クライミングトリップ 小川山~谷川岳「変形チムニー」(前篇)

【】2015.9.23(書いた人白井)
【年月日】2015年9月18日~23日
【メンバー】L.白井、山形

シルバーウィークの前半19日(土)小川山、20日(日)谷川岳・一ノ倉・「変形チムニ」の記録を綴ります。

18日の金晩発で山形くんのCR-Vに乗って八ヶ岳山麓の美し森でテント泊する。
珍しく駐車場には1台も車がなく一番乗りでした。

19日(土)
ちょっと曇りだが廻り目平キャンプ場へ向かう。
9月の後半に入りましたが、まだまだ高原野菜が一面植えてあり刈り取り出荷に農家の人達は忙しそうでした。
廻り目平キャンプ場に到着してみると、シルバーウイークの初日とあってかまだまだ駐車場は空きがあります。
行く前から決めてあったとうり姉岩へ向かう。
姉岩は妹岩やマラ岩の上部にあルエリアです。

廻り目平キャンプ場の大駐車場より
「下の姉岩」エリアには昔登ったことがありましたが、今回は「上の姉岩」まで向かいました。
ちょっと遠目であり手前に人気のマラ岩などもあり本日はずっと貸切状態でした。
5.10台のルートが多く入門者にはちょうどいいエリアです。

姉岩上部よりキャンプ場を見下ろす

山形くんは「Ka-Ching!」5.10aと「強火の職人」5.10bとちょっとお買い得感がありますが立て続けにオンサイトに成功し盛り上がる。
「強火の職人」は途中カムを使ってランニング取る。
山形くんは自己最高の5.10bをオンサイトとなる。

「Ka-ching!!」をのぼる山形

「強火の職人」をトライ中の山形
自分はそれらを登りアップした後「ハラペーニョ・ウルトラHOT」5.10dをトライする。

へんてこな名前ではあるが2つ★である。
このルートの開拓者の青島さんとは神奈川県に住んでいた時の山岳会の先輩でした。
そんなこともあり気合をいれてトライ。
結果オンサイト成功。
体を左右に振ったりして登る面白いルートでした。
山形くんもトップロープでトライするがトップアウトできず。

リスさんの食事用テーブル?
山形くんはここで頑張りすぎてその後は握力がなくなり、その後は振るわず…
その後、姉岩本峰ー側壁下部」へ行くが、あまり登られていないらしく、苔むしていて登らず「本峰上部」と「卒業試験の岩場」で遊んで帰りました。

今日は谷川岳へ移動したいので、廻り目平キャンプ場をあとにして、川上村のスーパー「ナナーズ」で買い出しをし、湯川にある「灯明の湯」(500円)に入り谷川岳を目指す。
谷川岳は天神平ロープウェイが臨時の大駐車場を無料開放していてそこへ車を止めてテントを張る。
すでに先客の登山者がテントを何張りか張ってあった。
夜は星が見え明日の好天を祈って23時過ぎに就寝する。

20日(日)
4時半に起床する。
周りの登山者もすでに起きていて準備している。
駐車場から一ノ倉沢出合まで1時間ほどである。
ザックに荷物が収まらなので手提げバックに荷物を詰め持って行く。
一ノ倉沢の出合にはトイレも有りテントサイトしては最高です。
空模様は時折青空も見えまずまずの天気に見えた。

テン場から一ノ倉を望む

出合から見える一ノ倉は写真でお馴染みの威圧感のある体で自分たちを見下ろしているようだ。
テントを張り準備を済ませ一ノ倉の鳥帽子沢奥壁にある「変形チムニー」4級を目指す。
テールリッジを登る頃に霧雨となり後に小雨となる。
テールリッジを登り切り、中央陵の取り付きに8時50分頃到着する。
テールリッジはFixもあり不安は無かったが、その手前ヒョングリの滝を巻く道がかなり悪く濡れていてヒヤヒヤものでした。
中央陵の取り付きには小雨のなか4パーティーほど順番待ちをしている。
こんな小雨の中順番待ちとはご苦労様である。

ヒョングリの滝手前
テールリッジの途中から衝立岩

「変形チムニー」1ピッチを登る山形

南陵をみると同じように多くのクライマーが順番待ちしてるのが見えた。
午後から天気が良くなるのを見越してか誰も帰ろうとしない。
自分たちも当初の目的の「変形チムニー」に向かう。
取り付きに着いてみると予想どうり岩は濡れている。
南陵に転身しようかと思ったが順番待ちが多いので「変形チムニー」を登ると腹を決める。
びしょ濡れ状態の岩なので1P目のⅣ級を自分が登ろうかと思っていたが、山形くんが登るというのでその心意気をかって送り出す。
こうして山形くんの本チャンデビューは雨で濡れた岩となった。
それでも着実に残置ハーケンにランニングを取り一歩一歩登って行き30分ほどかけて登り切る。
フォローで自分も登ったが、濡れた状態のこの岩場を山形くんはよく頑張ったと素直に思う。
奇しくも20年ほど前、自分の本チャンデビューも衝立岩の「中央陵」でいきなりビバークの開幕戦であった。
そうお思うと、この一ノ倉には様々なクライマーの思い出があるのだろうなぁ~と思う。
2ピッチ目は自分の番である。
しかし、悪い。
Ⅴ級でこの状態は悪すぎる。
潔く敗退を決め、撤退する。
悪すぎる2ピッチ目

予報どうり、テン場に着く頃には雨もすっかり上がっており、日差しも時をり出ていた。
テント場で「敗退祝い」を一ノ倉を望みながら乾杯する。
明日の晴天をいのり早めに就寝しました。

【追記;山形】

谷川岳の前哨戦となった小川山のクライミング、自分に取っては二回目の小川山である。
前回来た時に初めて10.aをオンサイトした思い出の地である。
今回、見事にオンサイトグレードを10.bに更新する事が出来た。

これは何を意味するかというと…
交通事故で足を骨折する前の自分を超えたという事だ!!入院を乗り越え、成長した自分に出会えて本当に嬉しかった!YES!
以降の谷川岳の登攀もかなり自信を持って挑むことが出来た。

「強火の職人」をオンサイトした時は心の中で12回ぐらいガッツポーズしただろうか。
変形チムニー1ピッチ目と共に生涯忘れる事のないルートになるだろう。

さてさてその変形チムニー、自分に取っては初めての本チャンのリード。
ガチガチのボルトがあるゲレンデとは違い、ハーケンでランニングを取るのは緊張感たっぷりだった。
当日は岩が濡れており、草付きも多く慎重に慎重にクライムした。
この時は楽しいという感情よりも自分との闘いであった。
でも今思い返してもルートが鮮明に浮かびあがり、本当に集中出来ていたと思う。

残念ながら変形チムニーは撤退となってしまったが体力も回復出来たし結果オーライだったと思う。

次行く時はもっと強くなって再チャレンジしたい!!

この記事を書いた人

クライミング全般大好きです。
仲間と楽しいクライミングを重ねて行きたいです。
一応現在チーフリーダーをやらせてもらっています。
愛犬、愛妻、愛娘と新城市で暮らしてますが、私が愛されているかは、解りません...

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