【山行名等】20.04.04(白井 良岳)
【2020年4月3日~5日】
【メンバー】L.白井、村上、K村(豊橋山岳会)
以前下界での飲み会でK村さんと「今度どこか一緒に雪山行きましょう!」と話していて、それが今回村上君の希望である赤岳主稜と合わせて実現することができました。
実は自分も赤岳主稜ははじめてでした。20年以上バリエーションクライミングを好んで登ってきましたが、なぜか赤岳主稜とは縁がなく、今回登る事が出来て良かったです。
K村さんと4日の夕方合流して、翌日の阿弥陀岳北西稜を3人で登ってきました。
阿弥陀岳北西稜は3度目の登攀となりました。
3日(金) 茅野市のとある公園駐車場にて前夜泊。
4日(土) 赤岳山荘駐車場6:30—9:00行所小屋10:00—11:00赤岳主稜登攀開始—14:30赤岳山頂—15:40行所小屋
南沢の登山道は後半はテレテレでアイゼン付けないと登れない!
行者小屋の手前で天気よく綺麗な赤岳の西壁が見渡せました。
行者小屋手前から
行者小屋でテント設営
行者小屋に一番乗り。小屋は営業はしてませんでしたが、小屋番の人が居て後からテント代一人1000円徴収されました。そのかわりトイレは使う事が出来ました。
テントを設営して出発、赤岳主稜の取り付きでは先行PTがいて1ピッチ目で苦労していてなかなか上がって行かない。
確かに1ピッチ目が核心とどの記録見ても書いてありました。
30分ほど待って取り付きへ。天気は曇ってしまったが真冬ほどの寒さは無いのでビレイしていても辛くなかったです。
1ピッチ目をパッと見ましたが、人気ルートだけあってアイゼン跡もしっかりついているし、さほど難しそうに見えませんでした。
たしかにⅣ級程度でしょうか、これなら村上君なら登れると判断して若者にリードを譲る。
村上君もやる気満々なので、気合を入れてトップで登りました。
立岩でのアイゼントレの成果があったようで、難なく一ピッチ目を登って行く。
文三郎尾根より主稜を望む
1ピッチ目を登る村上
その後は基本ツルベで登って行く。先行PTは毎回女性の方がリードをして登ってました。
5ピッチ目の雪田を登り6ピッチ目の岩稜帯の基部へ。ここで完全に前のPTに追いついてしまい待機。
先行PTのトップが左側のFIX ロープがかかってある方を様子見ながら登って行くが上部が悪そうである。
右側のカンテを回り込んで登れそうなので、自分達はそちらを選択して自分がリードで登る。
最初は残置が全く見当たらなかったが、その先も登れそうなので登って行くと残置があった。こちらのラインが正解みたいでした。
その後は難しい箇所も無事に頂上へ。頂上近くはブンブンの強風でした。
4ピッチ目
頂上小屋前でホット一息の村上
文三郎尾根を下りましたが、途中村上君は2ピッチ目を登攀中に落とした6万円もするGopuroのカメラを探しに赤岳沢を下る。そこで奇跡的に発見したそうです。
不死鳥の様なGoPuroの映像を載せておきます。
夕方の18時半過ぎにK村氏と合流。当然宴会に突入し楽しく夜を過ごしました。
5日 行者小屋5:40出発—7:20Ⅰピッチ目取り付き—10:00登攀終了—10:20阿弥陀岳山頂—中岳沢経由で下山—11:20行者小屋
4時に起床して準備をして出発。天気予報だと昼過ぎから天気が良くなる予報だが、予報どうりになるか解らないし、風が強くてガスっているだけなのでセオリーどうりに早めの行動とする。
稜線手前でK村と村上
2ピッチ目をリードするK村
1ピッチ目をフォローで上がる白井と村上
核心ピッチ目の村上
核心ピッチ目をフォローで登るK村
今回は北西稜への取り付きのトレースもしっかり残っていて迷うことなく進めた。しかも、雪が良く締まっていて歩きやすくサクサク進める。
ナイフリッジをノーロープで進むとハンガーのアンカーが打ってある取り付きに着く。最終の2ピッチめの核心は村上君に取っておいてあげる。
最初の2ピッチは残置支店が解りにくいうえに、岩が脆い。こいう泥臭く登らないといけない所は村上君より経験のあるK村さんの方がいいと思って勧める。
前回は全装備を背負って自分がリードしたのだが、改めて登ってもあまりリードしたいと思えないピッチです。
リードしてくれたK村さんありがとう、ナイスクライミングでした。
3ピッチ目より村上君リードとする。最初は左へバンドをトラバース。
リードする村上君がトラバースルートなのに片方のロープしか掛けて行かない。注意して交互に掛けるか、両方とも掛けてゆくように指示する。
まったく支点にロープを掛けて行かないロープはフォローが滑落した場合、大きく振られながら落ちることになる。なのでトラバースピッチはこれからは気をつけてください村上君。
最終ピッチはA0で突破。初めてとしては順調に村上君はリードできたと思います。最後思いっきりよく登れたとこが良かったと思います。迷って体力を奪われる前に登ったのが〇ですね。
阿弥陀岳頂上で
頂上では我々以外には単独登山者が2名、二人組が1組あっただけです。視界はガスガスでまったく展望は無かったです。
ちょうど1ピッチ目を登るころから風が弱まり、登攀終了時にはそよ風程度となりました。
しかし視界は悪く、小雪が舞う感じでした。
頂上で下から登ってきた単独登攀の年配の方が、降りる方向が解らなくなり「下山路はどっちですか?」と聞かれる。「え?おじさんそこを自分で今登って来たんじゃないの?」と思うがそちらだと思いますと教える。地図も方位磁石も持ってきていないのだろうか?
下山は中岳沢を下る。後から知ったが中岳周辺で滑落がありこの日一人の登山者が亡くなっていたと知った。
阿弥陀岳より中岳への下山路は結構な斜度で、ちょとコースを外れて滑落してもおかしくない所だ。
今回下ってみて改めて下山方向を間違いやすく、滑落しやすい斜面だと感じました。
行者小屋でテントを撤収してる間に徐々に天候が良くなってゆく。
南沢を下山中には日が差してきて暑い。駐車場につき高速インター手前辺りでは素晴らしい天候となり。視界もクリアーで素晴らしい展望を眺める事が出来た。
山では天気が悪く、下山すると天気が良くなると言う登山アルアルでした。
今回の山行では多くの経験を村上君は積めたと思います。
自分としも初の赤岳主稜を登ることができました。ピッチのグレードはトーレーニングすれば確実に登ることができます。それよりも中間の核心岩稜帯でのルート取りが核心だとおもいました。
文三郎尾根が取り付ける手軽さも人気に拍車をかけていると思います。
次はショルダーリッジかな…
最後に一緒に登ってくれたK村さんありがとうございます。なかなか同年代でアルパインをやるオジサンが居ないので、同年代の方と一緒に登れることが嬉しくもあり楽しかったです。
今後ともよろしくお願いします。