チームトリプルホワイトの涸沢滝谷合宿

【夏合宿 登攀】涸沢・北穂高岳・滝谷中央稜
日にち:8/14(金)~8/16(日)
メンバー:白井、白木ひ、白木ゆ

8月14日 雨・曇り
朝4時に白井さんの家に集合し、沢渡に向けて出発!途中渋滞もなく、8時10分頃に駐車場に到着。各自準備を整えてバスに乗り、9時20分に上高地到着。お盆とだけあってものすごい人でした。
河童橋などで写真を撮ったり・・・などとゆっくりする間もなく、涸沢に向けて出発しました。
DSC05255出発当初は曇りでしたが、青空が見えたり、時折雨が降ったりと不安定な天気が続きました。しかし、そのおかげもあって涼しい中での山歩きをすることができました。歩くこと3時間・・・
DSC05262横尾に到着しました。横尾では新しいトイレを建設中でした。ここで小休止をとり、いよいよ涸沢に向けて登ります(^^)/
途中、屏風岩がきれいに見えたので、ルートを確認しながら(主に白井さんが)歩みを進めました。「涸沢は遠くから小屋の旗が見えてからが長い」分かってはいるのですが旗が見えているのにつかないとなると、精神的に疲れが出てきます。自然とペースがおち、えっちらおっちら登ります。

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15時30分涸沢に到着!!思わず笑顔がこぼれます。しかし、このとき悲劇が|д゚)
由佳里さんがザックをもって立ち上がった瞬間に足をくじいてしまい、歩くのが困難な状態に!!後で診療所に行こうということにして、サイト地を探しますが雪渓が大きくテン場に張り出しており、ほとんどの場所が使われていました。なので、雪渓の上にテントを張ることに決定!
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今日の晩御飯は「豚丼」疲れをふっとばすおいしさでした。飲み会、ご飯の後、20時頃に就寝。zZZ

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8月15日 快晴

3時に起床。身支度を整え、いよいよ滝谷に向けて出発です。由佳里さんは足のことが心配なので、今回は大事を取り、テントキーパーとなりました(´・ω・`)

4時30分に由佳里さんに見送られつつ、出発しました。2時頃から登り始めているパーティーもあったようで、登攀組としては後半組としての出発となりました。南陵テラスに着いた頃、涸沢槍の近くの尾根で大きな落石が発生し「気を付けないとね」と会話を交わしながら登りました。テラスから奥穂方面に進みドームの頭を巻いたあたりで一般道との分岐がありました。踏み跡がはっきりしており、あまり迷うことなく中央稜に進むことができました。

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朝陽に照らされた滝谷ドーム。回り込んだところでシューズを変えて身支度を整えます。そしてかなり寒い!

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アプローチの道。落石に気を付けなら進みます。

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ここから少し進んだ、T1に支点があり、取り付き近くのT2まで懸垂下降する。距離は20mほどでした。

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そこからドーム方面にトラバースすると、中央稜取り付きがありました。取り付きにはすでに3パーティーほど待っており、順番待ちをしつつ、準備をする。しかし寒い!
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取り付きにて。天気は本当によく、風もほとんどありません。

9時20分、いよいよ登攀開始です。1ピッチ目(Ⅳ)は白木リードで登りました。上部のチムニーに不安を覚えつつも頑張ります!チムニーはとても幅が狭く、前のパーティーはザックをハーネスのループにカラビナでかけて登っていました。

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チムニーまで順調に上りましたが、やはりチムニーが狭い。挟まりながら登ろうとしますが、バックアンドフットもできない狭さ。少しかぶっており、安定しない中もぞもぞしていると、白井さんから「チムニーにザックを下して登ってよい」というアドバイスをいただき、ザックを残置しバックアンドフットやいろいろな登り方を交えて上部のチョックストーンを乗越ました。本来は、もう少し上がってからピッチを切るのですが、渋滞しており、チョックストーン上でピッチを切りました。白井さんはするすると登ってきて、チムニーでザックをザイルにつけてくれて、回収しました。岩はしっかりしていますが、ガバに見えても浮いている岩などがあり、ひやりとします。

2ピッチ目(Ⅴ)は白井さんリードで登ります。フェイスの登りから、リッジに変わり、最後はスラブというルートでした。リッジやスラブでは体が外に出る場面が多く、セカンドとはいえ緊張しました。特にスラブが出てきたときは・・・。

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3ピッチ目(Ⅰ)は白木リードで登ります。このピッチは4ピッチ目の取り付きまでガレ場を移動するピッチでした。

4ピッチ目(Ⅳ)は凹角の登りです。白井さんリードで登ります。凹角の最後にかぶったようなところがあり、左に巻くか、右に巻くか白井さんも迷いつつ進みます。最終的には右から乗越ました。途中残置のキャメロットがあり、二人ともとろうと躍起になりましたが無理でした(笑)さすが白井さん、かぶったところも難なく越えていきます。DSC05279

4ピッチ目を登りきると少し広めのテラスに出ます。そこで順番待ちをしつつ休憩。天気も良く山々がきれいに見えます。気分も自然と明るくなります。

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 最終5ピッチ目(Ⅳ)は白木リードで登ります。足場もしっかりしており、快調に上ることができました。上部に少しやりにくいところがありましたが、フリクションもよく効き、何とか右から乗越ました。上の方は高度感があり、体を外に出す場面があるので自然と力が入ります。

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 5ピッチ目終了点より。周りの山がとてもきれいでした。そして・・・
DSC0528412時10分ついに登攀終了!ドームの頭に到着しました!!槍をバックに山岳会Tシャツをアピールする白井さん。

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思わず笑顔になりました。目標としてきた滝谷。うれしいです(^◇^)やったー。

ドームの頭で大休止をとり、下降路を通って一般縦走路と合流しました。その後、北穂の山頂にも立ち寄り、由佳里さんの待つテントへと下山しました。

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滝谷をバックに北穂山頂にて。
南陵を下り、テントに戻ると由佳里さんが夜ご飯の支度をしてくれていました。ただいまー!
そのままみんなで外に出て宴会です。白井さんが浅漬けの素と野菜をもってきてくれており、その場て作っていただきました。

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20時頃に就寝しました。ぐっすり寝ました。

8月16日 晴れ

3時30分起床。朝食を済ませたのち、下山のための撤収作業に入ります。

天気も良く、朝焼けの涸沢に心を奪われます。由佳里さんの足の調子も少し回復し、下山できそうな様子です。

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5時30分、涸沢を出発しました。この日は、皆で豊川山岳会Tシャツを着ての下山です。

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横尾、徳澤と通過し、10時40分に上高地BTへ到着!!

その後、温泉に入って下道で豊川まで帰ってきました。

本当に楽しくあっという間の3日間でした。岩を登っている途中で「山ってきれいだな」と素直に感じた山行でした。思い返すと御在所前尾根・中尾根や小川山、三つ峠などのトレーニングの日々が頭をよぎります。アブミトレでRCCボルトに2つかけてしまったことや懸垂の途中でロープが絡まったこと、中尾根のチムニーではさがったことなど多くの失敗もありました。暑い中トレーニングしてくださり、最後まで丁寧に教えてくださった白井さん、本当にありがとうございました。今後、登攀やバリエーションルートに行ったときには今まで経験したことを活かしたいと思います。由佳里さんが登れなかったことは本当に残念でした。トレーニングを積み、また行けたらと考えています。      記 白木ひ

追記

20年近くクライミングをしてきて結局一度も登ってなかった滝谷を今回登る事ができて満足です。
滝谷は多くの先人のクライマー達が登ってきた岩の殿堂である。
なにしろアプローチが遠くかつ3000mもの高さにある岩場はそれほど多くはない。
そのおかげで真夏なのに寒かったこと。
登攀中はずっと日が当たらず、フリースを着て登っていても少しも暑さを感じなかった。
このルートは比較的稜線からのアプローチも楽で、岩はしっかりしていてオールフリーで登れる人気ルートである。
予想どうり順番待ちもあったがストレスなく気持ちよく登ることが出来た。
僕らが5番手ぐらいで、この日は10PT以上は取り付いたのではないだろうか?
以前天気が悪かったり、足の膝を痛めて登れなかったりと、2度ほどトライして登れなかったが、今回会の仲間と登ることが出来て本当に良かった。
前述にもあるが一緒に行ったゆかりちゃんが登れなくて残念だ。
でもまだ若い!これからまだチャンスはあるよ!
  

白井

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