戸隠・P3尾根

★山行名 【戸隠・P3尾根】
★年月日 【2000年3月18日~19日】
★メンバー【宮尾・河合・福地】

《3月17日》
 新城9:30出発、戸隠村P1登山口2:30着。戸隠村では雪が道に残ってい
て、ノーマルタイヤの私の車では、ここまでで車を止める。軽く一杯やり3時過ぎ就
寝。
 
《3月18日》
 朝5時30分に地元の登山者に起こされる。地元の工事関係者かと思いあわててテ
ントの外に顔をだしたが違った。6時にテントを撤収し、タイヤにチェーンを付けP
3登山口(品沢高原)まで移動。登山口では、姫路から来た播磨山岳会の若者2名が
いた。すでに、先ほどの地元の登山者5人が入山しているとのこと。私たちを含め、
3パーティーが取りつくことになる。準備をし、出発は7時半過ぎていた。最後尾の
私たちはラッセルをせずに歩く。久しぶりのザックに私の体は重たい。しかし、今
シーズン雪山最初なので楽しい。天気も晴天で、気温も高い。春山そのものである。
 高度1,500mで急な登りになるが問題ない。高度1,600mでザイルを出
す。高度的には約20m。ここで、先行パーティーの2チームに追いつく。時間待ち
ができたので地図を見る。国土地理院発行25,000分の1地形図では、「第二
峰」と記されている尾根に登っていることがわかる。先行パーティーのラッセルに
乗っかり歩いているうちに誤まって歩いていた。先行の地元の5人パーティーの方に
聞くと、「国土地理院発行25,000分の1地形図が間違っていて、今登っている
尾根が、”P3尾根”。」とのこと。そして、西岳に伸びている尾根がP4、第三峰に
伸びている尾根がP5、とのことである。自分達だけで登っていたら、多分P5を
登っていただろうと思うと、結果オーライなのか?どうなのか?。とても勉強になっ
た。
 ここの部分も慎重に行けば大丈夫である。そして、高度1,670mで二回目のザ
イルを出す。ここも、樹林が所々あり何とかなるが、この先が問題である。地元の方
の話では、アブミが必要とのこと。しかも、雪の状態は良くない。また、明日の天気
は悪くなるとテレビでは言っていた。先行の地元5人パーティーは初めから空身で
登っており、テントを持っていない様子。ここで引き返すとのこと。姫路の二人は、
ザイルを使い登っていた。通称マッコウ鯨である。ピンは打ってあり、途中に細い木
もあり、標高差も約10mと短く時間をかければ何とかなりそうだが、その上の雪の
状態が悪そうである。更に、その先の大きな岩が核心部。直上するには、アブミが必
要とのこと。正面から左手方向にトラバースルートがあるとガイドブックには書いて
あったが、どこがそうやら…?地元の方に聞くと、左は岸壁になっているので直上と
のこと。遠くからではよくわからない。
 我我3人もここから下降することに決定し、懸垂下降する。初めてザイルを出した
ところから約200m下ったところにテントを張る。1日中晴天。風も殆どない。山
を見てすごすには非常によいテン場だ。
 P3尾根は、あなどれん。総合的に難しい。装備もザイルが二本欲しいし、アブミ
もいる。登攀具ももう少し多いほうがいい。また、装備はなるべく軽くしないと登れ
ないと感じた。
 テントの中では、晩飯を作る。豚汁であるが、三人では食べきれない程の量があ
る。体重が山にきて太ってしまう。1日早い下山になりそうなので、食い尽くせない
食料を目の前に、ここでも奮闘する。
 
《3月19日》
 下山だけなので、ゆっくり起きる。天候は不思議とよい。まあ、良いといっても、
雲があるが頂上付近まですっきり見える。はかられた。しかし、我々の装備では登れ
そうもないし、戸隠の偵察と思えば意義のある山行となった。
 帰りに温泉と蕎麦を食べ帰った。
―記・河合―

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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