【夏山】単独行の水晶岳・鷲羽岳
【水晶岳・鷲羽岳】2015.8.19(河合)
【2015年8月19日~20日】
【メンバー】河合
8月18日
新城を午後3時に出発し、午後8時前に七尾山荘へ到着。遅い夕食を車内で済ませ、一杯飲んで明日へ備える。
8月19日
七尾山荘(3:15) ・・・高瀬ダム(08:15)・・・ブナ立尾根登山口(04:40)・・・三角点(6:45)・・・烏帽子小屋(7:45)・・・野口五郎小屋(10:20)・・・水晶小屋(12:50)・・・水晶岳(黒岳)(13:25)・・・水晶小屋(13:50)
竹村新道からみた槍ヶ岳
午前3時起床。登山届をポストへ提出し、いよいよスタート。
七倉山荘の看板
水晶岳・鷲羽岳は長い間行きたかったが、奥深いため中々行かれないままになっていた。今回、平日に休みがとれたことと、単独のためスピードが出せそうだったので、1泊2日の計画を立ててみた。
七尾山荘からすぐに長いトンネルを歩くが、トンネル内は電気も点灯しておらず、真っ暗の中一人で歩く自分がいた。また、トンネル内は水蒸気が立ち込め、ヘッドライトが満足に足もとに届かない。はやる気持ちを押さえ、真っ暗の中、ひたすら歩く。
高瀬ダムにある分岐の看板
高瀬ダムについてもまだ、周りは明るくならない。地図を確認し、ブナ立尾根登山道口まで歩く。
ブナ立尾根手前の看板
ブナ立尾根登山口の看板
登山口でようやく薄明るくなってきたが、本日の体力勝負の急登がまっている。同じ歩調で、あせらずに登る。我慢の登りである。三角点は、6:45だったので、結構いいペースで登っている。体が動くことに喜びを感じ、更に烏帽子小屋までがんばって歩く。
烏帽子小屋
烏帽子小屋に着くと、赤牛岳がくっきり見える。静かでゆっくりと時間が流れているいい小屋だ。自分にご褒美の炭酸ジュースを購入し、カピカピの体を潤し、満足。
烏帽子小屋テント場から見た餓鬼岳
稜線歩きは、景色がいいので気持ちがいいが、だんだん、疲れてきた体を感じ始める。
三ツ岳北峰の分岐
野口五郎の小屋に着き、ご褒美の炭酸ジュースを購入。しばし、休憩。
野口五郎岳小屋
ゴミ焼きの煙が気になるが、気を奮い立たせ、前に進むことにする。
野口五郎岳で記念撮影を行い、竹村新道分岐まで下る。鷲羽岳も水晶も目の前にある。
左の山頂が白っぽいところが鷲羽岳。
中央の赤っぽいところが水晶小屋。
右側のとがった一番高い山が水晶岳。
今日中にどっちかを登っておきたいと思うのだが、このあたりから体が思うように動かない。20代の時は、このスピードが持続したのだが、今の私には6時間が限界のようだ。思ったより、体が動くことに満足し、持続しない現実を受け入れざるをえない。また、下りは、歩けるのだが、登りが登れない。体の調子を感じる事が出来たのが、今回一番の収穫である。
水晶小屋(小さいが綺麗な小屋だった)
水晶小屋に着き、ご褒美の炭酸ジュースを購入しようとしたが、売り切れ。水しかない。テント場もないので、素泊まりになる。また、水も天水なので、500mml(100円)×2=1ℓまでの券をもらう。それ以上は、500mml(300円)を購入することになる。
しばらく、休憩の後、水晶岳を往復する。
水晶岳頂上の標識
空身の往復だが、空気の薄さを感じ体もだるい。
水晶小屋に着き、ビールを飲むが、カピカピの体にはビールは合わない。コーヒーを飲みやっと落ち着く。
水晶小屋は小さな小屋で、一つの布団に2人と受付で言われたが、なんとか、一つの布団に一人ずつ寝る事が出来たので、ラッキーである。
小屋の就寝は8時だが、やることもないので7時ごろから、横になる。
8月20日
水晶小屋(04:00)・・・鷲羽岳(05:00)・・・水晶小屋(06:00)・・・竹村新道分岐(7:15)・・・南真砂岳(8:15)・・・湯俣岳(9:10)・・・湯股温泉晴嵐荘(10:20)・・・高瀬ダム(12:20) ・・・七尾山荘(13:25)
朝、3時45分に起床し4時出発で鷲羽岳を往復する。小屋で寝たおかげで、体の疲れが回復していることに気づく。道は真っ暗だが風もなく、ラッキーである。必要最低限だけザックに詰めて軽くしたので、鷲羽岳頂上まで約1時間かかった。コースタイムの半分である。
鷲羽岳頂上
鷲羽岳頂上で一人の登山者に出会う。なんと、焼岳~西穂~奥穂~槍~三俣蓮華を越えて来たという。今日は船窪小屋まで行くと言われる。今後の予定は、蓮華~鹿島~白馬~朝日を越え日本海まで行かれる。8泊を予定し、予備日もある。2年前は朝日で悪天となり、あと少しのところで辿りつけなかったらしい。それでも凄い。無事に目標を達成してほしいと思う。ロングランの縦走と言えば蒲郡の岩瀬さんを思い出してしまう。私が勝手に師匠と思っている方である。
水晶小屋へ戻ってきて、小屋にデポした荷物をパッキングして、ちゃっちゃと下る。竹村新道分岐で、秋田県の70歳過ぎた夫婦に会った。話を聞くと、この辺の山はほとんど登っており、野口五郎岳だけ登っていないらしい。折立から入山し、2泊目、水晶小屋へ泊まり、野口五郎岳を往復後水晶小屋へ泊まられるとのことである。世の中には、凄い方がいるものだと感心する。
竹村新道は一部、おっとっと、と言うところもあるが、危険ではない。
竹村新道途中からみた槍ヶ岳
竹村新道途中からみた硫黄尾根(崩壊が進んでいる)
右にとがった大天井岳、左のゴツゴツが燕岳
ひたすら下るが、硫黄尾根を北側から見た事があまりないため、しっかりと目に焼き付けた。槍ヶ岳もここにいるよと主張しているように、立派だ。
湯俣岳の頂上は視界がない
湯俣岳の頂上で、小屋で隣に見えた方と一緒になった。長野県の千曲から来られた方で、この方が、小屋で自分の寝る場所を譲って他のスペースに移動してくれたおかげで、一つの布団に一人ずつ寝る事が出来た。ありがたい。
竹村新道は長い。下りはいいが、登りは、登りたくない。下の湯俣山荘に泊っておいて、朝一番で登らないとつらいと思う。また、湯俣山荘に近づくほど斜面が急になってきた。
湯俣山荘(大きなものはヘリで荷揚げするが、日常品は駐車場からボッカされるという)
湯俣山荘につき、ご褒美のコーラを購入。体にご褒美をあげないと歩けない体になっている自分に気づく。ここから更に水平の山道を歩き、さらに林道を歩く。
高瀬ダム湖
高瀬ダムで休憩していた時、背中の「豊川山岳会」のロゴを見られた女性が、「私は浜松です。」と声をかけてくださった。浅田モデルのTシャツは声をかけられる率が非常に高い。
高瀬ダム
高瀬ダムにはタクシーが待っていたが、昨日の朝、歩いてきたトンネルを歩いてみようと最初から思っていたので、七尾山荘まで歩くことにする。
アスファルトは、足の裏が痛くなってきたが、無事七尾山荘に辿り着くことができた。通常、2泊3日のコースを1泊2日でトレース出来たことに満足し、帰路についた。
今回の装備一式(これに食糧が追加)
荷物は、軽量化に気を使ったが、水2ℓを含めて約10㎏だった。
-記・河合-
この記事を書いた人

- 豊川山岳会に入会して30年と少し過ぎました。読図コーナーを担当しています。地図に興味を持ってもらうことで、全国の遭難が1件でも減少することを願っています。
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