豊川山岳会

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春山合宿剣岳

   

春山合宿 剣岳、途中撤退しました
2012年5月4日~5日:河合、白井、浅田、梅沢、高橋、上田(記)
久々の剣岳(2999m)での春山合宿は6人と賑やかになった。残雪の源治郎尾根の登攀は楽しみだが天気が心配。当初の3日からの入山を1日ずらす。
◆5月3日
13時豊川市役所集合で、東海環状、東海北陸道経由で夕方19時立山町で夕食。雨のため、ケーブルカーの立山駅の軒先を借りてステーションビバーグとする。早く着くと楽で23時頃まで一杯やる。
◆4日
朝4時に軒先のたくさんのツバメの群の賑やかな声で目が覚める。5時まで粘って起床。6時10分始発のケーブルで美女平まで上がり、6時35分のバスに乗る。新緑と豊富な残雪が見事だ。称名滝までは見えていたが、上に上がるとガスの中である。
春山合宿剣岳2012,5 001
室堂
8時頃支度を整え、室堂を出発。気温は5℃で非常に暖かく風はまだ弱い。室堂の観光客の喧騒を離れると雷鳥沢のテント場(2277m)。色鮮やかなテントが50張位か?
スキーヤーや登山者と前後しながら、下半はほぼ夏道どおり、途中から夏道の100m位左のゆるやかな尾根伝いにこまめな赤布に助けられて、ほぼ直登して剣御前小屋(別山乗越:2750m)をめざす。
春山合宿剣岳2012,5 003
剣御前小屋への登り
途中からは雨が雪に変わり、手袋も濡れてきて冷たい。風がやや強まる中、小屋手前左側のナイフリッジを越えると営業中の剣御前小屋に10:50に到着、小休止とする。
春山合宿剣岳2012,5 004
剣御前小屋
ややガスは切れるが剣本峰も周囲の山も見えない。赤布伝いに剣沢別山平(2500m)まで下る。11:50着。天気が悪いせいか、テントは少なく10張程度、剣沢小屋も営業していないが、テント場から30m程離れた外のトイレは除雪してありありがたい。気温は-1℃
春山合宿剣岳2012,5 005
剣沢手前で雷鳥を見る
これまで暖かかったせいか、周辺の積雪は非常に湿った軟雪で、明日の沢筋の雪の状態が気にかかる。ブロックを積んだ後のテント場を2張用に拡張し設営。午後は一杯やったり昼寝したりして過ごす。
夕飯は肉団子のお鍋をたらふく頂く。夕方から次第に風が強くなり夜半過ぎまで暴風雪となる。
春山合宿剣岳2012,5 006
剣沢のテント
◆5日
3時過ぎに起床、やや風も弱まったため4時半には外に出てアタックの支度をするが、ホワイトアウトでみぞれもまた降り出したため源治郎尾根は中止を決定。強風でテントのポールが折れたこともあり、今日撤収して下山と決める。湿雪のため外に立てておいたスコップの柄が8cm位の氷の塊(円筒)となっていたのは驚いた。
別山尾根から剣岳をめざすパーティも戻ってきていた。
春山合宿剣岳2012,5 007
テント撤収後の下山前
春山合宿剣岳2012,5 014
剣御前小屋からわずかな時間見えた源次郎尾根
剣御前小屋からは本日の下山者はおらず、トレースが消え表面クラストのナイフリッジに慎重にトレースをつけながら通過する。浅田さんが「ちょっと源治郎尾根気分のナイフリッジだね」との言葉に確かに。我々の手前にピッケルを持たず、アイゼンとストックだけの年配ご夫婦が待ち状態で、我々の後を通過してくる。少し下っていくと、奥大日、大日や浄土山方面は見えてきたが、立山本峰方面はガスの中。
春山合宿剣岳2012,5 010
剣御前小屋から室堂方面
春山合宿剣岳2012,5 015
奥大日岳
雷鳥沢まで下ると最早春山気分の陽気で、重荷にあえぎながら室堂ターミナルまで登り返す。9:50着。
雷鳥沢への下り
雷鳥沢への下り
雷鳥沢まで下り春山気分
雷鳥沢への下り唯一春山を感じた
バスに乗る頃には周囲はほぼ快晴となるが、立山本峰、剣岳周辺は依然としてガスの中だった。
融水でハンノキ滝もくっきり
称名滝、ハンノキ滝
立山駅で車を回収し、行きと同ルートを20時半ごろに豊川へと着いた。
◆天気状況と行動判断
2日夜の予想では4日は低気圧が北日本に発達・通過後に北アルプス、日本海側の山岳で冬型の気圧配置が強まり、上空5700m付近この時期としては強い-15~-18℃の寒気の南下で、午後からは夜半過ぎまで平均風速15~24m/s、時間降水量1~3mm(時間降雪量1~3cm)暴風雪が予想されていた。5日は未明から風も6~14m/sとやや弱まり、2500m以上でガスが切れて晴れてくる予想ではあった。
実際は5日朝まで降雪と5日の日中も2600m以上でガスで、天気の回復が3~5時間ほど遅れた模様。前日までの軟雪、5日朝までの湿った降雪10~15cm、ガスでのルート不明など、沢筋を通過する今回のルートでは撤退やむなし、かと思われる。
4日午後の風雪で北アルプスで山岳遭難が相次いだ。白馬岳三国境付近で6名、爺ヶ岳1名、穂高涸沢岳で1名と湿雪後の強風での疲労凍死と思われる、いずれも60才以上の方の気象遭難となった。十分な装備(特に小屋泊まりの場合)、悪天時のルート変更(白馬では栂池山荘に戻り、穂高では北穂山荘で待機していれば良かったと悔やまれる)、雪洞の活用など、自分達にとっても教訓としなければならないと思う。
◆天気図の添付:4日~5日の地上天気図と高層天気図(500hPa)を添付します。
①5月4日15時 地上天気図(ASAS)
 :本州の太平洋側に大雨をもたらした低気圧が北日本に移動し、北アルプス一帯は冬型で風雪となる
① 4日15時地上天気図 asas
②5月4日21時 500hPa高層天気図(AUPQ35 等高度線、等温線)
 :高度5700m付近の上空で、この時期としては強い寒気(-15℃:黄色点線)が関東、北陸、西日本まで南下。午後この寒気を伴った気圧の谷が通過し不安定な天気。日本のはるか東方の上空の気圧の尾根(ブロッキング高気圧)で北日本の低気圧の動きが遅く、天気回復が遅れる。
② 4日21時500hPa解析図 aupq35_
③5月5日09時 地上天気図(ASAS)
 :本州付近の冬型は緩み南高北低となるが、華南に中心がある高気圧はほぼ停滞しており張り出しが弱い。
③ 5日09時地上天気図 asas
④5月5日09時 500hPa高層天気図(AUPQ35 等高度線、等温線)    
 :上空5700m付近の-18℃の寒気が更に北陸付近まで南下。 
④ 5日09時500hPa解析図 aupq35_
上田(記)

 - クライミング

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