令和元年の登り収め「爺ヶ岳東尾根(冬期)」

【爺ヶ岳東尾根(冬期)】19.12.27(白井良岳)
【2019年12月27日~30日】
【メンバー】L.白井、河合、遠山、村上、牧原(会友)

令和元年の年末に冬期入門コースの「爺ヶ岳東尾根」を登ってきました。
自分は過去10年ぐらい前の4月に爺ヶ岳主稜を登っている。
さて今回はまだ雪山入門者の遠山、村上、牧原もいると言うことで北アルプスの冬期コースでは入門コースの「爺ヶ岳東尾根」を登ることにしました。
転勤で半田市に行った村上と稲武町の役場駐車場で合流。牧原とは「道の駅安曇野」で合流。道の駅はちょっとテント泊しにくかった為、大町市運動公園へ移動して寝る。
残念ながらこちらのトイレは冬期閉鎖されていました。

28日 大町市運動公園—鹿島集落登山口7:30出発—12:30着1767mジャンクションピーク

それなりに冷えた早朝で運動公園より途中コンビニに寄りながら登山口へ移動。登山口には春日部ナンバーの車が一台駐車してあった。
この春日部ナンバーの方が単独ソロでずっとトレースを付けてくれました、ご苦労様ですm(__)m
荷造りして7時半頃出発。いきなりの急登で息が上がる。遠山、河合ペアはすぐに汗だくとなる。
先行PTがいてトレースが付いていた。途中二人組と抜きつ抜かれつしながら登って行く。
ジャンクションピーク先の1978mのピークがテント場としてはポピュラーであるが、充分ここからでもピークを狙えると判断。30分以上かけてピーク上にV6テントを設営する。
設営中にもあとから何パーティーも上がって来くる。ここには我々以外のテントを張るスペースは無いので皆上部の1978mピークを目指して登って行く。15人以上は先に行ったと思われる。
鹿島集落登山口で荷造り中

急登を登る遠山、村上、河合

急登を過ぎても登りはキツイ

「これで明日のピークまでの道はトレースがバッチリついているだろう」と皮算用をしてほそくえむ。
あとは好天の中、テントに陽が差してポカポカのテントで宴会である。
夕食はマッキーが用意してくれたすき焼きであった。持ってきた生卵一部が割れて残念そうであった。
天気予報も明日の好天を約束していて、満腹のなか幸せに包まれながら就寝であった。
気温もたかめで夜中もぜんぜん寒さを感じなく寝る事が出来た。
V6テント+外張りです。雪山に合うな~ダンロップは

水を作りながら宴会中

村上氏の力作 肉眼だとこんなに星って見えないよね

29日 ジャンクションピーク5:50出発—7:00着1978mピーク—10:00頃着白沢天狗尾根合流点—11:30着爺ヶ岳中峰—同ルート下山—14:30着ジャンクションピーク

早朝の4:00に起床する。すぐに朝食の用意。新しく会で購入したMSRのガスストーブが頼もしい音をたてながらお湯を沸かしてくれる。
昨晩のすき焼きの鍋の残りに水やだしの素を足してうどんを作る。
まだ暗い中アタックの用意をして出発。予報どうりに空には星空一杯で風も穏やかであり、とても冬のアルプスとは思えない天気である。
東の八ヶ岳連峰があるほうから赤くそらが染まりだし夜が明けてくる。
そのうちに爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳に陽が当たりだしモルゲンロートがはじまりだした。
皆もカメラを取り出し撮影タイムである。
村上君は今回も一眼の大型カメラを持ってきていて撮影に忙しい。あんな重いカメラを持ってくるのは若いうちだけである。
今回はたまたま天気がいいが大抵はあまり良くないことが多いので、わざわざ冬山に大きなカメラの出番はあまりない…
そのうちカメラの重さはお酒の重さとすり替わって行くのである。

夜明け

モルゲンロートに染まる爺ヶ岳

1978mピークに着くと予想どうりに多くのテントが張ってあった。しかし、予想に反してテントの中に人がいたり、これから出発の準備をしている。
「何でこんなにのんびりしているんだろう」と思った。したがって数パーティーしかまだ先に登っていなくてトレースがまだ整備不十分であった。
自分達は整備されたトレースがあると思ってワカンをテント場に置いてきてしまった。「まじかー!」と思いながらもしょうがないので歩みを進める。
案の定ワカンで歩いた後トレースでは足をよく踏み抜き歩きにくい。特に体重の重い遠山さんと河合さんは途端にペースが落ちてしまった。
唯一ワカンを持ってきていた村上君にワカンを履いてもらって先頭を歩いてもらう。
そんなこんな事をしていると後ろからワカンを装着した後続のPTが登って来て我々を追い抜いてゆく。
数百メートルをゆく先頭PTはラッセルに難渋している。今日中にピークへたどり着けるか心配になる。
白沢天狗尾根との合流点で河合と遠山はピークハントを諦める。思いを託された白井と牧原、村上の3人でアタックを試みる。
相変わらず先頭PTはラッセルを続けていた。我々はラッセル泥棒よろしく肩身をせまくして登って行く。
途中でラッセルをこなし休憩をしているPTの横を通過していくときはほんとに申し訳ない想いであった。
狙ったわけでは無いがほぼ先頭と同着ぐらいの時刻でピークに着いてしまった。ラッセル泥棒万歳!(やけくそ)
ずうずうしくピークで集合写真を撮ってもらう。天気がいいだけに360℃絶景であった。やはりこちらから観る雪景色の剣岳方面の景色が凄かった。
ラッセルする先頭集団

急な登りをワカンで登る村上
まだ先は長い
頂上で右から白井、牧原、村上

頂上からのパノラマ写真。真ん中に剣岳

そそくさと下山すると、河合さん達が白沢天狗尾根の合流点で待っていてくれた。
合流して慎重に同ルートを下って行きました。ガイドブックなのに記述がある痩せ尾根部分は全く問題なくロープなしで通過できました。
14時半頃テント場に到着。明日の天気が悪い予報の為か、夕方近く下山して行くPTもありました。鹿島槍へ縦走を予定していたPTも諦めて同ルート下山に変更していました。
今晩の夕食はマーボ春雨カレーでした。かかなかの絶品で皆の評価も高得点でした。
白沢天狗尾根との合流点で
ナイフリッジを下る

 

30日 ジャンクションピーク7:00出発—鹿島集落登山口10:00着—帰宅

5時に起床してのんびりお湯沸かして食事を作る。本日は最終日で下山するだけでいいので気楽なもんである。
よなかにパラパラと外張りをに当たる音で小雨が降ってきたかと思ったが雪であった。
雨じゃなくて雪で良かった。それぐらい暖かな夜でありました。
登ってきた尾根を下るにつれ雪もべとっとした感じなり撥水効果の着れたヤッケを濡らしていきました。
何とか集落登山口の駐車場に着き荷物を車に詰め込みお風呂へ向かう。
寄った大町市コミュニティーセンター上原の湯はこじんまりとしてますがいい湯でした。500円とお安い値段が魅力。

今回の山行は気温が高くまた好天に恵まれ本来の雪山の厳しさをあまり感じることができませんでした。
久し振りの雪山北アルプスと思って少し気合を入れてきましたがちょっと拍子抜けでした。
雪山経験のまだ少ないメンバーにとっては良かったのか悪かったのか意見が分かれると思いますが、全員無事に楽しく登って帰ってこれたの、でひとまずは良しとしたいと思います。

この記事を書いた人

クライミング全般大好きです。
仲間と楽しいクライミングを重ねて行きたいです。
一応現在チーフリーダーをやらせてもらっています。
愛犬、愛妻、愛娘と新城市で暮らしてますが、私が愛されているかは、解りません...

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