【北関東百名山:草津白根山、皇海山、那須連山】
【年月日】2022年5月28日~30日
【メンバー】上田歳彦
前の週の伯耆大山に続き、梅雨入り前の晴れ間に北関東で未踏の3座を登りに出かけることとした。
5月27日(金)
20:30に自宅を出て、東海環状、中央道、長野道経由 須坂長野東ICで降りて、万座温泉手前の東屋付の駐車場に午前1時に到着。走行は344km。テントを張ってそそくさと寝袋に潜り込む。気温は3度と冷え込んだ。
5月28日(土)晴れ
6:00に起床。快晴の中でテントを撤収し、万座温泉からの入山口を探すが、源泉付近は硫化水素ガス警戒のため立ち入り禁止で南側に300m程離れた道から入山し(7:05)しばらく歩いて登山道に合流する。
入山口(万座温泉の湯元から南300m)
志賀・草津道路(R292)に上がる登山道の前半は木道、後半はしっかりした登山道で、所々残雪がある中を登ると白根山(2160m)や周りの山が見えてくる。
四阿山
妙高、火打、焼山
北アルプス 雪渓を横断してR292にある小さな駐車場にはスキーヤーがいて、雪渓でスキーを楽しむ様子。数台駐車可能なスペースには火山ガスのため立ち入り禁止の看板がある。(8:00)
登って来た万座温泉の向こうに四阿山
浅間山(左遠景)
左遠景の浅間山と右遠景の四阿山
事前に入手した火山ガスの危険地帯の掲示ではこの登山道とR292から白根山頂上に至る経路では、現時点では火山ガスの噴出危険地帯からは外れている。浅間山や四阿山などの東信州の景色を楽しみながら、往路を下る。(9:35車に戻る)
レストハウスと弓池
万座ハイウェイから弦ヶ池
国道122号経由、群馬県北部、赤城山の南麓を回り込み、昼寝をはさみながら140km 3時間半走って、日光市足尾の銀山平キャンプ場に14時15分に到着。国民宿舎かじか荘で庚申山荘の素泊まりの手続き(2080円)をし、山荘に向けてスタート(14:50)。
林道上、天狗の投石
渡良瀬川支流の庚申川を左に見ながら新緑の中を歩くと、続々と今日皇海山を登頂したらしい登山者と行き会う。
美しい森
行場らしい雰囲気
鏡岩
美しいブナ林
一の鳥居からは緩やかな登りで、石の門など信仰の山らしい場所を通って17:10に庚申山荘に到着。 今日の宿泊者としては最後の方で、定員50名ほどの所、管理人さん(北山さん)のお部屋も融通してもらって、布団を確保できた。60名程で満杯とのこと。デッキで夕飯と持参のビールでいっぱい。隣に来られた、今日登って来て後泊のカップルさんと情報交換。19時半には就寝。
5月29日(日)晴れ 尾根上は風強し
3:00起床 星がきれいだった。朝食を摂りヘッドランプで4:00に出発。皇海山という看板はなく、前日偵察したように庚申山をめざす。
ちょっとした岩場がある急登やトラバースで、庚申山頂に5:00に到着。尾根上を少し歩くと、皇海山が初見参。これからめざす鋸山までの険しそうな尾根とその右に朝日の中、立派なこぶのような皇海山がそびえる。15m/s程の強風の中、これからの登高を思い気合いが入る。
これからめざす鋸山に続く尾根 駒掛山、渓雲山、などの比較的穏やかなピークを過ぎると薬師岳に6:11に到着。鋸山の険路が望め、大休止とする。
長い鎖場が続く
いくつかの鎖場の登下降を繰り返して登り切るとようやく鋸山のピークで、群馬県沼田の標柱がある。7:07皇海山は近づいたが、130mの急な下りで帰りの登り返しを考えると少しうんざりだ。
鋸山を振り返る少し起伏を越えるとようやく群馬県側不動沢からの合流点の最低鞍部(1870m)。いよいよ濃い樹林の中を皇海山に向けて登っていく。途中、10mm程の雹が溜まった場所を見かけた。5/27に日本海に停滞した寒冷低気圧により群馬県の各地で雹が降ったようだが、これもその時のものであろう。
朝一番に登った人たちともすれ違い、この日10番目位に無事に登頂できた。8:34登頂。頂上には何と桜が咲いていた。 少し下り不動沢のコルの手前で、「上田君」と声をかけられた。何と高校の同級生のN君と同行のもうお一人も同級生。先週、私に先行して登るというのをSNSで情報交換したところだが、天候が悪いことを見越して週末にずらしたとのこと。一瞬でよく見つけてくれてありがとう!! お互いねぎらい合い、無事に下山・帰宅することを願って別れた。
快晴の日光連山
上州武尊山と右の谷川連峰
鋸山への鎖場の登り返しでは降りてくる方もみえて、落石に気をつけながら登り返す。10:02着。
鋸山から庚申山を振り返る
鋸山直下のシャクナゲ
頂上からは六林班(ろくりんぱん)峠への分岐を右に下る。 鎖場などはなく、笹原の気持ちの良い下り。
冬季の積雪は多くなく、背の高い岳樺
1時間ほどで六林班峠に着く(11:06)。似たようなペースの若者や、六林班峠経由で皇海山を往復したシニアの方と同行して歩く。皆さん、登頂した喜びと安堵感で話が弾む。
トラバース道はほとんどアップダウン無く、笹も良く刈り払われているため歩きやすい。何本も沢を横断するが、悪場はなく沢の冷たい水が楽しい休息を与えてくれた。
13:04に庚申山荘について、皆さんほっと一息。山荘前の広場は素晴らしいくつろぎのスペース。小屋番の北山さんにお礼を言ってデポした荷物を詰め直す。 皇海山登頂のための装備:水2L、行動食(多め)、カッパ、ヘッドランプ、ツエルト、レスキューシート、6mmx10m、スリングとカラビナ少々、その他応急手当などの小物類。
山荘を13:30に出発し、一の鳥居までの登山道、庚申川添いの林道をのんびりと下山する。銀山平キャンプ場に15:09到着。やれやれ、久々の11時間行動となった。
身支度を調え那須連山へ移動。途中、かつて足尾銅山のあった松木渓谷に寄ってみる。工事車両のみで立ち入り禁止で、渓谷の入り口にある掲示を確認。
https://www.city.nikko.lg.jp/asiokankou/kankou/ashio/taiken/douzan.html
http://makkurokurosukevol2.blog.fc2.com/blog-entry-480.html
かつて見たNHKドラマ 「足尾から来た女」(尾野真千子主演)
https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=ashio
道中、「東照温泉」に立ち寄り、お風呂と夕ご飯をたっぷり頂き、疲れが癒やされました(^_^)/
更に北上し、那須高原の峠の茶屋駐車場へ21時に到着し、テント設営。満天の星空が美しかった。
南方、さそり座が昇る
東の空、夏の大三角
5月30日(月)晴れ
5:30に起床。今日も素晴らしい天気で身支度をして6:22に出発。駐車場のトイレや休憩所が新しく、登山口としてとても快適な場所だった。(標高1470m)
先ずは峠の茶屋跡のコルまでのなだらかで展望の良い登り。
峠の茶屋跡のコル
コルに7:10に到着し左側の茶臼岳(1915m)をめざす。那須連山は活火山で現在警戒レベル1ではあるが、右側に噴気孔があり樹木は無くて火山らしい景観の中を、今日は楽しみながらゆっくりと歩く。
茶臼岳をめざす
コルを振り返る
茶臼岳の外輪山から白河、那須方面の平野部を望む
外輪山から朝日岳(右)と中央奥の最高点 三本槍岳(1917m)
左から回り込み左回りで小さな外輪山を回ると茶臼岳の最高点。(7:48着)
那須連山で深田百名山も94座目。前後して登頂した方にお願いして人文字でパチリ。急なお願いにもかかわらず「4」をきれいに作って頂き感謝(^_^)/
コルまで戻り小休止して反対側の朝日岳に9:23着。先ほど登った茶臼岳の火山景観が素晴らしい。頂上は小さな虫が大量発生してお茶を飲むこともできないくらいで、そそくさと下山する。少しだけ最高点の三本槍岳をめざす人も結構いたが今回私はパス。
昨日や一昨日は非常な強風のためにコルまで行けずに登頂を断念したという声を複数聞いた。
気象庁の火山活動観測設備
イワカガミ 途中道ばたの花々を愛でながら峠の茶屋駐車場着10:52 3つの百名山を無事に登り終えてほっと一息である。
東北自動車道に乗り、宇都宮のSAでお土産に「宇都宮ギョーザ」買って、19時過ぎに帰宅することができた。
百名山もあと6座(北から、十勝岳 羊蹄山 八甲田山 八幡平 水晶岳 霧島山)、今年は秋までに東北の2座と霧島山は登れたらと思う。来年は北海道遠征と最後はクラブの皆さんと水晶岳に行ければと思っている。
<山行中の天気の状況>
・5月27日(山行前日) 09時の地上天気図と500hPa高層天気図
地上天気図では日本海に前線を伴わない低気圧、上空5500m(500hPa)にはこの時期としては非常に強い寒気をともなった寒冷低気圧があり、その南東にあたる関東北部(群馬、栃木)では夜間に強い雨や雹が降った。
・5月28日~30日 09時の地上天気図
断続的に移動性高気圧に覆われて概ね晴れの天候が続いた。有りがたかった。しかしながら28日、29日の両日とも、那須連山では歩けないほどの強風で、登山を断念したとか。
天気図では等圧線はさほど混んで無いのでコルが風衝地のため空気が収束して強風となった可能性があると思われます。
(記:上田)