大谷不動の氷爆

山行名【大谷不動の氷爆】
年月日【2007年2月11~13日】
メンバー【白井、土橋(他)】
10 日の22 時に稲武で乗り合わせてから一路、峰の原スキ
ー場へ向かう。1 時半頃到着し、テントを張って2 時過ぎに
は就寝。
6 時過ぎにおきて身支度を整える。土橋さんがネットで調
べてきた資料によると2 本並んだリフトの奥側のリフトを使っ
て登っているみたいだが、スキー場の人に聞くとどちらでも
行ける様なので、私達は手前のリフトに乗ることにした。
しかし、私達は満杯のザックを背負っているので果たして
無事にリフトに乗れるのか心配である。スキーなんて5 年前
ぐらいに少しやった程度なのでなお更不安だ。
リフトの速さにビビリながら土橋さんはなんとか乗る。リフト
にいるおじさんも心配なのかリフトのスピードを遅くしてくれ
る。
私も前に落っこちそうなりながらも乗ることが出来た。降り
るときには先の土橋さんが早速コケテイル。私はセーフ。先
が思いやられる私達であった。
奥側のリフトの下をくぐってコースを降ると初心者用の林間
コースがあるのでへっぴり腰のボーゲンで小学生の子等と
混ざりながら恐る恐る降りてゆく。すると峠のところで進入禁
止の看板が立っている林道を発見。
その林道には先行パーティーらしき山スキーの跡とワカン
の跡があったのですぐわかる。天気は最高なので林道を滑
りながら降っていくのだが暑くなって服を脱いでゆく。
12 時ごろにやっと大谷不動尊に到着する。すでにテントが
2 張りほど張ってある。遅まきながら私達もテントを設営。そ
のご一番アプローチが近い「不動尊裏の滝」へ向かう。
不動裏にはすでに3 人さんPTが登っていた。F2は左右
二つ滝があるが右側が圧倒的にむずかしい。ガイドでは右
側がⅥ-級、左がⅤ級とある。左の易しいほうで足慣らし。
土橋さんがリードして私がフォローする。今回初めてBD
のバイオニッククランポンを使ってみた。確かに氷面に対し
て刺さりやすい感じはある。私のスカルパのプラブーツにも
フィットしていて安定感もあり満足できた。土橋さんの調子も
今ひとつであるので今日はこれで終了として、テントに戻る。
12 日(日) 本日はメインディッシュの左岩壁の左ルートに
GO!取付を少々間違えたがF1にと到着。今週末は誰も取
り付いていないみたいで踏み跡も周りになく堂々たる氷爆で
した。
8 時45 分頃土橋さんリードで登攀開始。Ⅵ級の氷壁に取
り付くのは僕自身初めてだ。時折氷爆がビシ!ビシ!っと
音を立てている。まるで僕らを威圧しているようだ。
私がフォローしたがツララ状の表面はアックスが決め難い
し、登られていない氷爆は特にそうだ。
続いてF2の登場だ。F2も土橋リードで無事終了。フォロ
ーでも大変疲れる。今回は右手にDMMのフライ、左手に
シャルレのクウォークで登った。やはり断然氷にはクウォーク
の方が使いやすい。バランスが断然いいのだ。
13 時半頃には順調にF1基部まで降りてこれた。すべて立
ち木を使って懸垂でOKでした。時間も半端なのでそのほか
の氷爆の偵察に行く。中央ルートは人気みたいで昨日も今
日も誰か取り付いている。
今日は時折雪が舞う天気で氷が解けずコンディションはば
っちりでしたがビレーする方は寒かった~。明日に備え早め
本日は帰宅しないといけないので、4 時に起きて中央ル
ートに挑んだ。薄暗い中、中央ルートに向う。
今日まで二日間登っているので大分アイスの感覚が戻っ
てきたのでⅤ級クラスのF1は私がリードさせてもらう。スクリュ
ー4本使って無事のリード出来た。腕力も朝一で十分残っ
ていたし思いのほか楽に登れた。まあフィーフィーテンション
は入りましたが。
F2は7 時20 分頃登攀開始。1 時間半近くかけて何とか
土橋さん完登。結構苦労しました。実際フォローしてみても
中間部のシャンゼリゼ状?の下までで完全にパンプしてしま
った。左ルートよりも難しく感じました。
F2の懸垂下降は50mと45mのロープの組み合わせでぎり
ぎり立ち木より懸垂できました。
とりあえずすべて無事完登出来て目出度しですが、この
エリアは帰りがツライ。行きに滑って降りてきたルートを登り
返さなければいけない。山スキーのシールを持ってない私
は林道が登りになると途中の踏み跡を辿り直登でスキー場
の峠まで出ようと考えたのである。
来るときに林内より降りてきている踏み跡を見つけ「きっと
山スキーで来なかったクライマーが直接峠より降りてきた道
に違いない」と考えていたので、これまた借り物のスノーシュ
ーに切り替え、スキーの板はスリングでザックにつなげ引き
ずっていく戦法で行くことにした。
最終的に地形を読み間違えていて見当違いのところへ
上り詰めてしまいました。しかし、スキーの板は引きずると結
構重いです。ビンディングに雪がが付着してだんごになりる
し、いろんな所に引っかかるし。何度この板を捨てて行きた
いと思ったか…おまけに上り詰めたところが峰の原スキー場
のかなり上の方出てしまいし呆然としてしまいました。
かなり余分なアルバイトです。しかし、天気が良く春山のよ
う、しかも遠くアルプスの峰みねが横たわり後ろを振り向けば
なだらかな根子岳が牧歌的な感じを引き立て、見当違いな
ことをしてしまったわりにはとてもスガスガしく気持ち良かった
です。
しばらくそこで休憩を楽しみながらもう一度林間コースを
転びなら滑り降り、土橋さんより30 分遅れでスキー場の駐車
場へ3 時半ごろ戻ることが出来ました。
-記・白井-

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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