晩秋の硫黄岳・心温まるオーレン小屋

【硫黄岳】(日浦)
【2023.11.4~5】
【メンバー】 L浅田、SL吉中、河野、日浦
【コースタイム】

◇1日目
7:25桜平ゲート~7:55夏沢鉱泉~8:50オーレン小屋~9:55赤岩ノ頭~10:25硫黄岳~11:15夏沢峠~12:25箕冠山~12:35根石岳~13:00箕冠山~13:55オーレン小屋
◇2日目
7:05オーレン小屋~7:45夏沢鉱泉~8:10桜平ゲート
◇累積標高:1141m 
◇累積距離:11.8m
◇歩行時間:7時間50分

【1日目】
金晩発で豊川を19:30に出発し、茅野スポーツ公園の駐車場にテントを張り就寝。翌朝はゆっくりめの6:00に起床し移動開始。桜平駐車場(中)には7:00ごろ到着。(下)には車が5、6台ほど。空きを願いながら(中)まで上がる。連休の中日ということもあり、すでに9割がた埋まっていて路肩駐車もあるなか、運よく1台分を確保できた。各々朝食を済ませ、身支度を整えて出発。

空を見上げると曇が多めだが、雨の心配はなさそう。念のためチェーンスパイクを装備に取り入れたが、気温が高いこととお天気の崩れが週明け以降にずれ込んだため、ザックを軽くするため車に残した。浅田さんはザックの中に装備。本来なら見習うべきを、楽してしまった。

桜平ゲートから夏沢鉱泉までは林道歩き。沢沿いに幾つかの木橋を渡り、八ヶ岳ならではの一面しっとりした苔の岩を観察しながら、コメツガやカラマツ、シラビソなどの原生林のなかを歩く。

早くも数組の下山者とすれ違う。晩秋とは思えない温かさにだんだんと暑くなり、ジャケットをザックにしまう。夏沢鉱泉まではいい準備運動となった。

当初オーレン小屋から硫黄岳には夏沢峠経由で向かう予定でしたが、こちらの注意情報を採用し赤岩の頭経由に変更する。

夏沢鉱泉から先は登山道っぽくなってきた。

正面に硫黄岳が姿を現す。

程なくすると本日宿泊するオーレン小屋が見えてきた。出迎えてくれた2本の煙突、魅力のヒノキ展望風呂。下山後に汗を流せる湯があると思うと元気が湧く。※オーレン小屋は11/5が営業最終日
チェックインすれば小屋に荷物をデポする選択肢もあったが、必要な装備しか背負ってないのでそのままで行く。小屋前のベンチで休憩し、赤岩の頭経由で硫黄岳へ向かう。

ところどころに10センチほど伸びた霜柱が現れる。

麓に広がる紅葉のようす。遠くに霞んだ穂高連峰や御嶽山の姿がみえる。

段々と傾斜が強まり、小休止を繰り返しながら森林限界を超えハイマツ帯を抜けると赤岩の頭(2656m)に到着。あまりの強風にあわててウインドブレーカーと手袋をはめる。山頂まであとひと息!硫黄岳へと向かう。

硫黄岳(2760m)到着
山頂は風速10mくらいの強風が吹いていて(夏沢鉱泉の注意情報どおり)体が飛ばされそう。360℃パノラマ景色が広がる。赤岳、編笠山、双耳峰の天狗岳、奥には蓼科山も見えた。遠くに御嶽山、穂高連峰の姿も。せっかく山頂に着いたのに強風のため、記念撮影もそこそこに移動を開始。
オーレン小屋へ下りるにはまだ時間が早く皆の体力もあったので、夏沢峠へ下り根石岳へ向かうことにした。
写真では伝わりませんが、横から吹き付ける強い風にジャケットもザックもバタバタと大きな音を立てる。ニット帽が一瞬で頭から消えた時はさすがに焦ってしまった。下るにつれて足元が変ってゆく。

夏沢峠で長めの休憩をとる。硫黄岳の爆裂火口はそこの部分だけが吹っ飛んでしまったような凄まじい自然美だった。ヒュッテ夏沢とヤマネとモモンガが棲む山びこ荘は営業してませんでした。
箕冠山分岐より根石岳山荘のある鞍部へと下り、稜線つたいに根石岳へ登る。

こんなところに可愛らしいコケモモ発見。皮が柔らかくて甘酸っぱい。

根石岳(2603m)到着
ここでの時刻が13:00。天狗岳へは往復1時間ほどとみるが、オーレン小屋への到着時間を考えて悩んだ挙句、天狗岳への往復はパスした。若くて体力のある吉中さんは行きたそうだったが、オーレン小屋でまったりしたい3人に合わせてもらった。 正面に西天狗と東天狗

箕冠山を経由してオーレン小屋へ。

浅田さんにチェックインしてもらい支払いを済ませ、全員揃ったところで部屋へ案内してもらう。4人一部屋の個室。入浴時間が14:00~17:00までと聞き、早速お風呂へGO!女湯は湯船に4人ほどがつかれる広さがあり、ヒノキでできた浴槽はいい湯加減で身体も心もほぐれました。

お疲れさま乾杯!夕食まで時間があるので薪ストーブのそばでくつろぐ。
吉中さん二杯目は日本酒「大信州」グラスになみなみ升にも。河野さんと私も二本目へ手が伸びる。

オーレン小屋シーズン中は何度も足を運ぶという常連のご夫婦。初対面にもかかわらず美味しい洋酒をご馳走してくださった古い付き合いという3名のパーティ。山談義を交えながら楽しい時間を過ごしました。じんわりあったか薪ストーブを皆で囲むひと時がたまらなく心地よい。火が弱くなりかけるとマメに小屋番さんが薪をくべてくれました。

小屋番さんのお話によると、物資は週に数回歩荷と人力では運べないものをヘリで運搬しているとのこと。将来的にはドローンを使っての輸送が可能になったり、歩荷ロボットが誕生したり?どこかの山小屋は部屋掃除にお掃除ロボットを使用していて、人より丁寧にゴミやほこりを拾うとか。近い将来、山小屋の労働に人とロボットの共存が始まるかも・・・なんて想像する。


夕食では、最終日ということもあり希望者にお酒が振舞われました。名物の桜鍋(馬肉のすき焼き)はお肉が柔らかく甘辛のわりしたが食材にしみしみでとても美味しかったです。

夕食後に再び浅田さんとふたりで薪ストーブにあたる。小屋に設置してあるテレビで日本シリーズを観戦しながらまったりくつろぐ。山小屋泊りはいろんな付加価値があると感じる。夏の大三角形のひとつベガが綺麗に見えると聞き、部屋に戻る前に浅田さんと星空ウォッチング。薄い雲が広がっていたため満天の星ではなかったけれど、いつか瞬くような星たちに会いにまたここを訪れようと思った。そしてすこし早いけれど20時過ぎに消灯就寝。

翌朝は5:30に起床しぱたぱたと布団をたたみ6:00に朝食。
帰り支度を整えオーレン小屋を後にした。

早くも煙突からは黒い煙が出ていた。お天気は下り坂というが青空だ。昨日より天気がよさそう。今日硫黄岳に登る人たちは穏やかな山頂で過ごせそうだ。

昨日気になりながら通り過ぎた建物、オーレン小屋の水力発電受水槽。CO2排出ゼロを目指して設置した施設。小屋の電力のほぼ100%をこの水力発電でまかなっているというから凄い。水が豊富にある山ならではのエコ施設ですね。

紅葉が見ごろを過ぎたオレンジ色のカラマツ。 桜平ゲートを経て駐車場へ。皆さんお疲れさまでした!!

記)私にとって八ヶ岳登山は初めてで、その第一座目が硫黄岳となりました。終始、登山道はしっかり整備されていて特に難所や急登の連続がなく、入門コースとしておすすめされているだけのことはありました。麓にかけて広がる晩秋の紅葉と景色の変化を眺めながらの山行となりました。次は主峰赤岳、今回パスした天狗岳に登りたい。(日浦)

追記

オーレンの名前に惹かれてオーレン小屋に泊まり、硫黄岳~根石岳を周回して来ました。

硫黄岳では御多分に漏れず強風の洗礼を受けた。

オーレンの名前の由来は、「セリバオウレン」「ウスバオーレン」「ミツバオーレン」などの高山植物から来ていると定連さんに教えて頂いた。私は甲斐駒の黄連谷と関係があるのかと思っていたが関係はないようであるが、若い頃冬季黄連谷を遡行した時の、厳しいビバークが、オーレンの語感で蘇ってくる。

オーレン小屋は1950年に開かれたと聞き、奇しくも私の生まれた年であり何か運命的なものを感じた。初対面の登山者とストーブを囲み、山談義や世間話に花を咲かせ楽しい一時を過ごした。山小屋ならではの良さである。

今年は高齢者の遭難が多く報道されている。自然は年齢のハンディはくれないを念頭の於いて、先輩の教えである「危険は回避し、困難は克服しろ」を守りながら、山登りを続けて行きたい。

記 浅田

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