【奥秩父】2016.4.28(白井)
2016年4月23日~24日
【メンバー】小野、藤田、白井
昔、GWに小川山へクライミングに行ったことがありすごく夜は寒かった記憶があり、「夜きっと冷えるだろうなぁ」と思い小野号に乗り合わせ向かった。
藤田君は仕事のため日曜日に合流することとなる。
金晩はいつもの美しの森の駐車場に泊まる。ここで豊橋のS原氏と合流し宴会してたらついつい3時まで飲んでしまった。
23日
GW前の小川山へ来るのは初めてである。朝到着すると、車も閑散としていて、クライマーもチラホラ。
唐松もやっと新緑が芽吹いてきたかな?と言う感じでとても静かで穏やかな廻り目平キャンプ場です。
こんな静かな廻り目平キャンプ場は初めてかもしれない。
屋根岩Ⅲ縫頂上より廻り目平キャンプ場を望む
自分と小野君は屋根岩Ⅲ縫の「南陵神奈川ルート」へ向かう。
このルートは15年ほど前にカミさんと登り、3ピッチ目のチムニーが怖くて登れず敗退した苦い思い出のあるルートです。
今回は、このところクラックに目覚め、割れ目探求家の小野君をだまくらかしリードさせて登ってしまおうと思い、首尾よくルートに取つく。
今日は天気もまずまずで取付きまで行くのに一汗かいてしまった。
周りにもクライマーは見かけなく、結局最後までⅢ縫でクライマーに会うことはありませんでした。
15年前から、何本かはこの様なオフウィズスなチムニーを登りました。今回もフォローで3ピッチ目の核心を登りましたが、リードできる気がしません。
14時ごろ登攀を終了して集合場所の親指岩へ移動する。
1ピッチ目をリードする小野
2ピッチめフォローする小野
核心3ピッチ目のチムニー
前日遅くまで起きていたせいか本日は満足し、キャンプ場でまったり焚火したい気分になってしまった。
移動中いくつかボルダーの脇を通り過ぎましたが、人気のボルダーエリアには結構ブルダリングしている人たちが結構見受けられました。
年々ボルダー人口の比率が多くなっている気がしますね。
そのぶんロープルートエリアが空いていてきていいかもしれませんが。
小野君は「小川山レイバック」をリードし自分は登らず薪を拾いながらキャンプ場へ戻る。
キャンプ場で焚火をしながら鶏肉のホイル焼きを作り食べました。
S原氏のクライミング仲間からもいろいろ食べ物やらお酒やらおすす分けをいただき、気持ちのいい時間を過ごす。
時間はもう覚えてないですが雨が降ってきたのでお開きとして就寝。
貴重な直火OKなキャンプ場
24日「墜落未遂事故当日」
朝、雨とともにやってきた藤田君を迎え、昨晩の雨で濡れた地面を口惜しく見ながら今日の予定を考える。
空も曇ったままですぐに岩が乾くかどうか解らないがクラックがしたい小野君と妹岩へ向かう。
大人気の妹岩の「カサブランカ」10.aをこんな空いている日に行かないのは勿体ないと思い到着すると案の定、誰もいない妹岩でした。
「カシオペア軌道」の下部が若干湿っている感じで、隣の「愛情物語」は問題なさそうなので初めに白井がリードする。
続いて小野君もリードしクラックの感触を楽しむ。
「愛情物語」ここも数年前死亡事故が…
、
「カサブランカ」は後からきたパーティーが取り付いてしまったので、隣の「龍の小太郎」を小野君がリードして自分がフォローする。
相変わらずこのルートも苦手な感じがする。というか思わずバランスくずしてテンションしてしまった。
「カサブランカ」が空いたので白井リードで取り付く。
この頃にはだいぶ天気も回復してきていて「カサブランカ」も良好な状態に近づきつつありました。
過去に何回かRPしているので最悪トップアウトできる自信はありました。
ただ前回いつ登ったのか覚えていいないくらい前ではあったので、以前はフレンズ1セットとエイリアンで登っていのを今回は小野君のキャメロットを数個借りて登り始めました。
事故の結論をいいます。
ルートの中間を過ぎたあたりのクラックが少しフレアーぎみの区間で、カムを決めてロープをクリックしたところ、ロープが地面までするすると落ちていくのが見えました。
その瞬間自分はフリーソロ状態となったので、とりあえずカムをもう一つ決めてハーネスと連結し墜落しないようにしました。
自分自身はフットジャムもハンドジャムもよく決まっていたので落ちる気はせず思いのほか冷静でいられました。
下でビレーして見ていた小野君の方がよっぽど怖かったようでした。
それを見ていた、先に「カサブランカ」を登っていたベテランクライマーの方が自分らのロープを付けながら、もう一度登ってもらいロープを受け取り、自分はロープを付けなおしロープテンションして場所を空け、ベテランクライマーさんにはそのままトップアウトしてもらって降りてもらいました。
その後、集中力がきれたので小野君に代わって登ってもらうかと思いましたが、現場を見ていた小野君はすぐに登る気になれないと言うことだったので、そのままリードしてトップアウトしました。
なぜロープがほどけてしまったのか?
答えは単純にロープの結びを間違えたとしか言えません。
いつもフリークライミングの時にハーネスに自分は変形ブーリンでロープを結んでいます。
ブーリンは結びやすくてほどき易いのがうたい文句です。
ちゃんと結んであれば大きな荷重がかかってもほどき易いのが利点です。
なので自分は墜落し荷重がかかるフリークライミングの時は変形ブーリンを、本チャンやマルチピッチの時はエイト結びをしていました。
10数年も変形ブーリンを使っていて、今までにも変な結び方をしたのに気づき結びなおしたことは幾度かあります。
今回に限っては結びを確認し忘れていて、そして実際に結び方を間違えてそのまま気が付かず登っていたと思われます。
変形ブーリンはエイトノットと違って目で見ても間違えに気づきにくい感じがします。
その点エイトノットは目で見て結び方が違っていればすぐにわかります。
あと変形ブーリンはビレイヤーが確認したくても、ビレイヤー自身がその結び方を知らなければ確認しようがありませんね。
結論を言えばやはりエイト結びが一番安全だと言うことですね。
小野君が「ベテランクライマーが死ぬってこうやって死ぬんですね」の一言が重く心にのしかかり、新たに気を引き締めなくてはと思いました。
ほんと油断、慢心の一言に尽きます。
危うく我が山岳会初の死亡事故者になってしまうところでした。
その後小野君はトップロープで登り、2便目でリードして見事RPしました。
しかしながらロープダウンする際に残置カラビナにロープが絡まり、もう一度自分がリードで登り返す羽目となり、自分も「カサブランカ」を2回登ってしまいました。
時間もいい頃合いとなったので下山して、17頃キャンプ場を後にしました。
帰りはいつもの「中央道原PA」で夕飯をすませ怪我無く無事に帰れることに感謝しながら新城へ帰宅しました。
今回とても恥ずかしい話で冗談で済まない事態になりかねませんでした。
ベテランとして、チーフリーダーとしてこのような悪態を招いてしまい、忘れたい記憶となりましたが、あえて今後の事故を防ぐ話としてブログに記述させてもらい、以後忘れないようにしたいと思います。