一歩確実に歩いていきます。

9時赤石岳山頂(3120m)到着!本来は昨日の段階でここまで来なければいけなかったのですが、自分は絶対無理笑
IMG_4106喜びのガッツポーズ!
IMG_4107上田さんも笑顔です。

続いて兎岳まで行く予定でしたが、風が強すぎ、視界不良で遭難の可能性も高く赤石避難小屋へ。
IMG_4047視認距離は5mくらい?

同じように視界不良のため避難小屋(3110m)に避難している人もいて、色々と情報交換。
人生初の山小屋でしたが、話を聞くだけでもすごい面白いし刺激を受けることができました。
あと、ここの避難小屋すごい所は共有のシュラフが残置されており、ぬくぬく過ごせます笑
IMG_4109いつものコーヒーブレイク。

13時再出発!
停滞覚悟もしていましたが、ガスも晴れたため再出発。
IMG_4110赤石岳。歩いている方は先ほどまで小屋にいた人達です。
IMG_4112手前は赤石岳稜線。奥が聖岳の稜線。

ちなみに停滞する気満々で早く酒飲みたかったのはここだけの話笑
避難小屋で時間をロスしてしまったため、目的地を兎の避難小屋から百閒平に変更します。
歩き始めて気づくのですが、広尾根かつ尾根線が何本かありホワイトアウトの状況では非常に危険でした。
なおかつ、一気に標高を下るため道を間違えたらトラバースで元ルートに復帰するのはかなり困難。てか絶対に嫌。

赤石岳から兎岳へは百閒平という場所まで下る必要があるのですが、高低差がなんと500m!
昨日、あんだけひいひい言いながら稼いだ標高を無慈悲にも消費!!
ちなみに百閒平から兎岳は200m登る!!!完全に登山者の心を折る仕様となっております。
文句言っても目的地に辿り着けないので下っていきます。

下っていくとまた問題が。冬道は雪が少なく岩稜がむき出しかつ傾斜がきつくて危険である。
ま た 夏 道 ト ラ バ ー ス の 開 幕 で す 。
IMG_4113こんな感じでほとんど雪がついておりません。奥は冬道ですが超危険。

こんな書き方すると突っ込めばいいと思うかもしれませんが、本当に傾斜がきつくて落石の可能性もあり危険でした。

14時急斜面を下りきる。
IMG_4114左の稜線が冬道ルート。上のほうはめっちゃ危険です。

ここからは緩~い下りを歩いていきます。
15時に百閒平に到着!
IMG_4116見ての通りの広尾根。しかし、ガスっていたら要注意スポットでもある。
IMG_4118百閒平!
IMG_4119百閒平を超えて小屋まで歩いていきます。

当初はこの辺りにテント張ろうかと考えていましたが、近くに百閒洞避難小屋があるのでそちらに変更。
IMG_4121赤い屋根が百閒洞小屋。手前のピークは中盛丸山、奥は兎岳。

小屋には先客がおり、なんと悪天候の中で聖平小屋から来たそうです!風が強く、ホワイトアウトの中歩ききるとはかなり強そうな人でした。
この方から当初想定していた大沢岳に直登するルートが雪が無くて困難という情報聞いて次の日の予定を変更することができました。
IMG_4044この日の晩飯。2人でパスタ300gをぺろりです笑

5月2日

4時30分登頂スタート!
と同時に 夏 道 ト ラ バ ー ス 。もう慣れました。。。
しかし、前日の行動時間が6時間程度だったこともあり、朝は元気!雪の状態もそこそこなのでぐんぐん進みます。
しかし、百閒洞避難小屋が標高約2,500mに対して中盛丸山が約標高2800mと300mを一気に登る必要があります。
改めて地図を見ると中々な等高線の込み具合です笑
この辺りからトラーバース&ハイマツを突っ切るバリエーションルートをこなしていきます。
IMG_4122早朝からずっとトラバース。。。
IMG_4123トラバースを抜けるとあとは稜線を詰めるだけ。

7時に中盛丸山(2807m)に到着!
IMG_4125まだまだ元気!

そしてすぐさま折角稼いだ高度を消費。。。
1回コル約2600mまで下って、すぐ前兎岳(2738m)まで登っていき、さらに兎岳(2818m)まで登っていきます。
通常であれば心が折れてしまいますがこの日は本当に天気がよく春山ジョイ!ってことでテンション高めで歩けます。てかあちーよ。

IMG_4126中盛丸山を一気に下る。
IMG_4127一番奥に中央アルプスがくっきり見えます。

そして、10時に兎岳に到着!
写真から伝わるこの浮かれっぷりがひどい笑この笑顔の寿命はあと数時間でした。
IMG_4128残念ながらばっちり目を瞑っています笑
IMG_4129聖岳をバックに一枚

本来であればこのまま稜線沿い行ければ楽ですが、そんな楽な山行は存在せずまたもやトラバース。。。
そして、今まで最も精神的にきついトラバースでした。

ルート的に決して難しくはないですが、ここからは急斜面のため足を踏み外せば運が良くて重傷で基本的には死ぬんじゃねっていうシーンの連続。特に傾斜がきつい所はは45度~50度くらい。数字や写真で見るとどってことないですが、山ではただの壁でした。
この辺りはピッケル&バイルを使って下降とトラバースをしたのですが、練習なしのぶっつけ本番。体力もさることながら精神力がごりごり削られます。
IMG_4131上田さんが作ってくれたトレースを使って下っていきます。
IMG_4132嫌な汗が出てびっしょりになってます。

さっきまで春山ジョイ!って浮かれていましたが、すぐさま体力からっぽに。ひいひい言いながらも聖兎のコル(2600m)に到着。
IMG_4133コルから聖岳。右側の崩落具合がよくわかる一枚。つまり右側に落ちたら危険。

ここからはついに聖岳(3013m)への標高差500mのアタックが始まります。
右手に崩落した崖が続くガレ場の登りを登っていきます。歩いている最中から崩れた音が聞こえますが風が無ければ問題なそう感じ。
そして最後は雪面の急登を登っていきます。ここでも大活躍を見せたのは河合さんからお借りしたバイルです。
急登におけるバイルのピッケルの2刀流の安心感は異常でした笑クライミングにおけるアブミ、急登におけるバイル。それは一度使うと手放せないものです笑
IMG_4136夏道か雪の上か、その都度選択してルート変更
IMG_4138一番右からぐるっと周って登ってきています。

IMG_4140聖のピークが見えてきた!
IMG_4141空しか高い風景が見えません。

最後は稜線上を歩いて遂に15時30分に聖岳に到着!
IMG_4142 IMG_4143二人ともいい笑顔です笑

コルから約3時間とかなり時間が掛かりましたが無事到着。山頂は晴れており、自分たちが登ってきたルートを見渡すことが出来ました。改めてみるとすんごい歩いた笑
IMG_4144右の一つ目のピークが赤石岳。左の沢の下に百閒洞の小屋があるのかな。
IMG_4145こちらは下山ルート。上河内や茶臼岳が見えます。

これにて聖岳終了ではありません。お 待 ち か ね の 夏 道 ト ラ バ ー ス で す 。
聖岳(前聖)から小聖岳は直線距離で約900mで、高低差がなんと約400m!当然ガレ場で急斜面。
この日すでに12時間以上歩いた疲れで道中膝が笑っておりました。
IMG_4147こんな感じのガレ場をくだります。
IMG_4148ピークが前聖。斜度がおかしいのがよくわかる一枚笑
IMG_4149小聖岳に到着。立ってるのもつらい笑
IMG_4150そろそろ日が暮れそうでやばい。。。

そして林道を超えて本日の目的地である聖平小屋18時30分ごろに到着!
何故こんなに到着が遅れかというと、
5時:百閒洞小屋(2515m)―10時:兎岳(2799m)―12時:兎聖のコル(2600m)―15時30分:聖岳(3013m)―17時:小聖岳(2662m)―18時30分:聖平小屋(2270m)
アップダウンの連続かつこれだけ歩いたために電池切れを起こしておりました。
上田さんご迷惑をおかけいたしました。。。
しかし、頑張ったご褒美として夜は満点の星空を眺めることが出来ました!やっぱり山で見る星空は格別です。
IMG_4151

5月3日

最終日はまったり帰宅の途へ。。。とはいきません笑
椹島ロッジを利用した人は聖岳or赤石岳の登山口からロッジまでバスで拾ってもらうことが可能です。
その時間が定期便の時間と同じため、今回は12時までに登山口(1150m)にいなければなりません。
ちなみに間に合わなければ+30分以上歩くのは確定。そんな苦痛には(森が)耐えられないということで間に合うように出発します。

5時30分ころ聖平小屋を出発!ちなみに冬季小屋は入り口が見えずらいから注意。
IMG_4152今から出発!

聖平小屋から基本的に聖沢沿いをどんどん下っていきます。
この時期は沢に雪解け水がたくさん入り込んでるせいか沢水が冷たく澄んでいました。
リアル南アルプスの天然水はめっちゃ美味しかったです笑
IMG_4153キンキンに冷えた水が流れる沢です。

下り始めて1時間30分ほどで滝見台に到着!聖岳から2本の大きな滝はめっちゃかっこよかったです。
2本の滝は沢登することが出来るそうですが、明らかにレベルがおかしかったです。マジであれ登るの?って感じ。
あと写真はないですが、道中は雪のためか崩落しているルートがかなり多かったです。以前から崩壊しているルートにはロープが張ってありましたが、最近崩落したと思われるルートにはロープがありません。
下は急傾斜な箇所も多いので滑落には気を付けてください。

連日の疲れのせいか本当にゆっくりしか歩けませんでしたが11時30分には無事登山口に到着!
たまたま居合わせた他の登山者の方とコーヒーを飲みながら短い時間でしたがお話も出来ました。

最後に今回の山行の感想を。

こんなブログの書き方をしてると聖岳の嫌いと思われるかもしれませんが、すごい好きになりました笑
特に聖岳山頂手前にちょっとしたコルがあって、そこから見る聖岳はめっちゃかっこよかったし今から登るぞ!って気持ちにしてもらいました。
冬山・春山は経験が少なくこれだけ天候が激変するというのはいい経験になりました。特に斜面にテント場を作ったり、バイル初使用を春山で体験できたことは大きかった。

あとは上田さんと話した「もし、こんな状況ならどうるする??」っていうのが興味深かったです。例えば、
・パーティが3人以上なら一日目のテントはどうなっていたか
・広尾根でホワイトアウトしたときはどうするか
・バイルとピッケル使って下った場所の雪が腐っていたらどうするか
・百閒洞小屋付近で撤退判断した場合どのルートで下るか  等々です。

冬山・春山は経験と知識に基づく判断が問われるんだなーと思います。
経験と知識という意味では登る山の夏道を知っていることは非常に大切だと思います。今回みたいに雪が少なくて夏道に切り替える場合はルートを知らないと遭難の確率を一気に上げるはずです。
あとバイルは必需品ですね!ルートを切り替えた際に短時間かつ安全にクリアするためには必須アイテムになる可能性もあります。

さて、数年後に聖の冬山チャレンジをすべく、これから南アルプスの夏道を歩きつくそうと思いますので皆さん一緒に行きましょう!

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◆感想  :上田
今回のGWは当初、森君の希望で東北の山(朝日連峰、鳥海山)の計画でしたが、北日本の低気圧通過と寒気の影響で北日本の天気がずっと悪そうなため、高気圧に近くこの気象状況の影響を受けにくい太平洋側の山岳の南アルプス南部に二日前に予定を変更しました。急な計画変更は褒められたものではないですが、今回は天候の違いが明確だったため、結果として正解でした。
例年よりも雪が少なく平年の5月末位の残雪の状況でしたが、赤石岳東尾根上部や兎岳から聖岳などは急な岩尾根と雪面の登下降が予想されることで、ピッケルに加えてバイルも持参したり、5/1の悪天を想定して予備日を設けるなど無事トレースできて良かったと思います。南アルプスの大きさ、5/1の濃霧と強風の中の登頂の厳しさなど、春山初縦走の森君にはちょっと厳しい山だったかと思いますが、いい経験ができたのではと思います。

東尾根 富士見平からの赤石岳

DSC07454DSC07475

 

兎岳

DSC07589

 

兎岳手前から聖岳

DSC07590

 

聖岳頂上に続く雪壁

DSC07630

 

聖岳南面の大斜面を下って、ようやく小屋に近づく

DSC07665

北アルプスを中心に4/30~5/1の悪天での山岳遭難が多く報道されました。中部山岳では例年より積雪が少なく4月の大荒れもそれほど無かったために、気のゆるみがあったのでは無いかと思います。4/30~5/1での上空寒気と日本海の低気圧での濃霧と風雪で行動不能というパーティが出ました。しっかり天気判断をして無理をせずに春山を楽しみたいものです。
◆行程と気象状況
4/29 畑薙第1ダムから宿泊所の椹島(さわらじま)までリムジンバスで移動
温帯低気圧が猛烈に発達 中部山岳の北部北日本を中心に大荒れ

0429 低気圧が猛烈に発達 中部山岳も大荒れ
4/30 椹島(1120m)-赤石岳東尾根-富士見平より雪面安定していたため夏道通しで2920m地点でテント泊  風は弱く晴れ 16時頃から西寄りの風やや強く(稜線の東側風下のため)霧
日本の南岸から高気圧が張り出し、太平洋側の山岳は好天。日本海側と北日本は上空寒気(5500mの-18℃ 下の図の水色の線
)で不安定な天気が続く。

0430 南アは好天 北アルプスは上空寒気で不安定な天気が続く043009 500hPa
5/1 朝のうち周辺の山の視界あるがすぐに濃霧になり、ほぼ夏道通しの雪面を稜線へ。
稜線に上がると風速15m/s前後、気温-4℃。9:00赤石岳(3121m)頂上避難小屋着。天気の様子見。12時頃、ガスがほぼ切れて風も10m/s程度に収まり13時に再出発し、百間洞山の家(冬季小屋)まで
日本海の低気圧と上空寒気のため、太平洋側の山も午前中は霧と強風。

0501 日本海の低気圧で不安定な天気050109 500hPa
5/2 稜線を縦走し、中盛丸山、兎岳、聖岳(3013m)を越え聖平冬季小屋へ 朝のうち上層雲、9時頃から快晴 北西の風 5m/s
北日本から南岸にかけて気圧の尾根に覆われ、安定した晴天。上空の寒気(5500m -18℃)は北上。

0502 高気圧に覆われ中部山岳は概ね晴れ050209 500hPa
5/3 積雪がほとんど無い聖沢登山道を午前中に下山 晴れ

0503 西日本から下り坂

◆思い出の聖岳
初めての聖岳は会に入って2か月後の1982年5月中旬、波多野さん、井上健さん(OB)、五嶋君(OB,牧さんの父君)と西沢渡から薊畑に登りその日の内に聖岳をピストン。南面の大斜面に南アルプスの大きなスケールを感じた。聖平避難小屋に泊り翌日、上河内岳から易老岳と周遊し樹林帯の残雪に大いに足をとられながら遠山川に下った。

当時の聖平小屋と左からOBの五嶋君(牧さんの父)、井上さんと私

198205聖岳~易老岳2

 

上河内岳から 左から波多野さん、井上さん、五嶋君

198205聖岳~易老岳3
同年の夏合宿では赤石と聖の間の名渓、赤石沢本流遡行から獅子骨沢。残念ながら獅子骨沢は大雨で藪尾根登りだったが、風雨の中、東尾根から聖本峰を越え聖平小屋に入った時は大いに安堵した。
結婚した年(1985年3月)の春山合宿は東三河の仲間と合同で、渓稜会の先輩方が心血を注いでルート開拓した聖岳の西面に入った。新人さんと聖、奥聖に登頂した翌日、小聖岳の西尾根を下りC稜を途中まで登ったが尾根の大崩壊で、兎のコルから聖本峰を越えて小聖直下に帰幕した。

小聖岳直下のサイトで東三河の仲間たちと:テントの左手前の赤いシャツが伊藤さん、その右白い帽子が浅田さん、右奥白いタオルを被る上田

198505春合宿 聖西面_0002
その後長らく訪れる機会が無く、2003年末合宿では岩瀬さん(蒲郡山の会)と高橋君で聖の東尾根から上河内岳、茶臼岳と縦走した。天気に恵まれ楽しかった東尾根、烈風とラッセルに苦しんだ上河内越えなどが今も心に残る。

聖岳 東尾根の登高

200312 冬合宿 聖東尾根~茶臼 (2)

 

奥聖がかっこいい

200312 冬合宿 聖東尾根~茶臼 (13)

 

吹雪の後の聖岳のモルゲンロート

200312 冬合宿 聖東尾根~茶臼 (6)

 

ラッセルして来た上河内岳(右)と聖岳

200312 冬合宿 聖東尾根~茶臼 (9)

茶臼岳で高橋君と握手

200312 冬合宿 聖東尾根~茶臼 (12)200312 冬合宿 聖東尾根~茶臼 (32)

初めて聖岳に登ってから34年、その時々に聖岳は厳しさと美しい姿を見せてくれる。豊川山岳会の多くの先輩や仲間、そして私にとっても心に残る大きな山、聖岳。今度登れるのはいつになるだろうか?

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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