寒波到来 八ヶ岳アイス

【八ヶ岳】2016.1.31(白井)
【年月日】2016年1月22日~24日
【メンバー】L.白井、小野、白木(ひ)、山形

22日(金)
新城市の自宅を20時半に出発して茅野運動公園の駐車場に12時前に着いたであろうか。
今回はすごい寒波が到来していて沖縄でも観測史上初めてミゾレを観測したという。
実際に寒くて行く途中の治部坂でも-9度と表示が出ていた。
何もこんな寒くて天気悪い中八ヶ岳まで行くことはないとはふと頭をよぎったが、「せっかく小野くんがアイスをやる気になっていることだし
まあ稜線に出ないし、谷の中だからなんとかなるだろう」と判断して計画どうり行くことにした。
ちょうど赤岳登頂を目指すPTとも一緒となる。
その記録はもう牧原くんが書いてくれてあるのでそちらを観てください。

23日(土)
茅野運動公園の駐車場を6時半に出発し美濃戸まで来るまで入る。
結構雪が林道に乗っているのでそれなりに滑らず問題なく行けた。
美濃戸口から歩いている登山客も結構いる。

美濃戸の赤岳山荘の駐車場
自分たちは今日はジョウゴ沢に入る予定なのでなるべく早く赤岳鉱泉に着きたい。
それなりに雪が積もった赤岳鉱泉の登山道は歩きやすく10時頃鉱泉に到着。

牧原くん、山は確実に起きてます!というかオッキしてました!
有料のアイスキャンディーには目もくれず、テントを立ててジョウゴ沢を目指す。
アプローチもまだトレースも会ったがそんなに多くは入ってない模様。
5mほどのF1の滝でアイスボルダーで遊びながら準備運動。
下には天然の雪のマットがあるのでちょっと気が楽(俺だけ?)
小野君にはここである程度体験してもらって先にヒロ君とF2の滝へ行く。
F2はしっかり凍っていて、段差もあり3級ていどなのでヒロ君に「リードしてみる?」と尋ねると「リードしてみたいです」と返答。
快く送り出す。
この辺はヒロ君も大分変わってきたと思う。
以前であったら、リードなんてまだまだと尻込みしてたのだろうが、やはりいろいろ経験することは自信に繋がっていると思う。
ヒロ君は問題なくリードし、自分も楽しみなが登るが、しかし寒い。ビレー中は動かないから尚の事である。
F2を超えて先をゆく。

アイスボルダーで遊ぶ

F2の滝

F2をリードする白木
ゴーロー的な河原を200mほど行くと右側から沢筋が合流、その奥にチラッと見栄えの言いた気が見えた。
これは見に行くしか無いと思いまだトレースのない沢を時折ラッセルしながら詰めてゆく。
行くと、案の定素晴らしい氷瀑が現れる。
あとでトポを見ると20mとある。実質は雪で埋まっている分もあるので15mほどか。
しかし左側が最後4mほどが垂直となっていて面白そうだ。
ヒロ君のノミックを借りて、左にバイパー、右手にノミックのリーシュレスでリードする。
初めてノミックを使ったがさすがクウォークの進化系アイス用アックスだけあって振りのバランスが絶妙にいい!
刺さり申し分なくそのかいあってスクリュー3本使って無事リード出来た。
山形くんも自分のスクリューを使ってのピンクポイントに挑戦するが、垂壁に尻込みし撤退。
まあ初心者なのに挑むガッツは賞賛する。
右寄りのラインにもトップロープをかけて各自楽しむ。

右俣の滝全景

垂直部分をリードする白井

リードに挑戦する山形

必死に登り切る小野
本日はここで時間切れとなり同ルートを下降してテント場に戻る。
赤岳鉱泉のテント話に戻ると、赤岳登頂組も近くにテントを貼っていて、直ぐに暖かい飲み物を出してくれた。
ほんとにこう行くときは仲間に感謝、心も体も温まりました。
夜は結局なんだかんだで21時頃まで飲んでいた。
酒豪の山形くんがいるので酒がなくなったので赤岳PTのあまり酒を回収して飲んでいた。
夜は-20度近くまで下がったと思うが思ったより暖かく寝れました。
まあ若者に外側に寝てもらいましたけどね。

24日(日
4時に起きて支度をする。
隣の赤岳PTも支度を始めているようだ。
天候があまり良くないので赤岳PTは硫黄岳登頂に切り替えている。
雪山初心者が多い分稜線の風が強いと大変だろうと予想される。
夜の間にまた雪が降ったようだ、裏同心ルンゼへ入るがトレースが一応あるが余り入られていないようでラッセルもする。
F1は埋まっていて良くわからなかった。
30mのF2はⅢ+程度であるのでちょうど山形くんのリードの練習に良く、山形、白木ザイルオーダオーで先行して登ってもらう。
続く白井、小野で続いて登る。
しかし朝から天気は曇って風があるので谷の中は凄く寒い、待っている間も寒いので足踏みや何かして体を動かしていないと辛い。
F2を登ると直ぐ左にガイドブックにもあるⅤ-の滝が見えた。
今度来た時はそちらも登ってみよう。

ラッセル車の小野

F2をリードする山形

F2の終了点で山形

今後はあまりにも寒くて碌に写真が撮れてませんでした。
次にたぶんF5が現れた。
垂直部分はあるが三段ほどに分割されている感じだったのでヒロ君に行けるかどうか尋ねると「行きます」との返事が帰ってきたので送り出す。
途中傾斜のゆるいところがあるのでノーロープでも大丈夫かな?と思っていたが、最初の1段を登った所でヒロ君のアイゼンが滑り落ちてしまった。
登っている様子を見ていたがまだまだ腕のスイングが上手くない。
これは山形くんにも言えることだが、しかしまだ今シーズン始めたばかりの二人には当然といえば当然だ。
山形くんには自分のお下がりのアイス用のアイゼンを貸しているが、ヒロ君は縦走用のアイゼンであるので、多少足のかかりが悪いのはしかたがないことではあるが、
逆言えば、かかりの悪いアイゼンで今のうちにしっかり感触を掴んでおけば、アイス用のアイゼンを履いた時はかなりいい具合に登れるようになるだろう。
自分で人に教えるのは下手くそだと自覚しているので自分にできることは一緒に付いて行って一緒に登ってやることだと思う。
自分も頭で理論的に整理して登る方ではなく、感覚的に登り数こなして覚えてきた方なので、人にうまく教えるのは苦手である。
だから一緒に行った時は口で言えない分、安全に登らせたやらないと行けないのに今回ヒロ君をフォールさせてしまった。
自分の判断ミスであったと思う。
寒いので早く登って行きたいと言う気持ちが登らせてしまったところがあると思う。
ヒロ君は右肘を少し痛めただけで、雪があったせいで大した怪我はなく済んだ。
トップを交代して白井、小野で自分がロープを着けてリードした。
登ってみて以外と氷が固く最後の出口は垂直となり意外といやらしい。
スクリュー2本決めて登り切るとハンガーボルトが2箇所打ってありしっかり確保できる。
大した登攀距離ではなかったが登り切ると手が凍えて痛くて数分何も出来ない、今回で一番手が凍えた。
小野くんがフォローで上がり、残地のスクリューを使って山形、白木が上がってきた。
この上はずっと沢には雪が詰まっていて登攀するようなところはなくラッセルして沢奥に詰める。
大同心陵に繋がる壁に突き当たり、大同心陵に上がるがここは風があたり本当に寒かった。
冷え性の自分は足の裏まで冷たくなり痛くなってくる。
大同心の「雲陵ルート」の下を通り尾根に上がると、寒いのでそのまま尾根を下った。
冬に大同心陵の「雲陵ルート」は2度ほど登っているがこんな冷え込んで天気が悪いと穂高の滝谷並の難しさだなと思う。
尾根には大同心の南陵や小同心へ向かったクライマーなのか足あとはしっかりとあったのでそれを辿って迷うこと無く降ることが出来た。
昼前にはテント場に戻ったが硫黄岳ptは撤収してテントはなかった。
あまりにも寒かったのでテントに入りコンロに火を着け体を温めて休んでから撤収して美濃戸へ下った。
下山はアウターの下に3枚来ていたがちっとも暑くならない、いつもなら暑くなってアウターを脱いだり、帽子を取ったりするのだが気温が低いせいでそのまんま降りてしまった。
寒いのでとっとと歩き2時間かからず駐車場まで下ってしまった。
車の温度計を見ると-13度である。
この美濃戸でこの気温であるから登攀中はもっと寒かったのも当然である。
帰りは茅野へ行く途中にある「玉宮温泉望岳の湯」に寄る。
ここは茅野市経営で400円と安い。
露天風呂はないく、単純泉なので温泉を堪能したいなら「樅の湯」のほうがいいだろう。
夕食は諏訪IC手前のモンベルショップもあるショッピングモールの一角にある「いちばん食堂」だ。
http://www.sam-kabu.co.jp/ichiban/shop/
ここはなんとご飯がお代わり自由という食べ盛りの若者には嬉しいお店。


自分は「石焼ビビンバ」をご飯多めのリクエストで頼んだか、結局全部食べれなく若者に分配した。
今度から八ヶ岳の帰りは「玉宮温泉望岳の湯」と「いちばん食堂」のセットが定番になりそうだ。

追記
今回は本当に冷え込みの厳しい環境下でした。クライミング中は腕が心臓よりも高い位置にあり、さらに氷によって冷えるため指先がキンキンに冷えます。その後、登り終えると手のひらの血流が再開し驚くほどの痛みになりました。「ウ~」と痛みに耐えますが、数分間は収まらず何も持つことができない状態になりました。旭岳東稜以来の痛みに自分でも驚きました。
2日目F5については氷瀑の様子を見て「自分でもいけそうだ」と判断しました。段になっており、傾斜もそこまでではないと思ったからです。しかし取り付くと上部に行くほどバイルやアイゼンの刃がなかなか刺さらないほど氷が固く思うように登れませんでした。そうこうしているうちに、アイゼンの前爪がはずれ落ちてしましました。自分が行けると判断し取り付いたことが原因です。白井さんをはじめ小野さん、山形さんにご迷惑とご心配をおかけしてしまいすみませんでした。今回の経験を無駄にせず、今後に生かしたいと思います。記:白木

この記事を書いた人

クライミング全般大好きです。
仲間と楽しいクライミングを重ねて行きたいです。
一応現在チーフリーダーをやらせてもらっています。
愛犬、愛妻、愛娘と新城市で暮らしてますが、私が愛されているかは、解りません...

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