稲子岳南壁左カンテ

【稲子岳南壁左カンテ】2021.10.4 (浅田)
【2021年10月2日~3日】
【メンバー】、白井、遠山、二橋、浅田

7月に行った剣岳で八ッ峰六峰Cフェースで、アルペンクライムデビューする予定であった二橋が、体調不良でテントキーパーで終わったので、どこかでデビューさせようと場所を考えていた。2~3候補があったが以前山形、白木が登った稲子岳南壁左カンテに決めて、立岩やクライミングジムでトレーニング進めた。途中に遠山も加わり8月に計画したが、天候不順と緊急事態宣言等の理由で延びていた。9月末で緊急事態宣言が解除となったので計画を実行した。結果は天候にも恵まれて快適なクライミングが出来た。

10/2  コースタイム 豊川10時→みどり池駐車場15時半→しらびそ小屋17時

豊川を10時に出発し新東名で清水JCから中部横断自動車道経由で中央道長坂ICで降りみどり池駐車場へ。

身支度をしてしらびそ小屋へ向けて林道を進む。1時間程で登山道となり傾斜も強くなる。1時間半ほどでしらびそ小屋に着き、テント泊の手続きをして幕営する。

 

 

夕食は二橋シェフの料理で満腹となる。

10/3 コースタイム しらびそ小屋出発6時半→取り付き登攀開始8時→終了点10時15分→しらびそ小屋11時半~12時→稲子湯13時40分~14時半→豊川18時半

5時起床で朝食を済まし、6時半取り付きへ向かう。

 

中山峠への登山道を30分程進み、赤テープの目印から右の林の中へ、赤テープを辿り進み苔むした急登を喘ぎながら登り取り付きは着く。

白井、遠山PTと浅田、二橋PTに分かれ、早速登攀具を付けて登り出す。

1P目15m 遠山トップで15m程上あるアンカー目掛けて登り出す。フォロー白井で続く。我々も二橋トップで浅田フォローで登る。

 

 

 

 

2P目 30m先行PTは白井トップで遠山フォローででザイルを伸ばす。

我々は浅田トップでカムと立木でビレーを取りながらアンカーへ。二橋も順調に登ってくる。

 

3P目 30m 先行PTは遠山トップでチムニー下のアンカーへ。白井フォローで登る。

我々は浅田トップで登るアンカー手前がざれていて落石に気を遣う。二橋も慎重に登ってくる。

4P目 20m 先行PTは白井トップでチムニーを登り遠山フォローでテラスへ。

我々は浅田トップでハンガーボルトに導かれてチムニーを登り、二橋を迎える。

ここは左のワイドクラックを登るルートもあるようだ。

背後に天狗岳や硫黄岳の爆裂火口を眺めてのクライマックスへ。

5P目 40m 先行PTは遠山トップでルートファインディングに苦労しながら終了点へ。

フォローで白井が続く。

 

我々は浅田トップで出だしの20mはコンテで行けそう。ここからルートは左と右に分かれているようだが、我々は直登ルートを取り高度感がでる。二橋も気分よく登ってくる。

先行PTはここで終了としたが、我々はおまけと言われている5m程のワイドクラックを登る。

6P目 10m 最後のピッチは二橋がトップで登り、遠山がミドル、浅田がラストで登り登攀終了。

 

展望抜群で天気も最高、木々の紅葉も始まり、登り終えた達成感に至りながら暫し休憩し、稲子岳の稜線を赤テープを頼りに中山峠への登山道へ降りる。私の予定より30分早く11時半にテント場へ着く。テントを撤収してゆっくりと駐車場へ。帰りに稲子湯旅館で汗を流し帰豊した。稲子湯旅館はひなびた温泉宿で再訪したいと思った。

記 浅田

ー 追記 遠山 ー
”最初のトップは遠山さんからね”と白井さんのお言葉。
1ピッチ目は15mほどの短いルートですが緊張しながら登りました。
2ピッチ目で白井さんをビレイ確保していると後ろから”楽しすぎる~”との二橋さんの声、本当に嬉しそうです。5ピッチ目のトップではルートを右に取り、少し苦戦しながらも何とか抜けきることが出来ました。不安定な石に注意しながらルートファインディングや支点構築・ロープワークなどの難しさを再認識。
初めてのアルパインルートでしたが大変勉強になりました。
浅田さん、白井さんありがとうございました。

ー追記 白井ー
予想してたより残置のハーケンが豊富。各ビレー点はハンガーがバッチリ打ってあり安心。
途中のランニングもハンガーが要所、要所にありました。
正直なところランニングのアンカーは過剰気味。クラックが豊富なので充分ナチュプロで支点取れます。
ロープは結果シングルで充分でした。
久し振りに始めていく岩場でのんびり晴天の秋空の下、気持ちいいクライミングが出来て最高でした。
しらびそ小屋のワンコに会えなくて残念でした。

追記 二橋

浅田さんのお気遣いで、夏山合宿クライミングのリベンジに行ってきました。

八ヶ岳稲子岳、おまけを含め、6ピッチのルートです。

1ピッチめ。同じくアルパインデビューの遠山さんが、リードをするのを指をくわえて見ていたら、浅田さんから「二橋さんもしますか?」と、ありがたいお言葉。考えるより先に「はい」と返事をしてしまいました。多少浮いた石はあるものの、安定した岩はフリクションもよくきき登りやすい。ロープへの干渉を極力減らすように支点を作り、アンカー構築。後続パーティーの方にカッコいいと言ってもらい、ご機嫌で浅田さんをビレイ

2、3、4、5ピッチめは浅田さんのリードをビレイ。立岩と違って、リードの姿を確認できないので、ロープの動きを目と指先で感じとり、ロープ出し。浅田さんの的確なアドバイスで無事に登攀。

おまけの6ピッチめ、再びリード。

短いルートでしたが、高度感とカッコいい岩峰のおかげで、とても登っている気分になる。このピッチは3人で。

無事全ピッチを完登。

クラックやカンテ、チムニーの登り方なと教わった基本動作を本番で実践したり、先輩方からムーヴやロープワークのアドバイスを頂いたりと、とても楽しくて有意義な登攀になりました。

緊急事態宣言も解除になり、台風一過、気持ち良い秋空の下、眼下に広がる八ヶ岳の紅葉を見ながらのクライミング。最高のコンディションとロケーションで登ることができました。

浅田さんはじめご一緒させていただいた先輩方、いつもトレーニングで面倒みてくださる先輩方、本当に感謝感謝です。これからも宜しくお願いします。

 

 

この記事を書いた人

「危険は回避し困難は克服する」をモットーに多くの山仲間と楽しい山登りをしています。

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