【八幡平・森吉山・八甲田山】(上田)
【年月日】2022年10月1日~3日
【メンバー】 上田歳彦 他2名
上田の百名山登山も残り6座(十勝岳、羊蹄山、水晶岳、霧島山と今回の八幡平と八甲田山)となり、紅葉を楽しみに計画を立てたところ、大学OB合宿常連のK君とD君が秋田に集合して同行してくれることとなった。
大学のワンゲル時代は東北の中南部の山に行く位で仙台から遠い北東北は登れていなかった。今回は当初、八幡平と八甲田に加え、白神山地(西端の白神岳登山)を考えていたが2022年8月の北東北、北海道の豪雨で登山道やアプローチが復旧していないことから断念し、大学の友人の故郷の山、森吉山に登ることにした。
8月1日から6日の前線による大雨 :気象庁
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2022/20220822/jyun_sokuji20220801-0806.pdf
10月1日 快晴
行動時間:八幡平登山口(駐車場) 15:17=八幡沼畔の陵雲荘 16:00=八幡平頂上 16:17=登山口 16:41
上田は中部国際空港からのANA便で秋田空港へ。この便はプロペラ機で高度6000m付近を飛ぶとあって、途中の日本アルプスなどの景色が間近に見えてよかった。
プロペラ機のボンバルディア DHC-8に乗り込む富士山と南アルプスなど焼岳白馬三山
鳥海山
11:20に秋田空港に到着し、前夜新潟港から自車でフェリーのK君、仙台からの長距離バスのD君と無事合流できた。
角館駅前で早速秋田名物の稲庭うどん、たんぽ焼き、いぶりがっこを頂く
駅裏のスーパー ワンダーモールで行動食などを買い物し、一路八幡平へ。
角館で昼食
稲庭うどん、たんぽ焼、いぶりガッコ(沢庵) おいしかった(#^.^#)
左からD君、K君
八幡平が近づくと噴煙を上げる秋田焼山も望めた。
徐々に高度を上げて木々も色づき始めた快晴の八幡平に到着。
八幡平駐車場から岩手山
裏岩手縦走の起点、畚(もっこ)岳
風が少し冷たく陽も傾いたので一枚羽織って、沼と八幡平頂上巡りの左回りコースで散策。
裏岩手の山々(縦走コース)から岩手山が素晴らしい
八幡平の紅葉
八幡沼にて
八幡沼と岩手山
頂上らしくない八幡平頂上
鏡沼 メガネ沼も鏡沼もほぼ真っ黒でした(^^
眼鏡沼
鏡沼
下山後、近くの蒸ノ湯温泉を楽しむ。夕食が取れる場所ということで、鹿角花輪を教えていただき北上。何とか洋食店が開いておりいただく。
次の目的地、森吉山の南西面の登山口に向かう。県道66号、国道285号から大館能代空港の手前から国道285号、国道105号で南下し、道の駅あに・マタギの里(秋田内陸線 比立内駅近く)に21時前に到着。道の駅で一杯やりながら、ご実家がすぐ近くの同級のM君(他界されたお父さんが営林署勤務&マタギだった)に電話をし、楽しい時間を過ごす。道の駅で快適にテント泊とする。
10月2日 快晴
行動時間:道の駅あに 5:30起床 森吉山阿仁スキー場経由ブナ帯登山口より歩き 7:58=(ゴンドラ山頂駅)
8:52=阿仁避難小屋 9:40=森吉山 10:16~10:53=阿仁避難小屋11:14=(ゴンドラ山頂駅)11:59=ブナ帯登山口 12:49 ==酸ヶ湯キャンプ場 17:10 距離 9.1km 累積上り 716m 下り 718m
道の駅から直接ブナ帯登山口への林道を走るが、徐々に荒れた未舗装路から深い溝が走る厳しいダートになり、遂に前進を阻まれる。Uターンを決断し、R105に戻り阿仁スキー場経由でブナ帯登山口に回る。ここからは美しいブナ林の中を緩やかに登っていく。
ブナ林がきれい1時間ほどでゴンドラ頂上駅を左に見て、ブナ林も終了。
岳樺と灌木の見晴らしのいい登山道を歩くと一ノ越からの登山道との合流点 石森で森吉山の緩やかな三角錐の頂上が望める絶好のビューポイント。
北側に森吉避難小屋と森吉神社の祠も見える。
石森から一の越、前岳方面
石森付近から森吉山
まもなく阿仁避難小屋でトイレや宿泊スペースもしっかりしていて快適そう。
稚児平付近の紅葉
途中、稚児平の紅葉を楽しみながら頂上に着き大休止。ゴンドラ経由と思われる登山者や家族連れなどでにぎやかで、無風快晴の中展望を楽しむ。東から右回りに、八幡平、岩手山、秋田駒ケ岳、太平山、遠くに鳥海山がうっすら見える
右手遠景は岩手山
北側の白神山地、八甲田山は遠方で霞んでいてはっきりとはしない。
東側からも2本の登山道(ヒバクラコース、黒石川コース)があり、頂上から見ると山人平という興味深い名の気持ちよさそうな湿原帯も望まれる。地図で見ると独立峰の森吉山の範囲は標高こそ1454mと高くはないが広大で秋田県の中央部をどんと占めている。
頂上から東側、山人平を望む
最高の天気、K君もバンザイ 背景は秋田駒ケ岳付近の山々
ゴンドラ頂上駅往路を戻りゴンドラ頂上駅で小休止の後、ブナ林を楽しみながら駐車場に着く。
トリカブトの花も終わり
今日の夕方の目的地は酸ヶ湯キャンプ場。鷹巣から秋田道。大館南インターで降りて外湯のぽかぽか湯で汗を流し、秋田のスーパーマーケットチェーン店「いとく」で今晩のキャンプの買い物をする。きりたんぽ鍋セット(きりたんぽ、比内地鶏など)と野菜、キノコを購入。秋田道と東北自動車道を黒石インターまで乗り継ぎ、移動途中に予約した酸ヶ湯キャンプ場に17時過ぎに到着。芝生のフリースペースは日曜日の夜とあって比較的空いており、ゆったりと設営できた。炊事場できりたんぽ鍋で一杯、おいしかったです(^^♪周りでは焚火のキャンパー、夜空の星もきれいだった。 登りくる冬の星座(下がオリオン)
10月3日 薄曇り
行動時間:酸ヶ湯キャンプ場 5:30起床 八甲田酸ヶ湯登山口:6:51 八甲田山(大岳)9:24 大岳鞍部避難小屋 10:01 井戸岳 10:39 赤倉岳10:49 酸ヶ湯温泉 13:38
距離 11.4km 累積上り898m 下り 908m
キャンプ場炊事場で朝食をとり、酸ヶ湯登山口から登り始める。 尾根の右側から徐々に沢沿いの道となり、硫黄の強い匂いの中をさっさと通り抜け、大岳と硫黄岳の間に広がる仙人岱(せんにんたい)で休止する。
仙人岱ヒュッテが南側に立っているのが見える。 岱の名のようにアオモリトドマツ林の中の湿原ではあるが、今では干上がっている沼となっているようだ。
大岳を右側から回り込んで行くと、小岳と高田大岳への分岐を右に見て大岳への急な登りにかかる。
大岳の登りから硫黄岳を振り返る
大岳の登り 高度を上げると灌木帯、ハイマツ帯となり200m程の外輪山の西側にある大岳頂上(1584m)に着く。
深田百名山 96座目 (私の6の文字が裏返った(*_*;) 今回もお揃いのレインウェア
南東側には小岳を従えた高田大岳の三角錐がかっこいい。昨日までの快晴から高曇りで見通しも悪く風も強く冷たいが、南東から十和田湖の外輪山、遠くに岩手山、北西側には大きく岩木山が望めた。続いて鞍部の避難小屋に急降下する。
井戸岳の登りから大岳 右の鞍部に大岳避難小屋が見える
小休止して腹ごしらえし井戸岳に向かう。井戸岳の外輪山は1550m程だが、カルデラの底は1452mと深くえぐれている。井戸の名前は井戸のようにえぐれているためか? 続く赤倉岳は東面が溶岩火口が生々しい。赤い倉(嵓)で赤い岩場というネーミングだろうか?
井戸岳ピーク付近から井戸岳の外輪山 後ろは大岳赤倉岳から遠景は南八甲田連山(高いピークが櫛が峰)
ここからは下山する毛無岱の全景が望める。広大な湿原がいい感じで紅葉しているようだ。毛無岱の右側には田茂萢岳(たもやちだけ)とその向こうには八甲田ロープウェーの山頂公園駅が見える。
遠くには霞んだ岩木山と絶景のビューポイント。田茂萢岳の鞍部からは左に分岐でパラダイスラインに入るが、今は歩く人が少ないためか笹や灌木がかぶっている。30分ほどで大岳鞍部避難小屋から毛無岱に下るルートと出会う。上毛無岱に入り、団体さん含めにぎやかになる。
ナナカマドの赤い実
草紅葉もきれい
上毛無岱の池塘と南八甲田
次に下毛無岱に向かう急な下り坂(1100m付近)は紅葉が見事で、下毛無岱の湿原群と草紅葉がとても美しい。
湿原帯の中の板敷きの休憩所で大岳方面などの景色を楽しみ、酸ヶ湯に向けて下っていく。
まだ早いので酸ヶ湯キャンプ場に隣接する東北大学植物園 八甲田山分園に立ち寄る。園内の半分位のエリアを周回し、山野の樹木や山野草を楽しむ。
ヤマウルシがきれい
まだ少し時間があるので15km 20分程の距離にある大町桂月ゆかりの蔦温泉まで車で下っていく。途中はブナ林がびっしりでとても美しい。蔦温泉で蔦沼まで散歩する。
いよいよ八甲田山中腹(標高890m)に酸ヶ湯温泉旅館へ。 https://sukayu.jp/
玄関の見た目より大きな旅館で、昭和初期の建物とか。自炊場もありひなびた湯治場の雰囲気と大きな旅館のゆったり感を味わう。まずは小さい方の男湯に入った後は、山中のお宿のお料理を頂く。 カンパーイ(*^-^*)派手さは無いが、つみれ汁のおかわりなどおいしかった。その後は混浴の大きな「千人風呂」へ。女性も少し入ってみえて、ひなびた温泉を満喫する。
酸ヶ湯温泉千人風呂(ホームページより)
酸ヶ湯を愛した版画家 棟方志功(右から2人目)と雪中行軍遭難の救助にあたったとされる酸ヶ湯の仙人 鹿内辰五郎(左端) https://sukayu.jp/history/
大学の寮の大先輩で私もお世話になった弘前在住のOさんと話すK君 Oさんは知る人ぞ知る紙相撲協会の大御所(オーナー)(@_@)
土俵が電動で振動する紙相撲(OさんのFacebookより) 力士の数は数え切れず(数百?)
10月4日 雨一時強し
朝から雨。朝食を頂いていると突然のけたたましい音はJアラートだった。北朝鮮が日本列島方面にまたもミサイルを発射したとのこと。このようなことは即刻やめるべきと思う。この日は北海道、青森を通過して太平洋に落下したとのことだが、通過した後のアラームなど、こちらにも問題あり。
この雨では予定の白神山地西側の十二湖散策は難しいとのことで、東北道、秋田道経由で能代から秋田市をめざすこととする。途中、能代の手前の道の駅ふたつい きみまちの里、八郎潟、秋田市内の千秋公園などに立ち寄り、秋田駅と秋田空港で解散とした。
千秋公園
<感想> また一つ東北の山と温泉の良さを堪能した山行でした。新潟・小千谷と仙台から集まってくれた同級生にも感謝。いい思い出になりました。また東北の山へ行きましょう。次は白神山地、和賀岳、栗駒山、秋田駒(ムーミン谷)、朝日連峰、飯豊連峰の縦走、楽しみにその機会を待とう。
<天気の状況> 各日の天気図を掲載します。
10月1日
東日本、北日本は広く高気圧に覆われ、北日本の山は晴れ~快晴
10月2日
日本列島全体が広く帯状の高気圧に覆われ晴れ~快晴10月3日
朝鮮半島~沿海州から気圧の谷が近づき天気は下り坂で晴れのち曇り10月4日
サハリンにある低気圧から延びる寒冷前線が北日本にかかり概ね雨
八甲田山に登った3日後の10月6日朝、八甲田山、岩木山は平年より10日以上早い初冠雪
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20221006/6080017634.html
2022年10月の酸ヶ湯の天気状況
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=31&block_no=1079&year=2022&month=1
記 上田歳彦