まじリアル冬山(硫黄岳)

【本気の硫黄岳】2016.1.16(牧原)
【年月日】2016年1月23日、24日
【メンバー】河合L、浅田、上田、河野、後藤(香)、吉中、岩井、牧原

雪やこんこ 霰やこんこ。降っても降っても まだ降りやまぬ。犬は喜び 庭かけまわり、猫はこたつで丸くなる♪

私たち8人は服をまとった犬です。

コースタイムは以下の写真の通り(多少のズレ有)。

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先月末(12/26.27)に天狗岳を登頂したが様相がまったく違う。
麓から雪は積もり、日陰では凍結している。

○1/23
美濃戸口(駐車代500円/日)から赤岳鉱泉に向かう。
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美濃戸口から赤岳山荘までは林道、チェーンのついた自動車であれば赤岳山荘まで通行可能。
赤岳山荘から赤岳鉱泉までは北沢という沢沿いを進むことになる。時々、沢をかける橋があるが赤岳鉱泉までは7つ(保証はしません)あるので、今後行かれる方は到着までの目安になれば。

赤岳鉱泉までの道のりはとてもなだらかで、とても静か。
沢を流れる水の音と、歩を進めるたびに聞こえる雪が軋む音。
雪がついていないときには聞こえていた音が、雪に吸い込まれる。
山が静かに、冬眠しているのではないかとさえ思う(実際には違った)。image

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美濃戸口から赤岳鉱泉までは休憩も含めて約4時間(通常のコースタイム:3時間)。
赤岳鉱泉にはアイスクライミングのできるアイスキャンディーがあり、賑わっていた。日本人のみならず中国人からヨーロッパの人まで国際色が豊か。image
13時にはテント設営もおわり、一息つく。一息つくと動けなくなるのが常である。image
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夕食はかぶのみぞれ鍋。
かぶのみぞれときのこ、白菜を入れて煮込む。甘いいいにおいがする。少し煮たところで豚肉・肉団子をいれ、肉のうまみも加える。仕上げにゆずのきざみを入れると、ゆずの香りがテント内に立ち込める。十分に食欲を刺激されたところで完成。
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自分は生まれて初めてみぞれ鍋を食べたが、これは本当においしい。
これまでの山行も含めて、テント泊で毎回こんなおいしい食事が食べられるなんて思っていなかった。なんなら日常生活で食べるときより豪華。女性陣に感謝です。この場を借りてお礼申し上げます。

朝食はこの出汁にうどんをいれて食すとのこと。これも絶対にうまいに決まっている。

24日の天気も西高東低の冬型配置。浅田さん・上田さん・河合さんの三者会議後、赤岳は稜線からピークまでが長く、傾斜も急なため、硫黄岳に変更。

○1/24
4時 起床。朝食はみぞれ鍋の出汁にうどんを加える。冬山での鍋は残り物も少なく、鍋洗いも一度のみで済むし、なにより体が温まる。芯から冷えた身体には、芯から温まる料理がうれしい。

7時 硫黄岳に向かう。
□赤岳鉱泉~赤岩ノ頭 2時間20分(コースタイムは1時間50分)
標高2200mから標高2656m
赤岩ノ頭までの登山道は樹林帯の中を歩くため、風雪に左右されにくい。
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□赤岩ノ頭~
赤岩ノ頭から硫黄岳頂上までの取り付きまでいくと景色も風も気温も一変する。
寒波。北西の風が稜線に吹き付ける。気温は-20℃、風速は12mほど。体感気温は-30℃を下回る。image
悪条件のため、頂上まで残り15分程度のところで河合Lの判断のもと下山。
トレースした道も戻る頃には風雪で跡が分からなくなっていた。ゴーグルも水分が中に付着して凍る、前が見えない。手足の感覚も少しおかしい。
経験ある3人がいなかったら・・・と思うと不安でたまらなくなる。
上田さんに先に道が合っているか確認してもらい、確認後進む。むやみに下山を急いではいけないと理解する。
赤岩ノ頭まで戻ると安堵する。目標物を記憶していることへの安心感。
風雪のない樹林帯で一呼吸をおく、そこで河合さんからもらう白湯が本当においしい。心に残る1杯となる。image

山は冬眠もしていなかったし、むしろ、これが本当の冬山の姿なのだ、と。

逃げるように下山し、テントを回収。

帰り道のほうが力強く歩けた気もする。もちろん雪や風などの障害がないというのはあるが、逃げ切れたという感覚がある。

14時 美濃戸口着。

大寒波のなかでも歩けた、帰ってこれたという自信と経験ある先輩がいなかったらどうなっていただろうか、正確に判断できるだろうかという不安を同時に味わった山行だった。
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