夏山合宿 剣岳 前半の報告

剣岳合宿前半の報告です。
日程 8月10日~8月13日
メンバー 河合、白木、網野
8月9日
 夜9時半に河合さんの家に集合。飯田山本から高速に乗り扇沢まで。2時頃に到着。
 一杯飲んで就寝。
8月10日 入山
 7時半のトローリーバスに乗って黒部ダムへ移動。ダムから登山道へ出たところで朝食を取っていざ出発(8時半頃?)。
 青空の下太陽に照り付けられながら歩く。少し歩くだけで汗だくに。
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内蔵助出会いから内蔵助平までのアップダウンのあるトラバース道は、暑さも手伝ってグダグダ。ほぼコースタイムどおりに内蔵助平到着。
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他のパーティーがパンツいっちょになって川と戯れていた。
内蔵助平からハシゴダニ乗越まで登り。とにかく熱いの一言。汗をかけばかくだけビールが美味い、と言い聞かせて歩く。
 ハシゴダニ乗越から剣沢方面へ少し行くと視界が開け、剣とご対面。八つ峰の東面大スラブ、源次郎尾根が見えました。ここからは下り。真砂沢ロッジの裏手にある雪渓まで下りる。雪渓の上は涼しくてよいですね。
真砂沢ロッジに14時半頃到着。ほぼコースタイムどおり。その後はテント張ってお酒。酒の席での話は、球面上の全ての頂角が90度の正三角形についてなど、非常に刺激的なものでした。おもろかったですね。
8月11日 源次郎尾根縦走
真砂沢BC5:00~源次郎尾根取付6:30~剣岳山頂11:00~長次郎左俣11:30~真砂沢BC14:00
 本日は源次郎尾根の縦走。4時に起床。5時にBC発。源次郎尾根まで剣沢雪渓を登り返す。
尾根への取り付きは二つある。一つは尾根ルートで平蔵谷側の尾根を登る。もう一つはルンゼルートで平蔵谷側の尾根と長次郎側の尾根との間のルンゼを詰める。尾根ルートが一般的らしく、踏跡もあったので、尾根ルートへ取り付く。
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しばらく木登りと岩登りのミックスを登って行くと、先行パーティーの順番待ちにぶつかった。そこで、尾根ルートからトラバースしてルンゼルートへ入り、傾斜の緩いスラブをつめる。と、先行パーティーから「落!」のコール。尾根ルートからルンゼルートへ落石があり、僕らに向かって落ちてきた。砕けながら落ちてくる石が僕らをかすめていった。
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ルンッゼルート
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落石現場
 落石もあったし、高度感も出てきたので、1ピッチロープを出してルンゼルートを登り、尾根ルートと合流。これで尾根ルートにいた2~3パーティー抜いた模様。
 そのあとは、踏み跡のしっかりした縦走路を歩き続け、もう1~2パーティー抜いて1峰へ。
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1峰への登り
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ポーズは昨日のテントで盛り上がった「三角形の内角の和は270度」の90度ポーズ
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1峰
1峰からはクライムダウンを交えつつ1・2のコルへ下降。
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2峰へ登り返し、2峰からコルへ懸垂下降。懸垂はロープ2本あればかなりの余裕をもって1回でコルまで下りられる。ロープ1本の場合、壁の途中にある中間支点を利用して二回に分けて懸垂するか、コルから5mほど上のテラスまで1回で懸垂し、そこからクライムダウンになるのだろう。先行1パーティーが懸垂下降していた。どこかで見たことのある人だな~と思ったのですが、頂上で判明しますが、この先行パーティーは春日井山岳会のSさん達でした。
 コルからは尾根がダイレクトに頂上へ伸びている。黙々と歩いて頂上へ。
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満員御礼の剣岳山頂でした。
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先行パーティーだった人たちの近くに行って休憩。河合さんと白木君に「あの人たちどっかで見たことあるんすけど」みたいなこと言ったら、「あれ~!こんなところで!」みたいなことに。春日井山岳会のSさんでした。とても楽しい瞬間でした。
 休憩後、僕らは長次郎雪渓へ。左俣から下降開始。
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 河合、網野は12本爪アイゼンで、がっちりと雪をつかむのに対し、白木君は6本爪で滑落停止を混じえ下降した。我が会長の浅田さんは、「ストックがあればピッケルはいらない。」という名言を信じない河合、網野は安全に下降し、白木君は貴重な経験をしていた。
 まったく長次郎雪渓の長いこと長いこと。途中、「テーマは?」という河合さんの提案により、一人ずつ話の種を出して会話を楽しみ、気分を紛らしました。BCに戻ってのんびりお酒を楽しみました。
8月12日 八つ峰Ⅵ峰Cフェース剣稜会ルート
真砂沢BC5:00~剣稜会ルート取り付き7:00~登攀開始7:30~登攀終了12:00頃~剣稜会ルート取り付き13:00頃~真砂沢BC14:00
 本日は予定ではⅥ峰フェースを2本登ることにしていました。しかし、剣稜会ルートでの順番待ちで時間を食ってしまったり、気分も満たされてしまったりなどの理由により、剣稜会ルート1本で終了としました。
 4時起床。5時BC出発。長次郎雪渓を詰めてCフェースへ。シュルントはありませんでした。取り付きに不要な荷物をデポ。行動食や靴を河合さんが背負ってくれて、網野トップで登攀開始。とはいえ、既に先行パーティーが数珠繋ぎ状態。ピッチをきる度にテラスで30分ほど順番待ちとなりました。安定した広いテラスばかりで助かりました。
1ピッチ目 Ⅱ級 30m 
2ピッチ目 Ⅱ級 40m
 2ピッチ目終了点の広いテラスでは2パーティーが順番待ち。その先もロープがFIXされているかのごとく人が登っていた。ということで、テラスで休憩。
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人がとにかく多く、確保点で長い暇つぶしトークがさく裂。
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人が「混みごみ」どした。
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3ピッチ目 Ⅲ級 40m
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4ピッチ目 Ⅱ級 20m
 リッジ沿いに行かずにフェースに突入すると、ちょっと難しくなる。白木君が突入していた。リッジを登る様子が絵になるので、写真撮影。(お約束の場所で、お約束のポーズを決める二人)
5ピッチ目 Ⅱ級 20m
 八つ峰縦走路へ出る。
 5・6のコルまで懸垂下降を交えつつ下降。懸垂支点は豊富でした。ただし、安全な下降ポイントを決めてそこ目指して降りられる懸垂支点を選らばないと、懸垂後に落石の集中砲火を受けます。
8月13日
 4時起床。5時、河合さん・白木君はBCを出発して下山。
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楽しい剣の前半も今日が最後。初めてのメンツ3人の合宿も昼に夕なに夜なも含め盛り上がりました。
 大量のお土産をテント内に置いていってくれました。ありがとうございました。後日大変助かることになりました。
 網野は河合さん・白木君を見送った後、BC近くでボルダリングをして時間をつぶしました。後発隊の白井さんを迎えに行くため8時半ごろBC出発。11時半ごろ内蔵助平にて白井さんと合流し、14時ごろ真砂沢BCの我が家へ帰ってきました。
 5時に網野さんと名残惜しくも別れた白木・河合はがんばるモードで歩き、6時50分に内蔵助平に到着、8時30分にダムの直下に到着。そして、白井のアニキと合流!
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9時35分発のトロリーバスにて扇沢に移動しました。
記 網野 写真 河合、白木
追記
 真砂沢に入ってからは本当にあっという間の3日間でしたが、今思い返すといろんなことを経験したと改めて実感します。初日の源治郎尾根や山頂から見た八峰、長次郎雪渓、立山などが今でも目に焼き付いています。そして、長次郎雪渓左俣で6本爪のアイゼンだったこと・・・(笑)2日目のクライミングでは河合さん、網野さんの的確なアドバイスのもと何とか上ることができました。順番待ちの時間も景色を見ながら楽しく過ごし、初ホンチャンクライミングを満喫することができました(^^)前から行ってみたかった源治郎尾根やクライミングなど、大満足の合宿でした(^^)/河合さん、網野さん、ありがとうございました。 記:白木
追記
 山を高校から初めて30年も過ぎてしまいましたが、初めての源次郎尾根。初めての八ツ峰6峰クライミングで貴重な経験をさせていただきました。思えば、いつも朝早くから暗くなるまで歩くのが夏山だと思い込んでおりましたが、何と、昼の3時から毎日「おビール」をいただき、「おウイスキー」なぞもいただき、楽しいトークなぞを盛り込んだ山行を、人生において初の経験をさせていただきました。しかも、毎日でございます。病みつきになったのはいうまでもございません。こんな、山行計画がございましたら、次回もお誘いくださいませ・・・。 -記・河合-

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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