毛勝山

★山行名 【毛勝山】
★年月日 【1999年5月21~23日】
★メンバー【山本・宮尾・河合・福地】

 5月21日(金)夜、9:00山本さん宅集合。出発9:30。途中、白川郷手前
の、「御母衣湖」の辺で夜間通行止めがあり、高山経由で富山県魚津市へ向かう。魚
津市へ到着したのは空が段々白白とした、朝、4時頃だった。暗いので、北又谷の方
へ行くハプニングもあったが、なんとか阿部木谷の最終林道へ到着したのは、明け方
の4時30分を回っていた。
 車の中で仮眠を1時間し、朝、6時過ぎに眠い体を動かして、準備に取りかかる。
 6:45分駐車場出発。ここから、沢伝いに林道を歩く。所々に残雪があり、ここ
だけは、春を感じさせる。20分も歩くと、林道も行き止まりとなり、雪渓の沢が現
れる。ここからがいよいよ、毛勝山への雪渓が始まる。
 下は、渓谷が狭い。所々クレバスがあるが、一目でそれと分かる。下流は、左右の
沢の土砂で、雪渓が土に覆われている部分がある。大きな土砂崩れがあったのだろ
う。
 7:45。標高、1234mの毛勝谷と大明神沢との出会いに出る。ここで休憩。
この沢に入っているのは、現在のところ私たちを含め、約20名である。近くには、
2人の地元(ジモ)ピーがいる。かなりこの山域に慣れている様子。
 この休憩した沢の出会いから1時間進むと、、地図で言う、「毛勝谷」の”勝”の
字が書いてある、合流の沢に出る。すでに標高1,400mから上は段々傾斜が急に
なっている。天気は良く、上の沢も、今来た沢も非常に良く見える。落石も確認でき
る状態で、安心して登れる。
 約標高1,900mで休憩。ここから丈夫は急だ。すでに私は、歩き安さを考えア
イゼンを着けている。雪は腐っているものの、アイゼンはまだ効き、安心して登れ
る。
 福地君が、約300m下にいる。突然山本さんの「落(ラク)!」の声。落石を発
見!。私も大声で「落(ラク)!」と叫び、福地君に伝える。石は、転がり、福地君
の横、約30mを通り過ぎる。ここからの展開が面白い。福地君は、今までのゆった
り落ち着きモードから、ぜえぜえ特急モードに切り替わり、スピードを上げる。「お
やじ、やれば、できるがね。!」と私達3人はつぶやいてしまう。
 2,100m付近で小さな沢の出会いがある。先行する、地元(ジモ)ピー2人は
下から見て、左の沢を進む。違うパーティーは下から見て、右側を進む。私達は大勢
進む、下から見て右側の沢を進むことにする。この沢の出会いから先は急になる。ア
イゼンを効かせ、(雪は、腐っているいるのだが)登る。
 最後の尾根に出る200mは傾斜が急だ。上を歩いているアイゼン無しの、ストッ
クだけの男性が“尻セード”で下っている。「上手だなぁ。」と思っていたら、上に
歩き出したので、「滑ったのか?。しかし、40mは下っとるなぁ?」と思った。そ
の人を容赦無く抜き、自分のペースで毛勝山へ向かう。
 12:00、毛勝山到着。4人全員が毛勝山に揃う。目の前には、剣岳、鹿島岳、
白馬岳等が見えている。景色は最高である。頂上には、すでに12人ぐらいいる。の
どかである。雲がゆっくり流れ、空間もゆったりしている。久し振りに味わう光景に
思わず、「来て良かった。」を連発する。弁当を食べ、ゆったり過ごす。
 12:45毛勝山発。なごり惜しいが、昨日の(今日の)寝不足を考えると早く
下って、テントで寝たい。
 下りの雪渓は、前のパーティの6人(お年寄りチーム)はザイルを出していた。確
実で、素晴らしい判断だと思う。この傾斜に新人は“ビビル”傾斜だと思う。正直私
も、慎重にピッケルを雪面に指して下だり、スネの筋肉の緊張を感じながら下ってい
る。
 しかし、雪の腐り具合がちょうど良く、確実にピッケルとプラブーツを使えば、高
度は安全に下げることが出来る。
 上部の200mは緊張した。しかし、その後は一定の傾斜となり、楽しい下りと変
わる。福地君は、雪渓になれていないのか、少々ぎこちない。しかし、アイゼンを効
かせ、確実に下降している。山本さんは、技術的に問題無いものの、膝が痛そうであ
る。宮尾さんも、確実に下っている。上部の尾根から500mも下っただろうか。こ
こからは、転んでも安全である。
 アンゼンを脱ぎ、プラブーツでグリセードもどきのスキーして楽しむ。この沢は今
までで一番下降にちょうど良く、しかも、一定の傾斜が続く楽しい沢である。日帰り
登山者が我々を含め、30名程入山している。人気の沢であるのが頷ける。白馬大雪
渓を思い浮かべると、はるかに沢はいい。と私は思う。
 100mバラバラに下降して、また4人が集う。こうしないと、下降でガスがでて
きたので、バラバラなりそうだ。
 1,234mの沢の出会いに到着する。この出会いにテントを張ろうとしている
パーティーがいた。落石が怖くないのだろうか?まあ、雪の上で寝たいという楽しみ
が先立っているようで、安全を祈る。
 13:10、駐車場に到着。今日は、愛知まで帰れないので、ここでテントを張
る。寝不足で、酒を少し飲んだら意識を失い、「ガー」と寝てしまう。久し振りの山
行と、大雪渓に満足した1日だった。
―記・河合―

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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