冬山合宿空木岳
冬山合宿、空木岳に行ってきました
2011年12月29日~31日:河合、白井、浅田、上田(記)
今回の合宿は中央アルプス空木岳(2864m)、池山尾根からのピストン。
空木は白井君が前の会の新人の頃の冬合宿、1988年3月、東三メンバーと浅田、上田も参加した宝剣~空木池山尾根の縦走とそれぞれ懐かしい山である。
28日21時に新城に集合し、12時に菅の台の駐車場に着く。車も数台で積雪もほとんど無く、少し拍子抜けである。
29日
6時起床、7時 気温-4℃まずまずの天気の中、標高860mの駐車場を出発。
駒ヶ根高原スキー場を右手に見ながらゆるやかに高度を上げ、1360mの展望台(林道終点)から1540m鷹打場に9時に到着。
林道終点
鷹打場の指導標
ここには野生動物観察棟がある。旧池山小屋と水場を左の谷間に見て進むと右手に赤い屋根の立派な新池山避難小屋が見える。遊歩道との分岐を右に取り、斜面を登って尾根に取りつく。先日のクリスマス寒波で雪が多いかと思いきや、思いのほか雪は少なくようやくこのあたりで10~20cm程度である。
さあいよいよ今日のポイント、大地獄、小地獄の始まり、看板で注意を促している。しかし以前と比べると鉄の階段や鎖、ワイヤーが整備され随分安心感があるルートとなっている。トラバースも急峻な斜面を避け、尾根上のルートになったり橋が渡してあったりで、雪が少ない(30cm程度)こともあって、不安感は無い。
大地獄のクサリ場
小雪がちらつく中、迷い尾根を回り込み、更に30分程トラバースを続け、2時50分ヨナ沢の頭付近(2320m)に飛び出す。今日の目標とする所にいいテン場があり泊りの場所とする。
テント場
予報士仲間のデンソー山岳部のOさん(ペンギンおやじさん)からは明日20mの強風に注意とのメール続報も入り気を引き締める。具たっぷりの肉うどんで温まり20時半就寝。夜中中強い風で木がざわめいていた。
30日 5時起床、6時50分出発。強風快晴 気温-13.8℃の中出発。すぐに朝日が顔を出す。昨日テン場で追い越して行った5人パーティのトレースに助けられ、稜線のすぐ北側のトラバースを進む。5人パーティを追い越し、尾根に上がり休憩(8:10)。ここから河合が気合を入れてワカンを着け、所々膝までのラッセル。
やがて森林限界を越え、雪も締まってはくるが強風の中、9時に駒石に着く。ここは風が当たらず天国だが頂上付近は雪煙が舞っている。目出帽、オーバーミトンをしっかりつけ完全装備で出発。
駒石で小休止
益々風が強まり時折耐風姿勢を取りながらじわじわと進みようやく駒峰(こまほう)ヒュッテに到着。頂上側にある小さなくぐり戸から避難小屋を利用することができる。ここから100mの標識からは更に20m/sを超えようかという烈風、時折のブリザードとなり身を屈めながら2~3歩進んでは耐風姿勢の繰り返す。
ヒマラヤの高峰のピークをめざすのもかくやという気分で10時丁度、頂上に到着。山頂の気温マイナス13度
4人で握手をし、記念写真を撮り、引き続いて登頂してきた5人パーティと握手を交わして下山する。
山頂
山頂を後に
駒峰ヒュッテ、駒石で風を避け小休止しているとやや風が弱まる。日が当たり始め白く輝く南アルプスの大パノラマを正面に眺めながら樹林帯に下り、11時50分にテント場に到着。ここでは風もおさまり日辺りではぽかぽかの陽気である。
中ア北部
南駒への稜線と恵那山遠望
黒覆尾根
協議の結果、池山避難小屋を今日の泊り場とする。12時30分出発、1ピッチで地獄を通過し、14時50分に「ホテル池山」に到着。有り難いことに流水もあり利用させて頂く。
池山避難小屋
土間は無く全て板間で20人は収容可能。今日ここからロングアタックをかけた2つのテントがあり、我々は床にテントを張る。シェフ白井の新メニュー、カレー春雨に大満足で20時就寝。
31日 5時過ぎに起床。満点の星空で、既に春の星座が中天にかかり火星や土星も姿を見せている。いよいよ今年も大みそか。7時過ぎに無風快晴の中下山、9時には駐車場に着く。菅の台近辺の温泉は10時開場ということで、昼神温泉の公営浴場で汗を流し、名物のソースかつ丼などを食べ、13時過ぎには新城に着く。
白井宅では木のぬくもりのある家屋と暖炉を見学。
大震災や様々な災害があったこの年、何とか家族も元気で岳友と山に向かえる喜びをかみしめながら帰路につく。
登頂時の天気状況
12月30日09時の地上実況天気図
「暴風雪と高波に関する全般気象情報」が発令され、当日は「北海道付近に発達中の
低気圧があって、日本付近は強い冬型の気圧配置」
30日の気象状況:「気象人」より
http://www.weathermap.co.jp/kishojin/diary_detail.php?date=2011-12-30
:記 上田
追記
今年の冬の池山尾根からの空木岳は、予想より雪は少なかったが強風(風速20m/sはあろうか)の中での登頂で、久しぶりに冬山の厳しさを味わった。歳を重ねる毎に体力の衰えを感じているが、若い仲間に助けられて冬山を堪能出来た。仲間とは有り難いものである。
2012年も体力、気力を維持し、出来るだけ多くの山登りを仲間と共にしたいと思っている。
記 浅田
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