初冬の宮指路岳

宮指路岳(くしろだけ)
2011年12月4日(日)
メンバー 白井、菊池、浅田、Nさん
師走に入っての最初の日曜日、冬山トレーニングを兼ねて鈴鹿山系にある、宮指路岳
(くしろだけ946m)に行って来た。
豊川を早朝の6時40分に出発し、東名、湾岸、と進み東名阪の鈴鹿ICで高速を降りる。
高速から見た御在所の山頂は黒い雲の中であったが、虹が掛かっていたので天候は崩れないと思った。
椿大社の大鳥居を過ぎ、小岐須渓谷の道標を目印に進むと20分程で小岐須渓谷山の家に着く。ここに駐車して歩く人もいるが、我々は林道をもう少し奥に入った路肩の広いスペースに駐車した。我々が着いた時既に10名程のパーテーは登り出すところであった。
宮指路岳2011,12 001
宮指路岳2011,12 013
登山口
我々の車の横に駐車した男性2名の登山者と前後しながら登り出す。
ヤケギ谷を対岸に渡り暫く登ると、カワラコバ谷コースとの分岐になる。
雨が少し強くなって来たので小休止をしてカッパを着る。
宮指路岳2011,12 002
分岐
ヤケギ谷に付けられた沢沿いの登山道を、左岸から右岸へ、右岸から左岸へと数回渡りながら進む。途中登れそうな滝がいくつかあり、沢を登るのも面白そうだ。30分程で雨は止んだのでカッパを脱ぐ。
宮指路岳2011,12 011
小さな滝
宮指路岳2011,12 003
沢筋から離れて急な斜面を登ると尾根状の道になり、宮指路岳へ続く稜線にでる。それと同時に風が強くなる。暫く進むと東海展望という見晴らしの良い岩場に着く。ガスの切れ間に三体仏岩と宮指路岳の山頂が見えた。振り返ると伊勢湾の海がかすかに光っていた。
宮指路岳2011,12 007
東海展望
宮指路岳2011,12 006
東海展望からの三体仏岩
宮指路岳2011,12 004
かすかに見える伊勢湾
強風の中20分程の登りで山頂へ着いた。山頂からの展望は良くなく写真を撮り早々に山頂を後にする。
宮指路岳2011,12 008
山頂
ここで我々は大きな過ちを犯してしまう。急な下りにスリップに注意しながら進むと15分程で小岐須峠に着く。
宮指路岳2011,12 009
小岐須峠
この時点でもルートが間違っている事に気がつかずなおも進む。1時間程進んだ時点で、仙ヶ岳へ向かうルートではないのではと不安になる。後から来た登山者に確認すると、このルートは入道ヶ岳へ行くルートで、仙ヶ岳へのルートではない事が分かる。
仙ヶ岳へのルートは山頂から西へ進まなければならなかったが、我々は間違って北上してしまった。ガスで展望が悪かった事もあったが、方向を確認しなかった大きなミスである。
このまま入道ヶ岳へ進もうか、戻ろうか協議した結果、小岐須峠まで戻りそこからカワラコバ谷コースを登山口へ下る事にした。小雨がまた降りだした中を、カワラコバ谷を下って行く。暫く下ると雨が止んだので、昼食のラーメンを作って食べる。
本当なら、展望の良い陽だまりの暖かい所で食べるのになあと言いながらも、暖かいラーメンを食べると元気が出る。
谷筋の登山道は所々崩壊が進み、フィクスロープやクサリが設置してあった。
宮指路岳2011,12 010
1時間程の下りで登山口に着いた。
青空が見えて薄日が射したり、雨が降ったりと目まぐるしく天気が変わる山行であった。
記 浅田
追記
12月4日(日)鈴鹿南部 宮指路岳(くしろだけ)946m
    白井、浅田、菊池、Nさん
 小岐須渓谷駐車場—ヤケギ谷道—宮指路岳(942m)—小岐須峠—カワラコバ道?—大石橋 駐車場
                                           
 今年はどうも週末の天気が悪い。そんな中で、今日、日曜日は愛知県:晴れ。RPを狙う鳳来クライマーにはチャンス到来ってところだろうが、私にとってはこの宮指路岳山行が何よりの楽しみ!
 さて、快晴の東名を走るも、湾岸、東名阪と進むにつれ雨雲が垂れ込める。小岐須町に来ると虹まで出ている。鈴鹿の山々は所々が雲に隠れている。小岐須渓谷ぞいの狭い林道をしばらく進むと、以前、椿岩に行った時の見覚えのある駐車場があり、その先、大石橋の手前駐車スペースに車を止める。
 大石橋を渡り、すぐに右手に堰堤を見て、登山道に取り付く。通報ポイント1・宮指路岳への道標あり。ここをスタートに要所要所に立派な標識があった。杉林の中の登山道を渓谷ぞいに登る。通報ポイント2の道標でカッパを着る。ここでカワラコバ道と道を分け、ヤケギ谷道を進む。堆積した落ち葉で足元はふかふかと気持ちがよいが、雨で滑りやすく、渓谷ぞいの登山道では足を取られぬよう慎重に歩く。
幾度か谷を横切り、しだいに杉林から落葉樹林に変わり始めたころ、黄色の落ち葉が目立ち始めた。中でも黄色の楓(もみじ?)はこげ茶色の落ち葉の中でくっきりと浮かび上がり、なんとも美しい! 谷を抜ける頃、気がつくともみじの葉は赤色になっていた。
やがて急傾斜を登り詰めると緩やかな道となり視界が広がった。樹木はみな葉を落としきり、晴れていたら明るいハイキング道と言ったところかな。ここでまた小さな沢を渡り、稜線に出ると一気に展望が広がる。鈴鹿の山々はガスで隠されていたが、眼下に広がるのは伊勢平野かな。
低木の稜線を強い風にさらされながらしばらく行くとガスの中に奇岩が現れる。東海展望である。「燕岳を思い出すね。」と言いながら岩によじ登る。花崗岩はフリクションがきいて登りやすい。写真撮影をしているとガスか切れて日が差し込んできた。頂上もすぐそこかな。途中、先方を見ると花崗岩の奇岩が並んでいる。まるで小川山のサイコロ岩のようだ。
宮指路岳頂上到着。展望はきかないが確かに「宮指路岳946m」の標識あり。さあ一路仙ヶ岳へ、稜線を進むと「これが馬乗り岩だよ。」と浅田さんに教えられ「なるほど~」と私たち。その先は難所の「犬帰りの険」を通過するはずだったのだが・・・。
雨でぬかるんだ急勾配の登山道をひたすら下り、鞍部に到着。ここが小岐須峠、カワラコバ道への分岐である。不勉強でほとんど下調べをしてこなかった私はなんの疑問もなかったのだが、白井さん、浅田さんはこの時点で「おかしい!」と首をかしげていた。が、標識の(難所)の文字を「犬帰りの険」と解釈し、半信半疑ながら前進する。結局、ピークを一つ越え、次のピークを登り始めたところで、ガスの合間から現れた山の様相から白井さんが「ちがう!」と確信する。11時5分引き返す。
小岐須峠まで戻り、カワラコバ道を大石橋に向かって下山する。雨の中を谷沿いに下る。途中、沢から離れた広い所で昼食とする。ラーメン。今回はすべて白井さんが準備し、歩荷をかねるからと、火器類や食料、水を担ぎあげてくれた。ごまラー油スープのラーメンにねぎたっぷり、海苔つきである。冷えた体には最高のご馳走!白井さんありがとう。
いつの間にか青空がのぞき、雨も上がっている。その後は崩壊しかけている登山道を、取り付けられたピカピカの鎖やロープをたよりに慎重に下る。足元にまた黄色の楓の葉が現れたかと思うと、通報ポイント2、朝カッパを着た地点に出た。やがて堰堤が現れ、登山口に到着。
 今回の山行は反省しきりだが、最近は単独でただひたすら登るだけだった私にとっては、本当に楽しい山歩きだったなあ。天候も予想外に悪かったが、それはそれで山らしい。実際、私が合宿に参加する時は雨、雪が多いからね。浅田さん、白井さん、Nさんお疲れ様! そして、鈴鹿の山っていいですね。  
記:菊池

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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