悪沢岳
2010年10月8日(金)夜~11日(月)
メンバー 河合、五嶋、浅田
10/8 曇り
豊川を午後7時に出て東名高速で静岡へ、ここから市内を抜けて井川へ向かう。
まだこの時は星が見えていた。井川からダム湖沿いの道を走り、畑薙第一ダムへ着いたのは11時を少し回っていた。駐車場に車を停めて、横にテントを張り1時間程談笑して眠る
この時はまだ雨の降る気配は無かった。
10/9 雨
朝テントを叩く雨の音で目が覚める。雨は本降りの状態であり、早々にテントを撤収して雨に濡れながらパッキングをする。
東海フォレストのバスは下の駐車場から出ると聞き、1キロ程戻った駐車場でバスの来るのを待つ。雨が降る中8時発のバスに乗り椹島へ向かう。雨が降っているのに20人近い登山者がいる。1時間程で椹島に着く。雨は止む気配は無く、かえって雨脚は強くなって来ている。軽く朝食を食べて千枚小屋へ向けて登りだす。登山口から沢沿いに暫く進み、吊り橋を渡り尾根に取り付く。雨で滑り易くなった岩稜を越え、急登を登ると林道に出る。
清水平
林道から鉄製の階段を登り尾根に出る。傾斜が緩くなった尾根を1時間半ほど登ると清水平に着く。小さな沢が流れており水分補給と行動食を食べ小休止とする。雨は相変わらず降っており、カッパを着ていてもシャツが濡れて来る。あまり長く休むと寒くなるので、ゆっくりしたペースで長く歩く。蕨の段に千枚小屋まで3時間の道標あり、まだ3時間も濡れるのかと思うとテンションが下がる。新人の五嶋さんは弱音を吐かず頑張っている。
駒鳥の池を右下に見て進むと、小屋まで1時間の道標があり元気が出る。
尾根からトラバース気味の道になり暫く進むと千枚小屋へ着く。
素泊まりの手続きをして着替えをし、濡れた身体をストーブで乾かす。上田君からの天気情報では天気が回復するのは明日の夕方になりそうで、我々は明日は小屋で沈殿と決めて夕食を取る。
夕食後の時間に他の登山者と情報交換や、アルコールを飲みながら四方山話しをする。
雨はいっこうに止む気配はなく、小屋の屋根を強く叩いている。それでも明日の天気に期待してシュラフに入る。
10/10 雨後曇り後晴れ
朝目が覚めると雨はまだ降っていた。昨日の予定どうり沈殿と決めゆっくりする。
残念ながら登頂はあきらめて下山して行く登山者も何人かいた。
9時頃山では遅い朝食を食べていると、雨が止み時折青空が見えてきた。
時間が経つにつれてどんどん天気が回復してきて、雄大な富士山も姿を現してきた。
すっかり天気が良くなった中、山頂に向けて出発する。青空をバックにダケカンバの黄葉やナナカマド紅葉が目を楽しませてくれる。小屋からひと登りで千枚岳に着く。
千枚岳
雷鳥
荒川三山や赤石岳、北部には塩見岳から続く蝙蝠尾根が見えてくる。小さなキレットを通過し丸山を超えて、いよいよ悪沢岳の登りとなる。突然岩陰から雷鳥が3羽姿を現しびっくりする。
雷鳥の歓迎をうけながら、山登りを始めて約40年目にして山頂に立つ。
山頂より荒川中岳と前岳
長い蝙蝠尾根と塩見岳
3人共悪沢岳は初登頂であり、あまりにも天気が良いので山頂で1時間ほどゆっくりし、ラーメンを食べる。山頂からの眺望を充分堪能して小屋へ戻る。夕食までの時間富士山を見ながら、小屋の前のテーブルで宴会とシャレル。ほろ酔いかげんで夕食を食べて小屋へ向かう空は、満天の星空に富士山がシルエットとなっていた。
10/11 晴れ
10時半のバスに乗るべく早朝の5時前に小屋を出る。ヘッドランプを着けて1時間ほど下ると、樹林の間から荒川三山、赤石岳が朝日に赤く染まって綺麗である。五嶋さんはかなり感動していた。小屋から約4時間半で椹島に降り立つ。バスの時間まで少し時間があったので、コーヒーを沸かしゆっくりする。例年なら紅葉の見ごろであるが、バスの運転手の話ではこの辺りの紅葉は、今年は2週間ほど遅いと言っていた。
白樺荘で汗を流して昼食を取り帰豊した。
記 浅田
100名山ゲッターではないが、悪沢岳を登ると、南アルプスの100名山は終了することになり、以前から一度は登りたいと思っていた。
夏山へ行っていない私は、秋の連休に行く話がでて、一つ返事で計画をした。初日の雨は予想されていたので、気にはならなかったが、カッパが古く、しみ込んできたのには閉口した。
翌日は、天候の回復が思った以上に早く、頂上を往復することができ、展望も最高に良かった。また、小屋で3時過ぎから富士山を見ながら宴会ができたことは、大変楽しいひと時を過ごすことができた。
小屋で、2泊。宴会付の思い出に残る山行となった。
記 河合
私にとっては、二度目の3000m越えの山行となりました。雨の中の6時間の登りは辛かったですが、晴れてからの景色は最高で、本当にきてよかった…と思いました。
そして同時に、絶対に私ひとりで来ることができない山に登らせてくださった、山岳会のメンバーにとても感謝しています。浅田さんのあとに付いて行き、河合さんの地図読みを覗き込むだけでしたが、お二人の姿を見ることで大変勉強になった山行でした。
記 五嶋
悪天から好天の悪沢岳
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