旭岳東稜

山行名【旭岳東稜】
年月日【2005年2月11日~13日】
メンバー【上田・宮尾・田中】
2/11 晴
前夜、美しの森駐車場まで4 時間半。事前にスタットレスに
履き替えていたが道路の凍結はほとんどなし。到着後も禁
酒のためすぐ寝た。
起きると他に3パーティほどいたが、我々より先に出発。東
京方面からは朝やってきたみたいだ。
小屋に12 時ちょうど頃到着した。資料の通り、上権現沢よ
り取り付くつもりで出かけたが、私の読図ミスで権現沢に入
ってしまい1 時間ぐらいロスしてしまった。ルートに戻ると東
稜に直接上がっているトレースに出た。あとはテン場を探し
ながら登高する。
2,300m付近までで打ち切り、16時半から酒盛りへ突入。
水を作りながら日本酒700cc 程を分け合いしばらくまどろん
でいると例によって上田氏も田中君は酔っ払ったみたいで
意識不明。私が一人で飯を作りのスタート。夜はトン汁が4
人分ぐらい出来てしまった。私が食当のときの恒例であるが、
またしても食いすぎたようで-10数℃のなか寒空の中みん
な次々とトイレに行っていた。
夜はフリースを頭からかぶって寝たので霜降り攻撃から難
を逃れた。厳冬期とは思えない程全然寒くない夜だった。
初使用のダンロップの3 人用テントは快適だった。
2 日目 快晴
4 時半起き。これまた朝からソーセージと昨夜の残り具と
餅入りラーメンで動けないくらい腹が1 杯になった。テントを
撤収していると小屋からのパーティが元気に上がってきた。
6 時45 分、全装備状態(16~18kg)でスタート。これで登
攀は辛いなぁ~、とひそかに思った。
8 時半頃、通称『5 段の宮』手前に着。
旭岳東稜
後から到着したのも入れるとどうも全部で8 パーティぐらい
の模様。1 ピッチ目は田中君に行ってもおうかと問うてみた
が『えーえ』という返事が返ってきたのであきらめて『じゃぁ、1
ピッチ目は俺が行くわ』と宣言した。『これぐらいだったら問
題ないですよ、宮尾さんこんなとこも登れんの~』ときっぱり
言ってほしかったが…。
旭岳東稜2
正面はすでに1パーティが取り付いて苦戦している、そし
て次も1 パーティ待機中。4級の岩で全装備ではとても登れ
そうにないので五段の宮左側の雪壁&草付き&潅木を選
択し、ダブルアックスと木登りで高度を稼ぐ。
1 ピッチ目の終了点には久々の登攀と重さでフーフーの
状態で到着。スリングもカラビナもほとんどなくなって、残置
のスリングにテンションをかけてコールする。
下10mのところに後続の1 パーティがアンカーを設置して
いたがしばらくすると『あれ、アイゼンが落ちてるよぉ』と、ぼ
そぼそと声が聞こえてきた。もしかして、と思い右足からチェ
ックしてみた。右足は大丈夫。『う~ん、俺じゃないなぁ』と思
いながら左足も見てみた。なんとアイゼンがない!!そうか
道理でさっきから左足が滑ると思った。以前にもどこぞやの
春山で外れて後ろの人に指摘されたことがあったがこんな
場面で外れるなんて?!しかし、幸いに下のパーティーが
見つけてくれた上に、声がなんとか聞こえた、加えて落下地
点が下のビレーヤのすぐ横で止まっていたとトリプルラッキ
ーだった。
下のビレーヤの村上さんとか言うリーダーから『アイゼンま
で手が届かないけどやってみるネ』とコールがあり様子を見
ていたら、スリングで引っ掛けてうまいこと釣り上げてくれた。
『釣り上げましたヨ!』。これには“感謝”“感謝”の言葉しか
ない。中間の上田さんに手渡ししてもらった。
なんとも、いつもながらのアクシデントだったが事なきを得
た。2ピッチ目も私がリードでスタート。出始めだけ数mトラバ
ース。油断すると墜落しそうだったのでしっかりアックスをき
めて通過。あとはこの壁を30m程まっすぐ登るとすっきりした
雪稜に突入。
後続は、すでに数パーティ取り付いて上がって来ており、
細い雪稜を入り乱れての登高となった。五段の宮の終了点
と合流する付近に出たところでロープはいっぱいになった。
アックス2本で雪面にアンカーを取りピッチを切った。この
後は安全なのでノーロープで最後の壁の下に出る。最後の
壁は、残り10 数mであり難度はなさそうだったが念のためロ
ープを出し頂上に抜けた(13 時半)。目標は12 時だったか
らやや遅れている。
ピークで写真を撮っていただき、すぐにツルネのピークに
向かう。しばらく食事で休憩し、田中・上田両氏のハイペー
スでツルネ東稜を下降開始。すぐに全く姿が見えなくなり富
山のパーティとゆっくり下る。小屋までちょうど1 時間だった。
さらに林道歩いているうちに真っ暗になった。狐とか動物
でも出てこないかと思いながらも滑ってずっこけないようにひ
たすら歩いているうちに駐車場着。はぁ~あ、疲れた。明日
は蒲郡の三河湾健康マラソン。大丈夫かなぁ?
<1日目>
駐車場発9:15 小屋12:00 テント場(標高2300m)
15:50
<2 日目>
起床4:30 発6:45 五段の宮 8:30 旭岳13:30
ツルネピーク発14:50 小屋15:50 駐車場18:30
-記・宮尾-

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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