強風にびっくり!鈴鹿竜ヶ岳!

​【鈴鹿 竜ヶ岳】2017.1.23(岩井)

【年月日】2017年1月21日

【メンバー】L.高橋、吉中、岩井
三人揃って今季初の冬山!

当日朝の天気予報では午後に近づくにつれ晴れになるが、風は強いとの予報。暗く寒い中、どきどきしながら6:00豊川某所に集合し出発。
宇賀渓の駐車場につくと、数台車が停まっている。先週の寒波の影響で積雪量も十分!避けた雪のせいで駐車場の中央列辺りにしか車は停められなくなっている。7:50に準備を整え、宇賀渓駐車場を出発する。
宇賀渓駐車場から25分ほど歩くと、金山尾根経由で竜ヶ岳を目指すルートと遠足尾根へ繋がるルート分岐に出合う。


今回はまず、金山尾根経由で竜ヶ岳を目指す。

そこからしばらくすると細い橋に着く。右手奥には滝が落ちている。ワイヤーに引っ掛からないように気を付けて歩く。
それからもう一本橋を渡る。

 

徐々に雪深くなり、踏み込んだとき脛くらいだったのが膝くらいまでずぶずぶとはまる!!

そのうち踏み跡も消えてラッセル、ラッセル!!!!

先頭を行く高橋さん、ラッセルして下さってるのに全然追い付けん。すごすぎるー!

後から行くだけなのにしんどい!こんなときに限って、ストックを冬用に替え忘れたため手に力を入れればそれまたはまる!

無念。体力を消耗。体力の無さに落胆。

こんな機会にと、吉中さん、岩井もラッセルさせてもらう。

岩井は人生初ラッセル。名前となんとなくやることは知ってる。膝下くらいならずっと続くと疲れるけどまぁまぁ大丈夫!しかし膝越えられると一気にギャーーーーってなった。深いところだとお尻までずぼっとはまることも。入り込んじゃうとうまく抜けない。そして次の足をうまく上に上げていけない。そう、まるでそそりたつ雪壁。戦ってる訳じゃないけど、完敗です。
改めて、冬山はやっぱり夏山とかより体力がいるなぁと感じた。

私は夏山が大好き。冬山は天候が悪いと寒くて、寒さに激弱な私には辛い時もある。だけど、ふと立ち止まったときに感じる、まるで山と自分だけがここにいるみたいな、そんな静寂に包まれた空気・空間は大好きだ。
ラッセルを終えて小休止。

そこからまだまだ歩きます。

みんなの背中が遠いぜ~!

金山尾根と遠足尾根の合流地点まで行くと、そこからは比較的緩斜面になっています。

が、そこもずぶずぶとはまるし、どんどんと風が強くなっていくので一向に心は休まりません。
山頂が時折顔を出すものの、基本ガスガス、風はゴウゴウ。風で出来た雪上の芸術的模様にほぉ~と少し心を奪われたのも束の間、ろくに周囲を見る余裕はありません。


山頂に近づくにつれ、本当に立っているのがやっと…いや、立っていられず若干流されるような強風が襲います。下から、横からと畳み掛けるように吹き付けてきて、本気で飛ばされる…と恐怖さえ覚えました。

そう、私にとっては史上最強の風!(浅い経験だからとても薄っぺらく聞こえるが…笑)

本当に普通の台風なんか比じゃないんです!おそらく20~30m/sくらいはあったはず…!
山頂になんとか必死に辿り着くも、三人で並ぶ余裕なんか完全になく、私は展望地図盤?みたいなものにしがみついて飛ばされんように必死になってました。


高橋さんは山頂から奥に少し下って休める場所を探してくださって、そこで昼食。

ツェルトを3人でかぶってラーメンタイム。

ツェルトがあるだけで温度が違う…!とびっくりしたのも束の間、あまりに強い風なので押さえていた部分が少し開くと粉雪がすごい勢いで舞い込む!寒っ!!

なんとか押さえ込み、各自お湯を注ぐが、待ってる余裕なんかない。バリカタのまま胃に滑り込ませる。

後頭部をボコボコと風に殴られながらも必死に食べるこの状況がなんだかやけにシュールにも思えて、面白かった。
なんとか食べ終わるとそそくさと道具をしまい込み再出発。ここからは写真は全くありません。

いつまでも変わらない風の強さに警戒しつつ、確実に足元を見て進みます。ツェルトから出ると何人かの人がいて、みんなスノーシューやわかんをしてました。

ずぼずぼとはまり込むのにも段々とうんざりしてきていたので、スノーシューを履いて快適に歩く自分を妄想だけして歩きました。
金山尾根と遠足尾根の分岐に着く頃には大分風が落ち着いてきました。

帰りは遠足尾根経由で下山します。

遠足尾根はとても眺望のよい尾根で、歩いていても気持ちがいい綺麗な稜線でした。きっと晴れていたらとっても綺麗に山々が見渡せるのでしょう~。

また歩きたい好きな感じの尾根です。

まっすぐの稜線歩きを終えて下り出すと遠くに竜ヶ岳山頂が見えました。

「晴れとるやんっ!」

ガス消えてました。まぁるい山頂。また次は羊が現れる頃にと誓います。
宇賀渓に下るルートを示す看板が出てきたところでゆっくりと一息つきました。山頂での風が嘘のよう。太陽も顔を出します。白湯が身体に染みる~。チーチーと鳥のさえずりも聞こえ、癒される~。
ゆっくりしてパワーチャージしたらそこからはつづら折りのような山道を下ります。午後になり、太陽の光浴びて水っぽくなった雪が他の登山者の足で踏み固められ、とっても滑りやすい。

下りの方が怪我が多いから、と気を引き締めて歩くものの何度も滑りました。

ここでも高橋さん速い。
下りきると林道に出て、行きの道に合流します。

そこからは来た道を戻るように宇賀渓駐車場へ向かいました。怪我なく無事の下山に安堵。

ラッセルをしたのも、こんなにも強い風を体感したのも、ツェルトにくるまってご飯を食べたのも、みんな初めての経験でした。冬山ってやはり違う!

冬山を肌で感じた山行、とても楽しかったしいい経験になりました。

ありがとうございました!

<追記>
今回計画では金山尾根のピストンとしたが計画を変更し登り金山尾根、下りは遠足尾根とした。
金山尾根は蛇谷・ホタガ谷とに挟まれている。いづれも険谷であり下流部に悪い滝場を持っている。道を間違え谷に降りてしまった場合は必ず登り返すべきである。
金山尾根の下りで間違えそうな箇所は980m地点と690m地点。なにげに尾根伝いに歩いていくと分岐に気付かず真っ直ぐ下りかねない。また、尾根末端部では幾度かトラバースをするのでルートを外さないように注意が必要である。トレースがあれば間違えないだろうが必ずしもトレースがあるとは限らない。

また今回は登り1030m地点のコル(竜ヶ岳・静ヶ岳分岐)で視界が悪く静ヶ岳方面に少し誘われてしまった。ここではコンパスで軌道修正し事なきを得た。
あとでよくよく地形図をみれば金山尾根・遠足尾根分岐から竜ヶ岳へ進むと常に進行方向左手側は蛇谷流域である。稜線から蛇谷に向かって伸びていく尾根は全て下り勾配である。これだけの事がわかっているだけでも静ヶ岳方面に誘われることはなかったのではないかと思う。

今回はせっかくの機会なので吉中、岩井にもラッセルを経験してもらった。短い時間ではあったが緩斜面と急斜面で各々1回ずつ行った。初めての事なので大変であったと思うがこれからどんどん経験を積んでいってもらいたい。

昨年の雪訓を除けばおよそ5年振りの雪山。先行者はいたが彼らは遠足尾根を登っていたため(知らぬうちに追い抜いていて)金山尾根から竜ヶ岳山頂まではラッセル&ルート工作を堪能出来た。
やはり私は沢登りとか藪漕ぎとかラッセルとか泥臭い山登りが好きだなぁ。

【コースタイム】
宇賀渓駐車場7:50~8:40金山尾根~11:00金山尾根・遠足尾根分岐~11:50竜ヶ岳12:20~12:55金山尾根・遠足尾根分岐~13:45遠足尾根710m地点~14:50宇賀渓駐車場

以上    <追記:高橋>

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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