【奈良・大阪県境ダイヤモンドトレール縦走 金剛山~二上山】2024.10.8(上田)
【2024年9月23日】
【メンバー】上田
物心ついた頃から朝な夕な眺めたふるさとの山、二上山(517m)、その奥に屏風のように続く大和葛城山(959m)と更に遠くの金剛山(1125m)、その山並は私の原風景で、山の名とともにいつも心にあった。
小学生の高学年で、二上山と葛城山は近所のお兄さんや家族と登った。
金剛山は高校の耐寒訓練の全員登山が初めて。それ以降も1~2度は自分で登っているが、この山並を通しで登ることは意識の下にしまい込みながらも、いつかは登りたいと思っていた。
かつて国体のコースとして設定された縦走コースは現在もトレランなどのトライアルコースとして活用されているとのこと。
https://www.city.katsuragi.nara.jp/soshiki/shokokankoka/4/943.html
再来年春には全面的に奈良へ帰る予定で、高校の同級生との交流も時々参加し、昨年秋には大和三山周回、冬には霧氷の三峰山(みうねやま)に一緒に登ることができた。声を掛けてもらい、同行できるのはありがたいことである。
今回は同級生は都合つかず単独となったが、金剛山~葛城山~二上山と20km余りの縦走と、自分と向き合う1日を楽しんだ。。
下山後、奈良盆地の広陵町からの山並。右から二上山、岩橋山、大和葛城山、左奥に金剛山
南の金剛山から大和葛城山、二上山へと北上(左の太い青い線) (右の青い線は車を回収した車の走路)
9月23日(月・秋分の日振替休日)
7月から続いた酷暑もようやく暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、この日からガラッと秋の空気に入れ替わった。
4時半に起床し、5時に広陵町の実家を自車で移動した。気温20度で清々しい。金剛山東麓の天孫降臨由来のあるという高天彦(たかまひこ)神社駐車場(標高438m)を夜明け前の5:40に歩き始める。
高天彦(たかまひこ)神社
日の出少し前の登山口 残月が中天にかかる
谷間を行くと数mの滝、右側にハシゴがかかっており、滝の落ち口まで降りてみるがそこから歩道はなく、地図を確認して50m程戻った所から谷を渡る歩道を見つけると果たして登山道だった。10分ほどのロスだが大丈夫。
登山道の初秋の草花:赤、白の水引
ヤマジノホトトギス
金剛山に向かう途中からの奈良方面 御所(ごせ)市
古代の豪族 巨勢(こせ)氏の領地
朝の空気の中で、谷間から尾根に取り付き、植林の中を登ると谷間の道から縦走路に飛び出す。(標高1060m)
頂上手前の杉の大木 仁王杉
合流点を左へ取り、金剛山山頂をめざす。気温は14℃と長袖を着て丁度いいくらい。
金剛山頂のある葛木神社に7:18着。大阪側に下ると法輪寺があり、ここでしばし休憩、大阪側から登って来た人としばし言葉をかわす。
頂上の東に広がるブナ林もいい感じ。
縦走路に戻り、「ダイヤモンドトレール」と書かれた道標を便りに一路北上する。
途中、葛城山の山並が望める
稲穂が黄金色に色づき始めた奈良盆地が美しかった
水越峠まで尾根伝いと思い込んでいたが違っていた。尾根の831m三角点から少し降りたが登山道はない。戻って西側の谷沿いの歩道を水越峠をめざすのが正解。30~40分ロスしてしまった。
西側の山腹をまくように水越峠をめざす
途中からは大阪平野も望める
水越峠手前から葛城山が望める
水越峠(517m)からはたくさんの人が金剛山をめざし登ってくる。
峠に9:20に着くと、たくさんの路上駐車。ランニングや自転車で峠越えをする方も行き交っている。
一息ついて、葛城山への樹林の中の急登を登る。
奈良盆地 昨秋登った大和三山が美しい
坂が緩やかになるとバックには堂々とした金剛山、頂上付近はレストハウスや奈良側のロープウェイ駅など一気に観光地の雰囲気。
4月末にはオレンジのツツジで山頂付近が染まり大変な賑わいという。10:35に到着し、のんびりとススキ野原と奈良盆地の遠景を楽しんだ。
葛城山から金剛山を振り返る アザミ、ススキが秋を感じさせてくれる
なかなか立派な金剛山
ここからトレールを北行、長い静かな雰囲気いい林の道を楽しむ。
アップダウンは少ないが徐々に高度を下げ距離がある道を進む。
12:30に岩橋峠(570m)、12:45に岩橋山(659m)に着き、あとは二上山への下り。
大和と難波を結ぶいにしえの道、竹内(たけのうち)峠(標高288m 14:00着)は、今は国道166号を車が行き交う。
峠を大阪側に500m余り下ると「二上山登山口」の大きな看板。高校の同級生からガードレールの切れ目から入るよ、とのアドバイスでここと定めて、大阪側から岩屋峠経由で雌岳をめざす。
雌岳頂上
頂上では大阪の長尾在住で、今日は当麻寺から登ってこられた女性と言葉を交わす。分割でこのトレールを歩かれ、それからも度々登ってみえるとのこと。平野に近く自然と歴史を楽しむ人が多い感じだった。
奈良盆地
大阪平野
雌岳と雄岳の鞍部
雄岳の頂上(15:15着)とその東の大津の皇子の墓稜にお参りして、近鉄南大阪線二上神社口へ下る。26km、累積標高2100m、歩行時間10時間30分(ロス40分)と、どっぷりとふるさとの山々を歩け、いいトレーニングにもなった。
駅の近くまで来てくれていた弟夫婦にピックアップ(16:10)してもらい、車を置いた高天彦神社まで送ってもらった。効率よく回収でき、ありがたい。
帰路について広陵の自宅近くでは、二上山の右に沈む夕陽が素晴らしかった。今度は高校の同級生と奈良の山、特に大峰や奥駆け、熊野古道などを歩いてみたいと思います。
<9月23日の地上天気図>
秋雨前線がぐっと南下して秋の空気に覆われて、気持ちのいい一日でした。
https://www.data.jma.go.jp/yoho/wxchart/quickmonthly.html?show=202409
◆2023年11月25日に高校の同級生で歩いた「大和三山(やまとさんざん)」(畝傍山 天香具山 耳成山)の写真を載せます。
耳成山の近く、大和三山の三角の中ににある高校で、同級生にとっても心の山。
私自身も高校時代のトレーニングで登った耳成山以外は登ったことが無かったので、楽しい秋のハイキングでした。
16kmをのんびり10時間ほどかけて歩き、心に残る一日となりました。
初めは畝傍山 麓にある畝傍御陵公園から
畝傍山頂上から、参加の同級生 バックは右から大和葛城山と金剛山
畝傍山を後に万葉集・百人一首にもうたわれた天香具山に向かう
天香具山からの右から大和葛城山と金剛山
天香具山からの下り
奈良の秋らしい柿の赤い実がとても美しい
遠く二上山を望む
天香久山を振り返る
藤原京跡付近の農道から、遠く二上山から葛城連山
左の中景は登って来た畝傍山
藤原京跡から耳成山
黄葉、紅葉と深まる秋を楽しみました
記録:上田歳彦