雲海と夕日が素晴らしかった薬師岳

【北アルプス 薬師岳ピストン】2024.10.8(上田)
【2024年9月28日~29日】
【メンバー】上田 小寺 西村

酷暑の夏が一区切りで、まだ始まったばかりの秋を探しに北アルプス 薬師岳に登ってきました。百名山ハンターの西村さんの86座目、じわじわと積み上げています。

9月27日(金)
19:30に音羽集合、東名、東海環状、東海北陸道と走り、昨年の水晶岳と同じく富山地方鉄道の有峰口駅に24時に着き、ステーションビバーグ。虫の音に秋を感じます。

薬師岳山頂からの立山連峰と雲海の右奥の後立山連峰

小屋からの雲海と夕日が素晴らしかった

9月28日(土)曇り時々晴
5:20に起床し、有峰林道ゲートに6時前に並ぶ。(20時~6時までクローズ)既に手前からの縦列待ちでゲートで2000円を支払い、約40分で折立へ。既に近くの駐車場はいっぱいでトイレ手前を右に入って奥の広場の駐車場に駐車。7時過ぎに出発。曇りで歩きやすい涼しさでした。

これまで何度も歩いた太郎平への比較的歩きやすい勾配の道をゆっくりと登ります。30~40分歩くと丁度いい開けた場所にベンチがあって休憩をとります。


太郎平手前からの薬師岳

もうすぐ稜線の太郎平

樹林も低くなり、稜線や左側の薬師が見えてくる。
12時前に太郎平小屋について大休止。小腹がすいてきて小屋まで頑張る英気を養おうと、小屋で腹ごしらえ。おいしかったです(#^^#)
太郎平小屋

今回は余裕で小屋で腹ごしらえ

太郎平から薬師峠へは木道の道

夏の名残の花や草紅葉が少し色づいてきていました

今回は薬師岳方面の2700m付近に建つ薬師岳山荘をめざします。まずは木道を薬師峠へ目掛けて少し下ります。
小さな管理小屋と水場があり、薬師峠の太郎平キャンプ場には数張のテント。よほどの繁忙期でないと混雑はなさそうな様子。

薬師峠のキャンプ場とその向こうは大きな薬師岳

薬師峠からは小さな沢添いのゴーロの登山道を登っていきます。1ピッチの登りで尾根沿いの道となり歩きやすくなります。

薬師岳の肩とその右に伸びる東南稜

稜線はガスがかかったり切れたり、昨年歩いた雲の平、水晶や黒部五郎方面の稜線が目の前に広がります。
遠く水晶岳(左)、中景に雲ノ平、鷲羽岳の稜線のパノラマ

遠くの山のガスも切れて縦走路の山々の展望が良くなり、14時過ぎに今日のお宿 薬師岳山荘に到着。

2階のゆったりとして上半身の仕切りのある大部屋でお昼寝タイム。16時少し前からは食堂で薬師岳へ登る道を見ながらの乾杯。至福のひと時です(^^)/
薬師を見ながら乾杯!!

17時からは夕飯。こじんまりした食堂と少人数のスタッフさんが用意してくださった手作りが多いごちそう、ありがたいことです。

夕食後に小屋の外に出ると、ちょうど雲海と夕日に空が赤く染まり、最高のひと時、最高の景色に浸りました。
雲海と夕日に浸ります(^^♪
 

夜中起きて外に出ると素晴らしい星空、天の川もきれいに見えました。

9月29日(日)晴れ時々曇り
5時前に起きて、5時半からの小屋の朝食。小屋の外は気温7℃。風も弱く登頂日和です。

朝日は薬師の東南稜の向こうから出るようで、小屋からは見えない。6時半頃に小屋を出て晴天の中、尾根通しに登っていきます。


富山湾は見事な雲海の下で、鍬崎山が浮島のよう。

振り返って中央が黒部五郎岳(左肩に遠景の笠ヶ岳)、右は北ノ股岳への稜線

小屋から一時間半ほどで8時前に薬師岳頂上。
86座目で~す(^^)/  おめでとう!!



頂上から、3つのカールの内一番北側の金作カールと立山連峰

頂上から、左が剱岳と立山と手前に五色ヶ原
雲海を隔てて右奥が、左から白馬鑓~不帰~唐松~五竜~鹿島槍~爺~手前に針ノ木



振り返ると昨年登った黒部五郎岳、その左向こうに編み笠状の笠ヶ岳、時折槍穂高連峰も姿を見せてくれました。

来た道を下り、小屋でデポさせてもらった荷物を回収し、太郎平へ。

かつて1963年冬の薬師岳大遭難の東南稜の分岐に思いをはせて、薬師平、ゴーロ帯、薬師峠へと下り、太郎平への登り返し。11時前に到着。

薬師の最後の眺め

水晶、黒部五郎方面の展望、薬師の展望を惜しみながらゆっくりと下山し、折立に14時半頃に到着。

有峰口の手前の亀谷温泉 白樺の湯で汗を流して帰路についた。

◇かつての薬師岳山行 薬師岳は今回が3回目 今回も心に残る山行となりました。
①折立より入山日に薬師往復(薬師峠テント泊)~大東新道より高天原温泉経由で雲の平(祖父岳テント場)~鷲羽~双六~新穂(1987/8 3日間)
②立山~薬師~黒部五郎~双六~槍~燕縦走(1996/10月初旬 テント泊4日間)この冬のキリマンジャロ登山のトレーニング山行

◇登山日の天候:9/28,29 午前9時の地上天気図
両日とも沿海州とその沿岸に中心を持つ高気圧が本州南岸の秋雨前線を押し下げて、雨雲から北アルプスの山並みを守ってくれ、まずまずの登山日和となりました。

◇山頂でアクシデント:左手小指の脱臼(上田)
風も弱く晴れの穏やかな登頂。頂上で向きを変えようとしたら、岩に足を取られ不覚にも転倒し、手袋をした左手を強く突いてしまいました。あっと思った時は遅く、どんどん痺れてきます。小屋に戻り手袋を取ると左手小指の第一関節が反っていました。薬指と一緒にテーピングをして応急処置。気を引き締めて下山し、途中運転を交代してもらい、自分も運転して無事に帰宅しました。
その夜は痛み止めを飲んでうつらうつら。
翌朝、整形外科で診察を受け、レントゲンでやはり第一関節の脱臼。局部麻酔で入れていただき、ギブス。全治4~5週間とのこと。次週からの稲刈りなどの農作業が待っています。周囲の助けを借りて無事に終いができることを願うばかりです。

ちょっとした気の緩みからの転倒と指の怪我。日にちが薬でやがて完治するであろう軽傷でよかったです。レントゲン写真や包帯姿を見るたびに、何人もの方からお見舞いと「若くないから気をつけよう!」と言葉を頂いた。これからの登山や野外作業、より一層気を引き締めてあたりたいと思います。

記:上田

この記事を書いた人

上田 歳彦のアバター 上田 歳彦 豊川山岳会 代表

愛知県山岳連盟 豊川山岳会代表 2023.3~
気象予報士
NPO法人 ウェザーフロンティア東海会員

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