鹿島槍ヶ岳の大展望

【鹿島槍ヶ岳】19.9.21(遠山)
【2019年9月14日~15日】
【メンバー】浅田、西村、遠山

鹿島槍ヶ岳に西村さんも加わり3名で行ってきました。
金曜日深夜、現地近くの駐車場で西村さんと合流、それぞれの車で車中泊。
朝、5時に起床して車で15分程度の扇沢へ移動。
柏原新道登山口の駐車場はもう既にいっぱいです。
少し離れた扇沢市営第2駐車場に車を止めますが、そのあとも続々と車が入ってきます。

駐車場から10分ほど下り柏原新道登山口で登山届を提出。
樹林帯の中の比較的整備された登山道を登っていきます。
西村さんは「ここは歩きやすい登山道だね、いいね!」と言っております。
この時は下山時にここで苦しめられるとは知る由もありません。

3時間半ほどで人で溢れかえる種池山荘に到着。

小休止後に目の前に見える爺ヶ岳へ進みます。

11時15分、爺ヶ岳に登頂。

爺ヶ岳は2年前に上田さんと古賀さんと3人で積雪期南尾根ルートを計画した場所です。当時は悪天候の為に唐松岳日帰りに転進しましたが、今シーズン行ってみたいリストに改めて加えました。

爺ヶ岳から剣岳を左手に見ながら稜線左手をトラバースして今夜の宿泊地でもある冷池山荘に向かいます。

12時50分に冷池山荘に到着、すぐにテント受付をします。
ここのテン場数は約40張となっていますが、我々のテント受付番号は81番(?)「かなり混雑しているので空いている所に詰めて張って下さい」との事。テン場はここから10分ほど登った所にあります。テン場に上がるとこれはスゴイ、一面テントで溢れかえっています。

傾斜のある場所になんとか1張分のスペースを見つけてテント設営。
取りあえずはテン場も暑いので、冷池山荘に降りてビールで祝杯してノンビリと過ごします。

16:00、テン場に戻ると更にテントは増えて足の踏み場もありません、100張近くあるのでは?。テントに入り、夕食の準備をして19:30に就寝。ところがこのテン場、かなり傾斜があります。テント内の傾斜の一番上に陣取った自分は少し動く度に上からズルズルと下に向かって滑り出します。何とかズリ落ちないように工夫して寝ましたが、これは山行より辛かった!

翌朝4時に起床、朝食を取ってから日の出を眺めます。前方には日の出、後ろを振り向けば朝焼け照らされる剣岳と絶景が広がります。
テントに荷物をデポして鹿島槍ヶ岳に向けて5時30分に出発。上空に雲ひとつ無い天気の中、雲海の広がる幻想的な風景を眺めながら鹿島槍ヶ岳へと進みます。

1時間ほど歩いて布引山に上がると鹿島槍ヶ岳南峰まで繋がる稜線が見えてきます。

そこから1時間ほどかけて南峰に登頂、浅田さんは今回で4回目の登頂との事です。山頂からは360°の大展望が開けます。

鹿島槍ヶ岳は南峰と北峰からなる双耳峰です。
北峰まで足を伸ばそうという事で少し危険な岩場を数カ所下降しながら20分ほどかけて北峰へ登頂。ここからは8月末に計画が流れた五竜からキレット小屋までのルートが一望出来ます。

暫く展望を楽しんだ後で帰路につきます。

鹿島槍ヶ岳南峰を過ぎて暫く歩いた時にトラブル発生。西村さんが転倒して足首を捻挫したようです。偶然、その場を通りかかったボランティアの看護師の方にテーピングと痛み止めの薬を貰い応急処置。痛みはあるが骨折などの心配は無さそうなので暫く休憩した後で冷池山荘のテン場に移動。

11時15分にテント場に到着、テントを撤収して西村さんの荷物は浅田さんと分けて持ちます。下山判断については取りあえずは種池山荘までは歩けそうなので、そこで最終判断しようと移動を開始。
爺ヶ岳まで登り基調の道を歩き2時間20分かけて14時30分に種池山荘に到着。西村さんもここまでは問題なく歩けました。

ここから扇沢駐車場まで標準タイムで3時間の長い下り、ゆっくり歩いたとして18時頃の下山です。ここで停滞すると足が腫れて動けなくなる可能性があるかも?との事。
最終判断として下山することに決定、移動を開始します。下りの段差で時々痛そうな様子を見せる西村さんですが約3時間の長い道のりを歩き通せました。
登り始めに「ここは歩きやすい登山道だね、いいね!」と言ってましたがツライ下りになってしまいました。

無事に下山出来て良かったと思うと共に誰にでも事故は起こり得ます。緊急時に対処する能力を身に着ける大事さを実感した山行でもありました。

柏原新道から鹿島槍ヶ岳ルートは距離は少しありますが展望がもとても良く、かなりオススメ出来るコースです。但し、連休ともなると激混みの斜めのテン場など山とは別の試練が与えられますので気をつけて下さい(笑)



― 記 遠山 ―

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