高等学校登山 夏山基礎講習会

【高等学校夏山基礎講習会】23.6.23(河合)
【2023年6月23日~25日】
【メンバー】河合

6月23日(金)~25日(日)で、立山の登山研修所で「高等学校登山夏山基礎講習会」が開催された。

登山研修所の風景

今回の受講生は4名。3名が高校の先生、1名が一般山岳会の指導者であった。講師は合計4名でマンツーマンの体制で行われた。

 高校の先生に開催時期は適正なのか聞いたところ、いつも忙しいが、7月に入ると期末試験と重なるとのことであった。それにしても、4名では寂しいのでもっと参加できるように教育委員会を含め学校での後押しをしてほしい。

 さて、初日の研修は、翌日の実技研修の地図を元に登山計画を立ててもらうことにした。研修終了時間を15時と決め、登山道の特徴物を把握した後、皆さんが利用している地図ソフトを活用し、出発時間や途中の大きな特徴物の山行時間を決めていった。

 1班、2班それぞれで特徴物を決めていったので、統一した特徴物ではなかったが私は何とかなると思っていた。しかし、北村主任が統一した特徴物の地図を作製してくれたので、翌日の実技研修はよりよい研修となった。(やっぱり、統一した地図は必要)

 夕方の食事は、研修生が自分で食事を作る。これは普段、先生方が食事を作らない方が多いので研修メニューとして入っている。やはり皆さん研修所の緊張もほぐれ、楽しそうであった。

2日目
 大品山、瀬戸蔵山周辺を地形図を見ながら歩く。トップはリーダー役で安全登山に気を配り、特徴物を確認していく。また、途中でトップは交代し全員がリーダー役を務めた。特徴物を確認するあまりトップがチーム全体に指示を出さず先行してしまう場面もあったが、リーダーは何が必要なのか?高校生に対する安全登山とは?考えてもらうよい機会となった。

実技研修風景

それぞれが、地図を見ながら実技を行っていたが、実技研修後の振り返りで「楽しかった」という声が聞こえ嬉しかった。やはり何かに気付いた時の喜びは大きいようだ。

本日は、夕ご飯は外で作った。和やかな雰囲気の中、雑談が進む。テントも張って寝ることも研修の一つ。何か思い出になれば嬉しい。

 

3日目
 本日は、生徒を引率しているときに持っているもの(スリング120㎝×1、60㎝×2、カラビナ3、ザイル)でロープワークの練習を行った。登山の下山中にザイルを使った方がより安全に下山できるという設定。

北村俊之講師の説明

 ロッククライミング訓練施設の上まで階段を使って登り、ザイルを固定し、固定したザイル(実際はすでに固定ザイルが張ってあるので、ロープは確保用にした)を使って下降した。

施設の上からの景色

この階段を安全に生徒を下す想定

少ない装備で立木等を利用する想定

次に、クローブヒッチの練習を行って実技終了。その後、北村主任の安全登山に対して講義があり研修を修了した。

北村主任の講義風景

 私は、2014年から研修所の講師で参加するようになり、今年で10年目となった。
 「物事を教えることは、覚えること」であって、「考えることは、気づくこと」だと思っている。つまり、研修ではなるべく教えず考えてもらうことが大切で、一番難しいところ。10年前の私は、「色々教えたい!」と思ってあれこれ話をしていたが、実はそれは違っていて、「どうしたら考えてもらえるか?」「どうしたら気づいてもらえるか?」というところが大切だと思っている。
 講師で参加しているが、教えているわけではなく教わっている。
-記・河合-

この記事を書いた人

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