氷の回廊 黄蓮谷右俣(アイスクライミング)

【黄蓮谷右俣】18.1.12(白井良岳)
【2018年1月12日~14日】
【メンバー】L.白井、山形

12日(土)5:30豊橋~(新東名)~9:30竹宇駒ケ岳9:50—黒戸尾根五合目15:10
早朝、先月に息子が生まれた山形君を迎えに豊橋まで出向く。豊川ICから東名高速に乗り新清水ICまで走る。
竹宇駒ケ岳神社の駐車場へ9時半ごろ到着。南岸低気圧が通るため北方向の空は天気がいい。薄曇りだがさほど寒くない。
汗をかきながら黒戸尾根を登る。大荷物でオーバーズボンも脱ぎたいが、脱いでもザックの中に入り切らないので我慢して登る。
刃渡りの過ぎたころから雪が現れる。五合目に雪が無いと水が作れないので一人2L歩荷していたが、何とか雪で水が作れそうだ。
雪のない黒戸尾根を登る
五合目への最後の下りではツルツルの雪氷となっていて滑らないように気をつけて下った。
五合目にはすでにテントが5張りほど張ってあった。我々は二人用のテントなので隅の方に張らしてもらう。
夕方より小雪が舞いだした、天気予報どうりだ。なるべく雪が降らないように祈りながら18時過ぎに就寝。
なんせルートは谷の中を登って行くので雪崩が怖い。右俣は過去に何度も雪崩が起きているので尚更心配だ。
隣に張っている女子テントからはひっきりなしに笑い声が聞こえ楽しそうだ。あれだけ楽しければ登れなくても楽しい山行になるだろう。
そんな彼女らの笑い声を聞きながらいつの間に眠りにつきました。

13日(日) 3:30起床—4:30出発—7:00坊主の滝下—9:30頃奥千丈の滝—11:30奥の滝下—14:30黒戸尾根稜線—15:00甲斐駒ヶ岳頂上—17:00五合目
4時半に出発。外は薄っすら雪が積もっただけだ。雪崩の心配もあまりなさそうなので決行する。
昨年左俣を登ったと言う山形君がいるので、一抹の不安を感じながらも彼を信じて五丈の沢を下る。予定どうり道に迷い、懸垂下降を3回ほど交えながらなんとか7時ごろ坊主の滝へたどり着く。予定より1時間のタイムロスとなった。
すでに4PTほど取り付いたり順番待ちをしている。待っていると遅くなりそうなので左岸よりさっさと巻くことにする。なんせラッセルが大変だと最悪テント場に戻れなくなるので早く稜線へ抜けたい。左岸より巻くと本日の右俣パーティーのトップとなってしまった。とりあえずガシガシ進む。
後からくる2番目のパーティーはすぐ隣のテントのパーティーで、男性一人(親分)と女性3人の構成でした。
ロープを出さず小さめの滝をどんどん登って行く。動きっぱなしなので暑い。フリースを脱いで、インナーとアウターだけでちょうどいい。
なんとか坊主の滝にたどり着く
右股を登る
途中の滝をリードする白井
途中大き目な滝があったので白井リードでスクリュー2本打って登る。
その後の奥千丈の滝はナメ滝に雪が乗っていたので全く問題なくノーロープで登りました。
一昨年の夏に右股を2泊3日で登りましたが、その時と比べると景色が変わっていて面白かったです。
とにかく、登攀が難しい所はすくなく谷の両サイドや本筋に作られた自然の造形美が素晴らしい。そして高度を上げるにつれて谷間から見えてくる八ヶ岳連峰や奥秩父の山々など、好天気も相まって素晴らしい眺めである。
氷の芸術その1
氷の回廊を登る
氷の芸術その2
ガイドブックのとおり奥千丈の滝を越えると雪が深くなりラッセルが大変になりました。
奥の滝を越えてラッセルを山形君と交代。ヒロケンのガイドブックによると「雪が深い時は右の尾根を登る」と書いてあったので、山形君は右の尾根にあがるため必死にラッセルをしてました。なんとか尾根上にあがったところで後ろのパーティーに追いつかれる。
後のパーティーはそのまま谷沿いにあがっていく様子。後のパーティーとラッセルを交代しながらでも谷沿いを進んだ方がいい様な気がする。取り付いた尾根も先が解らないしどうも嫌な予感がする。丑年の山形君は猛牛の様に目の前の尾根を登る事しか頭にないみたいなので、なんとか「この尾根を登るのは良くない様な気がする」ことを伝え尾根から下りてもらう。
その後は追い抜いて行ったパーティーのトレースを辿り、左の尾根をあがり黒戸尾根の稜線にでました。
天気予報どうり冬山なのに風が穏やかで日差しが当たるとまったりとした感じになります。
今日はずっと天気が良く360°の大パノラマを頂上では楽しめました。
途中右に登ろうとした尾根は稜線から見ると、確かに甲斐駒ヶ岳頂上より北寄りに繋がっていますが、結構なバリエーションルートで登っていたらだいぶ時間がかかったと思います。
最近自撮りを覚えた白井
稜線を目指す
対岸の八ヶ岳連峰
2年ぶりの駒ケ岳山頂
時間的に問題なくテントがある五合目へ戻ることが出来ると確信があったので、慌てず黒戸尾根を下りました。
本日右俣は4パーティーほど取り付いていたようです。
テント場に戻って祝杯を挙げる。19時頃酒が無くなったので寝ることにする。
隣の女子テントは今日も相変わらず楽しそうだ。
五合目のテント

14日(月)6:30起床—8:20五合目—11:30竹宇駒ケ岳神社駐車場—帰宅
本日は最初から下山する決めていたのでひたすら寝る。3時ごろ隣のテントが起きだす。どうやら今日は黄連谷左俣を登ってから下山するみたいだ。
元気な人たちである。
薄っすらと明るくなったのでいいかげ起きる。山形君はほって置けばいつまでも寝ていそうである。
朝食は山形君メニューの焼きそばとジフィーズ白米、レトルト八宝菜を食べる。
今日も青空が広がりいい天気だ。確かにこの天気で下山するのは勿体ない気がするが、まあ今回は念願のルートが登れたので良しとしよう。
昨日のルートを思い返しながら、時折見える景色を眺め黒戸尾根を下山しました。

この記事を書いた人

クライミング全般大好きです。
仲間と楽しいクライミングを重ねて行きたいです。
一応現在チーフリーダーをやらせてもらっています。
愛犬、愛妻、愛娘と新城市で暮らしてますが、私が愛されているかは、解りません...

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