谷川連峰沢登

★ 山行名【谷川連峰沢登】
★ 年月日【8月11日~14日】
★ メンバー【宮尾、田中、鈴木、上田】

前年の春山合宿で縦走した谷川連峰。田中君と今度は沢登りに行こうということで、宮尾君、
東京からは鈴木君も参加しての合宿になった。
10日、宮尾、田中、上田で19時豊川出発。飯田から高速で中野・豊田ICまで。
R353の峠越えから湯沢、関越トンネルで土合に1時過に着く。鈴木君は大宮からなので早
めについており、無事合流。土合駅前にテントを張って一杯やった。

●当初計画
・11日~12日 湯桧曽川本谷(1泊2日 3級)
・13日~15日 西ゼン(日帰り2級上)~赤谷川本谷(1泊2日 3級)
●ルート1:利根川水系 湯桧曽川本谷 8月11日~12日

8月11日 晴れ
朝7時前に起きて土樽橋手前、白毛門登山口の駐車場に車を止めて8時10分出発。湯桧曽川
沿いの遊歩道のような道を進む。谷底は平で歩きやすい。朝のさわやかな空気で快適に歩く。
9:30 一の倉沢出合いへの分岐通過。壁に朝日があたりくっきりと見えた。10:00-15 巡視小屋
で休憩。右前方はるか上になだらかな笠ヶ岳の頂上が望める。10:40-11:00 武能沢より沢を少
し下降して本谷に入渓する。すぐに花崗岩の明るいゴルジュで魚止めの滝である。ちょっとし
たバランスで乗り越し、ゴルジュも右岸から難無く越えていく。沢床に下り進むと左から白樺
沢が出合う。小さな滝とナメ床が続き美しい。12:15 赤淵で向きを90度右に変え、続く廊下
は左岸のバンドを快適に進む。今度は12:25 ヒョングリ滝手前で90度左に向きを変える。

 

湯桧曽川 十字峡

明るくて傾斜のゆるいスラブを進むと正面に抱返り沢が急な連瀑を懸け圧巻である。正面に抱
返り沢、右からは大倉沢、本谷は直角に左に曲がり十字峡である。13:03 通過。鉄砲尾根を
正面に見て進み、20mの赤滝は水流の左からロープを出して田中君がリードして通過。続く
美しいナメと釜を楽しく越えて行く。3条10mの滝は左のチムニーから登る。七ツ小屋沢が
正面から出合うが本流は右側の3m滝を上がって行く。キャンプ適地の小さな河原を過ぎ、
最初の送電線下を通過ししばらく進むと15:45 10m垂直の滝。ロープを出して右の垂壁から
宮尾君がリードして左上する。いくつかの残置ハーケンがあり、水流の中よりは容易に思えた。
周囲は赤い岩質に変わって釜のある6mと7mの二段の滝。(16:50)左岸を難無く高巻く。
10m+10m+20mの大滝。17:10 下部はやさしい階段状、中段は左のルンゼから樹林に
入り、草付のトラバースで落ち口へ到着。降雨時など条件が悪ければザイルを出した方がよさ
そう。優しい河原になり17:30 峠沢出合いに到着。(送電線の下) 何とか2張り張れて今日
のねぐらとする。

 

湯桧曽川でビバーグ

8月12日 晴れ
5時起床 静かな朝で外での朝食は実に気持ちがいい。睡眠不足も解消し、快調である。


 

湯桧曽川 10m垂直の滝

7:05 出発 いきなりの小さな廊下と小滝を越えると10mの空中落下の滝で右の草付を快適
に登る。あとは河原歩きで7:35 二股を通過、右股に入って行く。このあたりもさほど広いテ
ント場は無い。両側が狭くなり源流の様相になる。8:10-20 1470m地点で休憩。小さな滝を越
えながらぐんぐん高度をかせぐと水流の少ない左沢が稜線まで上がっているのが見える。
9:10-25 1670m地点で休憩。振り返ると清水峠の鉄塔と上越のマッターホルン・大源太山の鋭
峰が見える。源頭となり、なぜかこの高度でハイマツが現れる。さほど濃い薮漕ぎは無く
朝日ヶ原に出る。池も点在してきれいな所である。10:20-55 朝日岳に到着。快晴で谷川連峰
始め越後の山や尾瀬や上州の山がはっきりと見え最高の気分である。3人パーティの年配の
女性や、2人パーティで朝日岳北東面のナルミズ沢を登ってきた若者も楽しそうである。
炎天下の縦走が始まる。景色はいいが標高はあまり高くないので風が止むと暑い。一ノ倉沢
や幽ノ沢の岩壁を眺めながら、よもやま話をしながら賑やかに進む。12:05-20 笠ヶ岳到着。
直下の避難小屋には昨年春、降雪で停滞したおりにお世話になった。いったん樹林の鞍部ま
で下りそ少し登ると白毛門である。13:15-30 樹林の急坂をひたすら下り、14:15-35 1320m
地点で休憩。15:50 取り付きの河原に到着。暑さと乾燥で結構疲れたが河原の冷たい水が気
持ち良かった。どこかのアドベンチャークラブだろうか、ヘルメットやライフジャケット、
お尻にマットを着けた6~7人のグループが現れた。キャニオニングという遊びのようである。
駐車場でテントなどの干し物をした後、水上温泉あたりまで下って食事。4人共大盛りで満腹。
スーパーが空いていて買い出し。一昨日同様、土合駅前でテントを張った。

8月13日 晴れ 西ゼン遡行
5時半起床。コンビニで行動食を買い足して、関越トンネルで新潟側へ。赤谷川遡行後の下山
を考えて鈴木君の車だけ万太郎谷の林道(吾策新道)に置きに行く。支度をしてから宮尾号に
4人乗り込み、毛渡沢の林道に回る。林道680m地点から8:05歩行開始。スタートまでに結構
時間を費やしてしまう。15分程でバッキガ平の吊り橋である。仙ノ倉の山側の登山道をた
どって9:35-10:00 大根下し沢出合到着。これより入渓する。
ゴーロ帯を歩くと最後に左へ入り過ぎて少し戻り右に入る。イイ沢が左から入るとしばらく
で、11:00-15 東ゼンと西ゼンの出合に着く。スラブが開けた明るくてすばらしい場所である。
東ゼンは西ゼンに比べるとナメの幅は狭いがそれでも明るく上部に大きな滝が望める。第1
スラブまではほぼ水流かその右側をいくが、滑りそうな角度の場所は右側の草付の境界を行く。
浮き石が出てくる。120mの扇型の第1スラブが迫力で迫ってくる。12:20 第1スラブ入
り口。水流の中を快適にフリクションを利かせて登りだんだんと高度感が出てくる。出口の
段差が越えられず、右側の草付から巻く。ちょっと嫌らしいが広々とした草付のトラバース
で第2スラブ入り口に降り立つ。13:05 第2スラブ入り口。階段状の滑滝を快適に登る。


 

西ゼン 第2スラブを登る

陽が傾き水が流れるスラブが光ってとても美しい。上部ではまた少し傾斜が増す。鈴木恵ちゃん
はスラブでのフリクションの感触がまだ慣れないようで慎重に登って行く。第2スラブの出口
は中央部は厳しいので左の階段状から右に回り込み狭くなった小滝を快適に高度をかせぐ。
13:55 第2スラブ出口通過。
もはやよくある源流部になる。14:10 1650m付近の薮の入り口に着く。これ以降左股の別れ
が2つ程あって右を取る。思いの外の笹や潅木の薮で、少しでも薮の薄いところをと右左と
探しながら進むが逃げ道はない。解説ではうまくいけば30分の所を1時間以上の薮漕ぎに
なり、ようやく15:55 登山道横の池とうに着く。あ~疲れた。途中からは沢筋から笹薮の踏
み跡でもあったのかも知れない。
いつの間にかガスが出て幻想的な雰囲気。池から少し上がった背丈の低い笹薮上にテント
を張る。外で一杯やっているうちに晴れてきた。18:37 苗場山に落日。夕焼けを見ながらと
てもいい気分だった。
予定では今日中に仙ノ倉山を越えて赤谷川めがけて下降しようということだったが、大幅時間
遅れ。天気も下降気味なので明日は下山することにする。

8月14日 曇り後雨
5:00起床 朝食前に平標山へ散歩。仙ノ倉山はガスと朝日に遮られかすかに見える。テントに
戻り、朝食を取っていると1パーティが池に上がってきた。昨日毛渡沢の林道で駐車していた
関西のパーティ。薮の中でビバーグして大変だったとのこと。笹穴沢を継続で登るとのこと。
関西の沢は熟知してみえるパーティのようだった。
のんびりと下降。8:30 矢場の頭、西ゼンのスラブが良く見える。9:35 大根下し沢出合に到着。
早くもポツポツきた。途中から本降りとなった。車を回収し、湯沢でお風呂と昼食を取り、
大宮から来た鈴木君とは解散。我々は行きと同じルートで帰豊した。

<感想・上田>
4日目までいい天気でラッキーだった。谷川の沢はアルプス程のスケールや豪快さは無いが、
非常に明るく楽しい沢登りだった。今回は人気の高い湯桧曽川本谷と西ゼンという特徴のある
2本を遡行でき谷川の沢の良さを味わうことができた。最近は沢中2泊以上の長い沢に行って
いないので来年はどっぷりと浸れる沢に行ってみたいと思う。

―記・上田―


		

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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