春山合宿 北アルプス 笠ヶ岳

★ 山行名【春山合宿 北アルプス 笠ヶ岳】
★ 年月日【2004年5月3日~4日】
★ メンバー【上田、福井(蒲郡山の会)、岩瀬(蒲郡山の会)】

蒲郡山の会の笠ヶ岳から槍ヶ岳の縦走プランにお邪魔することにした。天気がずっと悪く、
4日に大ノマ乗越より新穂高に下山した。

行動概要:
5/3 曇→雨
 槍見温泉(7:50)→錫杖岳石室(9:15)→雷鳥岩/先(13:40-50)→笠ケ岳(15:30-35)
→笠ケ岳山荘(15:50-16:00)→抜戸岳付近(17:45)露営

5/4 雨 
 抜戸岳付近(7:15)→秩父平付近(8:05-15)→大ノマ乗越(9:30-40)→林道(10:30-40)
→穴毛谷出会付近→新穂高(12:10)

5月2日(日)
20時20分名鉄国府駅前で岩瀬号にピックアップして頂く。中津川で中央道を降り下呂、
高山と通って新穂高に1時前に到着。バスターミナル前の駐車場は解放されておらず、大分
手前の駐車場でテントを張る。一杯やってシュラフに潜り込む頃には2時前になっていた。
天気は下り坂で気掛かりというよりは、なかば諦めムードであった。

5月3日
6時起床。案の定曇っており上部はすでにガスがかかっていた。支度をして、バス停前から
タクシーを呼ぼうとするが平湯から来て40分かかるとのことで断念。車を槍見に置いて、
7時50分 歩き始める。谷筋を右に見ながら斜面の高度を上げて行く。途中笠ヶ岳から下
山してきたらしいパーティとすれ違う。錫杖の岩場にもガスがかかり始め水墨画のような世
界が広がる。9:15、岩小屋通過。登攀に出掛けたのだろうか、テントが1張り張ってある。
クリヤ谷を再び左岸に渡るところが増水していて靴を濡らしてしまう。谷は広がりざらめ状
の雪の上を歩く。標高1550m付近で休憩。正面に雪の斜面が2つ見えるがその右側に取
り付く。登攀パーティと縦走パーティらしき4人が急な雪の斜面を降りてくる。雪がザクザ
クで途中で休むのもリスキーなので、休まずに斜面を右に取り登り切ることにした。途中か
らは視界も20~30mになりなかなか緩斜面まで到達せづ、結局2200m付近まで登り
尾根上に出た。2400mのクリヤの頭では夏道よりも右側から回り込むことになり、ガス
の中ルート探し。岩瀬さんがピークの西直下40m位に夏道を発見しルートを修正。雷鳥岩
、13:40到着。風も雨も強まり濡れて冷えてくる。何度も姿を見せてくれる雷鳥のつがいが
気持ちを多少和かにしてくれる。夏毛が大分生えてきてころころとかわいい。
 1枚下に着込んでオーバーミトンも着けてひたすら登高を続け、15時40分ようやく
2895mの笠ヶ岳山頂に到着。晴れていれば槍穂高の西面が一望だろうに残念だが全くガ
スの中である。下って5分の笠ヶ岳山荘(閉鎖中)の横で小休止。小雨の風雨、視界も悪く
笠新道の分岐を過ぎ、抜戸岳の少し北まで到達。時間的に秩父平までは無理なので、稜線上
に張ることにする。17:45幕営地設定。風を避ける地形では無く、夜中から明け方にかけて
夏用のフライシートのコーナーがちぎれる位の強風であった。

5月4日
朝4時起床。相変わらずの風雨で朝寝をして5時から朝食。6時過ぎには大分収まってくる。
今日は風雨で明日も天気が思わしくないことから、大ノマ乗越より小池新道を下山すること
にして行動開始。7:15 出発。秩父岩付近で東京のブナの会の縦走パーティと行き会って笠
新道を降りるとのこと。この時期、斜面のトラバースは大変(むしろ危険)な気がしたが・・。
秩父平(8:05通過)では広いコルでテント場跡があり、天気が良ければ気持ちのいい場所の
ように思った。再び大ノマ岳に登り返し、15分下ると大ノマ乗越に出た。(9:30) 東斜面
の斜度は最初は少し急だが大したことは無く、トレースもある。一応雪崩の危険に備えて
30~40mづつ間隔を空けてぐんぐん下っていく。スキーをはいていたら長い気持ちのいい斜
面だろう。枝沢や秩父沢からは大きなデブリが出ていて要注意。1ピッチでワサビ平手前の
橋に10:30に到着。雨も小降りになり、静かな森の中はしっとりと美しい。峻険な抜戸の南
尾根や穴毛谷出会いの眺めを楽しみながら新穂高に12:10に到着。岩瀬さんにバスで槍見ま
で降りてもらい、バス停横の村営温泉で一風呂浴びて、豊川には21時に到着。

感想:天気が崩れることは、入山前から天気予報で知らされていたので計画変更止むなしで
望んだ。3日は朝のうちはなんとか雨は降らなかったものの、12時前ごろからやっぱり小雨
が降り始めてきた。稜線にでると風雨は一段と強く、気温はかなり下がってきていた。セー
ターを着ていてよかったと思う。
 晴れ間だと槍ヶ岳に穂高と間近くに望めて疲れも吹っ飛ぶだろうがあいにくの天気で視界
はきかず、高低差1600メートルの笠ヶ岳を目指して行動するのみで疲れはピークに達した。
それでも時折、雷鳥のつがいがご苦労さんとでも言っているかのごとく、姿を何回も見せて
くれた。
やっとの思いで笠ヶ岳の頂上に立ち握手をかわし記念撮影もつかの間、風が強いので山荘
まで下ったところで小休止をとる。露営となった場所は風は遮れなかったがタイムアウトの
為、急いでテントをだして潜り込んだ。冷えてた体に少しずつ温もりが戻り始めていった。
 今合宿は、一番若いのに一番体力が無かったと思い知らされた山行でした。荷揚げしたビ
ールと焼酎を飲まずに下山の途につきました。  (記:福井 蒲郡山の会リーダー)

―記・上田―

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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