霧島連山でミヤマキリシマを楽しみました

【南九州:霧島山(韓国岳、高千穂峰】
【年月日】2023年5月28日~29日
【メンバー】上田歳彦、西村伸子、Iさん(岡崎山岳会)、Fさん

ミヤマキリシマが咲く時期に霧島山に行こうと呼びかけたところ、岡崎山岳会のIさんや大学OBのWさん、Fさん(千葉県)、百名山を登っている西村さんも手を上げてくれ、残念ながらWさんは直前の体調不良で不参加となりましたが、賑やかな山行となりました。私は日本百名山97座目となりました。

5月27日(土)
愛知セントレアから3人、羽田から1名ということで16時過ぎには鹿児島空港で集合し、トヨタレンタカーで4~5人乗りのシエンタ(29日夕方までで 28380円)で、今日のお宿、霧島連山の北側の宮崎県のえびの市をめざします。

鹿児島空港にて:日本で初めての新婚旅行とも言われる龍馬とおりょうさんの霧島山行

空港からえびの市をめざす。霧島連山を右手に望みます。
途中、中華料理店で腹ごしらえし、宿(九州でチェーン店のお手軽なホテルAZ 宮崎えびの店)に着いてから早くも地元の焼酎で前祝いです(^o^) 10時半就寝。

5月28日(土)登山中は霧 中腹より下は曇り
5時過ぎに起床し、6時からホテルの朝食、豊富な和洋のお惣菜やデザートもあり、しっかりいただく。6:45に出発、えびの高原に7:15に到着。
ミュージアムセンターの火山情報さあスタートと思ったらパラパラ、まもなく止んでくれました。

エコミュージアムはまだ開いておらず登山届を出して、林の中を7:25にゆっくりと韓国岳をめざす。
北側の硫黄山は現在火山ガスが吹き上げているので、距離をおくように韓国岳の西斜面を登る。
北西面の尾根にとりつくと硫黄山の火口展望所(8:05)で噴煙が見える。神戸から来て昨日は開聞岳を登ってきたというシニアパーティとも声を交わす。

徐々に立木が低くなるが、霧が濃くなり残念ながら外輪山は望めない。登山道の傍らのあちこちに咲く赤紫のミヤマキリシマが目を楽しませてくれる。中部圏の山でもよく見かけるミツバツツジも時々瑞々しい姿を見せてくれる。
霧の中外輪山を登り9:18に韓国岳頂上(1700m)に到着。火口壁の中は濃い霧で見えないが、近くの急峻な壁が一部望める。風を避けて少し下ったところで小休止(~9:47)


今回は右回り周回コースで霧の中を大浪池に下っていく。ほぼ斜面をまっすぐ下るので火山岩の結構急な道で、注意して下る。45分ほどで鞍部に建つ避難小屋に到着し休憩(10:33~10:52)。
大浪池の外輪の北側付近にもミヤマキリシマの群落がありますよ、との登山者の情報を頼りに外輪山に上がるとミヤマキリシマが色とりどりに咲く小道を楽しむ。濃い赤紫やピンク、オレンジがかったピンクなど株や群れごとに色が少しずつ違って美しい。

大浪池外周の登山道を離れ、えびの高原へのゆるやかな道を下っていく。モミの巨樹や所々ブナなどの美しい森で、先ほどまで聞こえていたカッコウやウグイスなどの野鳥の声が遠くなると、エゾゼミらしき声が森に響いている。
モミの巨樹

お疲れ様でした(^o^)

登山道から離れ、えびのスカイライン(県道1号)に出るとミヤマキリシマ群生地の「つつじヶ丘」。花は多くはないが、韓国岳をバックに気持ちのいい休憩所である。
つつじヶ丘と韓国岳

駐車場横のエコミュージアムセンターで、霧島連山の自然解説をゆっくりと楽しむ。
えびのエコミュージアムセンター|霧島錦江湾国立公園、霧島ジオパークのビジターセンター (ebino-ecomuseum.go.jp)


白鳥温泉上ノ湯(500円)で汗を流す

下る途中の展望台からはえびの市と小林市が広がる加久藤盆地が望めた。ここは九州でも大きな加久藤カルデラとのこと
かだいおうち Advanced Course (kagoshima-u.ac.jp)

宿に着いて片付けの後18時からレストランでビュッフェ形式の夕食+飲み放題プランの宴会スタート。
山の話、学生時代の話、文学の話など、楽しいひとときでした。
部屋へ帰ってからも2次会、23時就寝。

5月29日(日)霧後晴れ 尾根上は風強し
5時過ぎに起床し、6時からホテルの朝食をいただく。6:45出発

霧をかぶった霧島連山

昨日のえびの高原への道経由で高千穂河原へ。7:51に歩き始める。
天孫降臨の神話の地、高千穂河原の古宮址(ふるみやあと)を正面に見て、右側の登山道を進む。階段が続く自然研究路を右に分け、御鉢(おはち)方面への登り。急な溶岩の登りの手前で小休止する。残念ながら今日山頂は霧の中。

傾斜が強くなり溶岩のごつごつした標高差200m余りの斜面は黄色ペンキを拾いながらゆっくりと進む。
霧の中の右左の斜面にミヤマキリシマのピンクが浮かび上がる。 ようやく御鉢の外輪山の北側に登り着き(9:27)なだらかになるが、今度は霧の中で風速10m/sほどの南風が強くなる。
外輪から少し下ると高千穂峰とのコル。ほどほどの傾斜の斜面を15分ほど頑張ると頂上。(9:48着)山頂直下には避難小屋、強風と霧の中ありがたく使わせていただく(500円)

コルから少し登り返し、御鉢から下るころからガスが時折切れて、火口や点在するミヤマキリシマの群落が見え、歓声が上がる。ようやく斜面に広がる眺望を望むことができた(^o^)

溶岩の急な斜面を慎重に下ると新燃岳との間に細長く結構広いピンク色のお花畑が見え、人影も見える。
ミヤマキリシマの群落に違いないと、登山口近くまで降り古宮址にお参りして(12:11)そのすぐ下の「鹿ヶ原」の道標に沿って進む。行楽の人たちも行き来している。

15分ほど歩くとぱっと視界が広がりミヤマキリシマの一面のお花畑。幅200m 奥行き700m位はある広大な平らな地に、今を盛りと咲き誇っている。登ってきた御鉢から高千穂峰をバックに、今回の山旅最高の花の景観となる。お花畑を愛でながらのブレイクは至福の時でした。

13:24に登山口に戻り、霧島神宮方面へ移動する。
神宮近くの登山口温泉(400円)で汗を流し、霧島神宮にお参り。6世紀から奈良時代までは高千穂峰の山中に、以降は山麓に祀られていて火山災害で室町時代に今の地に移設されたとのこと。

まだ夜のフライトまで時間があるので、蒲生の大クスを見に車を走らせる。樹齢約1,600年、根周り33.5m、目通り幹囲24.22m、高さ約30mと日本で一番大きな楠、とのこと。日本一の巨樹 蒲生の大クス | 観光スポット | 【公式】鹿児島県観光サイト かごしまの旅 (kagoshima-kankou.com)

2日間の旅も無事に終了、鹿児島空港からそれぞれの帰路につきました。お疲れ様でした。またお会いしましょう!

百名山もあと3座(北から、十勝岳 羊蹄山 水晶岳)。7月末の北海道遠征と最後は9月にクラブの皆さんと水晶岳に行ければと思っている。
深田百名山登頂履歴(96座途中)& 山の天気と海外登山のスライド | 豊川山岳会 (toyokawa-ac.jp)

<山行中の天気の状況>
・5月28日 12時の地上天気図
   フィリピン東方を西に進む猛烈な勢力の台風2号と列島の遙か東の高気圧の間で、九州には湿った東風が吹き付け、霧島連山方面は山頂を霧に覆われました。

・5月29     12時の地上天気図
  本州北岸の梅雨前線が南下し、九州北部、中国、四国地方などで梅雨入り宣言がありました。
   九州南部も翌日 5/30に梅雨入りしますが、霧島連山は午後晴れ間がのぞきました。
(記:上田)

 

 

 

この記事を書いた人

上田 歳彦のアバター 上田 歳彦 豊川山岳会 代表

愛知県山岳連盟 豊川山岳会代表 2023.3~
気象予報士
NPO法人 ウェザーフロンティア東海会員

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