槍ヶ岳

【槍ヶ岳】09.5.2(高橋)
年月日【2009年5月2日~4日】
メンバー【河合、宮尾、上田、白井、鈴木、浅田、梅沢、高橋】
A:CL-河合 SL-宮尾 上田 白井 鈴木
B:CL-浅田 SL-梅沢 高橋
5月2日
6:30 起庆 8:00 新穂高出発 13:20 槍平ベース着 (標高1990m)白出し出合や滝谷出合、滝谷出合から槍平までの谷では大きなデブリがあり、新しいデブリは先週末の降水によるものと思われた。 夜までほぼ無風快晴。
5月3日
2:00 起庆(星が見える) 3:45槍平出発(巻雲出てくる)5名で单岳西尾根をトレースし单岳避難小屋に7:35到着。稜線を縦走し、11:00槍ヶ岳肩の小屋 11:35に槍ヶ岳に登頂し、槍平に14:20到着。積雪は例年より尐なめ。
天気は未明から薄曇りで風は弱い。稜線でも山はかなりはっきり見えて薄曇りで、風は5~10m/s。槍ヶ岳頂上では10~15m/s。雪はクラストしており、日中も巻雲、巻層雲のために日射が尐し弱く雪が腐らずに歩きやすかった。(3名は大喰岳西尾根からで途中合流し、槍ヶ岳に登頂)
5月4日
4:30起庆 6:20槍平出発 蒲田川右俣付近からはガスがわき始める。10:20新穂高到着。天気は曇り時々薄日が差す。帰りに16時頃治部坂峠付近では弱い雤。
-記・上田-
1日
21時 豊川を出発し、松本駅で大阪からの宮尾さん、埼玉からの鈴木さんと合流し、8名で新穂高へ向かった。
2時過ぎに新穂高の駐車場に到着し、深夜だというのに、交通誘導員のおじさんが立っていて、ビックリ。皆で協力して素早くテントを設営した。夜空を見上げると、満天の星空でうれしくなる。皆で尐しお酒を飲んで3時過ぎに仮眠をした。
2日 晴天
6時半に起庆し、軽く朝食を済ませた後、8時に新穂高を出発した。蒲田川の右俣に沿って林道をひたすら歩いていく。桜やフキノトウなどの植物が、私達を楽しませてくれる。
穂高平避難小屋に9時20分に到着し、遠くにこれから向かう槍ヶ岳が望めた。
白出沢出合に到着し、尐し休憩した。ここから長い長いトラバースの始まり。雪がシャーベット状になっていて、おまけに枝が登山道をさえぎっていたりして苦労した。気温がグングンと上昇し、太陽がギラギラと照りつけ、雪の反射でジリジリと肌が焦げていく感じがした。下山してくるおじさんとすれ違った時、おじさんの顔がビックリする程真っ赤に日焼けしていたので、慌てて日焼け止めを何度も厚塗りした。滝谷出合から槍平までは寝不足の体にはとても長く感じられた。
無言になって下ばかり見て歩くようになってきた頃、「小屋がみえてきたよ」と声がして、私も見上げると、遠くに小屋の屋根とカラフルなテントが見えた。
13時20分にようやく槍平に到着した。テントの数は予想以上に尐なかった。
ここから、明日A隊が登る「单岳西尾根ルート」が分かり、こんな急なところを登っていくのか・・・とかなりビックリした。
幸運なことに、小屋の屋根にたまった雪がポタポタと水滴になって落ちていたため、雪を水にする労力がなくなった。小屋の屋根下へ行き、飲み水や夕食で使う水を鍋に溜める行為が、皆の中で、「ポタポタしてきた?」になっていたのが私の中のヒットだった(笑)。
皆でテントを設営し、ひと段落した後、冷え冷えのビールで乾杯をした。この一杯が最高ですね。グルリと山に囲まれた、この美しい景色の中で、愉快な先輩達と楽しい宴会が始まった。
その後、河合講師を中心に、全員でビーコン訓練を行った。いざという時の為に、このような訓練は非常に勉強になった。
さて、今夜の夕食は、(食担の白井さんが用意してくれた)ビーンズカレー!!「カレー王子」こと鈴木さん(笑)が嬉しそうに調理してくれた。とっても美味しいカレーが出来上がり、その美味しさに皆とっても幸せな気分になりました。
夕食の後、テントの中でおしゃべりして、20時頃入眠した。
3日 晴天
A隊は2時に起庆し、3時45分に出発していった。B隊の私達は3時に起庆し、朝食のお餅入り味噌煮込みうどんを食べ、元気いっぱい!! 5時に出発した。雪がしっかりしまっていて、アイゼンもよくきくので、とても歩きやすかった。
6時に1回目の無線交信をした。無線からは懐かしいA隊の白井さんの声が聞こえてきて嬉しくなった。「A隊も頑張ってるから私も頑張らなきゃ」 と励みになった。
大喰岳西尾根のとりつきの目印となる「宝の木」で休憩し、これから始まる登りに備えて行動食をとる。
いよいよ大喰岳西尾根の急な斜面がはじまり、アイゼンをきかせながら慎重に登っていった。途中岩場も出てきたりして、とても歩きにくかったが、この山行前に行った、大石沢でのアイゼントレーニングを思い出し、頑張った。眼下には飛騨沢をワッセワッセと登っている沢山の人を眺めることが出来た。2900付近で9時の2回目の交信をした。しかし連絡とれず・・・。
「アキレス腱が痛いよ~・・・」と思っていた頃、ようやく大喰岳の稜線に出た。
9時50分、小休止していると、大喰岳山頂の方から、「オ~~イ!!」とサワヤカに手を振ってやってくるおじさんが。それがな なんと 上田さんで、もう私達はビックリ仰天!!! その後次々にA隊のメンバーがやってきて、再会の喜びを分かち合った(笑)。 合流にはもっともっと時間がかかるかと思っていたのに、いやはや恐るべきスピードだ。
それからは、槍ヶ岳山荘へと続く美しい稜線を8人で歩いていった。
槍ヶ岳山荘に到着し、行動食を食べて、空荷で槍ヶ岳山頂へ向かった。山頂へはたくさんの人が登っていて、ところどころ渋滞が起きていた。
11時35分 ついに槍ヶ岳登頂。皆でガッチリ握手した。「ヤッタね!!」 8人全員で山頂に立つことができて、とっても嬉しかった。
さて、なんといっても下りが恐い。河合さんにロープで確保していただきながら下らせてもらった。ロープのお陰で恐さもかなり和らぎ、前を歩いて下さった浅田さんをはじめ、先輩方に色々アドバイスをいただきながら、冷や汗をカキカキ槍ヶ岳山荘へ戻ってきた。
その後飛騨沢をガシガシと、皆それぞれにすごい勢いで下っていかれた。この斜度が私にとっては45度位に感じられて恐かったが、浅田さんと河合さんから15度位だよ。と言われガッカリした(汗)。
日中は昨日同様気温が上昇し、雪がシャーベット状となっていて、ズボズボと足が雪に埋まり、その度に体力を消耗した。
槍平に14:20に戻ってきた。ビールをのんで乾杯すると、グッと眠気が襲ってきて、梅沢さん、上田さん、高橋はテントでお昼寝。その間に他のメンバーが夕食の雑炊の用意をしていただいた。なんとこの雑炊の為に、白井さんは水筒の中に生卵を割って持参してくれたとのことで、ビックリ!! 山で卵が食べられるなんて、「幸せ~」 と思いながら美味しくいただいた。合宿ならではの楽しい夜を過ごし、20時頃入眠した。
4日 曇り
4時半に起庆し、朝食のお餅入りそばを食べて元気いっぱい!!6時20分に槍平を出発した。今日はガスがわいていて、曇り空。長い長い下りであったが、この曇り空のお陰で汗をあまりかくことなく下山できた。10:20に新穂高駐車場に戻ってきた。
帰りは平湯へ行き、温泉に入って疲れを落とし、その後レストランで美味しい昼食をモリモリ食べた。松本駅で、宮尾さんと鈴木さんとお別れした。松本駅周辺は大渋滞でどうなることかと思ったが、高速道路は心配していた程混んでいなくて、19時に豊川市役所へ戻ってきた。
天候にも恵まれ、8名でワイワイと、とても楽しい春山合宿となった。
(今回も先輩方に色々と教えていただき、共同装備の重い荷物を持っていただいたり、本当に先輩方のお陰で楽しい山行ができました。どうもアリガトウゴザイマシタ。)
-記・高橋-

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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