春山合宿・後立山連峰 爺ヶ岳東尾根

★山行名【春山合宿・後立山連峰 爺ヶ岳東尾根】
★年月日【2002年4月26日~4月29日】
★メンバー【河合・梅沢・田中・福地・菊池】

4月26日
 21時豊川市役所集合。皆気合が入っているのか、時間前に全員集結。自転車でぶらり
と立ち寄った宮尾氏の見送りを受け、河合をピックアップするために新城市役所へ福地号
で出発。21時30新城市役所着。河合号に乗り換え一路大谷原へ向かう。途中酒の買出
しをするつもりであったが、立ち寄ったコンビニには酒が無く断念。協議の結果2日目の
冷池山荘で高い酒を買うということで合意し、大谷原駐車場着。岩がゴロゴロ転がってい
る公園にテントを張る。河合持参のフルーティーなワインで乾杯し、酒が入ったので私は
相変わらず真っ先にシュラフに潜り込み、皆も後へと続く。3時頃就寝。

4月27日
 5時ごろガヤガヤと周りが騒がしい。まだ眠たいので無視してミノムシ状態でふんばる。
7時ごろ日が当り暑いのでいいかげん起き出す。おのおの朝食を済ませ、8時25分大谷
原出発、鹿島の集落へ歩を進める。途中カタクリの花が一輪だけ咲いており皆で鑑賞する。
また、マスの釣堀があり『網でも持って来たらすくえそうだなあ』、『投網なんて持って来
たらすごいことになるね』、『飯は現地調達でいいんじゃないの』とおのおの勝手なことを
言いながら、長い車道歩きも楽しい。9時10分鹿島山荘着。山荘前の空き地には4台程
駐車してある。鹿島山荘の裏を抜け尾根へ取り付く。菊池曰く『こんな急なとこ登るなん
て思わなかった』という急登を100メートル程登る。その上部150メートルは緩斜面
となり、石楠花(シャクナゲ)、イワカガミが多い。福地は一人“だるまさんが転んだ”状態
でなかなか登ってこない。11:00、1331メートルピーク着。やっと春山らしく雪
が現れる。後はタラタラとした登りで1978ピークのテン場を目指す。途中出合ったジ
モピー(地元の人)は軽装&長靴履きといういでたちで、いったい何処へ行ってきたのだろ
う?と悩まされる。
 1978ピーク付近はテン場にはうってつけの場所で、我々の他にも5,6張あり、一
大テント村と言う様相である。河合曰く『何でも入れちゃえ~』の精神の大量の野菜、肉
のゴッタ煮と格闘するも敢え無く敗北を喫す。翌日まで尾を引くとはおそるべし。

4月28日
 朝っぱらから大量の雑炊を無理やり腹へ詰め込む。5時30分テン場発。この時間に出
発するのは、我々を含め3パーティーのみである。ちなみに7時ごろテン場方向を振り返
ってみたら、まだまだ他のパーティーはテン場にたむろしていた。2198ピークまで3,
40分程で着。ザックに隠し持ってきた一眼レフを取り出し、爺ヶ岳、鹿島槍をバックに
記念撮影。ちょっとした撮影会ですもすつもりが、急登の後だったためか皆しっかりと地
面に根を張り小休止。さあここからが今回の核心部。ナイフリッジが矢沢の頭まで続くは
ずであったが、雪が少ない性かほとんどがハイマツ帯の尾根となる。なんとか一部7,8
メートルのナイフリッジがあったが、バケツが掘ってあったので、菊池さんもノーザイル
で通過する。矢沢の頭下の雪面まできたところで河合・梅沢にまかせて一人先行させても
らう。矢沢の頭には仰々しい道標があり、ガスの中東尾根に下降する時も一安心といった
ところか?広い尾根をダラダラ登りハイマツの中のハッキリした踏み跡をたどり、7時2
0分爺ヶ岳中央峰着。誰もいない山頂を独り占めする。後続4人をここで待つのは暇なの
で、アイゼンを外しピッケルだけ持って、空身で南峰へ夏道をピストンする。更に中央峰
でカメラをスタンバッテ待つこと10分、福地を先頭にして後続隊も爺ヶ岳中央峰登頂。
『南峰まで20分(歩いてではなく、走って)だよ』という言葉に騙され福地、河合、田中で
再び南峰までピストン。『こっち(中央峰)が主峰だから…』というなぞの言葉を残し菊池、
梅沢は難を逃れる。
 稜線上は昨年同様ほとんど夏道歩きとなり、9時30分ごろ冷池山荘着。梅沢、河合、
田中の三人はすでに宴会ムードであるが、約束なのでしかたなく鹿島槍南峰を目指す。し
かしここでアクシデント発生。昨晩、今朝の大量の残飯整理がボディーブローのようにじ
わりじわりと利いてくる。胃がむかついてまったくペースが上がらない。ついに布引山山
頂でダウン。一人先行していたので、何も知らず梅沢、菊池、河合と次々に山頂を巻いて
通過していく。山頂にキジ打ち場を求めた福地に発見される。少し先のコルにドッカと根
を下ろす3人になんとか合流し、胃腸薬で応急処置する。福地も合流し5人で鹿島槍南峰
でのんびり時間を潰す。2時ごろ冷池に戻り麦のジュース、米のジュースで水分補給。小
屋の売上に大きく貢献する。

4月29日
 今日は赤岩尾根の下降のみだが雪が腐ると嫌らしいので6時山荘発。しかし、無情にも
グズグズの雪となっている。上部はザイルで4ピッチ確保しながら、トラバースで尾根に
取り付く。福地、菊池両人は初めての赤岩尾根に悪戦苦闘しながらも無事下山。3日間と
も快晴無風の楽しい春山合宿となりました。

―記:田中―







この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
インスタ、フェースブック フォローしてください!

目次