第11回OB合宿 紅葉の立山連峰

【第11回 OB合宿 立山連峰】21.10.17 (上田)
【2021年10月2日~3日】
【メンバー】上田歳彦、鈴木幸子、小寺和代、日浦裕子、Wakさん(埼玉)、Wat君(千葉)、Ko君(新潟)、N君(東京)、D君(宮城)(上田の大学の友人)、Iさん、Kさん(上田の友人)

昨年の立山連峰のOB合宿が悪天のため中止で、そのリベンジで今年も立山を計画しました。コロナの緊急事態宣言がぎりぎりで解除され悩ましい選択でしたが、予定通り実施することとしました。大学の同級生と先輩5名に加え、気象予報士の先輩Iさんとそのご友人、会員3名と11人の賑やかな山行となりました。

10月1日(金)
大型で非常に強い台風16号が関東南岸に接近する中で、関東から扇沢に車乗合で移動するOB4名は、風雨の中三鷹駅に14時集合。宵の口までに順調に信濃大町に着いたとのこと。愛知組6名は19時半に豊川を出発、夜半1時前に立山駅の駐車場にテント泊。一時雨が降ったが登山期間中は晴れの予報のため気持ちは軽くすぐに眠りについた。

10月2日(土) 室堂~雷鳥沢より奥大日岳往復 行動時間:登り2:45 下り 2:10
朝5時半起床で6時半には立山駅の改札へ。オンラインでの予約はできなかったが、7:50発の切符を取得できた。新潟・小千谷を未明に出発したKo君も合流し、先ずは立山ケーブルカー7分で立山駅(475m)から美女平(977m)へ。

立山高原バスにスムーズに乗り換え、称名滝を眺め紅葉の弥陀ヶ原や左手の大日岳~奥大日岳の雪に削られた山容、右遠方にどっしりと横たわる薬師岳の眺めを楽しみながらのバス旅。雲やガスも切れてみなさん、お休みすることなく景色を楽しんでいた。私も大抵は剱岳をめざす緊張感での高原バスで、こんなにのんびりした気持ちで景色を眺めたのは久しぶりの気がした。9:10に室堂ターミナルに到着、15分後には扇沢組も到着し、11名が揃い一安心。9:40にターミナルを出発し、池巡りをし草紅葉やナナカマドの紅葉と立山連峰の雄大な景色を楽しみながら雷鳥沢をめざす。

今日の宿の雷鳥沢ヒュッテで不要な荷物を置かせてもらい、10:50に奥大日岳に向けて出発。

雷鳥沢キャンプ場(2277m)の中を抜け橋を渡り左へ、ゆるやかな斜面を左上し最後登りきると尾根上の新室堂乗越(2385m)へ。

尾根通しに室堂乗越(2360m)まで来るといよいよ剱岳がピラミダルな姿を現す。ここからは登山道は急峻な剱岳側(北面)を避け左側を巻くようにつけられている。Wakさんはリハビリ明けということで2511mカガミタン乗越手前までとし、10人で頂上をめざす。

晴天の中の賑やかな一服は至福のひとときです 右のピークの奥が奥大日岳途中A4サイズのソーラーパネル4枚をザックにつけたお兄さんを発見。たくさんバッテリーが必要な機器をお持ちだとか。幸子さんが、それだけ充電機あったら私を負ぶってくれるロボットも持ってるかな? いつものじゃれ合い(三味線引き)が楽しい(^^)/私を負ぶってくださ~い(*^-^*) 時間切れなら14時にはバックしようと思っていたが、13:35に奥大日岳(2606m)に到着。みんなで集合写真、楽しそう(^^)/。ガスがかかっていた剱岳も全景、顔を見せてくれた。西面の奥大日からは三角形の峻険な姿が素晴らしい。かつて雪と岩を求めて何度も剱岳をめざしたが、こちらから眺めるのは初めてで新鮮だった。 弥陀ヶ原から室堂、立山連峰の雄大な景色と紅葉を見ながら来たルートを慎重に下る。また、チングルマの草紅葉と綿毛の群落など、とてもきれいだった。 タテヤマリンドウ
尾根から雷鳥沢へ下っていくと空が暗くなり終にぱらぱら霰が降り出し強くなってきた。降りはしないだろうとタカをくくっていたが、下山後天気図を見たら、上空5700mの-12~-15℃というこの時期としては強い寒気が本州・北陸まで南下して大気が不安定になっていた。

カッパを着て20分程降られる中を全員無事に雷鳥沢ヒュッテに到着できた。(16:11着) https://www.raichozawa.net/カッパを着たらKo君とオソロ! 今年新調したとのこと、気が合うねえ(*^-^*)3階の6人位は入る個室に、3人x3部屋と2人x1部屋に分かれてゆったりと入る。6人位は入れる内湯と3人位は入れる外湯が男女それぞれあって、山でお風呂とはありがたいということで、空を見計らって頂いた。内湯はぬるめで、かけ流しの外湯の方が適温で良かった。
17時半からは一斉に食堂での夕食。間隔を空けて着席し、思い思いの飲み物でいつもより静かに食事とおしゃべりを楽しんだ。その後部屋で小宴会、楽しく交流できて良かった。(20時に就寝)  Kさん撮影の冬の星座。空が暗くかなりの等級まで写っている。ありがとうございます!

冬の天の川冬の大三角とふたご座

10月3日(日) 雷鳥沢より大走沢~真砂岳~立山三山~一ノ越~室堂 行動時間:登り大汝山まで3:40 下り 3:10
朝5時起床、今日も素晴らしい天気。6時に朝食をしっかり頂き、6:50に出発。雷鳥沢キャンプ場の橋を渡り右へ大走沢方面へ。なだらかな登山道から、真砂岳から左に下っている尾根の取付きをめざす。途中、草紅葉に降りた霜や霜柱に秋の早朝の気配を楽しみながらの登行。

さほど岩がゴロゴロではなく歩きやすく、確実に高度を稼いでいく。傾斜が少しゆるく正面に花崗岩の砂礫の真砂岳を望むと左には別山、右には立山三山、振り返ると昨日登った奥大日岳が美しい。 好天ののどかな登行を続け、真砂岳手前で頂上経由ルート組と右にトラバースして頂上パス組にそれぞれ別れて楽しく進む。(9:12) 真砂岳の南側のコルで合流し、岩が切り立つ富士ノ折立への稜線を登る。2999mの頂上に登りきると北にはどっしりと同じ2999mの剱岳、その右には白馬岳から針ノ木岳に伸びる後立山連峰が個性的な山並を連ねている。更に南方遥か槍穂高連峰、笠ヶ岳など、北アルプスの主な高峰が一望できる。久々の3000mの稜線は賑やかで、大汝山(10:29着 休憩所は9月末で閉鎖)へ。Iさんは100名山96座目でみんなでお祝い(*^-^*)
続いて雄山へと岩の稜線を辿る。リハビリ中のWakさんが今日は別行動で一ノ越経由で雄山まで登って来て落ち合うことができた。確実にご自身のペースを守った登りをされて安心しました。雄山神社と社務所とトイレも開いており、賑やかである。

雄山からは一ノ越山荘を直下に見ながら急な岩の道を慎重に下る。唯一立山に登ったのがキリマンジャロ山行のトレーニングで、1996年の10月の3連休に立山から薬師~槍ヶ岳~燕岳まで単独で歩いた。この時は一ノ越から駆け上り駆け下ったが、25年後の今はゆっくりと噛みしめながら下る。登りが終わって皆さん明るく話をしながらも慎重に下っている。日浦さんは今回は珍しくシングルストックを使って快適そうに登行をしていた。下りでは安心感があるようだった。 一ノ越まで辿ってくれば一安心。大休止(12:33~12:55)で、胸を突くような雄山を振り返った。皆さん雷鳥やーい!と、ひたすら探したが残念ながらまたの機会(;^ω^)。でも代わりにホシガラスがきれいな艶やかな羽根を見せてくれた。

途中、日本最古の山小屋「室堂小屋」を訪れた。立山信仰の歴史など興味深かった。https://tate-yama.info/?p=8809室堂ターミナルに戻り(13:47)、今日はのんびりと室堂散策としたD君も合流し、みんなで集合写真(^_-)-☆ ここで東京組とはお別れ。再会を誓ってバス、トロリーバスへと乗り込み登山口をめざした。

富山組は立山駅から約10分の雄山神社に立ち寄り、苔むした境内の静けさを味わった。

◆10/2  奥大日岳往復

◆10/3 立山三山周回

<お天気の状況>
登山前日(10/1)、初日(10/2)、2日目(10/3)の天気図から天気状況を記します。
◇10/1
大型で非常に強い台風16号が関東南東岸に最接近し、関東や東北地方南部の沿岸部を中心に強い風雨に見舞われた。その中14時に果敢にも東京組4名はJR三鷹駅に集合、Wat号で無事に信濃大町に着くことができ良かったです。

◇10/2
台風16号から変わった低気圧は三陸沖に進んだが本州付近は等圧線縦じまの冬型とはならず、立山も天気が回復して晴れ間が覗いた。
しかし上空5700m(500hPa)のこの時期としては強い-12~-15℃(上の赤線が-15℃ 下が-12℃)という寒気が北陸地方に南下し、大気が不安定となり、奥大日岳からヒュッテに帰着する直前に霰に見舞われた。(10/2 21時の500hPa天気図)

◇10/3
帯状高気圧に広く覆われ安定した晴天となった。
2日間とも素晴らしい秋晴れに恵まれ、紅葉の立山連峰を堪能することができた。

<感想:上田>
昨年はコロナが少し落ち着いた10月の計画だったが雨天で中止。今年は新型コロナの第5次感染拡大で実施が危ぶまれたがギリギリのタイミングで緊急事態宣言が解除され実施することとした。コロナ禍でみなさん大なり小なりトレーニング不足のため、室堂の小屋泊りのゆったりコースの設定となった。初日の歩きの調子をみて、自主的に別行動となったお二人も思い思いのペースで楽しまれた様子で何よりでした。普段ならパーティを分けることはめったにしない自分ですが、今回は天気にも恵まれたため、安全にトレースできて本当に良かった(#^.^#) また山で会いましょう!

(記:上田)

 

この記事を書いた人

愛知県山岳連盟 豊川山岳会事務局
山岳上級指導員 気象予報士
NPO法人 ウェザーフロンティア東海会員

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