30周年記念山行(1992年)「中部山岳の分水嶺を歩く」

30周年記念山行 「中部山岳の分水嶺を歩く」  1989年10月~1993年6月

1992年の会創立30周年を記念して、中部山岳の分水嶺を会員みんなでトレースする山行に取り組んだ。
御前崎~南アルプス~八ヶ岳~中央アルプス北部~乗鞍岳~北アルプス~黒部川河口という中部山岳の尾根筋だけをたどる分水嶺山行。日帰り山行から6日間の合宿など、多くの会員の関心に応じて春夏秋冬40回余りの山行を重ねて取り組んだ。当時のリーダー会:上田、小田、北久保、河合

その中で自分が参加し、想い出深い山行を振り返る。
30周年記念会報編集長の荘田君、50周年行事の折に過去の会報、山行の写真をデータ化しDVDで配布してくれた河合君に改めて感謝します。

◆南アルプス 仙丈ヶ岳~塩見岳 1989.12.30~1.4 上田 浅田 北久保 河合
同日に入山した仙丈、甲斐駒ピストンパーティ(山本、本庄、和田、日比野)と共に登頂した仙丈は日中でも強風の中の-24℃。その後も-20℃以下の低温と時々の強風に見舞われた。長い行程と塩見越えの高揚、三伏峠の安堵と今も心に残る山行。

◆南アルプス深南部 池口岳~鎌薙尾根 1990.12.29~1.3 上田 北久保 伊東 鷲見 宮尾
1987年11月の池口岳~光岳山行から始まった会の深南部ブーム。この時の冬合宿は蕎麦粒山~黒法師山パーティ(浅田、山本、伊藤、梅沢、河合)との集中合宿。シーバー交信しながら山仲間の支えがありがたかった。

◆北アルプス ブナクラ谷~毛勝三山~僧ヶ岳~宇奈月温泉 1990.4.30~5.5 上田 北久保 鷲見
剱岳の北方稜線を眺めながら毛勝三山を越え、遥か宇奈月温泉までのロングコース。巨大な雪庇の稜線、雪崩と滑落に注意が必要な標高差500mの大斜面(天国への坂道)、腐った雪と藪の処理など、思い出に残る山行。

◆北アルプス ブナクラ谷~北方稜線~剱岳~早月尾根 1991.5.1~5.5 上田 小田 河合 北久保 鷲見
春の剱岳北方稜線は厳しくも楽しいルート。小窓尾根やチンネを従えた剱本峰が徐々に近づくルートは日本離れした景観で素晴らしかった。一時撤退も覚悟したもののメンバーの協力と粘りで完登できたのも思い出深い。

それぞれの山行の写真を載せます。    (記)上田

◆南アルプス 仙丈ヶ岳~塩見岳

◆南アルプス深南部 池口岳~鎌薙尾根

鹿の平で大休止

鎌薙の頭から右が不動岳、左遠方は来し方 池口岳など

◆北アルプス ブナクラ谷~毛勝三山~僧ヶ岳~宇奈月温泉

毛勝・釜谷山より剱北方稜線

西谷ノ頭付近からの毛勝山 手前の斜面が「天国への坂道」

◆北アルプス ブナクラ谷~北方稜線~剱岳~早月尾根

以下、30周年会報より記念山行の計画、実績の記事を抜粋する。

この記事を書いた人

愛知県山岳連盟 豊川山岳会事務局
山岳上級指導員 気象予報士
NPO法人 ウェザーフロンティア東海会員

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